コミュニティとエコビレッジ活動と研究アップデート
コミュニティについて研究と実践を20年近く続けてきて、多くの学びや問いと出会ってきたので、みんなと分かち合いたい。
定義
僕が関心ある「コミュニティ」とは、【暮らし】のあるコミュニティ。生活共同体や、トランジションタウン運動のような地域に根ざした緩やかな支え合いのネットワーク。
さらに解像度を上げると、エコロジカル/自然に根差したコミュニティや、ANTHROPOCENTRIC (人間中心)ではない、すべての存在を含めたコミュニティに一番惹かれている。英語だと、HOLISTIC, KINCENTRIC, ECOLOGICAL, COMMUNITY OF ALL BEINGSという表現と出会ってきた。
僕にとって、コミュニティとは、まさにECOLOGY
おそらく産業革命以前は、ほとんどの人間の日常/常識だったはず。
お誘い
本題に入る前に、ぜひ来てほしい企画
10月31日〜11月4日
Community Leadership Training コミュニティ・リーダーシップ合宿@パーマカルチャーと平和道場
詳細と申し込み:https://2025clpgathering.peatix.com/
1月15日〜2月15日
Ecovillage Design Education@タイ王国 Gaia Ashram
詳細:https://gaiaschoolasia.com/ecovillage-design-education/
日本語の2025レポート:エコビレッジ・デザイン教育認定コース2025@Gaia Ashram
最近の動向
世界中のECOVILLAGE エコビレッジや先住民の暮らしを訪問しながら、幾つかの日本のコミュニティ運動に深く関わっている。
AS ONE SUZUKA & SAIHATE → FUYUUGAI
今年は、日本の中では長く続いていた三重にある【アズワン鈴鹿コミュニティ】と、熊本にある浮遊街(旧エコビレッジサイハテ)に数日泊まりに行った。両方とも、日本の代表的なインテンショナル(意図的)コミュニティで、ここ2年で体制が変わり、多くのメンバーが離れ、それぞれ生まれ変わろうとしている。浮遊街は大リニューアルオープンしていて、アズワンもちょっとずつリニューアルオープンし始めている感じがした。
国づくりリーダサミット
仲間の後藤志果が友達と始めた若いコミュニティリーダーの集い【クニヅクリリーダーサミット】@日石ビレッジにも、去年に続き、今年も参加する予定。新しいコミュニティのネットワーク。
コミュニティサミット
もう一つ、関わり始めた新しいコミュニティのネットワークは、mystery man 天外しろう(SONY エンジニア、経営コンサルタント、アメリカンインディアン長老?、野次馬、著者)と都市型コミュニティを運営している戸谷さん(ウェル洋光台)達が始めた【コミュニティを深掘りするフォーラム】。今年2回目に開催される【コミュニティサミットKIBOTCHA】にも参加予定。
コミュニティのコミュニティって感じかな。
GLOBAL ECOVILLAGE NETWORK (GEN)
グローバル·エコビレッジ·ネットワーク GENという、コミュニティの世界的な緩いネットワークとも年々関わりが深まってきている。このネットワークに含まれているのは
·INTENTIONAL 再生に取り組んでいる、目的やビジョンを共有している人々が始めたコミュニティ
·TRADITIONAL 再生に取り組んでいる、すでに存在していた伝統的な集落やコミュニティ
·URBAN 再生に取り組んでいる、都会型のコミュニティや地域
GENの歴代代表のヒアリングをさせてもらったり、ECOVILLAGE DESIGN EDUCATIONという32日間のUNESCO認定コミュニティ講座の講師をさせてもらって、来年(2026)の1月15日ー2月15日にまた講師として参加予定。いつかは、日本でも開催したいと思っている。扱っているテーマは、SOCIAL(人間関係)、WORLD VIEW(世界観)、ECONOMY(経済)、ECOLOGY(エコロジー)とDESIGN。コミュニティ暮らしや運営、エコビレッジデザイナーになりたい人、または、もうすでにやっている人が世界中から集まって、コミュニティ生活しながらワークを1ヶ月やる本気なプログラム。
GENのタイ王国にあるGaia AshramやPun Pun、インドのAuroville、コロンビアのAtlantida、ポルトガルのTameraなどは、特におすすめ!それぞれ、全然違う雰囲気だけど、どれも自然に根差した国際的な生活共同体。
因みに、ここ数年力を入れてきたDances of Universal Peace DUPは、コロンビアのAtlantidaから来たArjunという先生が、タイ王国のGaia Ashramでセッションをしていたときに出会って、その流れでパーマカルチャーと平和道場の初合宿を行うことになった。
GEN-JAPANは、アズワン鈴鹿コミュニティの片山弘子さんが代表をしていて、別に僕がGEN関係者に日本の動向を報告をし始めている。もうちょっと、GEN-JAPANを盛り上げて、みんなのコミュニティ活動をサポートできる体制を育てていきたいと思っている。https://gen-jp.org
