東北一人旅のご報告

[Kondo Kazuaki]

Ｃ岩手の皆様

 

５月１１日～１６日、北へ行って来ました。

全般の印象は；

・落ち着きを感じさせた。

・復旧工事は始まっているところもありそうでもないところもあり。

・被災地の主な産業は漁業であるので冷凍ビル崩壊で大きな打撃を。でも少しずつ立ち直っている。

・震災や復旧の状況については、現地行って、かつ住民と話をするとさらに理解ができる

 

訪問先ごとに、以下、見たこと聞いたことを報告させて頂きます。

 

１．北茨城

震災前の２０１０年９月に広島県人会幹事旅行で初訪問。

海沿いの岩場に建てられた、岡倉天心が瞑想にふけったといわれる「六角堂」なども訪れた。

これまた海沿いにある五浦観光ホテルに宿泊。

その後、２０１１年９月に同幹事旅行で福島県二本松に泊まった翌日、昼食のため同観光ホテルに行った。

食事の会場で若女将から挨拶かあったが途中で感極まって言葉が止まった。３．１１の後しばらく営業停止せざるを得なかったらしい。

六角堂も全壊で土台だけが残った。

２０１２年２月、同様に幹事研修で同ホテルに宿泊。夕食時、その若女将が挨拶された折には声をあげて泣かれた。

今回４回目の訪問。

身のあまる待遇を受け恐縮。

翌朝に最近修復された六角堂を若女将がみずからご案内して頂いた。

なお、そのホテルや六角堂以外の被害状況は車から海岸べりを見たが、土台だけが残された家屋や平たくなった漁港の岸部も目に。

仮設住宅は建設されておらず、他の住宅に引っ越すことで生活の場を変えられたとのこと。

 

２．仙台

最初は再び上野に戻らないといけないかもと上記若女将から話があった。

でも結局、ＪＲでいわきまで行き、そこから３時間かけて仙台に入った。

原発事故で区切られた立ち入り禁止区域にぶつかるのでＪＲ(常磐線)で仙台には行けない。

 

１３日に国際ハーフマラソンが行われるので前日に入った。

(仙台駅に着くと人だかりを発見。天皇皇后両陛下が列車で３０分後にお着きになるという。被災者の慰問で来られるとのこと。どうも翌日は石巻にも行かれたらしい)

僕はボランティア(給水係り)での参加だが、１５人くらいが関東地方などから（Facebookで連絡を取り合い、）仙台に来てレースに参加。

で、１２日は決起集会みたいな飲み会があり１２人が参加。

マラソン大会当日は快晴。

ボランティアは午前６時半集合。

３００人余りのボランティアがこのレースに加わった。

給水所は出発地点、コース途上とゴール地点にあった。

僕は(年齢を考慮してか)出発地点とゴール地点で行きやすいところを担当(そこは２６人のグループ)。

まず車いすランナーが出発。あと２ｋｍ、５ｋｍ、１０ｋｍと続いたようで最後に一般ハーフの出発。

Ｑちゃん（高橋尚子さん）も最後尾からスタート。ハイタッチを参加者としながら走ったらしい。

ボランティアには青色のＷＢが支給された。

それを来ていると陸上競技場に出入りできた。

車いすレースの表彰式が行われていた。

その後、「道をあけてください」との声がして僕らは横に動いた。

高円宮妃殿下がＳＰらしき男性数名を引き連れ、僕の目の前を通過し競技場外に歩いていかれた。

品のある方だった。やっぱり皇室の方は違うな。

ゴール地点でスポーツドリンク（ボトル）を手渡した。

選手は早く水分が欲しいといった様子だった。

一般ハーフには１万人くらいが参加したので、波はあったが一時ボトル手渡しが間に合わないくらいゴールする選手が集中したときもあった。

お父さんと思われる人もゴールしてきた。家族が駆け寄ってねぎらっている。

小太りのおじさんもゴールしてきた。同年代のご婦人も含めて３人くらいが彼を取り囲んでいる。

先生か？ほかのボランティアが上手いことを言った。「料理学校の先生でしょう」

午後２時から打ち上げをやった。

場所は「伊達の牛タン本舗本店」。

参加者１２人。何回も乾杯をした。

 

３．石巻

昨年１１月に「有志によるバス貸切ボラ」で陸前高田と七ヶ浜（宮城）に来た後で石巻に初めて行った。

以来半年が経過。復旧はどうなっているんだろう。

仙台駅前からバスに乗り２時間？だったか石巻駅前に到着。

女川にも行きたい。でも一日５本程度しかバスが出ていない。

夕方までに気仙沼に入らねばならない。

女川行は断念。

駅でタクシーに乗り訪問の趣旨を運転手に伝え３０分程度市内を周回。

半年前とあまり変わっていない。

つぶれた車が三重にも四重にも積み上げられたまま。

瓦礫の山（ただし分別されていた）も散見。

海に近い（からこそ）ところには海産物加工工場があったがやられたと。

津波の後に火災になった小学校もそのまま。

「同じ宮城でも名取とかは復旧がもっと進んでいる。何でだろう納得できない」と運転手。

「私の親戚３人？は行方不明のままです。でも死亡届を提出しました」

「仮設［住宅］に住んでいる人にうち３人が自殺しました」

 

