うつくしま教育通信 Vol.215

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教育庁教育総務課代表

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Apr 19, 2022, 9:11:07 PM4/19/22
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 《福島県教育委員会メールマガジン》

■■■ うつくしま教育通信Vol.215 2022.4.20 ■■■
発行:福島県教育委員会 https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/

★★目次★★
◇リレーエッセイ
 県教育委員会教育長 大沼 博文(おおぬま ひろふみ)
◇読者投稿欄「みんなの学舎」
◇学校自慢コーナー
 南相馬市立原町第二中学校
 福島県立修明高等学校
◇図書館アラカルト
◇お知らせ
◇編集後記
 教育総務課長 堀家 健一(ほりいえ けんいち)


◆リレーエッセイ◆

 「初心忘るべからず -就任にあたって-」
  県教育委員会教育長 大沼 博文(おおぬま ひろふみ)

 4月、教育長に就任して最初の対外的行事は、開校式への出席でした。まず5日、大熊町の義務教育学校としてスタートした「学び舎ゆめの森」へ。8名の児童生徒が個性を認め合い、多くの大人と触れ合いながら、ともに学ぶ。一人一人が主人公であることを実感できる温かな式でした。来年度、復興途上にある町に認定こども園と義務教育学校が一体となった新校舎が完成し、子どもたちだけでなく地域住民も集うコミュニティの拠点になっていくことが期待されます。
 11日、統合した県立高校5校が開校。そのうち会津西陵、いわき湯本、ふくしま新世の式に出席することができました。新しい学校の生徒には、互いの尊厳、価値観を認め、対話する中で、自分の生き方を見つけ出せるよう有意義な生活を送ってほしい。そして、新たに制定された校章や校訓に込められた思いを生徒、教職員が共有し、それぞれの学校の伝統を受け継いで、地域から愛される学校になってほしい。自分も学校の一員、との気持ちで式辞を述べました。

 各学校では新入生を迎え、希望と活気に溢れた時間が流れ始めていることと思います。この時期、学校に足を運ぶと、いまだに何ともいえない気持ちが湧き上がってきます。
 1981(昭和56)年、本県高校教員に採用された私は、4校で16年、担任を務め、卒業生も6回送り出しました。この間ずっと、生徒に宛てた手紙のつもりで学級通信を出していました。話し言葉で伝えるのとは違った形で、そしてわずかでも保護者の元にも自分のメッセージが届けば、との思いからでした。
 先月、過去の通信を久しぶりにめくってみました。恥ずかしくも懐かしい、当時の記憶が蘇ってきました。初めての担任となり高揚している自分と、やっていけるだろうかという不安。あの時からずっと、新年度の始まりは、新たな出会いを得た目の前の生徒に、何を語りかけるか、学びの機会をどうつくり出すか、考え続けていたように思います。

 「初心忘るべからず」は、世阿弥の言葉としてあまりにも有名です。一般には、「何事においても、始めた頃の志、謙虚な気持ちを忘れてはいけない。」という意味で使われますが、『花鏡』にはこうあります。
 「是非の初心忘るべからず。時々の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず。」
 何かを始めた頃の未熟な芸を忘れることなく、判断基準として向上させていかねばならない。年齢に相応しい芸に挑むことも、その段階では初心者であり、未熟さがあるのだから、そのことを忘れてはならない。年老いて初めて行う芸もあり、初心がある。年を重ねたからもうこれでいいとか、完成したということはない。つまり、どの初心も忘れず、限りない芸の向上を目指すべし、という教えです。

 4月から、再び教育行政に関わらせていただくことになりました。定年までの間に、教育庁で10年4か月勤務し、鈴木淳一前教育長が1期目の3年間は、教育次長の立場で行政が担うべき役割を自分なりに考えてきました。
 第7次福島県総合教育計画、年次計画である「学びの変革推進プラン」を羅針盤として、各取組を着実に推進していくためにも、市町村教育委員会をはじめ関係機関と緊密に連携していくことが大切だと考えています。そして何よりも子どもたちと、彼らに向き合う教職員、保護者の思いを第一に、初めて教壇に立った時、教育庁勤務を始めた時、いずれも未熟だった頃の自分を思い返し、初心を忘れず、仕事に取り組んでいく所存です。
 どうぞよろしくお願いいたします。


