世界の体制を変える戦争と選挙イヤーの2024年
2020年からコロナパンデミック、ウクライナ戦争、ガザ・イスラエル
戦争、世界の大災害という世紀的事件が連続するなか、経済では、株
価と不動産の資産バブルが発生しています。
2024年から26年は、第二次世界大戦から80年のサイクルの世界的な体
制転換でしょう。このなかで、国内のメディアは「金魚鉢のなかの政
治的な混乱」を報じるだけです。
【パーティー券収入の不当な処理問題】
2022年7.8の、安倍元首相の暗殺のあとの、政治に本質的な裏金問題
も、形式的な派閥の解消に終わる感じです。しかし自民党は、派閥の
マネーが絆(きずな)の血液になって作られた政党ですから、裏金問
題の発覚は、派閥の問題になって自民党を分裂させます。
自民党のパーティー券事業は、党では違法ではない政治活動とされて
います。実は、これこそが、自民党がマネー活動(=政治活動)の政
党だったことを示すのです。国民は、パーティー=政治活動=マネー
とは考えない。しかし自民党の派閥では、マネー=政治活動費だった
のです。今回、国民の非難がとくに強い。国民の投票で議員の身分が
得られる政治家にとって、致命的です。選挙区の後援会の反応から、
これが分かります。
【体制と法と制度】
メディアが言わないので、ひとびとには世界ぐるみの「通貨をからの
体制の転換」が見えていない。昨日までの世界の仕組みと制度が少し
変更されてもそのまま続くと考えているでしょう。
仕組みと制度は、法的な、集団のメタ領域のものです。
個人が知覚できる物理的な領域とは次元が違います。
われわれは、サルトルが言った「即自的な事実」と「言葉が生む観念」が
分離された世界を生きています。
定冠詞のThe Windowはこの具体的な窓を表します。不定冠詞のA
Windowは「窓の抽象概念」です。英語を習ったときこの違いを不思議に
思わなかったでしょうか。The Windowはある(この窓)。しかし、A
Window(窓という概念)はどこにあるのか。人間の観念のなかです。
言葉は、観念を伝えるものです。写真ではない絵画は、画家の観念で
しょう。
例えれば、具体物の富士と、北斎の富士。音楽の演奏と楽譜。映画と
小説。株価と、金融の全体。日本という国とその法と制度。商品の価
値と、価値を表すマネー。
【米国では『Project2025』という政策の提言文書を公開】
日本では、国民の手で国の仕組みと制度を変えたことはない。戦争も、
国家が行うものであって、個人は国家の前に無力でした。法も議会が
作る。
しかし本稿で紹介する、保守派のヘリテージ財団が書いた『Project
2025』は、マネーの根底にある仕組みを、
1)資産格差をなくした国民の豊かさと、
2)資産バブルと、バブル崩壊のない経済的な安定を目的に、FRBの金
融政策を転換させる狙いをもつものです。
資産バブルは、経済にとって過剰な増刷された中央銀行のマネーが作
るものです。バブルの極点での崩壊は、金融緩和のなかで増えた「債
務の不良化」によるマネー量の縮小を示す、金利の上昇から起こるも
のです。といっても分からないかもしれません。
順次、解説します。
【戦後日本の転換】
1945年8月15日の、敗戦のあとの転換は、全く違っていました。1)戦
前の貴族制の廃止、2)財閥の解体、3)地主の土地を安く政府が買い
上げ、国民の80%だった小作農に解放した農地改革、4)交戦権を禁
じた新憲法、5)国の防衛を駐留米軍に依存する日米安全保障条約が
作られたのです。
敗戦のあと、破壊された国土と人民は同じでも、法と制度では、天皇
制は残しましたが、根底から転換されました。戦争、徴兵、飢餓と食
糧不足、都市空爆で苦しんでいた多くの国民は敗戦をむしろ喜ぶかの
ように、「新世界」に向かった。戦争と体制を転換させた敗戦が、誰の
目にも見えるものでした。
国民はたぶん明るかったのでしょう。その証拠に、1年に250万人の子
供を産んだのです。現在は、77万人。人口は7200万人から1億2400万
人に増えています。1945年比では1.7倍です。しかし、1人の女性が産
む子供の数(出生率)は1/3に下がり、人口は、1年に0.6%(70万
人)ずつ、減っています。子供を産まない社会の原因は、何でしょう。
