発行しました!(GAU+68号)「パンデミック協定」の完成に向けて進む政府間作業部会交渉

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Masaki Inaba

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Jan 13, 2026, 9:57:22 PM (3 days ago) Jan 13
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皆様 こんにちは。(bccにて複数のメーリングリストにお送りしております。重複申し訳ありません)

2026年初めての「グローバル・エイズ・アップデート・プラス」を発行しました。今号では、昨年5月の世界保健総会で採択されたパンデミック対策の多国間協定である「パンデミック協定」に関する多国間交渉の現状と、現在「2026年末での閉鎖」が提案されている国連合同エイズ計画(UNAIDS)が12月の理事会で採択した「世界エイズ戦略2026-31」について、書き下ろし記事で取り上げました。いずれも、米国トランプ共和党政権の政策が大きく影を落としています。

今年も、世界のHIV/AIDSの課題を中心にしつつ、国際保健政策の最新動向を伝えていければと考えております。何卒、よろしくお願いいたします。

稲場 雅紀

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Global AIDS Update

GLOBAL AIDS UPDATE PLUS (+)
グローバル・エイズ・アップデート・プラス

#再刊第68号  #New Edition No.68
2026年1月14日   January 14, 2026

「グローバル・エイズ・アップデート」は、メールマガジンとして、2004年に創刊し、隔週刊で世界の最新のHIV/AIDSや国際保健の最新情報を紹介してきました。

国際保健のトレンド変化の中で、2020年6月より、グローバル・ヘルスの深層をより広く取り上げる新たなメールマガジンとして、月刊で再出発します。(原則、各月第1水曜日発行)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の地球規模の拡大などを踏まえ、今後の国際保健政策のトレンド変化をとらえつつ、世界の市民社会の声を伝えていきます。

再刊第68号  目次

1. 国際保健アップデート

● 「パンデミック協定」の完成に向けて進む政府間作業部会交渉

2. 国際保健トレンド

●  国連合同エイズ計画(UNAIDS)、「世界エイズ戦略2026-31」を採択

3. 海外最新情報

 ● 南アフリカ共和国、半年に1回のHIV予防注射薬を2027年までに国産化へ――ただし大きな壁

 ● アルテミシニン多剤併用療法(ACT)に代わるマラリア治療:アルテミシニン非含有新薬「GanLum」が切り開く新たな可能性

 ● 国家の会計監査責任機関との連携が、グローバルファンドの進むべき道である理由

 ● 研究:人類は薬剤耐性感染症との闘いに予想以上に早く敗退しつつある

国際保健アップデート

「パンデミック協定」の完成に向けて進む政府間作業部会交渉

2025年12月29日

パンデミック協定(Pandemic Agreement 日本外務省ウェブサイトの解説記事(日本語)はこちら)は、2021年末の討議開始から4年を経て2025年5月の世界保健総会で採択されたが、残された課題が第12条の「病原体へのアクセスと利益配分」(PABS: Pathogen Access and Benefit Sharing 日本外務省による解説スライドはこちら)のシステムをどう形成するかということであった。このPABSシステムとは、パンデミック協定第12条によれば、パンデミックを引き起こす可能性のある病原体とその遺伝子配列情報などを迅速に共有し、それらの共有・利用から生じる利益(これらの病原体に対するワクチンや治療薬、診断など)の迅速・適時・公正かつ公平な配分の仕組みを指す。協定の同条文によれば、このシステムに参加する各製造者は、WHOと契約を交わし、病原体に対するワクチン・治療薬・診断薬のその時点での生産量の20%を目標に(最低10%は寄付、残りは手ごろな価格で)世界保健機関(WHO)に提供することになっている。

国際保健トレンド

国連合同エイズ計画(UNAIDS)、「世界エイズ戦略2026-31」を採択

2025年12月31日

年末押し迫る2025年12月16-18日、国連合同エイズ計画(UNAIDS)はブラジルの首都ブラジリアで第57回のプログラム調整理事会(PCB)を開催した。この回のPCB会合はUNAIDSの将来にとって極めて重要なものとなった。というのも、UNAIDSは米国トランプ政権の対外援助停止・米国国際開発庁(USAID)破壊により、最大の影響を被った機関のひとつだからである。UNAIDSはその「統合的予算・結果・責任枠組み」(Unified Budget, Results and Accountability Framework: UBRAF)の下で、各国からの拠出金で運営されているが、そのほぼ半額を米国が拠出してきた。これが一気にゼロとなったので、UNAIDSは6月のPCB会合で、活動の半分以上を削る「段階的縮小プラン」を決定。さらに9月に国連事務総長の諮問機関「国連80」が2026年末でのUNAIDSの閉鎖を提案、UNAIDSは今回のPCB会合でこれへの対応を迫られることになったのである。

海外最新情報

南アフリカ共和国、半年に1回のHIV予防注射薬を2027年までに国産化へ――ただし大きな壁

SA wants to make its own six-monthly HIV prevention jabs by 2027. But there’s a hitch

BHEKISISA centre for health journalism
2025/12/01 | https://bhekisisa.org/health-news-south-africa/2025-12-01-sa-wants-to-make-its-own-six-monthly-hiv-prevention-jabs-by-2027-but-theres-a-hitch/

