同様の質問があるかと思うので、まずは「無償版」(通常のAPIキーを作成して使う方法)について回答します。
なお弁護士ではないので、仮に間違えていても責任は負いません。
Google Maps Platform Terms of Service / May 02, 2019 を元にして返答します。
-------------------------------------------
Q1. Google Maps Geocoding
APIを使用して、バッチ処理のような仕組みで所在地から緯度経度を得て結果を蓄積し、保持し続けることは規約上可能か?
3. License - 3.2.4 Restrictions Against Misusing the Services
の項目には、次のように明記されています。
> (a) No Scraping. Customer will not extract, export, or otherwise scrape Google Maps Content for use outside the Services. For example, Customer will not: (i) pre-fetch, index, store, reshare, or rehost Google Maps Content outside the services; (ii) bulk download Google Maps tiles, Street View images, geocodes, directions, distance matrix results, roads information, places information, elevation values, and time zone details; (iii) copy and save business names, addresses, or user reviews; or (iv) use Google Maps Content with text-to-speech services.
約妙
(a) スクレイピングの禁止。顧客はGoogle Mapsのコンテンツをサービス(Google
Mapsの範囲外)に使用するために展開、エクスポート、スクレイピングすることを禁止します。
例えば次のようなことです。
(i) GoogleMapsコンテンツをサービス外で、プリフェッチ、インデックス化、保存、再共有、リホスト(保存して再度利用)すること。
(ii) Google Mapsのタイル画像、ストリートビュー画像、ジオコード、ディレクション、ディスタンス・マトリックス、道路情報、場所情報、高度情報、タイムジーン情報の大量ダウンロード
(iii) ビジネス名(会社名など)、住所、またはユーザーレビューの複製や保存
(iv) Google Mapsコンテンツを音声読み上げサービスと併せての使用
Googleにとって、「データとは宝」です。この 大量のデータを使いやすくしたのがAPIになります。
彼らにとってそれは販売のツールであるわけで、そこから得られるデータを(数の大小にかかわらず)かすめ取るのは、禁止というわけです。
-------------------------------------------
Q2. Google Maps Geocoding
APIを使用して、所在地から緯度経度を得た結果をGoogleMap上にピンを立ててユーザーに見せて、それをユーザーが確認し、
必要があればピンの位置をユーザーがマウス等でドラッグして修正し、そのピンの位置を取得して保持し続けることは規約上可能か?
例えば、イントラ内でのみ使用できるWebアプリケーションがあり、それはGoogle
Mapをイントラ内で利用できるライセンスで運用しており、そこで所在地から緯度経度を決定する仕組みを主題要件にて提供する。
「イントラ内で利用できるライセンスで運用されている」とあるので、”おそらく”ちゃんとGoogle Maps API代理店と契約されていると思いますが、
まずは「無償版」の場合で回答します。「有償版」のケースは後続のメールで回答します。
(そもそもちゃんと契約されているなら、Google Maps有償版顧客の専用コンソールで質問をするのが正しいとは思います)
まず無償版の利用規約で照らし合わせると、イントラネットでの使用は禁止ですが、そこは本題ではないので触れません。
Q1で回答しましたが「Google Mapsコンテンツをサービス外で使用すること」は禁止です。
逆に言えば「Google Mapsコンテンツをサービス内で使用すること」は可能です。
例えばジオコーディングの結果を保存して、それをGoogle Maps JavaScript APIで表示するために利用する、など。
-------------------------------------------
Q3. Q1で得られた結果の緯度経度を、SUUMO・HOME'Sなどの不動産広告サイトへの広告出稿情報として二次利用することは規約上可能か?
Google Maps Geocoding APIで得られた緯度経度の数値は、全く加工せずそのまま使用する。
出稿した緯度経度情報は、不動産広告サイトで地図上にプロットされる際に使われる。その地図は、どの地図サービスになるかはわからない。
Q4. Q2で得られた結果の緯度経度を、広告情報などの情報として二次利用することは規約上可能か?
これもQ1の回答と同じになりますが、「Google Mapsコンテンツをサービス外で使用すること」は禁止です。
Google Maps Geocoding APIで得られた結果を再利用することはできません。
またOpen Street MapやBingMapなどを利用する場合も同じです。