うつくしま教育通信 Vol.223

[教育庁教育総務課代表]

　《福島県教育委員会メールマガジン》

■■■　うつくしま教育通信Vol.223　2022.12.20　■■■
発行：福島県教育委員会　https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/

★★目次★★
◇リレーエッセイ
　教育庁参事　助川 浩一（すけがわ こういち）
◇日々の思い
　2021年度文部科学大臣表彰 教育者表彰
　前福島市立福島第三小学校長　佐藤 秀美（さとう ひでみ）
　高校教育課長　平澤 洋介（ひらさわ ようすけ）
◇読者投稿欄「みんなの学舎」
◇学校自慢コーナー
　いわき市立大野小学校
　福島県立須賀川創英館高等学校
◇こんにちは！各所館です　福島県特別支援教育センター
◇図書館アラカルト　　　　　
◇お知らせ
◇編集後記
　教育総務課長　堀家 健一（ほりいえ けんいち）


◆リレーエッセイ◆

　「模擬受験」
　教育庁参事　助川 浩一（すけがわ こういち）

　実家に戻った際、久しぶりに甥っ子と会う機会があった。幼い頃からずっとサッカー漬けだが、聞けば今年高校受験。以前は寮付きの強豪校を希望していたものの、3年生ともなると現実問題として進学先を考えざるを得なくなっている様子で、改めてチームの先輩に学校の様子を聞いたり、入試の状況について情報収集するのが良いのではとの話をしてきた。
　しかしながら私の中に、言うは易しとの気持ちも残り、よし！ここは実践躬行 福島県高校入試問題をリアルに体験してみようとの思いが浮かんだ。
　私自身は長らく教科書から遠ざかっている事務系職員、学生時代に母校で慣れないながらも楽しく取り組ませて頂いた教育実習（高校国語）の経験は、既にセピア色の思い出で、その後はその他科目も含め必要に迫られやむなく・・・、こんなおじさんにとっては少しばかりのチャレンジである。
　何事にも雰囲気は大切、臨場感を高めるため、某公共施設の学習室を会場とした。会場には色とりどりの参考書も積み重なり、今どきはオンライン派も目立っていた。
　一日がかりの模擬受験の感想としては、
　○ 問題を解く ＝ 極めて極めて、地道な作業の連続
　○ グラフ、資料を読み解く問題 ≒ 日頃の仕事の感覚
　○ 理科・社会は、日常生活を豊かにする分野を幅広くカバー
　○ 地域の課題や記述問題など格段の工夫
　○ 証明等苦手だった分野は相変わらず、時は解決してくれなかった
　○ 正解は素直にうれしい
　○ 何より長時間真剣に取組む生徒の姿に感心
　夕食時の反省会で、妻いはく「あなたは今日、買物の約束をすっぽかしました。約束を守らない生活態度はアウト、模擬受験の調査書は不合格です」。しまった、と一瞬冷や汗をかくも、物事の優先順位や出来映えは本人ではなく周りの人が判断する。これこそが受験と実生活の最大の共通点であることを痛感した。
　年が明けると本格的な受験シーズンがやってくる。冒頭の甥っ子はサッカーを優先しながらも、県内の高校を第一志望とする事を決めたようだ。コロナ禍で厳しい3年間を過ごした今年の受験生には「雪に耐えて梅花麗し」のように春に見事な花を咲かせて欲しい。教育ニーズの多様化が進む中にあっては、生徒・保護者の皆さんから選択される教育環境を細やかに提供していく必要がある。その対応に一つ一つ粘り強く取り組んで行かなくては、と改めて感じさせられた貴重なチャレンジとなった。


◆日々の思い◆

　「『ありがとう』の言葉が溢れる学校に」
　2021年度文部科学大臣表彰 教育者表彰
　前福島市立福島第三小学校長　佐藤 秀美（さとう ひでみ）

　東日本大震災の発災直後からしばらくの間、ACジャパンのテレビCMが延々と繰り返されていたことを時々思い出します。

　　　「こころ」はだれにも見えないけれど　「こころづかい」は見える
　　　「思い」は見えないけれど　「思いやり」はだれにでも見える
　　　　　　　　　　　　　　　　　宮澤章二　「行為の意味」より