考えてください。将来への希望がないのか。物価上昇を引いた実質賃
金の上昇が期待できない経済的な問題か。敗戦のあと、経済と所得の
水準は、ひどく低かった。しかし、国民の心のなかでの未来の期待成
長率は1990年代の中国のように高かった。
2020年から、とりわけ連続して起こっている世界の大事件では、日本
人のたぶん99%には原因が見えない。コロナパンデミック、ウクライ
ナ戦争、ガザ・イスラエル戦争、安倍元首相暗殺の、真の原因をメデ
ィアが調査し報じることはない。
推測の原因を示せば、「陰謀論」とされて非難されSNSからも抹消され
て、追放されます。言論統制や始皇帝の「焚書坑儒」にあたるものです
が、統制とはされていないとう異常な「正常」があるのです。
安倍元首相暗殺の原因(目的と首謀犯)と共通することから、安倍派
潰しが目的に見える、「パーティー券裏金問題」が起こっています。い
や「起こっているように見える」としておきましょう。
首相の辞任のあと99名の派閥を率い、三期目を狙っていた日本の最大
権力をもっていた政治家の暗殺は、明確な目的があって、実行される
ものです。残った派閥が、なぜ裏金問題の中心とされ解体のターゲッ
トになったのでしょう。米国の裏の支配があるとされている(これは
事実です)財務省と検察の意図がどこにあるかわかります。安倍元首
相の残党を消したのでしょう。
物的な証拠は出ない。状況証拠はゴマンとありますが、歴史の闇に葬
られるでしょう。状況証拠は、直接の証明ではなく背景、関係、派生
して起こったことから事実を推定し、裏付けできる根拠となるもので
す
【1つの事実に対して、2つの真実】
米国でも、政治・経済・軍事的な事実が、民主党(現在の主流派)と
共和党(現在の反主流派)で2つの「真実」になっています。
事実が1つなら真実も1つですが、人間の党派的な真実は、対立してい
ます。しかし、50年経つと大統領から開示される政府調査の機密文書
は残っています。大きなものを示します。
【代表的なパラレル・ワールド】
党派的な真実
〔事実〕 〔反主流派〕 〔主流派〕
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ケネディ兄弟の暗殺 CIAの策謀 vs 狂信的な単独犯
9.11の同時多発テロ 軍とCIAの共謀 vs アルカイダの犯行
2003年イラク戦争
CIAのでっち上げ vs イラクの大量破壊兵器
2020年 コロナパンデミック
米軍+中国軍の生物兵器 vs コウモリ由来の自然
2020年 地球温暖化
化石燃料は原因ではない vs 化石燃料が原因
SDGsは無意味な投資 vs SDGsは有効
2020年 大統領選挙
不正は郵便投票の20%だった vs 不正は一切ない
議会襲撃は警察が誘導 vs トランプの教唆
2021年〜 コロナワクチン
超過死亡と副反応が多い vs 副反応は軽微で少ない
2022年〜 ウクライナ戦争
米国の策謀だった vs プーチンの侵略
ウクライナ側の優勢 vs ロシアの勝利
2022年 安倍元首相暗殺
国際機関の策謀 vs 山上単独犯
2022年 天然ガスのノルドストリーム破壊
米国とノルウェーが実行 vs ロシアが行った
2022年 トランプの起訴
トランプは無実 vs トランプは有罪
2023年 ガサ・イスラエル戦争の原因
イスラエルの策謀 vs ハマスの大量テロ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
歴史的な大事件について、「事実=政治的真実」となるときが、いつ来
るでしょうか(来ないのか?)。大統領選に出るトランプと第三党の
ロバート・ケネディJRは、この全部に対して、反主流派の見解を述べ
てます。
一方、民主党とバイデンと主流メディアおよびG7は、主流派の見解で
す。事実は、神の領域のものですが、法的な真実は人間の観念(メタ
思考の考え=社会知)です。
判例が法になる、慣習法の米国では、政治が絡む裁判の法的な真実は、
現在の主流派である、民主党の見解に基づいています。トランプが有
罪、バイデンが不起訴になるのは、米国の裁判が政治的なものだから
です。
古代から「神から預かった預言=実は宗派的な真理でした」と言われて
きたものは、
