発行しました!(GAU+72号)米・イスラエルのイラン攻撃から2カ月 拡大する保健医療危機

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Masaki Inaba

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May 6, 2026, 12:35:21 AM (9 days ago) May 6
to ajf.glob...@gmail.com
皆様 こんにちは。(重複申し訳ありません)

アフリカ日本協議会発行の月刊メールマガジン「グローバル・エイズ・アップデート・プラス」5月号を本日発行しました。今号の書き下ろし記事は、米・イスラエルのイラン攻撃やこれに伴う中東全域の情勢悪化が人道危機に発展する可能性についての記事と、世界保健機関(WHO)の執行理事会でも討議された「デジタル・ヘルス」や「保健データ」のガバナンスに関する記事です。データ・ガバナンスについては専門性が高く、記事にまとめるのが非常に難しかったです。

また、HIV/AIDSや保健関係の最新記事4つですが、内戦再燃の危機が高まっている南スーダンの人道情勢や中東情勢の影響の問題、中米エルサルバドルでの中絶禁止法改定の動きが停滞している件、アフリカ東・南部でのHIV陽性認知率の低下、グローバルファンドの資金不足など、いずれの記事も、図らずも、最近の国際情勢がそれぞれの現場に与えている影響についての記事となっています。

ご関心の方、ぜひご購読ください。こちらのページから購読申し込みができます。

稲場 雅紀

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Global AIDS Update

GLOBAL AIDS UPDATE PLUS (+)
グローバル・エイズ・アップデート・プラス

#再刊第72号  #New Edition No.72
2026年5月6日   May 6, 2026

「グローバル・エイズ・アップデート」は、メールマガジンとして、2004年に創刊し、隔週刊で世界の最新のHIV/AIDSや国際保健の最新情報を紹介してきました。

国際保健のトレンド変化の中で、2020年6月より、グローバル・ヘルスの深層をより広く取り上げる新たなメールマガジンとして、月刊で再出発します。(原則、各月第1水曜日発行)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の地球規模の拡大などを踏まえ、今後の国際保健政策のトレンド変化をとらえつつ、世界の市民社会の声を伝えていきます。

再刊第72号  目次

1. 国際保健アップデート

● 米・イスラエルのイラン攻撃から2カ月 拡大する保健医療危機

2. 国際保健トレンド

● デジタルヘルス・AIの保健医療への世界的導入で問われる「データ主権」

3. 海外最新情報

 ● 紛争を背景に南スーダンの保健問題が悪化:中東紛争の影響が貧困国全体に広がる可能性があるとWHOが発表

 ● 東・南部アフリカ、若年・移動性の高い男性でHIV未診断のリスクが顕著に

 ● グローバルファンド、各国により早い段階での支援からの自立を求める

 ● 流産が原因で投獄:エルサルバドルの厳格な中絶禁止法の改定の動きが後退

国際保健アップデート

米・イスラエルのイラン攻撃から2カ月 拡大する保健医療危機

2026年4月26日

2月28日に開始された米国とイスラエルのイラン攻撃は、これに引き続くイスラエルのレバノン侵攻や、イラン側の反撃・湾岸諸国の米軍・米国関連施設等への攻撃などの連鎖によって、巨大な戦争被害と人道危機を引き起こしている。また、ホルムズ海峡の閉鎖は、石油や肥料などの世界的なサプライチェーンの途絶により、世界レベルでの人道危機に結び付きかねない。一連の戦争行為は、国際人道法・人権法をあからさまに侵犯した形で生じている。また、緊急人道支援にあたる各種の国際機関は、米トランプ政権による各機関からの脱退や支払の途絶、他ドナー国の資金拠出の低下により、戦争が始まる以前から急激な資金不足に見舞われており、緊急人道支援等について、対応能力を十全に発揮できない状況にある。現状では、米国の大統領の一挙手一投足に注目が集まる一方で、この戦争によって引き起こされている人道上の危機については、充分な情報が流通しておらず、焦点化もされていない状況にある。

国際保健トレンド

デジタルヘルス・AIの保健医療への世界的導入で問われる「データ主権」

2026年4月27日

人工知能(AI)の保健医療セクターへの導入が加速度的に進行し、途上国の現場における実践においてもデジタル技術の導入が進んでいる。一方で、途上国と先進国の技術格差の克服、保健医療データの流出の防止やデータの保護に関する主権国家の役割など、多くの課題が浮かび上がってきている。米国トランプ政権は2025年9月に「米国第一国際保健戦略」を策定し、その後、アフリカ諸国に対して個別に、5年間の保健援助協定の締結と引き換えに、25年間のデータ・検体共有協定の締結を迫り、アフリカ諸国やその他の地域の一部途上国の保健医療データや病原体データへのアクセスを要求。現在までに、アフリカ諸国やエルサルバドルなどの中米諸国、カンボジア、タジキスタンなど一部アジア諸国を含め29か国が二国間協定を締結した。一方、ザンビア、ジンバブウェは締結を拒否、ケニアでは高等裁判所が協定の効力を停止した。このように、保健医療分野へのAIの浸透が進む中、データへのアクセスをめぐる先進国と途上国の攻防戦は激しさを増している。世界保健機関(WHO)には、多国間でのガイドラインや基準、規範の設定といった重たい課題がのしかかっている。

