[副島隆彦の学問場道]#3094  岸田首相の安倍派つぶしは、ただの政界抗争(権力闘争)ではない。統一教会の解体だ。2023/12/14

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Dentsudai Thai OBs & OGs

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Dec 15, 2023, 3:09:35 AM12/15/23
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副島隆彦です。今日は、2023年12月14日(木)です。私は、ずっと黙って、この2週間、日本の政界(自民党の政権政治家たちの動き)をネットに載るニューズを追って見ていた。岸田首相が、12月6日から、急に、パー券資金還流(キックバック)問題(という悪慣行)を理由に、安倍派の幹部たち「5人組」を、切る(閣僚、3役を辞任させる)と言う動きになった。始まりは、安倍派の、一応、幹部の塩谷立(しおのやりゅう)座長が、11月30日。キックバックを認める発言をした。

副島隆彦です。 岸田首相の次の首相の座を、安倍派99人を背景にして狙っていた、見るからにワルの萩生田光一(はぎうだこういち)政調会長も辞任した。あと残っているのは、岸田首相のとなりに、いけしゃーしゃーと女政治家代表の顔をして、座っている、高市早苗(たかいちさなえ)である。安倍晋三の盟友である。松下政経塾の2期生である。統一教会系の大姐御(おおあねご)である。 鬼のような、眉毛が吊り上がった顔の、あのまま、岸田の隣りに座っている。彼女は、安倍派を出ているが、まだ来年9月の自民党総裁選に出る、と息巻いている。[中略]

今度の、政変劇は、これまでの政界抗争とは、質と濃(こ)さ濃度が全く違う。これは、ただの自民党内の派閥抗争ではない。岸田の宏池会(こうちかい。吉田茂の系統)が、清話会(せいわかい。日本右翼の議員たちの集まり)を追い詰めて、勝利した、という、ような小さな話ではない。世の中では、「あっぱれ、岸田が、やりよった」というような、“床屋政談(とこやせいだん)”レベルの話ではない。この政変あるいは、政局(せいきょく)には、日本の国家総体としての大きな決断が有ったのだ。ただ単に、法務省・検察庁が、「安倍の内部からの垂れ込み(証拠の提出)があったので」、動き出して、安倍派の幹部たちを追及して、政治資金規正法の違反で、刑事罰を与えようと、ということだけでは済まない。法務省・検察庁、さらには最高裁もだけでなく、各省の官僚トップたちと、財界(経済界)、さらには天皇家(皇室)の意思までが、大きく纏(まとま)って、統一教会(安倍派)を、日本の国家体制から、排除、切除する、という決断のもとで動いている。① 反共右翼(その中心は統一教会の会員60万人)ではない、②の温厚なる保守の者たちが、大同団結して、①の 統一教会を、カルト宗教団体であり、これ以上、日本の社会を宗教汚染させるわけにはゆかないと、高度のところで
判断した。それに対して、「安倍派だけではない。裏金を配っていたのは。岸田政権そのものが危ない」と、今も足掻(あが)いて、「岸田の派閥もやっている」と書く者たち自身が、本当は、日本のテレビ、新聞の中に潜り込んでいる、統一教会の信者、活動家である。評論家や新聞記者、研究員の肩書をしている。統一教会は、 世界基準では Moonies ムーニーと言う。創業者の文鮮明(ぶんせんめい。ムーン・サンミョン)の頭文字から付けられた英語名だ。アメリカ帝国の首都のワシントンの政界までも、激しく汚染している。ビクトリア・ヌーランド国務省次官(アンダー・セクレタリー)が、公然たるMoonies ムーニー である。ドイツの外相の女、カナダの外相の女、ポーランドの閣僚たちなど、公然と、このMoonies である。みんなは、「とてもそんなことは信じられない」と言うだろうが。ヨーロッパ諸国の政府までも、このように潜り込んでいる。世界中の政府や政党に潜り込んでいる。真に恐ろしいことだ。だから、日本にも、こうやって政治家(安倍派)にたくさんいるのだ。

