龍神村殿原のフジバカマ園では、昨年は約2/3のコバノフジバカマが白絹病の被害を受けて、関係者全員ががっかりすることになりました。この数年にわたり、フジバカマ園を拡大されてきた杉本町子さんたちは、一時は維持をあきらめたこともあったようです。しかし、創設当初のアサギマダラ飛来の感激を再現したく、隣の休耕田にフジバカマ類の苗を植えて、新たに復活を試みているところです。
その旧フジバカマ園を使って、白絹病に対するフジバカマ類の種ごとの耐性、予防法の確立、駆除法の試験などを行えないかと考え、杉本さんから許可をいただきました。その結果の一部を報告します。
まず、種ごとの耐性についてです。昨年10月以降に日高川町の自宅、三十木廃校のバタフライガーデンのフジバカマ類を、殿原フジバカマ園の白絹病被害による空き地に移植しました。これまでの結果は次のようです。コバノフジバカマ自体は、弱いことがわかっているので、石灰を投入しました。他は石灰なしです。
種類 植栽群落数 被害割合 被害指数
コバノフジバカマ野生株 7 19/20,1/3,3/15,3/8,18/20,1/6,4/9(49/81) 0.60
コバノフジバカマ白花品種 1 1/6 0.17
フジバカマ原種 5 6/7,2/6,3/16,0/16,1/8(12/53) 0.23
タイワンヒヨドリバナモドキ 2 0,0 0
高士仏澤蘭(台湾茂林) 2 2/20,5/10 (7/30) 0.23
被害割合は、ほぼ枯れたり、全体に葉が赤くなった株の割合です。白絹病にかかると、徐々に葉が赤くなり、その葉がしおれて、最終的には株が枯死すると考えています。今赤くなっているものも白絹病に罹患していると判断しました。また、葉が赤くなって枯死する原因には、白絹病以外にいろいろあるようです。そこも追及できていません。
結果は、白絹病に強いと言われていたコバノフジバカマ野生株もやはり弱いということでした。強さとしては、タイワンヒヨドリバナモドキ>コバノフジバカマ白花品種>高士仏澤蘭=フジバカマ原種>コバノフジバカマ野生株、という順でした。植栽群落数が少なかったり、白絹病の菌核が植栽地全体に含まれていない可能性もあるので、参考程度のデータです。
よろしくお願いいたします。