うつくしま教育通信 Vol.219

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教育庁教育総務課代表

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Aug 21, 2022, 9:00:21 PM8/21/22
to うつくしま教育通信

 《福島県教育委員会メールマガジン》

■■■ うつくしま教育通信Vol.219 2022.8.22 ■■■
発行:福島県教育委員会 https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/

★★目次★★
◇リレーエッセイ
 教育次長 丹野 純一(たんの じゅんいち)
◇日々の思い
 2021年度文部科学大臣表彰 教育者表彰
 前福島県立橘高等学校長 加藤 知道(かとう ともみち)
 福利課長 市川 新吾(いちかわ しんご)
◇読者投稿欄「みんなの学舎」
◇学校自慢コーナー
 白河市立関辺小学校
 泉崎村立泉崎第一小学校
 福島県立あさか開成高等学校
◇こんにちは!各所館です 県北教育事務所
◇図書館アラカルト     
◇お知らせ
◇編集後記
 教育総務課長 堀家 健一(ほりいえ けんいち)


◆リレーエッセイ◆

 「Well-being(ウェル・ビーイング)」
  教育次長 丹野 純一(たんの じゅんいち)

 私の子ども時代、昭和40年代、1970年代は、公害やベトナム戦争などの国際紛争はありましたが、私たちがこの10年あまりに経験したような様々な災厄にみまわれることはありませんでした(宮城県沖地震で震度5を経験したのが唯一記憶に刻まれているぐらい)。携帯電話もゲームもクーラーもありませんでしたが、大地は堅く動くことなく、海は深く優しく、疫病の心配など無用で、社会全体が少しずつ坂を登っていくような、安定的な世界を日々生きていたのです。(ただし、その後に、校内暴力、いじめ、バブル崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が待ち受けているわけですが・・・)
 ところが、今の子どもたちは、この10年あまりの間に、巨大地震、巨大津波、核災害、大水害、パンデミック、侵略戦争を直接、間接に経験してきました。歴史の教科書に載っていることで、自分たちには関係ないと思っていたことが次から次へと目の前で起きているのです。子ども達にとって、世界は複雑で不安定で予測が不可能であり、多くの若者は未来を想い描くことが難しい時代を生きているのではないでしょうか。
 そんな時代を生きていく子ども達に向けて、私たち大人は、どんな教育を行えばいいのでしょうか?未来を生きる子ども達にどのような力を育めばいいのでしょうか?私たちは私たち自身どんな言葉で何を語ればいいのでしょうか?
 その一つの答えとして、福島県教育委員会は、第7次総合教育計画を策定し、その理念を皆さんと広く共有するため、大沼博文教育長がメッセージを発出し、福島県教育委員会のホームページに掲載したので、ぜひお読みいただければと思います。
 その第7次総合教育計画では、Well-being(ウェル・ビーイング)を重要なキーワードとしています。ウェル・ビーイング、あまり聞き慣れない言葉ですね。直訳すれば「良好な状態」ですがぴったりした日本語訳はないようです。所得や財産、職業、給料、住宅などの物質的な豊かさだけではなく、健康や市民としての社会参画、社会的関係、教育、安全、生活への満足度、環境などの生活の質などを含む概念だとされています。近年、OECD(経済協力開発機構)などで教育目標として使われており、我が国の教育再生実行会議の提言や本県の第7次総合教育計画では、「一人一人の多様な幸せと社会全体の幸せ」という意味でとらえ、教育においてその実現を目指すとしています。
 定訳がないことに象徴されるように、なかなかつかみにくい概念ですが、ポイントは、幸せの形は一人一人異なり多様だということと、一人一人の幸せを実現するには個人が構成する社会や集団の幸せも実現しなければならないということにあると思います。気候変動や戦争によって、生命、自由が侵害されるような社会では、個人の幸せも実現できません。しかし、ルソーをはじめ多くの哲学者にとって、「個人の幸せと社会全体の幸せを共に実現するにはどうしたらよいか?」という問題は巨大な難問でした。先に述べた、子どもたちにどんな力を育むべきか?どんな教育がよい教育か?という問いにもつながり、簡単に解ける問題ではありませんが、皆さんと、子どもたちと共に考えていければと思います。