　妊婦に席を譲ることができなかった男子高校生が、杖をついて階段を上るお年寄りに意を決して手を貸す・・・、そんな映像をバックにこのメッセージが流れていました。震災と原発事故の大混乱の中、誰もが厳しい状況にあるにもかかわらず、困っている方に手を差し伸べる優しい行為があちらこちらで見られました。と同時に、たくさんの「ありがとう」という言葉が飛び交いました。
　これまで様々な報道機関等が「日本語で最も美しい言葉」に関するアンケートを実施していますが、常に上位に選ばれる言葉が「ありがとう」なのだそうです。「ありがとう」と言われる人は、こころをこころづかいという、思いを思いやりという積極的な行為で表すことができる人です。そして、「ありがとう」と言える人もまた、こころづかいからこころを、思いやりから思いを感じ取ることができる人です。
　SNSでの炎上やバッシングに象徴されるように、社会全体が何か寛容さを失っているように感じているのは私だけではないでしょう。これからの社会を切り拓いていく子どもたちには、デジタル・テクノロジーがどれだけ進歩しようとも、こころづかいや思いやりをしっかりと受け止め、その行為の背景にあるこころや思いを感じ取ることができる人になってもらいたいと思います。そして、見えない大切なものやその行為に対し、「有り難い」という感謝の念を抱き、「ありがとう」という言葉を素直に発することができる人になってほしいと思います。
　本県の各学校では、今日も「ありがとう」の言葉が、教室や学校の中で飛び交っていることでしょう。震災と原発事故を経験した本県だからこそ、これまでも、そしてこれからもそうあってほしいと願わずにはいられません。「ありがとう」の言葉が溢れる学校は素晴らしい学校だ、そう私は考えています。

　※佐藤 秀美様は、2021年度文部科学大臣表彰を受賞されました。


　「きっかけ」
　高校教育課長　平澤 洋介（ひらさわ ようすけ）

　定期的に特集があり、毎回欠かさず観ているテレビ番組があります。高校生が所属している部活動の目標達成のために努力している姿を取り扱った番組です。そのひたむきな高校生の姿に毎回感動し、いつも涙してしまう番組です。いつも思うのはこの生徒たちがどんな「きっかけ」でその部活動に打ち込もうと思ったのかです。ひたむきな活動の原点には、それ相当の「きっかけ」があるのは容易に想像できるからです。
　人には何かを行うことになった「きっかけ」があるものです。学びの「きっかけ」、活動を始めた「きっかけ」、その職業に従事しようと思った「きっかけ」など様々です。そこで、今回はとても恥ずかしいのですが、自分の「きっかけ」を少しだけ書いてみようと思いました。
　自分の専門は英語です。なぜ英語になったのか。結果から言うと「英和辞書で単語の意味を調べようと思った『きっかけ』があった。」からです。
　英語に出会ったのは、小学校4年生のときです。別に英語に興味があったわけではありません。友達からアメリカのロックバンドの曲を教えてもらったのが英語との出会いです。理解してもらえると思いますが、小学生でしたので、教室では友達とほうきをギターにして、聞こえる歌詞をなんとなくまねしてみんなで歌っていました。当時はそれで楽しかったし、それで十分でした。
　今、音楽はサブスクの時代へと変化しましたが、当時はレコードでした。歌まねではだんだん飽き足らず、小遣いを貯めて、好きなバンドのLPレコード（LPやEPがあり、レコードのサイズを表していました。）を買いました。すごく嬉しくてドキドキしました。当時音楽は、購入してレコードという形で所有する時代だったのです。ジャケットのデザイン、ジャケットに付いている帯、ライナーノーツ（歌詞や解説が書かれた冊子のようなもの。）・・・。目の前に外国があるような気がしてすごく興奮したのを覚えています。歌詞の意味が分からずに、音をまねして歌っていた小学生にとって初めて出会う英語の歌詞でした。しかし、当時の自分が理解できるのは歌詞の日本語訳のみでした。（それもなんとなく。）結局英語の歌詞の意味は何も分からず小学校を卒業しました。
　中学校へ入学する前、小学校の卒業の時にもらった英和辞書をなんとなく手にしました。パラパラとめくってみると、なんと英単語の意味が日本語で書いてあるではありませんか。（当時自分は小学校を卒業したばかり、英和辞書など知りません。）チャンスとばかりに引き方も分からない英和辞書を使って、歌詞の単語を時間をかけて調べました。しかし、調べた単語を並べても、日本語訳と全く合わないどころか意味をなさいない日本語になってしまう。（当然後から分かったことですが文法の壁です。）なんなんだこれは、と無力感を味わいました。でもなぜか分かりませんが自分はそこで諦めませんでした。（もちろん本当の意味を理解できたのは大学の頃でしたが。）諦めなかった後の話は割愛しますが、これが自分の「きっかけ」です。
　今の学びには、「探究」というものがあります。生徒が自らの興味・関心に向けて、主体的に深く学び、その結果、学びを何に繋げるのか、何に繋がったのかを大切にするものです。この学習も「きっかけ」からのスタートかもしれません。学校は「きっかけ」を一方的に与える場所になるのではなく、生徒が「きっかけ」に自ら出会い、発見することで内発的動機付けに繋がる場所となる必要があると思っています。これからもそんな思いとともに学校の在り方について考えていきたいと思います。


