立命館大学言語教育情報研究科公開シンポジウムのお知らせ

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Se Ari

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Jun 8, 2016, 11:25:53 AM6/8/16
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時期が迫ってきましたので、再度のご案内です。

立命館大学言語教育情報研究科では、来る6月19日(日)に「日本語の認め方を考える−断定辞と終助詞をめぐって」と題して、一般公開の学術講演会を開催致します。

日時:2016年6月19日(日)13:30~17:00
会場:立命館大学 大阪いばらぎキャンパス AN421 
→交通アクセス/キャンパスマップhttp://www.ritsumei.ac.jp/rs/r2020/campus/oic/access/map.html/
主催:言語教育情報研究科・科研費「九州方言における推論過程の言語化に関する実証的・理論的研究(15K02540)」(基盤研究C・代表 有田節子)
会費:無料(どなたでもご参加いただけます)

テーマ: 日本語の認め方を考える−断定辞と終助詞をめぐって
パネリスト・演題
 井上 優 先生(麗澤大学・教授) 
  「標準語『ねぇ』と富山県井波方言『ネー』」
 中田 一志 先生(大阪大学・教授)
  「二つの終助詞『よね』」
 江口 正 先生(福岡大学・教授)
  「準体助詞・断定辞の機能と条件文」
司会・進行: 有田 節子 (立命館大学言語教育情報研究科・教授)


パネリスト1:井上 優 先生(麗澤大学・教授) 
専門は、言語学・日本語学。特に、現代日本語の文法・意味に関する研究。母方言でもある井波方言も扱う。

演題:「標準語『ねぇ』と富山県井波方言『ネー』」
<概要>
 標準語「ねぇ」と富山県井波方言「ネー」には次のような相違が見られる。①「ネー」は「よねぇ」に近い意味でも使える。例1:アノ人,ホンマ ガンコナガネー(あの人,本当にがんこなんだよねぇ)。②「ねぇ」が使えないところで「ネー」が使えることがある。例2:アスコニ 信号アルナイケネー(あそこに信号があるじゃないか(*ねぇ))。例3:先 行ットッチャネー(先に行ってるよ(*ねぇ))。③「ネー」には相手に与えた苦痛・負担を自分で感じてみせる「疑似共感用法」があるが,「ねぇ」には(相手が年少者の場合を除き)ない。例4:(重い荷物を運んでくれた相手に)アンタ,重カッタネー(#重かったねぇ)。本発表では,これらの相違について「井波方言の『ネー』は文との結びつきが弱い(終助詞になりきっていない)」という観点から説明を試みる。

パネリスト2:中田 一志 先生(大阪大学・教授)
専門は、日本語学・文法教育

演題「二つの終助詞『よね』」
〈概要〉
 先行研究では終助詞「よね」は、聞き手の情報の保有が見込まれているか否かによって大別され、情報の保有が見込まれていなければ、「急に呼び出されても、困るんですよね」のように、「よね」を「よ」に置き換えてもよく(すなわち「ね」が随意)、しかも「のだ」のような説明のモダリティが必須であると言われてきた。しかし、「普通すき焼きって牛肉だよね。これ豚肉だよ。」は「のだ」が必要なく、「よね」は「よ」と置き換え可能である。本発表ではこれらは話し手の情報が聞き手の認知環境を改善しようとする「よね」であり、もう一つは「やっぱりそんなことないですよね」のように、話し手が聞き手の応答によって自身の不確かな想定を確定化させようとする「よね」であることを主張する。

パネリスト3: 江口 正 先生(福岡大学・教授)
専門は、言語学・日本語学。現代日本語の文法・意味に関する研究。特に間接疑問節、取り立て詞、文末詞について方言も含め研究している。

演題「準体助詞・断定辞の機能と条件文」
〈概要〉
 福岡市方言は、いわゆる準体の形式名詞が「ト」になる地域であるが、認識的条件文の「する(の)なら/起きる(の)なら」は『方言文法全国地図』でそれぞれ「スルナラ/オキルナラ」となっており、一貫して準体助詞「ト」が含まれない形になっている。一方、同じく形式名詞「ト」を用いる宮崎市方言では、「スットナラ/オクルトナラ」のように「ト」を含む形になっている。福岡市以外にも認識的条件文が準体形式を含まない形になる地域があるが、これらにはノダ文にあたる形式に断定辞(共通語では「ダ」)が付かないという共通性があるように思われる。この断定辞相当形式とノダ文の用法、それと認識的条件文の関係を考察する。
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