４．気仙沼

社会福祉法人キングスタウン宮城の方を友人に紹介して頂きお会いした。

聞いたこと。

・気仙沼の産業の約４割は漁業

・元魚（げんぎょ）がないのがつらい（冷凍保存の魚）

・一番怖いのは風評被害

 

面談後車で被災地（南三陸町に至るまで）をご案内して頂いた。

 

お昼御馳走になってしまった。

夕刻「復興商店街」に行きたいと伝えると再度ご案内して頂けることになった。

 

プレハブ２階建てで「、オレンジ色をした「復興商店街」の幟も何本か立っている。

飲食店だけでなく美容院など５２店舗。

この近くに気仙沼銀座通りがあったという。

そのあたり一帯は沈下しているため満潮になると下水溝を通じて海水が流れ水が湧き出してくるという。

なので、家を建て替えるには「底上げ」を１．８ｍすることが必要（義務付けられている）と。

復興商店街を建てるためには基礎工事が大変だったし、役所がなかなか許認可を下さなかった。

１２月２４日に一斉オープンしたが予定はもっと早かった。と会長さん。

その会長さんが経営する寿司屋で一杯やった。

刺身が来た。上手い。

「ふかひれの軍艦巻き」（その会長考案のお寿司らしい）

なんだか貴重すぎて食べるのが怖い。（ぱりぱりという触感は良いが美味いというほどでもないが）

目の前に座った４０歳代の男性を以下紹介された。

「奥さんが津波で亡くなり、娘んさんも亡くなり、彼一人になった。なので彼に声掛け一緒に仕事を始めた」

彼は東北福祉大時代に野球をやっており、大魔神佐々木は同級生、阪神の金本は２年後輩とのこと。

今は少年硬式野球チームの指導者。

「広島から野球用具を送って頂いたんです。今度広島から来られるんです」

その話は昨年夏頃のことでは？

そうです。

僕はその日は一ノ関に泊まることになっていたので最終電車で帰ることにしていた。

妻が入院していることを伝えるとお土産を持って帰るようにと手渡された。

 

大船渡線で一ノ関に向かっているときに気が付いた。

セーターを復興商店街に置き忘れてきた。

なので取りに来なくっちゃ。

「戻り鰹の時期、１０月に来てください。」

このリクエストに応えたいと思う。

皆さんも行きませんか？

 

近藤和明

 

[田尻佳史]

近藤様

お久しぶりです。

男一人旅のご報告ありがとうございます。楽しく？読ませていただきました。

仙台のハーフマラソンには、別の便のボラバス参加者が走っておられたようですよ。

気仙沼の復興商店街ですが、日本NPOセンターも「タケダ・いのちとくらし再生プロジェクト」という助成金プログラムでも協力している組織の1つです。

食事をされたお寿司屋は、地域でも老舗のところだったんですよ。「世界」という割烹も仮設店舗とは思えない素敵なところです。バーもありますよ。是非、次回行かれるときはそちらにもどうぞ！そうそう、寿司屋の前のコロッケ屋さんのオーナーがこの商店街の仕掛け人です。

2012年5月24日 11:54 Kondo Kazuaki <kondo...@jcn-knt.jp>:

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田尻 佳史（Tajiri，yoshifumi）
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E-mail：yta...@jnpoc.ne.jp
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http://www.npo-hiroba.or.jp/（法人DB）
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[Takahiro Egashira]

田尻様、お久しぶりです。
近藤様、ご報告ありがとうございます。

　京都の江頭です。


　田尻さんのおっしゃる通りご報告を楽しく？、否、ふむふむ・・・と息を止めて読ませていただきました。


　私は京都で「京都災ボラバンク縁（えにし）」http://kyoto-svb-enishi.jimdo.com/という集まりに参加しています。

Ｆａｃｅbookやfreemlで連絡を取り合って情報交換をしています。また毎月１１日には定例会議を行いこれからの活動について語りあっています。

６月２日３日には台風１２号災害で私達が活動した場所に行ってその後どうなっているのかを見る予定となっています。

日帰り組と一泊組（車を出し合ってみんなで行きます）とがあり、いわゆる「ゆるボラ」です。実際に現地に行って活動した場所を訪れるというのは興味や期待と不安が混じった気持ちです。


　近藤さんの貴重なご報告、私達のfreemlに掲載したいと思います。許可お願いします。

[Kondo Kazuaki]

田尻さん

コメント頂きありがとうございます。
次回気仙沼を訪れる折は寿司屋の前のそのコロッケ屋にも立ち寄りたいと思います。

(江頭さん)

ボラ活動を継続されているのですね。
freemlに私の報告が掲載されることＯＫです。
光栄です。

近藤和明