◆みんなの学舎◆
　今回は、令和3年度 ふくしまを十七字で奏でよう絆ふれあい支援事業 優秀賞作品をご紹介します。
　※学校名、学年は、受賞時（令和3年度）のものです。

【絆部門】
ラインより 心に届く 置き手紙　　郡山市立郡山第四中学校2年 松山光希（子）
置手紙 空弁当の ありがとう　　松山明子（母）

【ふるさと部門】
ふるさとの まごころ込めて 送る桃　　棚倉町立棚倉中学校1年 稲垣希愛（子）
会えずとも 喜ぶ顔が 目に浮かぶ　　稲垣愛子（母）

○読者投稿欄「みんなの学舎」では、皆様からの原稿を募集しています。
　学校であった心温まる出来事やちょっといい話、心に残る先生のエピソード、子どもたちの作文でもかまいません。
　詳しくは、福島県教育委員会のWebサイト（メールマガジン、みんなの学舎）をご覧ください。
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/268846.pdf


◆学校自慢コーナー◆
　このコーナーでは、各学校の特色ある取組をご紹介しています。詳しい内容を県教育委員会Webサイトに掲載していますので、ご覧ください。

○「すこやかに伸びゆく 高野っ子～小中連携の取組から～」
　いわき市立高野小学校
　高野小学校は、四季の自然の彩り鮮やかな、湯の岳の麓にある学校です。
　小中併設である本校では、合同での行事や外国語科の乗り入れ授業など、内郷第三中学校との協働による小中連携の取組を、年間を通して実践しています。
　本校のシンボル「くすのき」のように「すこやかに伸びゆく子」の育成を目指しています。

・いわき市立高野小学校の学校自慢Webサイト
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/s-iwakil.html
・いわき市立高野小学校のWebサイト
→ https://iwaki.fcs.ed.jp/%E9%AB%98%E9%87%8E%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1

○「『おとな』から『大人』へ　君たち自身が『これから（キャリア）』をプロデュースできる学校！」
　福島県立須賀川創英館高等学校
　須賀川創英館高校は、須賀川高校と長沼高校が統合し、令和4年4月に開校した全日制普通科の高校です。キャリア指導推進校として、生徒の幅広い学習ニーズに対応した教育活動の充実を図り、より一層地域と連携しながら、地域を支える核となって活躍し、社会に貢献できる人材の育成に努めています。ここでは、本校の特徴的な取組について紹介します。

・福島県立須賀川創英館高等学校の学校自慢Webサイト
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/k-kentyul.html
・福島県立須賀川創英館高等学校のWebサイト
→ https://sukagawasoeikan-h.fcs.ed.jp/

○「学校自慢コーナー」では、県内の公立小・中・高・特別支援学校の学校自慢を募集しています。詳しくは、Webサイトをご覧ください。
「学校自慢コーナー」
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/appeall.html
「学校自慢コーナー応募の流れ」
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/310322.pdf
　教育総務課　電話024-521-7759
 

◆こんにちは！各所館です◆
　このコーナーでは、県教育委員会が所管する各教育事務所及び各センターの取組をご紹介しています。

◎『福島県特別支援教育センター』編
　福島県特別支援教育センターは、郡山インターのすぐそばにあります。同じ建物に、福島県総合療育センター、福島県発達障がい者支援センターがあり、3センターの連携も大切にしています。
　特別支援教育センターでは、地域や学校における特別支援教育の充実を目指し、今日的な教育課題に対応した研究、専門性向上のための教員研修、相談者のニーズに寄り添った相談・情報提供等を行っています。