◆日々の思い◆

 「退職後の楽しみ」
  2021年度文部科学大臣表彰 教育者表彰
  前福島県立橘高等学校長 加藤 知道(かとう ともみち)

 今年の3月31日、定年退職となりました。多くの皆様にお世話になり、お力添えをいただきながらこの日を迎えることができました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
 校長としての勤務は長くありません。会津学鳳中学校・高等学校(以下、会津学鳳)、橘高等学校(以下、橘)にそれぞれ2年、計4年の校長生活です。
 最後の勤務校として橘に赴任したとき、新2年生にK君がいることがわかりました。K君は会津学鳳中学校への『入学を許可』した生徒でした。K君の家族は東日本大震災後に会津若松に避難し、K君の高校進学を機に福島市に戻り、K君は橘に進学していたのです。嬉しくなった私は、すぐK君の教室に出向き、驚くK君と共に再会を喜びました。コロナ禍の2年間でしたが、K君は橘で充実した高校生活を送り、国立大学に進学していきました。中学校入学と高校卒業が同じ校長という、公立学校では極めて稀な例です。卒業式後には一緒に写真を撮り、会津学鳳でのK君を知る先生方とメールで情報を共有し、卒業・成長を喜び合いました。離任式の日、K君からもらった手紙は宝物です。
 橘を退職した今年、橘の部活動の応援や合唱・管弦楽の定期演奏会などに出かけています。2・3年生はもちろん、保護者の方も「おっ」という顔をしながら懐かしく接してくださいます。関係が続いているようで嬉しく感じる瞬間です。また、会津学鳳の音楽の先生から招待を受け、会津学鳳合唱部・定期演奏会へ行ってきました。会津学鳳を離れてからもう5年が経っていますが、高校3年生の中には、中学校1年生のときに校長として一緒に生活した生徒もいます。卒業生や先生方も含めて、嬉しい再会の場になりました。
 中学生や高校生など、若い皆さんの活躍は嬉しいものです。それが勤務した学校の生徒や同窓生であれば、なおさらです。これからも、これまで勤務してきた学校の生徒・卒業生の活躍を楽しみに、応援していきたいと思っています。

 ※加藤 知道先生は、2021年度文部科学大臣表彰を受賞されました。


 「『“弁当の日”がやってきた』を読んで思う」
  福利課長 市川 新吾(いちかわ しんご)

 40ウン年ぶりに読書感想文を書く気分ですが、私のこれまでの読書歴で“三大ハマった本”の一つ、『“弁当の日”がやってきた』(竹下和男/著 (有)自然食通信社 2003年)をご紹介します。(すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが。)
 「弁当の日」とは、「子どもが年に数回、自分でお弁当を作って学校に持ってくるという取組」(下記ホームページより)です。
 →「弁当の日」ホームページ https://bentounohi.jp/
 著者は、香川県の元小中学校の校長先生で、「弁当の日」を初めて実践された方です。
 この一見小さなイベントが、実は「奥深く、幅広い可能性(環境教育、国際理解、福祉教育、道徳教育・・・・・)を持っています。」(上記著書より)とあります。
 多少無理があるのを承知の上で一言で感想を述べると、「弁当を自分の力で一から作れることは、生きる力があること」ということが深く印象に残っています。(どうしてかは、文末の「弁当の日の“たねあかし”」のご紹介に代えさせていただきます。)
 「弁当の日」実施に当たっては、課題やもっともな批判、反対もたくさんあったようです。しかし、自分なりに解釈すると「弁当の日」の本質に目を向ければ、取組そのものの是非云々ではなく、こうした取組を一つのツールとして大人が子どもたちに愛情・情熱を注ぐ、子どもたちと深く関わる・向き合う、ということにあるのではなのではないかと思いました。そう考えれば、少なくとも「弁当の日」のねらいに共感を覚えた時点で、たとえ「弁当の日」を実践しなくても(できなくても)、自然と別な形で体現され、子どもたちの心の安定と成長につながっていくのではないかと思ったところです。(食卓で例えれば、団らん、温かい味噌汁など。)
 我が家でも子どもたちにご飯の炊き方とか、お好み焼きの作り方などなど色々教え、一緒に食べたりしてきましたが、生きる力がついているかどうか・・・、答えは成人式を終えて程ない娘、息子に委ねたいと思います。
 長くなってしまいますが、あえて最後に、著者が平成14年度の小学校卒業文集に寄せられた贈る言葉(著者曰く「弁当の日の“たねあかし”」)をご紹介して終わります。