◆みんなの学舎◆
○令和3年度 ふくしまを十七字で奏でよう絆ふれあい支援事業 最優秀賞作品をご紹介します。
 ※学校名、学年は、受賞時(令和3年度)のものです。

【絆部門】
「うっせいわ」 「ねえお母さん」 「はら減った」  郡山市立郡山第一中学校1年 遠藤海翔(子)
「はいはいはい」 それでも楽しい 反抗期  遠藤京子(母)

【ふるさと部門】
富岡で 一緒にすごす 夢かなう  福島市立月輪小学校4年 永山咲(孫)
桜咲き 家族が集う 避難元  遠藤秀一(祖父)

○令和3年度道徳教育総合支援事業「モラル・エッセイ」コンテスト中学生の部 最優秀賞の作品をご紹介します。
 ※学校名、学年は、受賞時(令和3年度)のものです。

 「カール先生と甚平と雪駄」
  いわき市立小名浜第二中学校3年 木村 友織香

 私の学校には、カール先生というALTの先生がいた。私たちが中学校に入学してからずっと、熱心に英語を教えてくれた。とてもパワフルで、フレンドリーで、たくさんの生徒から好かれていた。
 そのカール先生が、今年の夏、母国であるアメリカに帰国することになった。私は卒業するまで、ずっとカール先生に英語を教えてもらえると思っていたので、その知らせを聞いたとき、ショックでしかなかった。
 ついに最後の授業の日。教室に現れたカール先生は、甚平と雪駄を身にまとっていた。この甚平と雪駄は、どうやら先生方からプレゼントされたものらしい。私はその話を聞き、まず、先生方の粋な計らいに感動した。日本が大好きなカール先生にとてもぴったりだと思うのと同時に、「アメリカに戻っても、日本や私たちのことを忘れないでね。」「日本から応援しているよ。」といった温かいメッセージが込められているような気がしたのだ。
 そして、プレゼントされたものをすぐ身に付けるカール先生の行動にも驚いた。日本人は、いただいた物を本人の前であけることは失礼というような感覚を持ち合わせているように思う。しかし、カール先生のように、自分がプレゼントした物を目の前で見て、喜びをすぐに伝えてくれたら、お互いに幸せな気持ちになることは間違いないだろう。実際、先生方もカール先生の甚平姿を見て、とても嬉しそうな顔をしていた。
 最後の最後まで、私たちはカール先生から英語だけではなく、日本人と外国人としての交流や、日本という国にとらわれない考え方を教えていただいた。カール先生と過ごした二年とちょっとの時間は、言葉はうまく伝わらなかったかもしれないが、楽しい時間であり、私たちに幸せをもたらしてくれたと思う。
 改めて、人と人とを繋ぐものは、言葉ではなく、心であるということを強く感じることができた。

○読者投稿欄「みんなの学舎」では、皆様からの原稿を募集しています。
 学校であった心温まる出来事やちょっといい話、心に残る先生のエピソード、子どもたちの作文でもかまいません。
 詳しくは、福島県教育委員会のWebサイト(メールマガジン、みんなの学舎)をご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/268846.pdf


◆学校自慢コーナー◆
 このコーナーでは、各学校の特色ある取組をご紹介しています。詳しい内容を県教育委員会Webサイトに掲載していますので、ご覧ください。

○「原町二中×SDGs!」
  南相馬市立原町第二中学校
 生徒会委員会活動とSDGs目標を結びつけて、以下のとおり学校全体で活動を行いました。
・南相馬市立原町第二中学校の学校自慢Webサイト
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/t-sosol.html
・南相馬市立原町第二中学校のWebサイト
https://minamisoma.fcs.ed.jp/%E5%8E%9F%E7%94%BA%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1

○「修明4S 十人十色~一人一人の個性を輝かせよう~」
  福島県立修明高等学校
 本校は、文理科、農業科(生産流通科と食品科学科)、商業科(情報ビジネス科)の3つの大学科があり、それぞれ専門性の高い充実した学習ができます。本校の目指すべき方向性である「修明高校4S」を掲げ、地域を学びのフィールドにしながら、生徒一人一人の個性を輝かせる取組を行っています。
・福島県立修明高等学校の学校自慢Webサイト
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/k-kennanl.html
・福島県立修明高等学校のWebサイト
https://shumei-h.fcs.ed.jp/

