うつくしま教育通信 Vol.217

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教育庁教育総務課代表

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Jun 19, 2022, 11:04:41 PM6/19/22
to うつくしま教育通信

 《福島県教育委員会メールマガジン》

■■■ うつくしま教育通信Vol.217 2022.6.20 ■■■
発行:福島県教育委員会 https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/

★★目次★★
◇リレーエッセイ
 教育庁理事兼政策監 本田 伸雄(ほんだ のぶお)
◇日々の思い
 施設財産室長 原 哲朗(はら てつろう)
◇読者投稿欄「みんなの学舎」
◇学校自慢コーナー
 本宮市立本宮小学校
 福島県立郡山商業高等学校
◇図書館アラカルト
◇お知らせ
◇編集後記
 教育総務課長 堀家 健一(ほりいえ けんいち)


◆リレーエッセイ◆

 「運命の分岐点」~あの日、私は~
  教育庁理事兼政策監 本田 伸雄(ほんだ のぶお)

 平成7年(1995年)3月20日(月)午前、私は東京・四ッ谷の出張先のビルの中にいた。当時はまだ携帯電話などなく、他に有効な連絡手段がない中、テレビから流れてくる凄まじい映像に、妻は居ても立ってもいられなかったようだった。
 その日は、あの「地下鉄サリン事件」が起こった日。事件の発生時刻は午前8時頃、発生場所は東京都内の営団地下鉄(現東京メトロ)丸ノ内線、日比谷線、千代田線の車両内で、神経ガスのサリンがオウム真理教幹部信者により散布されたもの。乗客、駅員合わせて14人が死亡し、負傷者数は約6,300人に上るという史上稀に見る大惨事だった。
 実は、事件の1週間前にも、私は同じ用務で同じ場所に出張しており、乗り換えの移動距離と用務地に着くまでの所要時間が短い地下鉄で移動していた。日比谷線に乗車し、途中、霞ヶ関駅で丸ノ内線に乗り換え、四ッ谷駅で下車後、用務地のビルへ到着したのが8時15分だった。正に事件と同じ時間帯に同じ場所にいたことになる。
 事件当日は、突然何を思ったか、外の景色を眺めながら行きたくなり、地下鉄よりも時間が掛かるJRで移動することにしたのだった。
 この日、もし地下鉄に乗車していたら自分も巻き込まれていた可能性もあった。帰宅してから見たテレビのニュースには、混乱する霞ヶ関駅構内と、呻き苦しむ人々が救急車で次々と病院に運び込まれる様子が映し出されていた。その中の一人になっていたかもしれないと想像すると、言葉もない。
 毎年3月20日が来ると、当時の記憶が鮮明に蘇ってくる。あの日、不幸にして事件に巻き込まれてしまった人と、私のように現場近くにはいたが、辛うじて被害を免れた人との違いは、一体何だろうと、ふと思うことがある。これを「偶然」や「運が良かった」などと簡単に言えるものだろうか。
 昭和60年(1985年)8月12日に起きた日航ジャンボ機墜落事故(群馬県御巣鷹の尾根に墜落。乗客乗員524人中520人死亡)では、羽田発伊丹行きのキャンセル待ちをしていたら、キャンセルが出て、たまたまその便に搭乗してしまい、事故に巻き込まれた人もいれば、その便に乗る筈だったが、直前に新幹線に切り替えてキャンセルし、命拾いした人もいる。人の運命、生死を分けるものは、一体何なのか。
 あれから27年。今もこうして生きていることに、しみじみ感謝している。事件で不幸にも尊い命を落とされた方々に哀悼の意を表するとともに、生き長らえた喜びを、これからの人生を日々大切に生きることに繋げていきたい。


◆日々の思い◆

 「歌心、詩心」
  施設財産室長 原 哲朗(はら てつろう)

