[ビジネス知識源プレミアム] 1413:株価バブル崩壊の2024年 2024年3月1日

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Dentsudai Thai OBs & OGs

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Mar 1, 2024, 1:16:52 AMMar 1
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リーマン危機から16年の、過剰信用が破裂する
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今朝の日経新聞朝刊で、2024年からの株価にとって驚くべき発表がありました。損保4社の、顧客企業との株の持ち合いを「数年」かけて解消する、つまり2024年から持ち合い株を売るということです。
原因の発端は、自動車修理の「ビッグモーター」で明らかになった「偽装修理」です。持ちこまれた車にはなかった傷を係員がつけ、保険金を過大請求したという事件です。顧客の直接の損にはならないので長年放置されていました。(注)ただし、あとで自動車の自損保険料の基準が上がるという損害が生じます。事件は、修理工場に出向していた損保の担当も過大保険金(詐欺的修理代)の損保への請求にかかわっていたことも示します。損保が過大な保険金を支払っていた理由は、保険金の支払いが多いと次年度以降の損保の保険料(損保の売上)を高く申請できるからです。
(注)交通事故は、2002年の80万件から2023年は30万件へと38%に減ってます。車の損害保険金、障害・死亡保険金の支払い件数は、38%に減っています。ところが保険料は、あれこれの付帯保険をつけて下がっていない。
(総務省;交通事故統計)https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001621948.pdf

テーマ1:金融機関と事業会社の、株の持ち合いの解消命令

この犯罪的な合議(癒着)が長年続いた根底の原因は、日本特有の「株の持ち合い」です。持ち合いの両社が、同じ利益を得ることを行ってきたからです。金融庁は独禁法の観点から目をつけ、「損保に株の持ち合いの解消を命じた」のです。4つの大手損保の役員132名も金融庁から処分を受けたくらい、損保業務に広範囲な不正がありました。4つの損保の、株の持ち合いは6.5兆円であり、4社だけでは大きくはない。波及する問題は、政策保有株という銀行と企業の株の持ち合いです。その金額は簿価で100兆円と大きい。上場株の時価総額950兆円の11.5%にあたります。銀行と株式持ち合いの企業にも、隠然としたお互いへの便宜供与があります(独占禁止法違反)。たとえば車の会社なら株持ち合いの銀行に安く売っています。銀行は融資、金利、貸し付けの好条件として便宜を図ってます。金利は自由につけることができるからです、金融庁の、損保への持ち合い解消の命令は、銀行の持ち合い株にも出されているでしょう。そうするとこれから数年(3年〜5年か)で、持ち合い株100兆円が売りに出されます。

【持ち合い解消で売られる株は100兆円】
数年を最長で見込んで5年としても、機関投資家から、「100兆円÷5年=20兆円/年」の持ち株が売りに出ます、1か月平均では3.3兆円の売りです。年間で10兆円、1か月で8300億円に増えた「自社買い」が、2022年から2024年の株価を上げてきた原動力でした。時価増額に対しては、米国企業の自社株買い並みに増えています。2024年以降は10兆円の自社株買いが続いても、持ち合いの解消から、他方では年間20兆円(月間1.6兆円)が金融機関と事業会社から売られ続けます。年間20兆円、月間1.6兆円の株を買い越す主体はないのです。
売られた株を買い越す主体としては、海外ファンド、個人投資家しか残らないからです。つまり持ち合いの解消として金融機関と事業会社が売りに出した株は、指し値では売れず、成り行き売りになって価格が下がります。今後数年、この売り超を構造的にしたのが、今回の金融庁の行政命令です。

◎1990年の資産バブル崩壊は、3倍に上がった地価の上昇をつぶすための、日銀の不動産融資規(窓口規制)と利上げが起点になったものでした。今回は、金融庁による株の持ち合いの禁止からになるでしょう。金融の規制が、バブル崩壊になることが原理です。
持ち合いの解消は100兆円の損保・銀行からの株の売り越しですから、株に回るマネーの規制になるのです。金融庁にこの認識があるかどうか?

◎持ち合いの解消が、いつ始まるか不明ですが、行政命令ですから最長でも6か月後からでしょう。歴史上の最高値に上がった日本株(日経平均:3万9880円)が、買い越しが増え、上がる要素はなくなったように見えます。すでに決定した未来になるので、読者に知らせる必要があると思ったのです。
(注)株式市場では、ここに書いた見通しには、まだ至っていません。繰り返し言えば、株の11.5%の持ち合いは、日本固有の現象です。持ち合いは、自社株買いと同じように保有が続くので、売られる流通株を減らしてます。
日銀の株ETFの買い(簿価37兆円:時価会計なら62兆円)と、GPIFの日本株の保有(58兆円)と重なって、株価を高い水準に上げる要素になってきました。日銀もGPIFもまだ保有株を売っていません。しかし買い増すことはしなっています。日銀は、保有国債(598兆円)の、含み損を解消するため、逆に売りの機会を窺っているようです。含み損の推計23兆円です。日銀の自己資本は11兆円なので、国債の時価評価をすれば、現在、12兆円の債務超過です。