海外最新情報

紛争を背景に南スーダンの保健問題が悪化:中東紛争の影響が貧困国全体に広がる可能性があるとWHOが発表

South Sudan Facing Worsening Health Emergency, Driven by Conflict, Says WHO

allAfrica.com
2026/3/18 | https://allafrica.com/stories/202603180039.html

【2026年3月18日ジュネーブ(スイス)発】東アフリカの内陸部に位置する、世界で最も新しい国家、南スーダン共和国は、紛争、避難民の発生、洪水、食料不安、そして繰り返される感染症の流行により、深刻かつ悪化する保健上の緊急事態に直面していると、世界保健機関World Health Organisation(WHO)が発表した。「こうした課題が浮上している一方で、保健システムはすでに限界を超えた状態にある。2026年には630万人が医療支援を必要とし、1000万人以上が何らかの形の人道支援を必要とするだろう」と、WHO南スーダン代表のハンフリー・カラマギ博士Dr Humphrey Karamagiは国連の記者会見で述べた。

東・南部アフリカ、若年・移動性の高い男性でHIV未診断のリスクが顕著に

Younger, mobile men especially likely to not know they have HIV in eastern and southern Africa

AIDSMAP
2026/03/13 | https://www.aidsmap.com/news/mar-2026/younger-mobile-men-especially-likely-not-know-they-have-hiv-eastern-and-southern

【2026年3月13日 デンバー(アメリカ合衆国)発】2026年2月に米国コロラド州デンヴァーで開催された「レトロウイルス・日和見感染症会議(CROI 2026)」において、コロンビア大学のクレイグ・ヘック博士Craig Heckらの研究チームは、アフリカ東部・南部の男性におけるHIVケアの深刻な空白を明らかにした。本研究は、エスワティニ、レソト、マラウイ、モザンビーク、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエの7カ国の調査データに基づくものである。

グローバルファンド、各国により早い段階での支援からの自立を求める

Grant Cycle 8 Update

The Global Fund
2026/03/16 | https://resources.theglobalfund.org/en/updates/2026-03-16-grant-cycle-8-update/

【2026年3月16日 ジュネーヴ(スイス)発】途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を供給する国際機関、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド Global Fund)は、各国に対し、第8次事業実施期間 Grant Cycle 8 (GC8)(2027~2029年)に向けた資金配分を通知した。各国には、資金の使い道を調整する国別調整メカニズム Country Coordinating Mechanisms (CCMs) が設置されており、今回の通知をもとに今後の計画が進められる。

流産が原因で投獄:エルサルバドルの厳格な中絶禁止法の改定の動きが後退

Immigration and poverty tied to heightened HIV risk in the Netherlands

aidsmap
2026/02/10 | https://www.theguardian.com/global-development/2026/mar/02/el-salvador-bukele-anti-abortion-laws-women-criminalised-obstetric-crisis-miscarriage-rights

【2026年3月2日】中米に位置するエルサルバドルは、世界で最も制限の厳しい生殖に関する法律を持つ国の一つだ。1998年以来、レイプ、近親相姦、母体の生命の危険を含むあらゆる状況下での中絶が禁止されており、1999年には憲法改正により、受胎の時点からの生命の保護が明文化された。実際に、妊娠中絶を行ったとされる女性が加重殺人罪(加重罪:特に悪質な事情があるため刑罰が重く定められている犯罪類型)で起訴されており、この罪には最高50年の懲役刑が科される。

編集後記

4月13日から17日まで米国ワシントンDCで開催されたIMF・世銀春季総会に行ってきました。ワシントンDCは2012年に国際エイズ会議参加で出張してから14年ぶりとなります。なんだかんだと毎年用事があるニューヨークと比較すると、ワシントンDCはこじんまりと落ち着いており、中心街も地下鉄も随分とこぎれいで、交戦中のイランの首都テヘランの状況を想像すると、余りに非対称な気がして辛く感じます。ホテルも中心街から北東に30分ほど地下鉄で行ったヴァージニア州のタイソンズで確保したので、一泊一万円強と安かったのですが、このタイソンズからの地下鉄料金が片道1000円以上と高く、日本で同じ額払ったら東京から鎌倉とか熊谷とかまで行けるんだなあ、と物価水準の違いに気づかされていました。

ワシントンDCでは、保健分野の関係者と会ってインタビューや市民社会の取り組みの調整などに時間を使いました。日本が共催している世銀中心のUHCイニシアティブ「ヘルス・ワークス」や、その一翼をなす研修メカニズムとして東京に設立された「UHCナレッジハブ」を始め、これからのUHCの主導権は、世銀や国際開発金融機関(MDBs)がとっていく方向性が見えてきていますが、若干遅れていた、世界の市民社会と世銀の参画・対話枠組みをどう作っていくか、その方向性が若干見えてきたのは良かったと思います。

期間中、飛行機や地下鉄の中で手に取っていたのは、セネガルの小説家モアメド・ムブガル・サールの小説「人類の深奥に秘められた記憶」(日本語訳は集英社刊)。セネガル人の若手作家が、戦前に一世を風靡したものの跡形もなく消えてしまった同国人の小説家の姿と作品に迫っていくという、位置づけとしては相当観念的な小説ですが、これが大変面白く、早く手に取って読みたいと思わせる小説で、ワシントンDCの通勤生活はこの小説のおかげで快適に過ごせて良かったなと思います。(稲場)

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Masaki Inaba
Co-Chair, Africa Japan Forum
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Chair, Japan CSO Network on Global Health
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稲場 雅紀
(特活)アフリカ日本協議会 共同代表・国際保健部門ディレクター
GII/IDI懇談会 グローバルヘルス市民社会ネットワーク 代表
TICAD NGO連絡グループ 事務局
※長崎大学・東洋英和女学院大学・東洋大学 非常勤講師
電話:03-3834-6902(事務所)、090-1264-8110(個人)



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