 この間、職場で音楽の話題で盛り上がった。内容は好きなジャンル、オーディオ機器などで、それぞれの嗜好や思い入れなどを笑顔で語り合った。音楽って本当にいいなと思った。
 歌詞やコード進行などを深掘りするテレビ番組が好きで、よく見ている。往年の曲には、歌詞と旋律、アレンジ、そして歌唱が見事に噛み合っている名曲が多い。と思うのは歳をとった証拠かもしれない。最近、名曲であると再認識した曲の個人的感想や音楽への思いを呟いてみたい。
 1曲目は「中央フリーウェイ」。「この道は まるで滑走路 夜空へ続く」初めて中央自動車道を八王子方面へ走行した時は昼間であったのに、離陸しそうな気持ちになったことを思い出す。ユーミンの曲は独り、家で聴くのも叙情的で良いけれど、カーオーディオで聴くのも風景に流れるように合致するのが凄い。車で聴くと言えば、ドライブ用に自分の好きな曲をカセットテープに編集することに凝った時があった。あのカセットテープどこに仕舞ったかな。
 2曲目は「なごり雪」。「動き始めた汽車の窓に・・・」期待と不安が交錯する春特有の季節感や別れの機微が約3分の楽曲の中で表現し尽くされている。私は歌詞にあるとおり都会の情景を思い浮かべていた。実は地方の駅がモチーフになっていることを知り一瞬うろたえたが、地方のワンシーンにすぐ置き換えることができる楽曲の素晴らしさを実感した。どちらを思い描いても、ぐっとくる余韻がある。昭和の歌謡曲には駅、汽車というフレーズが登場するものが多く、心に染みるものがある。発車ベル、駅アナウンスの独特の抑揚、うーん。懐かしい。感情が揺さぶられる。
 最後の曲は「365歩のマーチ」。「しあわせは歩いてこない だから歩いていくんだね」なんと勇気づけられるフレーズであろうか。「三歩進んで 二歩さがる」うむ。反省は大事だ。「人生はワン・ツー・パンチ 汗かき べそかき 歩こうよ」そのとおりだ。ワン・ツー、ワン・ツー。今日を生きよう。
 私が社会人になった頃は、職場の飲み会でカラオケという展開となることが多かった。上司や先輩の歌に人間味や人生の深みを感じ、親近感を覚えたものであるが、これは、過去の光景になってしまうのだろうか。


◆みんなの学舎◆
○令和3年度道徳教育総合支援事業「モラル・エッセイ」コンテスト高校生の部 最優秀賞の作品をご紹介します。
 ※学校名、学年は、受賞時(令和3年度)のものです。

 「民話の語りを通して」
  会津農林高等学校3年(受賞時)大竹 美保

 「なんだぁにしぁ、むずせなぁ。いっぺぇうまっちゃから、ぶんなげらっちゃのがぁ。」これは「見知らず柿の話」という会津坂下町の民話の一部です。私は昨年全校生への「読み聞かせ」で「語り部」としてこのお話を披露しました。
 私が語り部をやろうと思った理由は、図書委員会で実施した「民話勉強会」で語り部の先生の語りが素敵で、直感的にやりたいなと思ったからです。また思いの外、他の人が会津弁を話せず驚いたと同時に、やらなければという使命感にかられました。私には祖父母がおり、小さな頃から方言にはなじみがあります。そんな私でも完璧に話し、理解することはできません。方言を話せなければ方言と相性のいい民話まで失われてしまいます。民話は古人の知恵話もあり、守るべき価値のある温かい伝統文化であると思いました。
 「読み聞かせ」の担当が私になり、練習を重ねましたが、標準語との抑揚の違いに苦労しました。練習は先生の語りを録音し、自ら声に出して反復する方法です。何度か先生が来校し、語尾の発音や間などの指導をしてくださいました。だんだんと抑揚が会津弁に近付き、「上手になったね。」と褒めていただけるようになりました。全校生の前での発表は放送によるもので緊張しましたが、お話の情景を思い浮かべ、練習通りの落ち着いた発表ができました。発表後に同級生や先生方に「上手だったね。」と言葉をかけられ達成感と充実感を得ることができ、貴重な体験となりました。何より語り部の先生から「立派だったね。継承してくれてありがとう。」という手紙をいただき、とても嬉しく思いました。
 民話は失われつつある大切な伝統文化です。方言と共に残された先祖の言葉であり知恵であり、消えてしまえば戻ることのない尊い文化です。私は先祖から受け継いだ伝統の灯を絶やさないためにも、今後どんな形であれ、語り部の継承を続けていこうと思います。

○令和3年度 ふくしまを十七字で奏でよう絆ふれあい支援事業 最優秀賞作品をご紹介します。
 ※学校名、学年は、受賞時(令和3年度)のものです。 
【絆部門】
じいちゃんの うしのエサやり おてつだい  塙町立塙小学校1年 草野紫音(孫)
藁はこぶ 孫の姿の たくましさ  荘司栄治(祖父)

【ふるさと部門】
秋祭り みんなで輪になり オラドッコイ  大玉村立玉井小学校6年 渡邉希心(子)
安達太良の 秋空に舞う 囃子の音  渡邉郁美(母)