創価学会(500万人ぐらい )の中にも、2割ぐらい統一教会が潜り込んでいる。公明党の県議とか市議の中にいる。だから、公明党が、恐れをなして、統一教会を、公然と非難しないで、ここまで来た。そして遂に怒って、岸田首相と山口奈津男公明党委員長が、「自公連立政権として連携して、今度の動きに出た。立憲民主党と国民民主党の代表(党首)も、おかしい。統一教会の色が付いている。野党の議員たちの中も統一教会員が潜り込んでいて、とても健全な、野党勢力として、自民党に取って替わる政権など、今や、作れない。それから、日本の労働組合運動の、総本山(ナショナル・センターと言う)である、連合(れんごう)の会長をしている、奇怪な女、芳野友子(よしのともこ)も、統一教会員である。松下正義(まさよし)という、統一教会の男が育てて、「とにかく日本共産党を許すな」で、遂に、日本の労働運動までも乗っ取った。この反共右翼の者たちを、何とかしないと、本当に日本国の危機だ。岸田首相が、腕組みして、空を仰ぐように、目を閉じて思案し、ところが、顔つきが少し明るくて、にやりと笑っているようにも見える写真が、写っている。[中略] だから、今度の闘いは、岸田の大勝利だ。そして、新しい官房長官には、3か月前に、外相を更迭されて、一歩うしろに退(ひ)いたように見えた、林芳正(はやしよしまさ。宏池会のNo2)が、今日から就任した。今日の新聞の顔写真を見ると、元気いっぱいで、やる気十分だ。 いい面構(つらがま)えになった。以前のような、にやけた坊ちゃん笑いをしなくなった。岸田が、あと2年、首相をしたら、そのあとは、林芳正だ、と、彼の顔に書いている。岸田と林は、この20年間、安倍晋三から、虐(いじ)められ、怒鳴られて、それでも、我慢に我慢で、口答え(反論)しないで、ずっと耐えに耐えて来た。安部と同じ山口と、となりの広島が選挙区(地盤)だ。自分の地元もひどく汚された。政治家の一番大事な資質(ししつ)は、我慢することだ。これを、このふたりはずっとやってきた。だから、私はこの2人は、偉いと思う。そうして、岸田が、ついに、人生で一度の大(おお)勝負に出た。それが、今回の、日本の国体(こくたい。国家体制)の上層部の総意を取り付けたうえで、安倍晋三の死(去年の7月8日)から、1年半経(た)って、ようやく、今回の安倍派解体、統一教会を日本の国家体制から切除手術する、という動きに出た。だから、今、私たち、日本の反(はん)自民党、反(はん)権力(リベラル派)の人間たちがするべきことは、岸田政権を打倒しよう、ではなくて、この一幕だけは、岸田文雄を応援して、「頑張れ、岸田。安倍派=統一教会 を 徹底的に叩き潰せ」と応援することだ。私、副島隆彦は、このように考えます。安倍派が、岸田内閣倒閣(とうかく)、退陣(たいじん)の動きを、先に仕掛けて来た。6月ぐらいからだ。それに対して、岸田はじっくり準備した後、反撃に出て、安倍派を解体に追い込む戦略に出た。

今日は、詳しく書かない(これまでにたくさん書いたので)が、「最高検察庁内の、大幹部だった、統一教会の黒川弘務(くろかわひろむ)」を検事総長(検察庁のトップ)にしようと、を安倍晋三が首相として押し切ろうとした2020年の問題以来の、法務省検察庁内の、「もう、これ以上。統一教会が、法務・検察の中で蔓延(はび)こるのは許さない」という堅い、決断があった。 安倍派=統一教会が、日本の国家体制を、これ以上、乗っ取ることを、阻止する、と、厳しく決意していることを示している。「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済に関する法が12月13日成立した」のとおりである。この統一教会を解散、解体の追い込む、日本の国家体制としての意思と、今度の、安倍派を自民党内の派閥として解体、消滅させる動きは、同時進行である。再度、書く。今、日本の国家体制そのものが、安倍派潰しと軌を一にして、統一教会を日本国家として解体し排除しようとしているのである。統一教会問題になると、私、副島隆彦は、ものすごく厳(きび)しい表情になる。なぜなら、この20年間、私は、統一教会は、人類に食らいついた癌(ガン)細胞だから、切除(リムーブ)手術をしないといけない、と各所で書いて、ずっと言論で闘って来た。鈴木エイト氏たちが現れる前からだ。その為に、私は、統一教から命を狙われて来た。今は、統一教会が大混乱だから、その隙(すき)で、統一教会 の別動隊である、エホバの証人と 参政党(さんせいとう。神谷宗幣=かみやそうへい=参議院議員が代表。ここは、幸福実現党の支持票、175万票がそのまま移転して別物になり替わった政党)が、私の命を狙っている。だから、私は、注意、用心して生活している。今回は、ふつうの、政治家たちどうしの権力闘争(power struggle  パウワ・ストラグル これは左翼用語。 power strife パウワ・ストライフ こっちは普通の政治学用語 )の、政界抗争ではない。ただの派閥抗争の、蹴繰(けたぐ)り合いではない。これを、ただの自民党内の、いつもの勢力争いだ、で済ます気が、私は、初めから無かった。だから私は、ずっと黙ってこの2週間の政局(せいきょく。これは内閣の解散、政権の交替を含む政治言葉だ)を見ていた。

