発行しました!(GAU+69号)世銀「ヘルス・ワークス」はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現を主導できるか

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Masaki Inaba

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Feb 6, 2026, 8:14:04 AMFeb 6
to ajf.glob...@gmail.com
皆様 こんにちは。(bccにて複数のメーリングリストにお送りしております。重複申し訳ありません。)

「グローバル・エイズ・アップデート・プラス」第69号を発行いたしました。

今号では、世界銀行・WHO・日本政府による協調イニシアティブ「ヘルス・ワークス」を軸に、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)をめぐる最新の国際保健政策動向を取り上げました。2030年以降の「ポストSDGs」時代を見据え、UHCが国際保健の共通目標としていかに再編・強化されつつあるのかを考察しています。
また国際保健トレンドとしては、米国トランプ政権が進める「米国第一国際保健戦略」の下でのアフリカ諸国との二国間協定の動きに注目し、病原体情報の確保や地政学的意図が保健協力に与える影響を整理しました。
海外最新情報では、スーダン内戦下で深刻化するHIVの「静かな緊急事態」、不平等とパンデミックの悪循環を指摘したG20向け報告書、世界銀行グループとグローバルファンドによる新たな連携、さらに米国における小児ワクチンスケジュール見直しの動向など、国際保健をめぐる多層的な課題を紹介しています。

2026年も、国際保健政策の構造的変化と現場で起きている現実の双方に目を向けながら、情報発信を続けていきたいと考えております。何卒、よろしくお願いいたします。

稲場 雅紀

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Global AIDS Update

GLOBAL AIDS UPDATE PLUS (+)
グローバル・エイズ・アップデート・プラス

#再刊第69号  #New Edition No.69
2026年2月4日   February 4, 2026

「グローバル・エイズ・アップデート」は、メールマガジンとして、2004年に創刊し、隔週刊で世界の最新のHIV/AIDSや国際保健の最新情報を紹介してきました。

国際保健のトレンド変化の中で、2020年6月より、グローバル・ヘルスの深層をより広く取り上げる新たなメールマガジンとして、月刊で再出発します。(原則、各月第1水曜日発行)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の地球規模の拡大などを踏まえ、今後の国際保健政策のトレンド変化をとらえつつ、世界の市民社会の声を伝えていきます。

再刊第69号  目次

1. 国際保健アップデート

● 世銀「ヘルス・ワークス」はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現を主導できるか

2. 国際保健トレンド

●  アフリカ諸国との二国間協定で病原体情報の確保を狙う米国トランプ政権

3. 海外最新情報

 ● スーダン内戦におけるHIV:長期化する紛争の中で静かに進行する緊急事態

 ● G20に向けた報告書:不平等がパンデミックの発生確率を高め、致死率とコストを増大させている

 ● 世界銀行グループとグローバルファンド、プライマリー・ヘルスケアおよびHIV、結核、マラリア対策強化のための新たな覚書に署名

 ● 米国保健福祉省、小児ワクチンスケジュールを見直し、少ない接種回数の推奨を計画

国際保健アップデート

世銀「ヘルス・ワークス」はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現を主導できるか

2026年1月25日

2025年12月6日、東京・港区の「赤坂インターシティ・カンファレンス」で「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ハイレベル・フォーラム」が開催された。フォーラムの開会セッションでは高市早苗総理のビデオメッセージが公開された他、片山さつき財務大臣が、途上国の保健財政の能力強化を旨とする研修機関「UHCナレッジ・ハブ」を東京に設立したことを宣言した。また、10月のIMF・世界銀行年次総会で発足した、UHC促進のための世界銀行・世界保健機関(WHO)・日本政府の協調イニシアティブ「ヘルス・ワークス」の下で策定された15か国の「国家保健コンパクト」(National Health Compact)が公開された。このイベントは、2030年以降の「ポストSDGs」時代に向けた、国際保健政策の「UHC」への収斂を方向づけるとともに、国際的に「UHCの『首都』東京」を印象付けるものとなった。