 今年度も「ふくしまを十七字で奏でよう絆ふれあい支援事業」の作品を、8月31日(水曜日)まで募集しています。ぜひ「絆部門」「ふるさと部門」に作品をお寄せください。
詳しくは、県教育庁社会教育課のWebサイトをご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/sykaikyoiku470.html

○読者投稿欄「みんなの学舎」では、皆様からの原稿を募集しています。
 学校であった心温まる出来事やちょっといい話、心に残る先生のエピソード、子どもたちの作文でもかまいません。
 詳しくは、福島県教育委員会のWebサイト(メールマガジン、みんなの学舎)をご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/268846.pdf


◆学校自慢コーナー◆
 このコーナーでは、各学校の特色ある取組をご紹介しています。詳しい内容を県教育委員会Webサイトに掲載していますので、ご覧ください。

○「~夢と希望をはぐくむ学校~ 3つの『C』創造Creative・挑戦Challenge・相互理解Communication」
  本宮市立本宮小学校
 本宮小学校は、本宮の市街地を一望できる安達太良神社のある丘に位置し、旧本宮町の保護者たちを中心とした「本宮方式映画製作の会」で制作された、映画「こころの山脈」の舞台ともなりました。本校は、保護者や地域の方々が「我が学校」として愛し育てる、全校児童404名、創立149年を迎える伝統校です。
 今年度は3つの「C」のキーワード:創造Creative・挑戦Challenge・相互理解Communicationを掲げて、教育活動を推進しています。
・本宮市立本宮小学校の学校自慢Webサイト
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/s-kenpokul.html
・本宮市立本宮小学校のWebサイト
https://motomiya.fcs.ed.jp/%E6%9C%AC%E5%AE%AE%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1

○「郡商生のアイディアからはじまる『ものづくり』 ~商品開発からヒット商品を! 知的財産を守れ!~」
  福島県立郡山商業高等学校
 本校は、創立102周年の歴史と伝統のある商業高校です。学科が3つあり、流通経済科・会計科・情報処理科を設置しています。商業教育は人づくり。「ものはつくらない」と言われていましたが、なんと「ものづくり」の学習をしています。それは、流通経済科3年の選択科目に設定している「商品開発」という商業科目の中で行っており、生徒はアイディアをしぼりにしぼって真剣にものをつくっています。
・福島県立郡山商業高等学校の学校自慢Webサイト
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/k-kentyul.html
・福島県立郡山商業高等学校のWebサイト
https://koriyama-ch.fcs.ed.jp/

○「学校自慢コーナー」では、県内の公立小・中・高・特別支援学校の学校自慢を募集しています。詳しくは、Webサイトをご覧ください。
「学校自慢コーナー」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/appeall.html
「学校自慢コーナー応募の流れ」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/310322.pdf
 教育総務課 電話024-521-7759


◆図書館アラカルト◆

○県立図書館は現在休館中です
 昨年2月及び今年3月に発生しました地震被害からの復旧工事のため、以下の期間休館しております。
 休館期間:令和4年5月9日(月曜日)~7月7日(木曜日)

○図書の返却について
 休館前に借りた図書の返却は、当館の返却ポストまたは最寄りの図書館(福島市を除く)で行うことができます。

○「福島を生きる講座」の第一回を開催します!
テーマ 「福島県の手すき和紙と信夫文字摺染和紙」
講師 小野光代(おの みつよ)氏
日時 令和4年7月24日(日曜日)午後2時~3時30分(90分)
場所 県立図書館 講堂
入場料 無料(先着100名、事前申込制)
内容
 幻の「信夫文字摺染」(和紙)の再現に取り組んでいる小野光代氏をお呼びし、お話しいただきます。ぜひご参加ください。
※お申し込みは県立図書館(024-535-3220)までお電話ください。

<おすすめの1冊>
「地方創生は古い建築物を見直せ」鈴木勇人/著 幻冬舎メディアコンサルティング 2022.2
 建築家である著者は、歴史的建築物の再生・活用に関する様々なプロジェクトに携わってきました。本書では、これまでに著者が関わってきた再生プロジェクトを紹介し、歴史ある建築物を残し、活用していくことは、地域の活性化につながると解説しています。
 再生プロジェクトの事例では、旧堀切邸や福島市写真美術館などが取り上げられており、それら建築物がどのような過程を経て再生され現在に至るのか、技術的側面やコンセプトも含め記されています。また、地域住民や関係者とのエピソードも描かれており、建築物に対する人々の思いや願いを感じることができます。
 長きにわたり地域に存在してきた伝統的な建築物をどうしていくべきなのか、建築物のこれからについて考えさせられる一冊です。