○「学校自慢コーナー」では、県内の公立小・中・高・特別支援学校の学校自慢を募集しています。詳しくは、Webサイトをご覧ください。
「学校自慢コーナー」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/appeall.html
「学校自慢コーナー応募の流れ」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/310322.pdf
 教育総務課 電話024-521-7759


◆図書館アラカルト◆

○災害復旧工事に伴う休館のお知らせ
 昨年2月及び今年3月に発生しました地震被害からの復旧工事のため、以下のとおり休館いたします。
 休館期間:令和4年5月9日(月曜日)~7月7日(木曜日)

○休館期間中のサービスについて
・図書の貸出と予約は休止いたします。
・「受取館指定サービス」「資料宅配サービス」も休止となります。
・「相互貸借」(県内の図書館・公民館に申し込みを行い、県立図書館の図書を借りるサービス)は、6月18日(土曜日)~7月7日(木曜日)の期間を除き、実施します。詳細は最寄りの図書館・公民館にお尋ねください。
・「学校図書館サポートセット貸出」も6月18日(土曜日)~7月7日(木曜日)の期間を除き実施します。

 休館前に借りた図書の返却は、当館の返却ポストまたは最寄りの図書館(福島市を除く)で行うことができます。
 貸出期間の延長は、通常どおり、電話等にてお受けいたします。

 詳しくは県立図書館ホームページ、または県立図書館までお問い合わせください。
・県立図書館 電話024-535-3220
https://www.library.fcs.ed.jp/

<おすすめの1冊>
「極大と極小への冒険」デイヴィッド・ブラットナー/著 柴田裕之/監訳 市川美佐子/訳 紀伊國屋書店 2014.7
 「世界一大きな数って?」、「世界一短い時間って?」
 こんなことを、子どものころ一度は考えたことがあるのではないでしょうか。そんな素朴な疑問に、とことん付き合ってくれるのが本書です。
 筆者は極大と極小の世界を、「数」「大きさ」「光」「音」「時間」の六つのテーマに分けて、分かりやすく説明します。
 出てくる極大と極小は人間が知覚できる限界を超えたものがほとんど。例えば人間が感じ取れる光は、スペクトル全体の0.001パーセント未満というのだから驚きです。
 世界の広さに想像を巡らせることができる、楽しい科学読み物です。


◆お知らせ◆
 4月は学校行事が目白押しです。始業式・入学式に始まり、対面式、部活動紹介、身体測定、生徒総会などなど。そして2・3年生の応援団や有志が、1年生に対して応援の仕方(かけ声)や校歌・応援歌を教える、という校歌・応援歌練習を行っている高校もあります。練習では、男女の別なく挨拶は「押忍!」、背中は反り気味、とにかくお腹から大声を出す。時代の変遷により校歌・応援歌練習のあり方が問われる中、コロナ禍によりこの2年間は校歌・応援歌練習を行わない学校が増えました。皆さんにとっての校歌・応援歌練習はどのようなものでしたか?どんな強風が吹こうとも微動だにせず、1時間にわたり団旗を掲げ続ける応援団の姿、今年は見られるでしょうか。
 さて、ここからはお知らせのコーナーです。

○【県立博物館】春の企画展「アンモナイト合戦~アンモナイトVS同時代の生き物たち~」のお知らせ
会期 令和4年4月23日(土曜日)~6月26日(日曜日)まで
開館時間 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日
観覧料 一般・大学生800円、高校生以下無料
内容
 特徴的な形で人気のアンモナイト化石。福島県内でも多くのアンモナイトが発見されています。この企画展では国内外のアンモナイト、総数約600点を紹介します。はじめてアンモナイトに触れる方から、福島県のアンモナイトを知りたい方、アンモナイトマニアまで幅広く楽しめる展示となっています。アンモナイト同士や他の生き物と生存競争という名の合戦を繰り広げた3億年を想像するこの機会、ぜひお越しください。見どころ解説会など関連行事も用意しています。
※ご来館の際は感染症対策にご協力ください。体調に不安がある場合はご来館をご遠慮ください。
※春のテーマ展「新種!ワニ祖先の化石」を同時開催いたします。
詳しくは、県立博物館Webサイトをご覧ください。
https://general-museum.fcs.ed.jp/