日本の古代コミュニティ
最近、より興味を持ち始めているのが、アイヌや沖縄の人たちの暮らし。彼ら、彼女達の世界観、営み、儀式、叡智にもっと触れたいと思っている。縁がある人は、繋げてもらえたら幸いです。
パーマカルチャーと平和道場 DOJO
僕が、仲間達と続けてきたコミュニティ実験と実践の場は、来年で10年となる。4-5年前の興味深い大崩壊から安定期に入り、今年やっと家族以外の「住人」を一人受け入れた。僕のビジョンは、DOJOやDOJOの周辺で住人を増やしていくこと。そして、いすみ市をエコビレッジ化していくこと。https://peaceandpermadojo.wixsite.com/home
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学びの共有
近々、コミュニティ/エコビレッジの本を制作したいと思っている。手伝ってくれる人が見つかり次第。というわけで、ここではあまり文字量も増やしたくないので、ハイライトだけに収めてみる。コミュニティのPR(良いところアピール)をしている人は沢山いるので、長く実践したい人向けに注意点多めに書いてみた。
·インテンショナル(意図的)コミュニティやエコビレッジは、少なくとも何千年も続いている人類の長い伝統でもある。最近では、60年台のヒッピームーブメントで、飛躍的に流行り(数十年で多くは廃れた)、これらの実験から沢山の学びが英語でまとめられ、本、zine、オンラインで公開されている。
·コミュニティは、生き物。変わり続けるし、調子が悪くもなるし、死んだりもする(堆肥化する)。大切なのは、一瞬一瞬を楽しむこと。
·同じような志、興味関心、問題意識があるからって、継続するコミュニティができる訳ではない。
·話し合いをし続けても、うまくいく訳ではない。
·フラット(対等)に接しているつもりでも、フラットではない。無自覚な力の格差が、大きな問題になりうる。
·多くのコミュニティは、出だしは勢いと希望があり、注目や資源も集まりやすいけど、数年で分散し始め、絶望に陥る。(再生のチャンスとして捉えることもできる)
·上手くいっていると思ったら、試練が訪れる。その波が、永遠と続く。
·依存に注意!関係性の依存(リーダー/フォロワー、恋愛とか)、経済的な依存(リーダーの収入、単一事業の収入)とかが、レジリアンスを弱めてしまう。
·気づかなくても法律に影響される。例えば、土地の法的な権利や責任(個人所有、共有、法人とか)、税金、自覚的/無自覚な違法行為など。
·経済の設計には、要注意!関係性を気付かないうちに、影響する大きな要素。
·意思決定は、多様な手法が開発されている(リーダーが決める、多数決、コンセンサス以外にも!)。「全て」をみんなで意思決定するのは、現実的ではない。意思決定の不具合がコミュニティを弱めていく。みんなで複数の意思決定の手法を学ぶのが、おすすめ。
·コミュニティを阻む世界観、常識、思考言動の癖をUNLEARN アンラーンし続けることは、重要。例えば、分離の世界観(個人主義、弱肉強食思想、パトリアルキー、「お金がないと。。。」、優れていることが良い、優劣感、不安や恐れ)
・コミュニティは、動詞。ある質感の関係性で関わり合うこと。
・コミュニティは、もうすでに存在している。僕たちは、生態系(地球、宇宙)というコミュニティから生まれ、その中で循環している。動植物は、僕たちの先輩であり、家族でもある。コミュニティがないわけではなく、現代人の意識と言動が関わりを失ってしまっただけ。
先人達からの学び
ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(著者、監督、シューマッハカレッジ教員)
・既存のコミュニティは、グローバリゼーション(現代の経済政策と世界観)により崩されてきたもの。産業革命以前は、自然に根ざした多様なローカルコミュニティで、私たちはみんな暮らしていた。コミュニティを再生するためには、ローカリゼーションが不可欠(詳しくは、「懐かしい未来」)
ジョナサン·ドーソン(元GEN代表、「世界のエコビレッジ」著者、シューマッハカレッジ教員)
·「コミュニティ活動に重要なのは、managing expectations、期待のマネージメント」
海の解説:各々が自身の期待に気づいて、継続的に手放していく。とくに、コミュニティ活動への新人。
マニッシュ·ジェーン(エコバーシティ運動の先導者、平和革命家)
·「一緒に遊ぶ、ゲームを頻繁にすることが重要。大変なことと向き合うからこそ、楽しく開放的に繋がり続けることが重要」
·「3世代以上が交流することが重要」
ティクナットハン(禅僧、詩人、平和革命家)
·「BREATHE and SMILE (呼吸に意識を向けて、今ここにある幸せに触れる実践を一瞬一瞬続ける)」
·「Go as a river」(川のように流れる)
天外伺朗の「ティールコミュニティ」解説とスローガン
まだまだ、あるけど、今日はここまで。
一緒に、学んで、実験して、実践していこう!