ビットコイン

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佐藤清文

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Jun 4, 2013, 10:58:21 PM6/4/13
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 フリードリヒ・フォン・ハイエクが貨幣発行自由化論を主張した時、世間の反応の大半は嘲笑するか、無視するかのいずれかである。政府による貨幣供給の独占を廃止し、民間機関が競争を通じて自由に発行する。今日、そのアイデアは事実上実施されている。クレジットカードや電子マネーなど各種の金融テクノロジーによって貨幣市場の供給量は膨らみ、中央銀行によるコントロールが完全にはできなくなっている。

 貨幣発行の自由化は決済手段の多様化である。決済は債権債務関係の解消を意味する。中でも電子マネーは電子情報の交換による決済であり、将来性が期待されている。決済システムにおいて重要なのは効率性と安全性である。決済にはリスクが伴い、信用リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクなどがある。また、決済システムは多くの現代的な課題に直面している。IT技術の高度化、国際化と標準化、国際的な金融市間の競争の激化、取引規模の拡大などが挙げられる。

 電子マネーが普及するには、これらの課題を解決するか、それを上回る使用のインセンティブがあるかといった条件が不可欠である。電子マネーの一種であるビットコインでは中央銀行など通貨制度が未整備もしくは不安定な地域の場合、その外の民間機関がウェブ上で提供する決済システムの有効性が指摘されている。しかし、それは決済すステムにおける今日的な課題に十分に応えるものではない。

 その不在や失敗を想定する議論も必要であるが、政府は市場と相互補完関係にあるのが平常であ、それを考慮しなければ、使う動機につながらない。通貨供給量は政府による財政・金融政策の有効性とも関連している。ケインズ政策がビルトインされ、失業率30%を超える不況に陥ることがなくなった現代の国家において、政府機能を軽視ないし無視する通貨システムは非現実的である。公共政策との整合性に貨幣発行自由化論はあまり注意を払っていない。電子マネーは、むしろ、現時点では決済システムの補完として位置づけられるだろう。
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