○【県立美術館】写真展「岩合光昭の世界ネコ歩き2&どうぶつ家族」のお知らせ
会期 令和4年3月19日(開催中)~5月22日(日曜日)まで
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日
観覧料 一般・大学生1,000円、高校生600円、小・中学生400円、未就学児無料
内容
 動物写真家として世界中にファンをもつ岩合光昭さん。世界中の個性溢れるネコたちを写し取った「岩合光昭の世界ネコ歩き2」と、野生動物を撮影した臨場感溢れる「どうぶつ家族」を同時に展示します。約260点の写真を通して、命の尊さ、家族の絆、生命の循環といった普遍的な問題を考えるきっかけとなることはもちろん、なによりも動物たちの飾らない愛情に満ちた姿を堪能できる写真展となっています。ぜひお越しください。
※駐車場は数に限りがありますので、公共交通機関をご利用ください。
※ご来館の際は感染症対策にご協力ください。体調に不安がある場合はご来館をご遠慮ください。なお、混雑時には入場を制限する場合があります。
詳しくは、県立美術館Webサイトをご覧ください。
https://art-museum.fcs.ed.jp/


□■□編集後記□■□

 4月より福島県教育庁の教育総務課長を拝命しました堀家と申します。これからどうぞよろしくお願いいたします。
 私が文部科学省に入ったのは平成23年で、東日本大震災の発生直後でした。初任が省内の震災対応のとりまとめ部署で、まさに私の行政官としてのキャリアは東日本大震災とともに始まったと言えます。今回、初めての地方出向として、この福島の地に赴任することができたことに大きな縁を感じるとともに、その責任の大きさに身の引き締まる思いです。行政官としての初心に返り、皆様にご指導いただきながら、しっかりと職責を果たしてまいりたいと思います。
 私事ですが、今回、妻と2人の娘とともに赴任してまいりました(一緒に来てくれた妻には本当に感謝です)。長女はこの4月に小学生になり、福島市内の小学校に入学しました。入学式に参列すると、ピカピカのランドセルを背負って期待に胸を膨らませる子や、緊張から顔が強ばっている子、不安から常にお母さんの方を振り返って見ている子など、たくさんの子どもたちが、先生や保護者の方々の温かい眼差しを浴びて並んでいました。一人一人が可能性に満ち満ちていて、これからたくさんの友達を作り、たくさんのことを学び、福島の地の魅力を知って大きく羽ばたいていく宝物なのだなと改めて感じた次第です。
 福島県は、震災、原子力災害、その後の風評と、東日本大震災で被災した各県の中でもとりわけ大きく深刻な課題に直面しています。この大きすぎる社会課題を解決していく鍵は、人の持つ知恵と可能性だと思います。「学びの変革」や「福島ならではの教育」の推進を通じて、宝物である一人一人の子どもたちの可能性をしっかりと花開かせていく必要があると感じています。各学校、先生方、地域の方々とも力を合わせて、福島県の教育の充実に取り組んでいきたいと思います。
 週末は、娘たちと花見山に行ってきました。どこまでも澄み渡る青空の下、「桃源郷」と評される美しい花々、流麗に町を包み込む阿武隈川、遠くには冠雪した雄大な吾妻連峰とその美しさに感動しました。娘たちも「すごい、本当にきれい!」と喜んでいました。家族とともに福島の魅力をたくさん発見して、仕事に生かしていきたいと思っております。
 最後までお読みいただいてありがとうございました。

 教育総務課長 堀家 健一(ほりいえ けんいち)


■このメールについて■

・お問い合わせは、福島県教育庁教育総務課へお願いします。
 電話024-521-7759
 メールアドレスk.ko...@pref.fukushima.lg.jp
・このメールの再配信はご遠慮ください。

■□■ひとつ、ひとつ、実現するふくしま 編集・発行 福島県教育委員会■□■
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