南アフリカ政府は、HIV流行を終息させる国家戦略の一環として、半年に1回の接種で感染を防ぐことができる新たなHIV予防注射薬「レナカパビル(lenacapavir、LEN)」を、2027年までに自国内で製造する構想を進めている。HIV新規感染者数が世界最多水準にある同国にとって、長期効果型の予防手段は大きな転換点となり得るが、実現には深刻な課題が残されている。

アルテミシニン多剤併用療法(ACT)に代わるマラリア治療:アルテミシニン非含有新薬「GanLum」が切り開く新たな可能性

‘Music To Our Ears’: A New Malaria Treatment May Offer Long-Awaited Alternative to Artemisinin

Global Health Now
2025/11/12 | https://globalhealthnow.org/2025-11/music-our-ears-new-malaria-treatment-may-offer-long-awaited-alternative-artemisinin

【2025年11月12日 バルチモア(アメリカ合衆国)発】マラリア治療における最後の大きな革新であるアルテミシニン多剤併用療法(Artemisinin-based Combination Therapy:ACT)が導入されてから20年以上が経過した。ACTは現在もマラリア治療のゴールドスタンダードであり、世界の患者の90%以上の治療に用いられている。しかし長年にわたり、研究者たちはアルテミシニンへの過度な依存がもたらすリスクを認識し、次世代治療薬の開発を模索してきた。従来の抗マラリア薬と同様に、マラリア原虫がACTに対する耐性を獲得することは避けられないと考えられてきたからである。

国家の会計監査責任機関との連携が、グローバルファンドの進むべき道である理由

Why working with national accountability systems is the way forward for the Global Fund

Aidspan
2025/11/24 | https://aidspan.org/Blog/view/32579/Why%20working%20with%20national%20accountability%20systems%20is%20the%20way%20forward%20for%20the%20Global%20Fund

世界エイズ・結核・マラリア対策基金Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria (グローバルファンド)は、2002年の設立以来、汚職や不正管理を許さない厳格な財務管理体制によって、国際保健分野で高い信頼を築いてきた。一方で、その実績を支えてきた民間監査法人などによる会計監査制度は、各国の政府の会計監査の制度から切り離されており、公的機関は信頼できないという印象を与えてきた。その結果、国内の監査機関や財務監督制度がグローバルファンド出資の案件の監理に十分に活用されず、国家の制度強化につながりにくいという構造的課題が生じている。

研究:人類は薬剤耐性感染症との闘いに予想以上に早く敗退しつつある

Study: We're losing the war against drug-resistant infections faster than we thought

GOATS AND SODA
2025/10/15 | https://www.npr.org/sections/goats-and-soda/2025/10/15/g-s1-93449/antibiotic-resistance-bacteria

【2025年10月15日】世界保健機関(World Health Organization:WHO)が設立したグローバル薬剤耐性動向監視システム(Global Antimicrobial Resistance and Use Surveillance System:GLASS)が13日に発表した報告書によると、現代医薬を支える柱の一つに亀裂が生じている。抗菌薬 antibiotics は、過去には死に至るとされた感染症を軽微な不調に変えた。さらに、外科手術から化学療法に至るまで、人命救助をより安全なものにしてきた。だが、この強力なツールが使われる時、必然としてリスクが生じる。人体の内部で抗菌薬耐性が生まれるのである。何十億もの細菌が体内で感染症を引き起こすが、そのうちの一部は投与される薬に対してもとより耐性を備えており、抗菌薬を摂取するとこのような薬剤耐性菌が蔓延する可能性がある。

編集後記

昨年(2024年)は11月下旬に保健システムに関する国際的な会議である「保健システム調査グローバルフォーラム2024」(HSR2024)が長崎市で開かれ、多くの海外関係者が来日しましたが、今年は12月6日に世銀、世界保健機関(WHO)、日本政府(厚生労働省と財務省)が共同開催した「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ハイレベル・フォーラム」に始まり、7-8日にUHCに関するマルチステークホルダーの調整機関「UHC2030」の運営委員会、10-11日に医薬品アクセス促進のための国際機関「ユニットエイド」の理事会が開かれるなど、1週間の間に国際イベントが目白押しで、海外の主要な市民社会活動家たちが来日しました。私たちも、8日にUHC2030運営委員会とユニットエイドの理事会に関わる市民社会活動家たちを主人公としたトーク・イベントを盛況のうちに開催できました。一方で、重要な会議を1週間のうちに3つもやるのはやめて、せめて半年に一つずつくらいにしてほしい、と思いました。2026年は、6月に国連エイズ・ハイレベル会合が開催される他、9月には国連総会に合わせて「パンデミック予防・備え・対応」(PPPR)に関するハイレベル会合が開催されます。また、「持続可能な開発目標」(SDGs)を引き継ぐ国際目標の検討をリードする次期国連事務総長の選挙も行われます。一方、米国トランプ政権が発足と同時に行った「米国国際開発庁」(USAID)破壊をはじめとする一連の急激な国際協力の変革プロセスを今後、どうしていくのか、日本をはじめとする各国がどういう影響を受けるかについても、2026年の重要な課題となります。日本の市民社会、NGOも、傍観するのでなく、主体としてかかわっていくことが必要です。(稲場)

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Co-Chair, Africa Japan Forum
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稲場 雅紀
(特活)アフリカ日本協議会 共同代表・国際保健部門ディレクター
GII/IDI懇談会 グローバルヘルス市民社会ネットワーク 代表
TICAD NGO連絡グループ 事務局
※長崎大学・東洋英和女学院大学・東洋大学 非常勤講師
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