 『あなたたちは、「弁当の日」を二年間経験した最初の卒業生です。
 だから11回、「弁当の日」の弁当作りを経験しました。
 「親は決して手伝わないでください」で始めた「弁当の日」でしたが、どうでしたか。

 食事を作ることの大変さがわかり、家族をありがたく思った人は、優しい人です。
 手順よくできた人は、給料をもらう仕事についたときにも、仕事の段取りのいい人です。
 食材がそろわなかったり、調理を失敗したりしたときに、献立の変更ができた人は、工夫できる人です。
 友だちや家族の調理のようすを見て、ひとつでも技を盗めた人は、自ら学ぶ人です。
 かすかな味の違いに調味料や隠し味を見抜けた人は、自分の感性を磨ける人です。
 旬の野菜や魚の、色彩・香り・触感・味わいを楽しめた人は、心豊かな人です。
 一粒の米、一個の白菜、一本の大根の中にも「命」を感じた人は、思いやりのある人です。
 スーパーの棚に並んだ食材の値段や賞味期限や原材料や産地を確認できた人は、賢い人です。
 食材が弁当箱に納まるまでの道のりに、たくさんの働く人を思い描けた人は、想像力のある人です。
 自分の弁当を「おいしい」と感じ「うれしい」と思った人は、幸せな人生が送れる人です。
 シャケの切り身に、生きていた姿を想像して「ごめん」が言えた人は、情け深い人です。
 登下校の道すがら、稲や野菜が育っていくのをうれしく感じた人は、慈しむ心のある人です。
 「あるもので作る」「できたものを食べる」ことができた人は、たくましい人です。
 「弁当の日」で仲間がふえた人、友だちを見直した人は、人と共に生きていける人です。
 調理をしながら、トレイやパックのゴミの多さに驚いた人は、社会をよくしていける人です。
 中国野菜の値段の安さを不思議に思った人は、世界をよくしていける人です。
 自分が作った料理を喜んで食べる家族を見るのが好きな人は、人に好かれる人です。
 家族が弁当作りを手伝ってくれそうになるのを断れた人は、独り立ちしていく力のある人です。
 「いただきます」「ごちそうさま」が言えた人は、感謝の気持ちを忘れない人です。
 家族がそろって食事をすることを楽しいと感じた人は、家族の愛に包まれた人です。

 滝宮小学校の先生たちは、こんな人たちに成長してほしくって二年間取り組んできました。
 おめでとう。
 これであなたたちは、「弁当の日」をりっぱに卒業できました。』

 【参考文献】
 竹下和男・香川県綾南町立滝宮小学校(2003)『“弁当の日”がやってきた』 自然食通信社


◆みんなの学舎◆
 今回は、令和3年度 ふくしまを十七字で奏でよう絆ふれあい支援事業 最優秀賞作品をご紹介します。
 ※学校名、学年は、受賞時(令和3年度)のものです。

【絆部門】
息合わせ 奏でた夏の日 忘れない  相馬市立中村第一中学校3年 松本莉桜(生徒)
残響音 しみてぼやける 友の顔  相馬市立中村第一中学校3年 羽山菜子(生徒)

【ふるさと部門】
友達と 歩く楽しみ 祇園祭  南会津町立田島小学校6年 湯田煌理(子)
遠き日の しゃんぎりの音 懐かしく  湯田聡美(母)

 今年度も「ふくしまを十七字で奏でよう絆ふれあい支援事業」の作品を、8月31日(水曜日)まで、募集しています。
 詳しくは、県教育庁社会教育課のWebサイトをご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/sykaikyoiku470.html