・県立図書館 電話024-535-3220
https://www.library.fcs.ed.jp/

◆お知らせ◆
 皆さんは、人を見ただけで何の職業か当てることができますか?「さすがプロ!」と思うのが服飾販売員の方です。物色している洋服や顔色から好みの服を見抜き、民間なのか公務員なのか、職場での服装の自由度はどのくらいかまで言い当てます。・・・なぜか、高確率で私の職業は当てられます。いよいよ7月には本県の公立学校教員採用候補者選考試験が行われます。服飾のプロがこうなのであれば、「教員のプロ」とは何でしょうか。皆さんにとっての「プロフェッショナルとは」、ぜひ伺いたいです。
 さて、ここからはお知らせのコーナーです。

○【教育総務課】「県庁にみんなの声を届けよう!」プロジェクトのお知らせ
 小学5・6年生を対象に「『ふくしまのよりよい未来をつくるために』~県庁で働くことと自分にできること~」をテーマとして、県庁内の見学とふくしまの未来について考えるイベントを開催します。
日時 令和4年8月10日(水曜日)9時~12時(受付は8時50分から)
場所 福島県庁本庁舎5階 正庁
対象 小学5・6年生 ※保護者(引率者)同伴
内容
 (1)県庁内の見学(議場、危機管理センター、教育庁)
 (2)意見発表(知事・教育長などの前で意見を発表します)
募集期間 令和4年6月20日(月曜日)~7月25日(月曜日)(必着)
詳しくは、福島県教育委員会教育総務課のWebサイトをご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/project04.html

○【義務教育課・高校教育課】令和4年度中学生・高校生の論文募集のお知らせ
(1)科学・技術研究論文「野口英世賞」募集
 科学・技術に関するテーマの研究論文を広く募集しています。夏休みの自由研究をまとめたもの、普段の学習で取り組んでいる課題研究、部活動(科学部など)の活動をまとめたもの、理科研究発表会などの発表原稿をまとめたものなど、科学・技術に関するテーマであれば構いません。令和3年度の個人研究の部の最優秀賞は「セミの抜け殻についての考察~未来の資源としての可能性について~」でした。ご応募お待ちしております!

(2)国際理解・国際交流論文「朝河貫一賞」募集
 国際化が進み、予測困難な時代に、これからの国際交流はどうあるべきか。世界の中の日本を見つめ、あなたの「声」を発信してみよう!令和3年度の最優秀賞は、中学校の部が「今こそ、踏み出そう。」、高等学校の部が「イスラムを通して見たダイバーシティ」でした。広い視野からの論文をお寄せください。ご応募お待ちしております!

※上記の(1)、(2)ともに応募期間と応募対象は以下のとおりです。
応募期間 令和4年9月1日(木曜日)~令和4年9月9日(金曜日)(必着)
応募対象 県内の中学生・高校生
応募方法 中学生・高校生とも在籍している学校の先生に提出してください。
詳しくは、福島県教育委員会ホームページ「中学生・高校生の科学・技術研究論文「野口英世賞」及び国際理解・国際交流論文「朝河貫一賞」について」をご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/gimukyoiku73.html

○【県立美術館】企画展「東北へのまなざし1930-1945」のお知らせ
会期 令和4年6月4日(開催中)~令和4年7月10日(日曜日)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日
観覧料 一般・大学生1,000円、高校生600円、小・中学生400円、未就学児無料。
内容
 太平洋戦争へと傾斜していく1930年代は、旧来の価値観が見直されて、昭和モダンとよばれた都市文化が爛熟した時期でした。この頃、先端的な意識を持った人々が相前後して東北地方を訪れ、その土地の建築や生活用品などに注目し、収集しています。この展覧会は、東北に向けられた彼らの複層的な「眼」を通して、東北地方の豊かな文化のありようを、400点をこえる作品資料により見つめ直すものです。ぜひお越しください。

※駐車場は数に限りがありますので、公共交通機関をご利用ください。
※ご来館の際は感染症対策にご協力ください。体調に不安がある場合はご来館をご遠慮ください。なお、混雑時には入場を制限する場合があります。
https://art-museum.fcs.ed.jp/

