みなさま、
3月12日、MITの宮川繁先生をお迎えして、言語進化に関する以下のコロキアムを行います。
***
言語の起源については、2つの異なる仮説が提案され現在盛んに議論されている。一つは、言語が数十万年から100万年あまりを経て段階的(gradual)に単純なものから現在の複雑なシステムに発展したとする仮説であり、もう一つは、10万年ほど前に徐々にではなく突然(saltational)現在のような形で出現したとする仮説である。本発表では、最近のDNAやゲノムの研究に基づいて、人間の祖先はTwo-StageExternalizationと呼ばれる2段階の展開を経て言語を獲得するに至ったと主張する。第1段階(PrimordialStage)は、鳥の歌や猿のアラーム•コールとほぼ同じシステムの外在化の段階で、人間特有なものではない。この段階は数十万年から100万年以上続いたと考えられる。その後10万年ほど前に、このprimordialsystemから人間特有の抽象的思考(symbolicthinking)の能力が発達し、それに伴って、BlombosCaveで発見されたochreや洞窟の絵、洗練された道具、武器などが現れた。言語もその一つである。第2段階(LanguageStage)は、この抽象的思考を外在化した段階で現在にまで至っている。
****
みなさまのご参加をお待ちしております。また、先ほど同リストにアナウンスされました宮川先生の駒場でのレクチャーもご参考ください。
川原繁人
言文研
慶應義塾大学