○読者投稿欄「みんなの学舎」では、皆様からの原稿を募集しています。
 学校であった心温まる出来事やちょっといい話、心に残る先生のエピソード、子どもたちの作文でもかまいません。
 詳しくは、福島県教育委員会のWebサイト(メールマガジン、みんなの学舎)をご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/268846.pdf


◆学校自慢コーナー◆
 このコーナーでは、各学校の特色ある取組をご紹介しています。詳しい内容を県教育委員会Webサイトに掲載していますので、ご覧ください。

○「仲良し のびのび 元気な関辺っ子!~親和的な集団形成に重点を置いて、関辺小ならではの教育活動を進めています~」
  白河市立関辺小学校
 関辺小学校は、学区内に「白河の関」や正月には富士山が見える「関山」があります。地域に温かく守られながら、119名の児童がのびのびと学んでいる学校です。
 ここでは、本校が重点を置いている親和的な集団形成に向けた取組の中から、「SGEタイムの実践」、「QUテストの活用」、「交流の場と時間の確保」の3つについて紹介します。

・白河市立関辺小学校の学校自慢Webサイト
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/s-kennanl.html
・白河市立関辺小学校のWebサイト
https://shirakawa.fcs.ed.jp/%E9%96%A2%E8%BE%BA%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1

○「本校教育目標~真・善・美を求めて、気づき、考え、行動できる心身ともに健康な子ども~」
  泉崎村立泉崎第一小学校
 本校は明治7年に創立された歴史のある学校です。平成になるとマーチングバンドの活動が活発になり、各種大会で活躍しました。平成6年に完成した現在の校舎は、放射状に教室が広がる特殊な構造で、初めて来校されると道に迷う方もいるそうです。本村では、早くからICT化が進められ、平成30年には電子黒板を各教室へ導入、ほどなくデジタル教科書も授業に取り入れるようになりました。令和2年には児童一人一人にi-Padを配当し、授業や家庭学習で活用しています。

・泉崎村立泉崎第一小学校の学校自慢Webサイト
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/s-kennanl.html
・泉崎村立泉崎第一小学校のWebサイト
https://izumizaki.fcs.ed.jp/%E6%B3%89%E5%B4%8E%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1

○「地域や校外の団体と連携した学びについて」
  福島県立あさか開成高等学校
 本校は、県内唯一の国際科学科の学校で、目標として「国際社会で活躍できる人材の育成」を掲げています。
 私たちが考える、国際社会で活躍できる人材とは、他者との「違い」を「多様性」と捉え、多様な人々との出会いや幅広い経験を通した学びにより、国際的な視野に立って物事を考え、主体的に行動することのできる、自らの未来と世界の未来を創る力を持った人材のことです。
 その実現のために、地域社会や関係機関等と連携して、生徒に様々な刺激を与えることのできる多様な学びの場を設定しています。
 今回紹介するのは、そうした取組の一部です。今後も本校の多様な学びへの注目とご支援をお願いします。

・福島県立あさか開成高等学校の学校自慢Webサイト
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/k-kentyul.html
・福島県立あさか開成高等学校のWebサイト
https://asakakaisei-h.fcs.ed.jp/

○「学校自慢コーナー」では、県内の公立小・中・高・特別支援学校の学校自慢を募集しています。詳しくは、Webサイトをご覧ください。
「学校自慢コーナー」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/appeall.html
「学校自慢コーナー応募の流れ」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/310322.pdf
 教育総務課 電話024-521-7759
 

◆こんにちは!各所館です◆
 このコーナーでは、県教育委員会が所管する各教育事務所及び各センターの取組をご紹介します。

◎『県北教育事務所』編
 県北教育事務所では、指導の重点スローガンを「幸せを紡ぐ県北の教育」として、子ども一人一人の幸せと社会全体の幸せを実現すべく、学校と家庭、地域と一体となって子どもたちの学びを支援しています。

