石井 様
小林敏です
JLreqは,“附属書C 文字間での分割の可否”に示されています.前
が欧文用文字,後ろが欧文用文字の場合,その字間では分割不可で
す.そして,“附属書A 文字クラス一覧”に“欧文用文字”の一覧は示
されており,その中には記号や括弧類も含まれており,それらとの
字間では分割不可となります.簡単にいえば,分割したい場合は,
その字間にスペースを入れなさいということです.
例えば,終わり括弧類の後ろに欧文用文字が配置される場合,その
終わり括弧類が欧文用文字であれば分割不可となります(一般にはここには欧文用スペースが入るでしょうが,原稿では入っていない場合が多い).終わり括弧類が文字クラスの“終わり括弧類”に含まれていれば分割可です.
もっとも,あくまで,JLreqは日本語組版の中に入る欧文用文字の
扱いということに限定されますが.
なお,10kmという数字と単位が組み合わさった場合,“10”と“kg”
の間で分割してよいかどうかは意見の分けれるところです.分割可
とする考えと,不可とする考えがあります.JLreqでは,“10”を連
数字,“kg”を単位記号として扱う場合は,分割可としています.
ここでも,記号やコンマ,ピリオド,括弧類などの前後で行の分割
を認めたい場合,欧文用スペースを入れる,ということが常識がど
うかだと思います.特に日本人の書く原稿では,日本語の部分での
コンマ,ピリオド,括弧類の前後にはスペースを入れないので,欧
文でのコンマ,ピリオド,括弧類の前後にもスペースを入れない原
稿をよくみかけます.また,これらが行中に来た場合,コンマ,ピ
リオド,括弧類の前後にスペースがないとおかしい,と私は思いま
すが,読めてしまうという現実もあります.
これを考えると,記号や約物の前後での分割とを認めてよいかどう
かが問題となるのでしょう.しかし,そこまで考える必要があるか
どうか,私は疑問に思いますが,どうでしょうか?
Koji Ishii さん wrote