【主な事業内容について】
1　教育相談（来所相談、電話相談）
・相談内容：園・学校生活に関すること、養育、就学、進路、不登校、関係機関との連携等
・相談者の思いや願いに寄り添い、子どもたちの健やかな成長を促せるよう努めています。
2　教員研修（基本研修、職能研修、専門研修）
・特別支援教育に関する幅広いニーズに応じた研修、ICTなど今日的課題に関わる研修等を通し、教員の専門性の向上を目指した講座を開設しています。
・今年度、第7次福島県総合教育計画や教員育成指標の改訂を踏まえ、講座内容の大幅な見直しや整理を行いました。
3　学校・地域支援
・各市町村教育委員会や各学校等の要請に応じて支援を行っています。
・研修会や授業研究、ケース会議等、先生方の専門性の向上や支援体制の整備に向けて支援しています。
4　プロジェクト研究・教育研究
・プロジェクト研究では、小・中学校の通常の学級と特別支援学級における実践研究を通して、児童生徒一人一人の資質・能力を育む交流及び共同学習の充実を図り、研究成果の波及を目指します。
・教育研究では、実践研究を通して、ICTの効果的な活用の在り方を探り、情報活用能力の育成を踏まえた各教科等の指導の充実を目指します。
5　教育資料・情報
　 特別支援教育に関わる教職員や関係者に役立つ情報をWebサイトで発信しています。
 　ぜひご活用ください！
・「教材・支援機器ポータル」：特別支援教育の実践事例を掲載
・「コーディネートハンドブック」：学校における指導支援や組織的な取組のヒントを掲載。A4裏表1枚で印刷できるよう作成してあるので、悩んだときの資料としても、校内研修の資料としても活用できます！
※「コーディネートハンドブック2022追補版」を今年の4月にアップしました。併せてご活用ください。
・「合理的配慮リーフレット」（基礎編）（実践編）（事例編）
・「ケース会議の進め方　リーフレット」

【「令和4年度　第37回福島県特別支援教育センター研究発表会」報告】
日時：令和4年12月2日（金曜日）
会場：福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」
目的：特別支援教育をめぐる最新の動向や研究等の成果を広く関係者に周知・共有することで、「地域で共に学び、共に生きる教育」の推進を図る。
・各研究発表、教育相談の実践報告
・ポスター発表（研究協力校での研究実践や長期研究員1年次）
・教育講演会：「多様性をふまえた一人一人の学びの充実を考える」
　東京大学先端科学技術研究センター　シニアリサーチフェロー　中邑　賢龍　氏
　中邑先生の実践や研究を踏まえたお話から、子どもたちの多様性を大切にした「学び」のあり方について、深く考える機会を得ることができました。
　今年度も、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の一環として、オンライン配信も実施し、来場者とオンライン参加を合わせて、約200名の方にご参加いただきました。
　今後も、様々な発信に努めていきたいと思います。
　発表会の内容や様子については、特別支援教育センターWebサイトをご覧ください。

詳しくは、特別支援教育センターWebサイトをご覧ください。
→ https://special-center.fcs.ed.jp/


◆図書館アラカルト◆
○年末年始の休館のお知らせ
　休館期間：令和4年12月28日（水曜日）～令和5年1月5日（木曜日）
　上記期間中に寄せられた貸出・調査依頼は、令和5年1月6日（金曜日）以降に対応します。
　また、休館に伴い、下記サービスの発送を一時停止します。
●資料宅配サービス
　停止期間：令和4年12月23日（金曜日）～令和5年1月4日（水曜日）
●受取館指定サービス
　令和4年12月13日（火曜日）昼12時～令和5年1月3日（火曜日）昼12時までの申込み受付分は、令和5年1月5日（木曜日）の発送になります。

○展示のご案内
　県立図書館企画展示コーナーにて開催中の企画展示についてご案内します。
展示　「時代を映してきた雑誌たち～表紙からみる、時代の移り変わり～」
期間　令和4年12月2日（金曜日）～令和5年2月12日（日曜日）
内容
　時代や世相を映してきた雑誌、流されず以前の体裁をとり続ける雑誌、時代のあいまに消えていった雑誌など、様々な雑誌の移り変わりを当館の雑誌コレクションから紹介します。

