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日時:2026年8月03日(月) 午後6時00分から7時30分まで;午後8:00から懇親会
場所 明治大学駿河台キャンパス リバティタワー10階 1105教室
アクセスマップ http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
構内マップ http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html
*10階にはエレベータは停止しないので、上下の階で降りてエスカレータで移動して下さい
(教室が変更された場合は、申込者にメールでご連絡します)
本報告では、動的な製品市場における消費者行動のメカニズムについて、花き卸売市場のデータを用いた相互補完的な二つの研究を報告する。第一の研究では、買い手の「戦略的遅延」と「ハーディング(群集行動)」を構造推定により分析した。反実仮想分析の結果、現行のダッチオークション形式は代替の販売形式より期待収益でわずかに劣るものの、収益の安定性や取引速度の向上、廃棄削減の観点から優れたメカニズムであることを示した。第二の研究は、経済合理性を前提とした構造モデルでは捉えきれない現象として、売れ残り商品の再販売時に生じる買い手の支払意志額(WTP)の低下を詳細な入札データを用いて解明した。売り手の戦略を統制した結果、WTP低下は「共通価値を通じた学習」よりも「行動経済学的なスティグマ(売れ残り商品への忌避感)」の影響が優勢であり、その効果はオンライン等の購買形態や買い手の経験量などの異質性に依存することを示した。
報告2 メディア市場における模倣と差別化:週刊誌のスクープ、後追い、深掘り報道の実証分析
石原昌和 ニューヨーク大学
本研究は、週刊誌市場を、メディア企業が限られた表紙・見出し・記事枠の中で、社会的関心と競合誌の動向を踏まえながらコンテンツを選択する短サイクルの競争市場として捉え、競合誌のスクープに対する模倣・差別化・回避の編集戦略が需要に与える影響を分析する。週刊誌編集においては、どの話題を、どの内容・タイミング・報じ方で記事化するかが重要な意思決定であり、特に他誌のスクープ後には、同じネタを後追いするのか、異なる切り口で深掘りするのか、あるいは取り上げないのかという戦略的判断が求められる。 本研究では、2024年の週刊誌21誌について、目次テキスト、表紙画像、発売日、週別Google Trendsによる需要・関心度近似、およびスクープを起点とするネタ情報を統合し、表紙・見出しを通じた競争的コンテンツ・ポジショニングを実証的に検討する。 具体的には、LLMおよびマルチモーダル機械学習を用いて見出し・表紙画像からネタ、報じ方、スクープからの距離、差別化の程度を特徴量化し、これらを需要モデルおよび編集選択モデルに組み込むことで、「競合誌のスクープを表紙で追うべきか」「同じネタをどの程度異なる切り口で提示すべきか」といった反実仮想を評価する。本研究は、ニュース・雑誌市場における編集内容そのものの需要効果を測定するとともに、競合が生み出した社会的関心に対してメディア企業がどのように模倣・差別化・回避を選択するのかを明らかにすることで、コンテンツ市場における競争戦略と需要形成に関する理解を深める。
(本研究は中央大学・熊倉広志、塩浦孝成との共同研究である)