・抽象的なメタ思考の領域は、近代の哲学と経済学によって、
・物理的な領域のものは、科学的な実験によって覆されてきたのです。
(16世紀のルネサンス以降の、科学的な学問)。
【科学的な統計と標準偏差】
統計学(=確率論)では、有益性が高い成果は、標準偏差でしょう。
物理的に計測すれば、平均付近の現象が多いので平均が意味をもちま
す。ところが、現象は平均的なものだけではない。世論調査や工学で
使う統計学は標準偏差の分布についての、平均の学です。
地震の予想も、標準偏差の確率によるものです。150以上は危ないと
する高血圧の治療も、健康体の標準偏差から来ています。ガンの診
断・治療、治験での医薬の効能検査もサンプリングと標準偏差により
ます。
リスク保証の契約額が、米・欧中心に、6京円以上(世界のGDPの5
倍)もある、デリバティブ証券の作成で使われる「ブラックショール
ズ方程式」は、期待金利、想定リスク率、時間から、未来価格の確率
の、「0.25%の幅=2倍の標準偏差」を計算したものです。
れわれは神ではない。株価の未来予想は、標準偏差(年間に延長した
ものがボラティリティ)の2倍(=95%)の範囲の、実現確率として
しか、とらえることができない。立方体のサイコロの目を当てること
ではない。しかし、人劇的な未来では1回振ったときの確率は、回数
を重ねると1/6に収束すると言える。
【金融商品の価格の標準偏差】
売買で価格が決まる、相場のある金融商品のリスクは、数学的には無
限大ですが、95%の範囲(±2×標準偏差の幅)端の2.5%としか見な
いというのが、ブラックショールズ方程式です。
デリバティブ(=一例はコール・オプション料の計算)では、価格予
想の標準偏差の端、40年に一度とされている暴落が起こる2.5%には
備えていない。
大地震、戦争、大量死は起こらないという前提で、デリバティブであ
る生命保険、損害保険、自動車保険、デリバティブのCDS(債権回収の
保証保険)と、CDO(複合CDS)が成立しています。
◎事実や人や集団が起こした事件が、過去になったあとの歴史学は、
戦争に勝った側が作る党派的なものです。
【戦勝国の「正義」が支配する】
明治以降の日本史は、第二次世界大戦で勝った米国と英国を正義とす
る史観で歪んでいて、日本人の正義によるものは、まだない。このた
め、「日本をとりもどす」と言っても、どの日本を指すのか、不明です。
神も決められない両国の正義が衝突するのが、戦争です。
米英が介入した「日本が引き起こした大東亜戦争」が、何を目的にして
行われたか、80年後の現在も、闇のままです。
戦後日本の外交は、米英の正義をもとにした「謝罪外交」です。
政治は、戦勝国の米国に、従属の一辺倒になっています。
国連では、ドイツと日本に対する「敗戦国条項」が、死文とはさても、
政治的に生きています。日本は戦勝国が作る安全保障理事国(米国、
英国、フランス、中国、ロシア)の敵国です。
【テーマ:Project 2025】
米国でトランプの復活を期して保守系シンクタンクのヘリテージ財団
から、『PROJECT 2025(原文は約900ページ)』として発表されていま
す。(原文↓)
メディアの解説には色がついています。原文にあたってください。コ
ピーしてGoogleやチャットGPTで翻訳をかければいい。テクニカル・
タームを除けば、95%くらいは正確です。
https://thf_media.s3.amazonaws.com/project2025/2025_MandateForLeadership_FULL.pdf
◎内容を読むと、1913年からの米国の金融・経済の歴史を、保守派の
立場で転換する「革命の文書」です。
【米国の政策を提言してきたのは、5大シンクタンク】
米国の内政・外交・軍事の重要な政策は、政党に付属する5大シンク
タンクがその内容を作ってきました。ヘリテージ財団は、保守派の代
表であり、強力な組織です。
全部の政府組織の政策、軍事、移民、医療・保険行政、経済政策、国
債発行と金融政策にわたって、合計では900ページも書いた浩瀚(こ
うかん)なものです。根拠となる米国の20世紀からの歴史と政府と
FRBの金融政策が間違えてきた理由も示しているので、長くなってい
ます。
【FRBの機能を転換し、廃止するという章】