1 学校教育課の取組
 学校教育課では、県北域内の先生方と事務所をつなぐ架け橋として、「令和4年度【県北版】学校教育の指導の重点」を発行し、先生方の授業の改善・充実が図られるよう支援を行っています。
 「令和4年度【県北版】学校教育の指導の重点」におけるキーワードは「振り返り」です。昨年度、ふくしま学力調査において、伸びの大きかった県北域内の学校へ聞き取りを行ったところ、共通していたのは授業における「振り返り」が充実しているということでした。そこで、授業における「振り返り」が充実するように、要請訪問等では、振り返る時間の確保や振り返る視点を明確にした授業づくりについて支援しています。詳細は、「令和4年度【県北版】学校教育指導の重点」に掲載していますので、HPにてご覧ください。
 なお、「令和4年度【県北版】学校教育指導の重点」では、「振り返り」の場面を設定した各教科の授業例を掲載しています。その授業例は、「私の授業レシピシート」を使い、本時で目指す子どものゴールの姿をもとに、授業を構想しています。ぜひ、授業づくりに「私の授業レシピシート」をご活用ください。
 最後に、「ふくしまの『授業スタンダード』」を活用した授業づくりを、これまで以上に推進するために、「これが私の『スタンダード』―私の授業を支える言葉―」を発行する予定です。「ふくしまの『授業スタンダード』」に掲載されている言葉と具体的な授業場面を織り交ぜながら解説を行っています。今後、HPに掲載する予定ですので、ぜひご覧ください。

2 総務社会教育課の取組
 総務社会教育課では、6月9日(木曜日)に第1回地域家庭教育推進県北ブロック会議を開催し、昨年度からのテーマである「メディア(SNS)コントロールの在り方について」を中心に協議しました。
 「メディア社会における親子のコミュニケーションの在り方」や「子どもや親のメディア依存に対する家庭教育関係者としての関わり」について様々な立場の方々から御意見を伺い、今年度の家庭教育の方向性について話し合いました。
<成果>
○ グループ協議を行ったことで、保護者がすでにメディアに依存している状況であることや、保護者へのメディア教育の必要性を確認することができ、今後の方向性が明確になった。
○ タブレットやスマホなどの使用を禁止したり、時間を制限したりするのではなく、正しい使い方を知り、うまく活用していくことや、親子で一緒にルールづくりをすることの大切さを確認することができた。

<課題>
● 学校と家庭で連携していくことはもちろんであるが、行政とPTA(学校や家庭)とのつながりがまだ強いとはいえない。それぞれのつながりを構築し、今後の対応策を考えていく必要がある。
● 依存傾向がある人やすでに依存症になっている人への対応も考えていく必要がある。

 これらの成果と課題を踏まえ、今後の「家庭教育支援者地区別研修会」や「親子の学び応援講座」等を展開していく予定です。
 なお、本課の事業内容やお知らせ等をHPに掲載しておりますのでぜひご覧ください。

 詳しくは、県北教育事務所Webサイトをご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70110a/


◆図書館アラカルト◆
○福島県立図書館内で開催中の企画展示についてご案内します。
企画展名 「線路がつなげた150ぶんの40~鉄道開業150年・東北新幹線開業40年~」
場所 県立図書館内展示コーナー
期間 令和4年7月8日(金曜日)~8月31日(水曜日)
内容
 今年は鉄道開業150年、東北新幹線開業40年のメモリアルイヤーです。明治時代の蒸気機関車にはじまり、現代の新幹線へとつながる当館の所蔵資料を展示しています。展示をより楽しめる「鉄道クイズ」も掲示しています。
 ぜひ、この機会に福島県立図書館までお越しください。

<おすすめの1冊>
『「その他の外国文学」の翻訳者』白水社編集部/編 白水社 2022
 ヘブライ語、チベット語、ベンガル語、マヤ語、ノルウェー語、バスク語、タイ語、ポルトガル語、チェコ語・・・。これらの言語で書かれた文学は、英米文学や中国文学などと比べて日本ではなじみが薄く、「その他の外国文学」としてまとめられてしまうこともあります。
 本書は、日本では「その他」とされてしまう言語圏の文学を邦訳してきた9人の翻訳家たちへのインタビュー集です。
 日本語で書かれた教材がほとんどない中、どのようにその言語と出会い、学習してきたのか。また、翻訳をするときの工夫なども紹介されています。それぞれの言語や文学に対する翻訳者の熱意を感じることができ、「その他の外国文学」への関心が高まる1冊です。