国際保健トレンド

アフリカ諸国との二国間協定で病原体情報の確保を狙う米国トランプ政権

2026年1月31日

米国トランプ政権は、9月に定めた「米国第一国際保健戦略」に基づき、これまでと大きく異なったやり方でアフリカ諸国等への保健・医療援助を再開するために、アフリカ各国との二国間協定の締結を急いでいる。ケニアは12月4日、米国との間で5年間、25億米ドルの供与を受けて実施する「保健協力枠組」を調印し、最初の協定発効国となったが、一週間後の12月11日、ケニアの高等裁判所はケニア消費者連盟(COFEK)の提訴を受けて協定の効力を停止した。ケニアが協定に署名した翌日、ルワンダが協定に署名。その後、1月9日までに合計14か国が協定に署名した。その中には、ナイジェリアやエチオピア、コートジボワールなど人口・経済規模の大きな地域主要国も含まれている。米国は今後、フィリピンなどアフリカ以外の国も含めて4-50か国と保健協力の二国間協定を締結し、保健援助を再開する予定にしているが、アフリカ地域の主要な地域・人口大国である南アフリカ共和国やタンザニアなどは、米国側の政治的な意図に基づき協定締結の対象国となっておらず、また、ザンビアやコンゴ民主共和国など鉱物資源の豊富な国については、資源開発に関わる二国間協定の交渉と関連付ける動きなどもあり、他国に比べて交渉の進捗が遅れている。

海外最新情報

スーダン内戦におけるHIV:長期化する紛争の中で静かに進行する緊急事態

HIV in Sudan's war: a silent emergency amid a protracted conflict

The Lancet HIV
2025/12/22 | https://www.thelancet.com/journals/lanhiv/article/PIIS2352-3018(25)00374-1/fulltext

【2025年12月22日、グラスゴー(英国)発】エジプトの南の隣国で、世界保健機関(WHO)の地域区分で「東地中海」(一般的には「中東・北アフリカ」を意味する)に分類されるスーダンは、2023年4月、スーダン軍と準軍事組織である「迅速支援部隊」(RSF)の間で勃発した戦争に突入した際、HIV対策が驚くほど脆弱な状態にあった。2019年の最新の全国推計では、地域差が顕著であったが、成人のHIV有病率は0.2%にとどまっていた。一方で、HIVとともに生きる人々の中で、自身の感染状況を認識していたのは37%にとどまり、さらにそのうちの22%のみが抗レトロウイルス治療(ART)を受け、ウイルス量のモニタリングをしていたのはさらにそのうちの10%に過ぎなかった。これらのギャップは、地域全体でHIV罹患率が上昇する中で拡大していた。

G20に向けた報告書:不平等がパンデミックの発生確率を高め、致死率とコストを増大させている

Report: Inequality Is Making Pandemics More Likely, More Deadly and More Costly

UNAIDS
2025/11/03 | https://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2025/november/20251103_pandemic-inequality

【2025年11月3日 ジョハネスバーグ(南アフリカ共和国)発】2025年11月、世界経済の重要な課題について議論するために、G7諸国と各大陸の主要国合計20か国・地域機構(欧州連合・アフリカ連合)で構成されるG20の首脳会議を前に、ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・E・スティグリッツ氏 Joseph E. Stiglitzらが共同議長を務める「不平等、エイズ、パンデミックに関する世界評議会」Global Council on Inequality, AIDS and Pandemicsは、2年間にわたる研究成果をまとめた報告書を発表した。この報告書は、「不平等がパンデミックを引き起こし、パンデミックがさらに不平等を深めると」いう悪循環が世界中で起きていることを明らかにし、その解決策を提示している。

世界銀行グループとグローバルファンド、プライマリー・ヘルスケアおよびHIV、結核、マラリア対策強化のための新たな覚書に署名

World Bank Group and the Global Fund Join Forces to Strengthen Health Systems and Expand Sustainable Health Financing

The Global Fund
2025/12/06 | https://www.theglobalfund.org/en/news/2025/2025-12-06-world-bank-group-global-fund-join-forces-strengthen-health-systems-expand-sustainable-health-financing/

【2025年12月6日 米国・ワシントンD.C. / スイス・ジュネーヴ発】世界銀行グループ World Bank Groupと、途上国におけるエイズ・結核・マラリア対策に資金を拠出する国際機関である世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド) Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria は、プライマリー・ヘルスケアの強化およびHIV、結核、マラリア対策の持続可能な資金提供を目的とする新たな覚書に署名した。