本稿では、「FRBの廃止」についての章の、衝撃的な原文を挙げ、翻訳
し解説します。全体を数百人の著名な学者が書いています。イデオロ
ギー的正義に対する学問的成果が盛り込まれているからです。
「これが真のアメリカ人だ」と感嘆しました。意味不明なことも述べる
トランプは政治的な神輿のお飾りでしょう。2025年から、世界と米国
に起こるのはトランプ革命ではない。米国の伝統的な保守派による革
命(大転換)です。
2023年末からは日本のメディアも、遅ればせにトランプ有利と報じる
ように変わりました。しかし基本的なところでは、先に挙げたパラレ
ル・ワールドの、民主党側に帰属しています。
歴史を転換させる『Project 2025』を読むことも解説もしない。トラ
ンプ・ポピュリズムとしか言わないはずです。
この態度では、日本は2025年からマネーの面で「大損」をします。米国
の、2025年からの外交政策、金融政策、輸出入の政策の真意がわから
なくなるからです。
【日本への危惧】
日本の政治家、エコノミスト、政治学者、官僚にも『Project 2025』
を読む人は現れないようと思います。これは、2025年以降の日本を一
層没落させます。
私も含む、われわれの「曇った意識の覚醒」の助けになるよう、ビジ
ネス知識源のシリーズで、解説します。
本稿は、第1号として、2025年からの世界に驚天動地の事態を引き起
こす「FRB(連邦準備銀行)の廃止=自由銀行化」をとりあげます。
これがもっとも衝撃的です。2008年の、リーマン危機以来16年のFRB
のマネー増発策を停止するというものです。
【資本を奪われた戦後日銀についての、歴史的な予備知識】
FRBの廃止は、事実上の東京支店である日銀の廃止と一体にならねば
ならない。日銀は、敗戦のとき約760トン(時価では7.6兆円)の金地
金をマッカーサーの占領軍に「FRBの保護預かり(カストディ)」とし
て没取され資本だった「金」の利用権をなくしてFRBの東京支店になっ
たのです。事実上は、日銀が米国FRBの資本になったことと同じです。
760トンの金は、米国が勝手に決めた戦争の賠償金でした。
日銀がいくらでも増発でき、通貨の価値が下がる信用通貨の円を没収
しても米国にとっては無意味です。事実、戦費国債の償還分として戦
後に満期がきた国債を現金化し、資本を失った日銀から増刷された円
と円国債はハイパーインフレを起こし戦前の1/180に減価しました(1
ドル=360円、戦前の1930年代は1ドル=2円付近でした)。
信用通貨は中央銀行が任意に増やせます。しかし金は、政府が鉱山で
掘らないかぎり増やせない。江戸時代まではあった金鉱はわずかにし
か残ってない(鹿児島県の菱刈鉱山が年間6トンの金を掘っています
:時価600億円)。産金国から買うしかない。中国は年400トンの金を
生産して輸出を禁じ、ロシアは300トンの金を生産しています。
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トランプ再選後の、米国の政策転換を示す『Project 2025』の、衝撃
的な内容の解説の2号目です。文書のFRBの章は、FRBが抑圧してきた
「国民(世帯)」の、実質的な資産の増加への転換を説くいています。
〔事実である根拠〕FRBのドル増刷は国家財政のためであった。国民
のためのものではなかったとしています。ケインズ発祥のマクロ経済
学は、国家単位で経済を分析し、インフレでの賃金の貨幣錯覚を使用
し、失業の対策の財政拡大(インフレ政策)を説いたものです。
〔ケインズ理論〕貯蓄の超過が不況を生む。そのときは、政府が国債
を発行して貯蓄を吸収する国債を発行し、国債を中央銀行が買って通
貨を増発すれば不況は終わる。これは、1年の短期では効果がある。
数年以上続くとマネーが滞留し効果がなくなってインフレになるだけ
です。
(注:知識)貨幣錯覚:物価上昇4%;賃金上昇4%より(実質賃金上昇
は0%)、物価上昇6%;賃金上昇6%(実質賃金はマイナス2%)を好
む国民が多いこと。国民が名目賃金を実質賃金と錯覚すること。
ケインズ経済学には、国民の貨幣錯覚を利用した政策提言が多い。
ここが、近代経済学のイデオロギー性です。通貨の増発が経済を成長
させるというMMT(現代貨幣論)にもつながっています。