・県立図書館 電話024-535-3220
https://www.library.fcs.ed.jp


◆お知らせ◆
 小学校の夏休みの宿題といえば、皆さんは何を思い出しますか?「夏休みの友」「読書感想文」「自由研究」それとも「絵日記」?コロナ禍の中、自然体験活動への人気が高まっているとのこと。福島県にも様々な体験活動ができる場所があります。田村市にある鍾乳洞が幻想的な「あぶくま洞」、いわき市にある「いわき市アンモナイトセンター」などなど。アンモナイトセンターは、約8,900万年前のアンモナイトなどの化石が集中して発見された地層をそのまま建物で覆った施設と体験発掘場からなります(いわき市アンモナイトセンターHPより)。
 新型コロナウイルス感染拡大が続いておりますが、子どもたちの豊かな学びをどのようにして作り上げていくか、これからも模索は続きます。
 さて、ここからはお知らせのコーナーです。

○【義務教育課・高校教育課】令和4年度中学生・高校生の論文募集のお知らせ
(1)科学・技術研究論文「野口英世賞」募集
 科学・技術に関するテーマの研究論文を広く募集しています。夏休みの自由研究をまとめたもの、普段の学習で取り組んでいる課題研究、部活動(科学部など)の活動をまとめたもの、理科研究発表会などの発表原稿をまとめたものなど、科学・技術に関するテーマであれば構いません。令和3年度の個人研究の部の最優秀賞は「セミの抜け殻についての考察~未来の資源としての可能性について~」でした。ご応募お待ちしております!

(2)国際理解・国際交流論文「朝河貫一賞」募集
 国際化が進み、予測困難な時代に、これからの国際交流はどうあるべきか。世界の中の日本を見つめ、あなたの「声」を発信してみよう!令和3年度の最優秀賞は、中学校の部が「今こそ、踏み出そう。」、高等学校の部が「イスラムを通して見たダイバーシティ」でした。広い視野からの論文をお寄せください。ご応募お待ちしております!

※上記の(1)、(2)ともに応募期間と応募対象は以下のとおりです。
応募期間 令和4年9月1日(木曜日)~令和4年9月9日(金曜日)(必着)
応募対象 県内の中学生・高校生
応募方法 中学生・高校生とも在籍している学校の先生に提出してください。
詳しくは、福島県教育委員会ホームページ「中学生・高校生の科学・技術研究論文「野口英世賞」及び国際理解・国際交流論文「朝河貫一賞」について」をご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/gimukyoiku73.html

○【県立博物館】夏の企画展「新選組展2022~史料から辿る足跡~」
日時 前期:令和4年7月23日(土曜日)~8月21日(日曜日)※終了しました
   後期:令和4年8月23日(火曜日)~9月19日(月曜日)
時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
   ※夜間開館の実施日は、企画展に限り午後7時まで(入館は午後6時まで)
観覧料 一般・大学生1,300円、高校生800円、中学生以下無料
休館日 毎週月曜日(ただし9月19日は開館)
内容
 尊王攘夷の実現を目指し、会津藩とともに京都で活動した新選組。調査がすすみ、従来の新選組像とは異なった姿も明らかになってきています。隊士たちが残したたくさんの書簡や記録など、近年発見された新史料から新選組の実像にせまる展覧会です。

詳しくは、県立博物館Webサイトをご覧ください。
https://general-museum.fcs.ed.jp/
※新型コロナウイルス感染症の状況により予定が変更になる場合があります。
※ご来館の際は感染症対策にご協力ください。体調に不安がある場合はご来館をご遠慮ください。なお、混雑時には入場を制限する場合があります。