【流通株が24%は少ない東証の市場】
株価の時価総額900兆円のうち、1)持ち合い100兆円、2)日銀が時価で58兆円、3)GPIFが国内株55兆円、合計で213兆円(24%)が、事実上、市場には出ない株であり、流通株を減らして、価格水準を高くしていのです。国民の年金を運用しているGPIFが株を買うことは、正当でしょう。しかし、通貨の価値を守ることが使命の日銀が、国債と株を買うことは本来、金融政策としては規律違反です。事実、世界の通貨発行券ともつ中央銀行で株を買っているのは、日銀だけです。危機になった銀行への日銀融資はいい。しかし、企業の劣後債(=株)への融資である株買いは、金融規律(節度)への違反です。これが、2013年のアベノミクスからうやむやになっていました。多くの上場企業において、113兆円の株をもつ日銀と政府系のGPIFが筆頭株主になっています。資本主義でなく、共産党が株をもつ国有企業が民間企業になっている、中国の金融社会主義に類似しています。
金融機関と事業会社が、
(1)お互いに売らない安定株主になって、流通株を減らして株価を支え合う。
(2)事業経営への、株主のガバナンス(トップ人事と経営方針への関与権)を弱めることが、日本の金融機関と、事業会社の経営方針でした。損保、銀行、事業会社の合作がこれです。

テーマ(2):政治家と企業の癒着

企業のパーティー券購入と政治家の癒着と同じ構造が、持ち合い株にはあります。企業がパーティー券を買うとき、20万円以上(10枚以上)では、政治資金報告書に企業名が出ます。企業側は、自分が命令できる関連会社・子会社に分散して、1件が20万円未満になるようにし政治家のパーティー券を、1回200万円や300万円買ってきたのです。2万円のパーティー券を買う個人の支援者は少ないからです。

【パーティー券は、政治家個人への事実上の企業献金】
これは実態では法で禁止されている企業からの寄付金に相当します。政治資金規正法では、政党にのみに献金ができるとされています。政治家個人への企業献金はできない(個人の献金はできます〜。このため、30年位前からじゃ、派閥と政治家の、企業からの政治資金集めである偽装パーティー開催が増えたのです。業種では公共事業の請負先である土木・建築と政治家は、癒着しています。各種業界の企業団体とも癒着があります。農協、漁協も同じです。企業には「公正な価格競争を促す独禁法への違反」が多い。これをよしとしているのは、パーティー券を買っている経営者です。国民が許容していると言えます。ビッグモーター事件は、ビッグモーターに限ったものではない。2024年からは、長年の、日本企業の経営慣行も修正される年度です。1980年代の後期に、ある大手銀行の支店長は、株の持ち合いを提案してきたのです。「経営面でのお付き合いへの進化です」と言っていました。

【流通での癒着問題】
当方は2010年代に、経産省の流通問題委員会で、独禁法の主旨を活かすための「ロビンソン・パットマン法的な法の立法」を提案したのですが、実現しませんでした。他の委員会にも出てくる、重用(ちょうよう)されていた御用学者たちは、経産省に阿(おもね)っていたのです。残念です。省庁の周囲に、たくさんの御用学者が生息しています。政府はこれを民間の学識経験者としています(民主主義)。論文や著書の内容と数ではない。根拠は、中央官庁への近さです。経済系、理工、医学系の大学教授は政府委員になることで、ハクをつけます。相互互恵があるのです。東大の英文学教授だった夏目漱石が、もっとも毛嫌いしたことです。ロビンソン・パットマン法は、企業間の商取引(メーカー〜卸〜小売業)において、経済合理性がなく公正ではないリベートを禁じるものです。この法が作られると、日本に多い癒着的な価格と商品流通の根幹が変わって、公正価格に向かいます。公正価格は、最終的に商品を買う国民のためのものです。
過去から、リベートを不当に多くとると評判のある企業が、利益が大きくなって、その後も業績を伸ばし店舗数を増やしている現状を見て、暗澹たる気分になります。企業名は言えませんが、クレディスイスが健全だったときの株式アナリスト向けの、非公開の講演では「企業分析を間違えないように」と事例に挙げました。

【日本の将来への、もっとも大きな課題】
日本には、顧客や国民の利益ための立法は行われにくい、政治と官庁の風土があります。政治家が献金を、官僚は天下りの便益を企業から得ているからです。米国には、企業献金を偽装する抜け道(スーパーPAC)はありますが、基本は個人献金の国です。日本は、企業献金の国です。これを是正に向かわせないと、日本の将来が暗くなります。国民に向かう志と倫理のある官僚と政治家は、この国にはいないのか?
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