〔MMTだった8年間のアベノミクス〕流動性(現金と預金通貨)の流通
速度が低下する経済からの脱却を目指し、「マイナスの実質金利であ
る500兆円の円」を増刷したアベノミクスの8年は、MMT論の実行でもあ
ったのです。マネーの流通速度は、「GDP÷マネーサプライ」で計るこ
とができます。
〔流動性の罠が発生する〕マイナスの実質金利(名目金利<期待イン
フレ率)の預金は損をします。損をする預金が増えても実体経済の投
資と需要は増えず、別の金融商品をぐるぐる回る状態が「ケインズの
流動性の罠(マネーの流通速度の低下)」です。株価と不動産だけが
上がり国民所得(=GDP)が増えない状態を『Project2025』は、国民
経済の抑圧としています。
◎政府から抑圧されることのない国民経済(会社と世帯の経済)を説
く『Project 2025』は、日本では登場することのない論文です。
【分断国家の米国】
水曜正刊の1号目では、
1)事実と政治的な裁判が相反し、米国が2つになっているパラレル・
ワールド(民主党が主流派)の転換、
2)そして「FRBのドル増刷機能の停止と自由銀行化」についても書きま
した。この2号目は、その続編です。
CNN、ワシントンポスト、NYタイムズより民主党側である「ニューズ・
ウイーク」は、文書(900ページ)の内容へのコメントは示さず、「極
右の政策文書」というレッテル貼りをしています。どこがなぜ極右な
のか、当方には分からない。この非論理性が、民主党側に立場を置く
グループの反応です。
米国では公正であるべき裁判でも政治的になっていて2つの顔になっ
ています。米国の法と裁判にはイデオロギーの色が濃い。
米国人は「Fair」であるべきだと、日常でも言いますが、現代米国は、
選挙・政治・ビジネス・財政・軍事でフェアな国ではない。事例とし
ては、2020年の不正選挙とトランプ裁判が典型です。フェアの概念が
わからなくなっているのです。
民主党側(政治的左派)と共和党側(政治的保守派)の米国には、真逆
の分断があります。2020大統領選挙でも、共和党支持者の約70%は
「不正選挙だった」としています。一方民主党側は、厳格・公正な選挙
だったという。
米国の主流メディアが言う公正とは、民主党サイド立つことです。ト
ランプは、数々の違法行為(犯罪)を犯した嘘つきであり、不公正な
独裁的人物とし、民主党のバイデンは民主的、公正、穏健とする。メ
ディアのバイデン評価は、ひどく甘い、
しかし・・・トランプが正式に再選されると、政治的な裁判において
も、2020年大統領選挙は不正選挙とされます。おかしなことですが、
これが不法移民の問題を含んで、政治的事象に党派性が、一層高まっ
てきた米国です。
日本の政府とメディアは、日経、産経、読売、朝日、毎日新聞を全部
含み米国民主党側への偏向(バイアス)があります。米国が師とされ、
戦後政治、経済、軍事では米国の支配があったからです。
〔1月末のFOMC〕24年1月末のFOMC(9つの連銀と政府の公開市場委員
会)は、市場の「利下げ期待」に対し、短期金利(5.25%〜5.50%目
標)の維持を発表しました。3月のFOMCでも、期待されている利下げ
をしないことも示唆しています。
◎FOMCを受けて、利下げを織り込んでいた、PER31倍と高い米国ナス
ダックは、2月1日には2.23%急落しています(その後は再び上昇)。
S&P500は1.51%、ダウは0.82%の下落。1日に2.3%の下落は、月間
に延長すれば、開場日20日の平方根(=4.5倍)ですから10.7%の下
落に相当します。
日経平均(単純平均)では、値がさ株のユニクロ(1株3万9200円)と
半導体の東京エレクトロン(同2万7970円)の株価シェアが大きいと
いう歪みがあります。両社が上げているのでまだ下がっていせん。し
かし、日経平均は、若干の時間が遅れて米国株を追う性質をもってい
ます(80%くらいの追随性)。
『Project 2025』では、FRBの金利調整機能と通貨増発機能の停止
(たぶん2025年〜)を書いています。ただし今回のFOMCの、利下げ延
期の決定は『Project 2025』の実行を反映したものではない。
【2024年の、物価予想に不透明さが高まっている】