□■□編集後記□■□

 8月になり厳しい暑さが続いています。全国的にコロナの感染拡大が続く中ではありますが、皆様それぞれの形で夏休みをお過ごしかと存じます。また、8月冒頭の大雨では県内各地でも被害が生じました。心よりお見舞い申し上げるとともに、少しでも早い復旧を願っております。
 先日は、庭の草むしりをしました。この前までは「少し伸びてきたかな」程度だったものが、梅雨の雨と夏の日差しを受けて元気いっぱい。小さい庭が草むらになるかの勢いで繁茂してきました。このままでは庭遊びもできませんし、洗濯干しにも支障が出かねない。一念発起して庭の草むしりをすることにしました。
 長袖長ズボンでしっかり防備をし、軍手をはめて抜いていきます。暑い日中を避けて夕方の涼しい時間に作業したにもかかわらず汗がしたたり落ちてきます。小さな草でも地中深くにしっかりと根をはっていて、引き抜くのはひと苦労。作業を進めていると、長女が「私もしたい」と言い出しました。草を引き抜くとダンゴムシや蟻たちが次々と地中から出てきます。その様子を見て娘は興味津々。「虫さんたちびっくりしているね。草抜いておうち無くなったら困っちゃうかもね」と素朴な感想を述べながら、小さな草を抜いてみたり、私が抜いた大きな草を運んでくれたりしました。
 娘と草むしりをしながら、ふと、自分も小さい頃に父親と草むしりをしたことを思い出しました。子どもなりにお手伝いをして役に立った気でいましたが、こんな風に草むしりという意味ではそれほど貢献していなかったんだろうな、でも子どもと草むしりするというのは父親も嬉しかったのかもななどと30年以上昔に思いを馳せました。記憶とは非常に不思議なもので、大して特別でもない思い出をきっかけに強い郷愁の念にかられます。この夏は、大阪への帰省は見送ったので、久しぶりに父親と話でもしようかなと、ちょうど旬を迎えた福島の美味しい桃を実家に送ることにしました。
 記憶は単なる事実の記録ではなく、広義のナラティブ(語り)であることに意味があります。必ずしも正確ではないかもしれない。けれども、語り継がれ、語り直されることで、新しい意味や行為を生み出す可能性を持つのです(卑近な例ですが、私が実家に桃を送ったように)。
 このような「記憶」に関して、福島県教育委員会では「震災と復興を未来へつむぐ語り部育成事業」に取り組んでいます。11年前の東日本大震災からの復興・創生の歩みを進める中で、徐々に「風化」の問題が生じてきています。今年入学した高校1年生が震災当時は4歳。自分の言葉で震災の記憶と経験を語れる最後の世代になります。今後、震災を知らない子どもたちが増えていく中、東日本大震災と原子力災害という未曾有の経験をした本県だからこそ、単なる事実の伝承だけでなく、子どもたちが福島の今と未来について自ら考え、自分の言葉で語り、意味を紡いでいくことができるようになって欲しいと思っています。
 この4月から高等学校で実施されている新学習指導要領でも探究的に学ぶことを重視しています。新たに創設された「総合的な探究の時間」では、各教科等を通じて身につける見方や考え方を総合的に働かせ、自己の在り方生き方に照らし、自ら問いを見いだし探究する力を育成することを目的としています。東日本大震災と原子力災害という福島ならではのテーマをもとに探究的に学ぶことは、まさに生徒たちが自らの将来について思いを馳せ、学ぶことの意義を再確認しつつ、自ら問いを見いだし、課題を解決していく力を養っていくことに繋がると期待しています。
 福島の地の持つ「記憶」をしっかりと受け継ぎ、子どもたちの学びと成長につなげていきたいと思います。
 今月も最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 教育総務課長 堀家 健一(ほりいえ けんいち)


■このメールについて■

・お問い合わせは、福島県教育庁教育総務課へお願いします。
 電話024-521-7759
 メールアドレスk.ko...@pref.fukushima.lg.jp
・このメールの再配信はご遠慮ください。

■□■ひとつ、ひとつ、実現するふくしま 編集・発行 福島県教育委員会■□■
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