米国保健福祉省、小児ワクチンスケジュールを見直し、少ない接種回数の推奨を計画

HHS planning to overhaul childhood vaccine schedule to recommend fewer shots, source says

CNN
2025/12/19 | https://edition.cnn.com/2025/12/18/health/hhs-childhood-vaccine-changes

【2025年12月20日】米国保健福祉省 US Department of Health and Human Services(HHS)が、米国の小児向け推奨ワクチンの接種スケジュールを大幅に見直し、接種回数を減らす計画を進めていることを2025年12月19日に関係者がCNNに明かした。新スケジュールは、欧州のデンマーク王国が推奨する予防接種スケジュールに近づける内容となる見込みだ。

編集後記

今年の初出張はフィリピン、マニラ首都圏のケソン・シティで、「アジア債務と開発民衆運動」(APMDD)主催の「アジア・世界債務キャンペーン戦略会議」への参加でした。今月の記事「G20に向けた報告書」にもあるように、ポスト・コロナのインフレ対策のための利上げにより、特に低所得国や下位中所得国は、これまで開発のために借りた資金の利子が高くなり、返済金が国家予算を大きく圧迫し、保健や教育など社会開発に資金が回らない状況になりつつあります。こうした状況を改善するために、90年代の構造調整政策を終わらせた「債務帳消しキャンペーン」などのような大きな運動が必要ではないか、また、現在ある債務問題解決の枠組みであるOECDやパリ・クラブ、G20の財務トラックなどはグローバル・サウスの意見を取り入れることなく出来た「レガシー・システム」であって、より公正で全ての国が参加できる国連総会のもとに、租税、債務、開発資金の「枠組条約」を形成し、より対等で多極化された現代世界に適合的な衡平なシステムを作るべきではないか、というのが、その趣旨です。

5日間毎日缶詰めになったのですが、最初の日だけは午前中が空いていたので、ホテルから2キロ離れた、ケソン・シティの中心にある公園「ケソン・メモリアル・サークル」とその隣のニノイ・アキノ公園に行ってきました。都市開発が進んだコンクリート・ジャングルのマニラで、この地域は森に包まれた公園となっているのですが、日曜日のケソンサークルのケソン記念塔の周りは、朝から多くの人々が集い、ウォーキングやランニング、体操などを思い思いにやっています。フィリピンは東南アジアの中では、食文化・食習慣の問題もあり、肥満と非感染性疾患が大きな問題になっている国です。肥満を気にして運動の習慣をつけようとしている人が大変多いのだなあと思いました。しかし、東南アジア・東アジアは割と、どこに行っても、朝に公園に集まって運動している人がたくさんいます。バンコクでも、スクンビット通りに面するベンチャシリ公園には短いながらジョギングコースがあったり、どういうわけか野外なのにベンチプレスが何台もあって皆さん力持ち比べをしていたりと、大変興味深いです。カンボジアのシェムリアップも、公園にたくさんの運動器具が置いてあり、朝にはにぎわっています。ベトナム・ハノイの真ん中にあるホアンキエム湖の周りも、太極拳や朝の運動、ランニング、ウォーキングに皆さん汗を流しています。それぞれの国で、「肥満と非感染性疾患のシンデミック」への対策が進んでいるのだなあと感心する一方、問題はこうした公園に来ない人のところで起こっているのだなあとも思っているところです。そもそも、治安の悪い国では外で運動はムリという問題もあり、難しいところです。(稲場)

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Masaki Inaba
Co-Chair, Africa Japan Forum
Program Director for Global Health, Africa Japan Forum
Chair, Japan CSO Network on Global Health
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稲場 雅紀
(特活)アフリカ日本協議会 共同代表・国際保健部門ディレクター
GII/IDI懇談会 グローバルヘルス市民社会ネットワーク 代表
TICAD NGO連絡グループ 事務局
※長崎大学・東洋英和女学院大学・東洋大学 非常勤講師
電話:03-3834-6902(事務所)、090-1264-8110(個人)

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