南山大学大学院人間文化研究科言語科学専攻では、以下の要領で講演会を行います。万障お繰り合わせのうえご参加ください。
なお、本メールは転送自由です。
日時:2015年6月12日(金)15:30〜18:45
場所:南山大学R棟55教室(アクセスは以下のサイトをご参照ください)
http://www.nanzan-u.ac.jp/CMAP/nagoya/campus-nago.html
講演1:
15:30〜17:00
高橋英也氏(岩手県立大学・准教授)
演題:「東北・北海道方言におけるラサル形式の形態統語論について」
講演2:
17:15〜18:45
中嶌崇氏(富山県立大学・准教授)
演題:「膠着する文法」
講演要旨:
高橋英也氏
「東北・北海道方言におけるラサル形式の形態統語論について」
本発表では、東北・北海道方言において広く用いられる自動詞化形態素ラサル((r)asar)形式が示す諸特性に関して、分散形態論による形態統語論的な分析を提示する。とりわけ、岩手県盛岡市ならびに同県沿岸南部における同形式の用法についての高橋(2012)やNiinuma and Takahashi (2013)らによる観察を出発点として、理論言語学と方言文法の交流という視点から、当該形式の生産性と規則性が日本語の重層的v-システムの解明に対してもたらす示唆について考察を加える。
中嶌崇氏
「膠着する文法」
生物言語学的見地から、 言語には(1)遺伝特質(UG)、(2)経験(言語環境)、そして(3)一般的認知特性 (The Third Factor) が必要と考えられている。しかしながら(2)の経験(言語環境)は言語習得と言語の多様性には必要ではあるが、言語の発現そのものとは直接関わりがないと考えられる。本発表は日本語の膠着現象の分析を通し、(1)と(3)はある種のプロトコンセプト(存在の種類・アスペクト・イベント等)によって関係づけられることを論ずる。
お問い合わせ:青柳宏(mail: aoy...@nanzan-u.ac.jp, phone: 052-832-3111 (ex. 3171))
なお、本講演会は日本学術振興会科学研究費基盤研究(C)(課題番号:26370463、課題名:v−システムに関する言語・方言横断的および通時的研究、研究代表者:青柳宏)の支援も受けています。