私が、はっきり分かったことは、再度書くが、あの岸田の、腕を組んで、ひとりで、天を仰いだり、あるいは、にんまりする顔は、これはただの政界抗争ではない。統一教会を、日本の体制の外側に追放する、という日本の支配層の、共通した意思から生まれた健全な判断である。私は、この動きに賛同する。それでも、安倍派の中にいる、福田派系(30人ぐらい。今は、福田達夫=ふくだたつお=が長)は、一切、名前が出て来ない。安倍が死んだあとの、返り咲き親分のドンの森喜朗(この男は、大暴力団の山口組の一番上だ)は、「萩生田を辞めさせるな」と騒いでいたが、もう黙った。麻生太郎は、あれほど、安倍晋三と仲が良くて、ふたりで日本の汚れた政治をやっていた。それなのに、「自分は麻生派で宏池会だ」で、安倍派の自壊(じかい)に対して、知らん顔をしている。自分が生き残ることで精いっぱいだ。茂木派(茂木敏充=もてぎとしみつ=が、青木幹雄から奪い取った旧経世会。竹下昇派)は、やや距離を取りながらも岸田を支えている。菅義偉(すがよしひで)元首相は、安倍の葬式で、熱のこもった追悼文を読んだ通り、やっぱり、この男も、統一教会だったのだ。宏池会系は、もともと、右翼やゴロツキのような、政治ゴロたちの蠢(うごめ)きである暴力団体質がない。おカネで汚(よご)れない。だから、上品に官僚たちと同居して官僚たちに操(あやつ)られる。それと、アメリカと絶対に喧嘩(けんか)しない。言うことを聞く。ケンカして自分たちが潰されないようにである。しかし、面従腹背(めんじゅうふくはい)で、アメリカからの厳しい、理不尽な、「日本は、もっとカネを出せ」の要求に何とか抵抗する。

今の日本は、不況が30年も続いて、精一杯頑張っても、岸田の宏池会の「軽武装(けいぶそう)経済優先」の宏池会の政治で、生き延びるしかない。日本国民の生活は、青息吐息で、すさまじい大量の貧困層を抱えて、やっとのことで生きている。それでも、まだ、日本国民は耐えられる。アメリカ帝国が、先に崩れるまで、堪え忍ぶだろう。なぜ法務・検察が、本気になって安倍派を狙っているかというと、それは、「2019年7月の参院選広島選挙区 を巡る大規模買収事件」の時に、広島に東京の検察庁から派遣されて、河井案里のカネ配りを調べていた、30歳の、若い優秀な検察官が、統一教会に、殺されたからだ。この事件は、週刊誌に書かれた。しかし、警察には手を出させないで、自殺で処理した。その時以来、若い検察官たちすべてが、「捜査中の事件の検察官を殺すとは何ごとか」と、自分たちの仲間を殺されて、殺気立って怒り狂った。法務・検察の幹部たちも法曹(ほうそう)仲間の弁護士業界の親分たちも、「もう、あいつら統一教会を、日本の国家秩序は、絶対に許さない。根絶やしにする」と、なった。このことは、私は、佐藤優氏との対談本でも、詳しく語った。
[中略]
私は、明日(15日)発売の、私の恒例の中国本の新刊書『中国は嫌々(イヤイヤ)ながら世界覇権を握る』(ビジネス社刊)の中で、韓国(本当は北朝鮮)発祥の、統一教会を、今もまったく非難しないで、その同伴者となっている、 日本の ①反共右翼の者たちのことを書いた。それと、この①に引き摺られたままの②生来の温厚な保守の人たちへの、怒りを書いた。是非、読んで下さい。


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