○【県立博物館】テーマ展「祈りのふくしま6~会津の祈り、願い~」のお知らせ
会期 令和4年6月4日(開催中)~令和4年7月10日(日曜日)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日、6月28日(火曜日)
観覧料 一般・大学生は280円、高校生以下無料
内容
 仏都会津。そう称されるほど会津には古くから豊かな仏教文化が培われてきました。会津に伝来する仏像、仏教絵画、仏具・工芸品の名品をご紹介します。ぜひお越しください。

※関連講座「下野からやってきた!南会津・田島の仏像」
会期 7月2日(土曜日)午後1時30分~午後3時
講堂 定員100名(先着順)
講師 深沢麻亜沙さん(栃木県立博物館学芸員)

※ご来館の際は感染症対策にご協力ください。体調に不安がある場合はご来館をご遠慮ください。
※春の企画展「アンモナイト合戦~アンモナイトVS同時代の生き物たち~」と、テーマ展「新種!ワニ祖先の化石」は6月26日(日曜日)で終了いたします。総数約600点に上る国内外のアンモナイトや、新種のワニ祖先の化石を見て、数億年前に思いを馳せてみませんか。
詳しくは、県立博物館Webサイトをご覧ください。
https://general-museum.fcs.ed.jp/


□■□編集後記□■□

 6月に入り梅雨の走りなのか、ぐずついたお天気の日が続いています。県庁ではクールビズ期間に入りましたが、雨が降る日はまだまだ肌寒く感じます。憂鬱な気分になる長雨ですが、自然豊かな福島の地で経験する雨は、木々の緑を一層深くさせ、雨上がりに山々から立ち上る美しい靄を生み出すなど、これまでとは少し違った趣を感じさせてくれます。
 前回の「いかにんじん」の記事について、「読んだよ」という温かいお声がけを沢山いただきありがとうございました。同時に「料理されるんですね」と驚かれることもありました。実は普段、我が家では私が料理をしています。生まれてから就職するまで実家暮らしで、結婚してからも「自分が作るより美味しいから」といって妻に料理を任せっきりにしていたのですが、次女が生まれる際に妻の悪阻(つわり)が酷く、「長女が食べるものがない!」と切羽詰まって料理をし始めたのがきっかけでした。最初はレンジで温めるかお湯を注ぐかしかできなかったのですが、次女が生まれた直後から半年間の育児休業を取得し「こんなにもたくさん家事があるのか」と改めて知り、共働きで子ども2人を育てていくためには自分ができる家事を増やしていかないとと思い、育休中に少しずつ作れる料理を増やしていきました。今では自然と家事分担の中で、掃除・洗濯は妻が中心、炊事は私が中心にという分担になっています(もちろん妻の料理は美味しいです)。
 先日は仕事の関係で双葉地区を訪問いたしました。道中に通った帰還困難区域では、11年前のあの日から時間が止まったままで、本来であれば人が行き交い豊かな田畑があるはずだったところが、そのまま取り残されてしまっている現状を目の当たりにして言葉を失いました。突然の原子力災害によって古里を追われることになった方々の無念を思うと言葉もありません。頭では分かっていたつもりですが、改めて眼前にこの状況を突きつけられると、涙が溢れそうになりました。
 一方で、双葉地区の各町村では、少人数だからこそのきめ細かな指導と「ふるさと創造学」をはじめとする魅力的な教育内容の構築に取り組み、教育の魅力によって地域に子どもたちを呼び寄せる取組が進められています。地域によって差はありますが、少しずつ子どもの数が増えている学校もあります。また、未来を担う子どもたちを育てることはもとより、学校を地域の方々が集う場とすることで、学校を核として地域のコミュニティの再構築を図ろうとする取組も進められています。学校は一義的には教育の場でありますが、保護者や地域の方々が集うハブにもなります。双葉地区の各学校の取組からは、教育の持つ力と可能性を改めて感じさせてもらいました。地域のため、子どもたちのためを思い、必死に日々の教育活動に取り組む先生方や関係者の方々のご努力に改めて敬服するとともに、しっかりと各地の学校の取組を支えていかなければならないと決意を新たにいたしました。
 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 教育総務課長 堀家 健一(ほりいえ けんいち)


■このメールについて■

・お問い合わせは、福島県教育庁教育総務課へお願いします。
 電話024-521-7759
 メールアドレスk.ko...@pref.fukushima.lg.jp
・このメールの再配信はご遠慮ください。

■□■ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま 編集・発行 福島県教育委員会■□■
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