下がっていた原油価格が1月16日の72ドルから76ドルに上がったこと
からFOMも、
1)米国物価の低下率の鈍化、
2)世界物価の基礎である物流費の上昇を予想したからでしょう。
原油価格は、エネルギー・資源・食料を含み、全部の物価の基礎です。
普通は価格を下げる、1)中国輸入の減速と、2)米国の増産(100万
バーレル/日)のなかで、中東の戦争情勢への危惧から4ドル(5.6
%)上がったのです。
〔注:知識〕イエメンの軍閥のフーシ派は反イスラエルです。アジア
と欧州を結ぶスエズ運河がある紅海の海峡を、通行する商船をドロー
ンとミサイルで攻撃し、封鎖しています(バブエル・マンデブ海峡の
封鎖:約1か月)。
アジアから欧州へのコンテナは、アフリカの喜望峰を回るため、時間
が約2か月は余分にかかます。
米国とイランの戦争に発展すれば、原油の通路のホルムズ海峡(幅
3km)は封鎖される可能性が高い。イランは日本、中国、アジア、西
側経済を崩壊させる武器を、もっています。封鎖されると原油・天然
ガス・鉱物資源の価格は3倍に高騰します。
イラン次第です。米国のバイデンは、原油価格高騰からのリセッショ
ンは、11月選挙で不利になるので避けたい。こうした恐怖の均衡の上
にあるが、ホルムズ海峡です。
ホルムズ海峡封鎖でひどく被害を受ける同盟国の中国があるので、イ
ランは慎重ですが可能性は30%か? いずれにせよ、懸念は多い。
日本のメディアは資源・エネルギーそして食料の安全保障の脆弱(ぜ
いじゃく)を報じません。経済の安全保障は政府のもっとも重要な責
任領域のものです。海運と商社は、平時の輸出入経済の安全保障を果
たしてきました。
〔知識〕世界のコンテナ船の輸送費は、スエズ運河に通じるバブエ
ル・マンデブ海峡の封鎖で、1500から2700へと1.8倍にあがっていま
す。海上輸送費+陸上輸送費が、物価に占める割合は7%から10%で
す。日本を含む世界の陸上輸送費(国内物価の約5%部分)もドライ
バー不足から2025年の高騰が言われています。
原油価格の再高騰を導くかのように、コンテナ船の運送費+海上保険
料が急騰しています。
(世界の標準コンテナの輸送費:1月24日)
https://moverdb.com/ja/コンテナ輸送/
【トランプは24年1月末から政治活動をしている】
有力度が日々高まっているトランプは、すでに「2025大統領に認証」さ
れたかのような言動をして議会と軍を動かしています。FRBについて
のトランプの関与はまだ不明ですが、パウエルFRB議長は、一期目の
トランプが任命しました。
◎先日は、1)中国輸入関税を60%に、2)世界からの輸入関税を10%
に上げると言い、3)米国の、政治的な最大の問題である不法移民は
強制送還すると言っています。
【軍事面】
トランプのMAGA(米国一極主義)では、世界から軍を引き揚げるとし、
一国経済に向かっています。日本では、政府が慌てて「トランプ対応」
の準備を進めています。最大の問題は、トランプが6年前に安倍元首
相に言っていた、駐留米軍のグアム島への撤収です。
【民主党の対応】
民主党候補はまだバイデンです。民主党は、広告費を使って敵側の共
和党のニッキー・ヘイリーの応援(=トランプ降ろし)に躍起です。
「トランプは民主主義を破壊する独裁者」であるとしています。(注)日
本の新聞も同じ論調です(事例:日経新聞)。
民主党がいう「民主主義」と「独裁者」の定義は、どこにもない。
党派が、敵方を攻撃するプロバガンダ以外ではないのです。
この二つの言葉の、意味の説明が、できますか?
【冷戦終結後、米国内に二つの世界が作られた】
地球的・歴史的に考えると、1990年の前の世界は、ソ連中心の共産主
義圏が、西側の反世界でした(冷戦体制)。両方の貿易もなかった。
米国・欧州・日本は、自由主義・市場経済とされました。世界は二つ
でした。
1989年のソ連崩壊から、世界は米国の一極覇権になっていった。この
ため今度は、米国が、
・戦争とグローバルリベラリズムの民主党、
・一国主義の保守派(共和党)の政治的世界に分断されたのです。
『Project 2025』は、保守派の政策文書です。
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