○サービスのご紹介
　県立図書館では、郵送にて利用登録・更新のお手続きをすることができます。遠方にお住まいの方や来館での手続きが難しい方は、ぜひご利用ください。
　詳しくは県立図書館ホームページの以下のページをご覧ください。
　「郵送による利用登録・更新について」
→ https://www.library.fcs.ed.jp/?page_id=228

<おすすめの1冊>
『らくご植物園』　相羽 秋夫／著　東方出版　2022年
　本書は、落語に登場する植物（樹木、草花、野菜、果物等）に焦点を当て、噺の簡単なあらすじとその植物にまつわる雑学や豆知識を紹介した本です。
　植物に着目しながら落語を鑑賞することは、あまりないかもしれませんが、本書を読むと植物が重要な役割を果たしている噺がたくさんあることが分かります。
　全部で100種の植物を、見開きごとに1種類ずつ紹介しており、落語を鑑賞しつつ読み進めることができます。落語好きの方はもちろん、落語にあまり触れてこなかった方も楽しめる内容です。
　姉妹書の『らくご動物園』もおすすめです。

・県立図書館　電話024-535-3220
→ https://www.library.fcs.ed.jp/


◆お知らせ◆
　多くの学校では12月25日頃から冬休みに入ります。この日はいわゆるクリスマスですが、日本におけるキリスト教徒の割合は1％程度。なぜ日本においてクリスマスが普及したのでしょうか。理由は様々ですが、そもそも1549年にフランシスコ・ザビエルらによりキリスト教が伝来し、数年後ミサが行われたことに始まるようです。その後、明治時代に文明開化が進み、明治末期にはクリスマス向け商品の販売が開始。そして大正天皇が12月25日に崩御されたことにより、1927年（昭和2）から1947年（昭和22）まで12月25日は「休日」に。戦後、日本国憲法の施行に基づき祝祭日が定められ、12月25日は休日ではなくなりました（内閣府HP参照）。文化の普及や祝日の由来、調べてみてはいかがでしょうか。
　今年も「うつくしま教育通信」をご愛読いただきありがとうございました。
　さて、ここからはお知らせのコーナーです。


○【義務教育課】～ふくしまで、先生になろう！～　ペーパーティーチャーのための相談会
　教職経験のない、または、教職から離れて長い年数が経過した教員免許を所有する方を対象に、教員の魅力とやりがい、教員採用試験、講師登録等の仕組みについて説明します。「自分の力を学校現場に役立てたい」「教員免許を無駄にしたくない」と感じている皆さん、是非この機会に相談会へお越しください。
〈地区、日時、会場等〉
・県北地区　令和5年1月16日（月曜日）14時～15時半
　会場：県庁北庁舎1階訓練室
　電話：024-521-2815
・県中地区　令和5年1月17日（火曜日）15時半～17時
　会場：郡山合同庁舎仮設2階大会議室
　電話：024-935-1489
・県南地区　令和5年1月18日（水曜日）15時～16時半
　会場：白河合同庁舎大会議室
　電話：0248-23-1665
・会津地区　令和5年1月26日（木曜日）14時15分～15時45分
　会場：会津合同庁舎新館2階大会議室
　電話：0242-29-5491
・南会津地区　令和5年1月24日（火曜日）14時半～16時
　会場：南会津合同庁舎2階会議室
　電話：0241-65-5365
・相双地区　令和5年1月24日（火曜日）15時半～17時
　会場：南相馬合同庁舎401会議室
　電話：0244-26-1316
・いわき地区　令和5年1月11日（水曜日）15時～16時半
　会場：いわき合同庁舎4階大会議室
　電話：0246-24-6216
〈対象〉
・現在教職に就いていない小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・養護教諭のいずれかの教員免許状を所有している方
・学校で勤務する意思がある、または検討中である方
※免許を取得中の学生等も大歓迎です！
〈申込み〉
・上記の会場に電話にてお申込みください。（当日参加も可能です）
・詳細については、義務教育課のHPをご覧ください。
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70056a/

○【県文化財センター白河館】ふくしま歴史探訪展「古代ふくしまの開発－矢吹が原を中心に－」のご案内
会期　令和5年1月21日（土曜日）～3月21日（火曜日）
時間　午前9時30分～午後5時（入館は午後4時30分まで）
観覧料　無料
休館日　毎週月曜日、2月24日（金曜日）
内容
　奈良時代に律令国家は「公地公民」の方針を改め、個人による土地の私有を認めるようになりました。その結果、全国各地で一斉に開発が活発化し、ふくしまでも新たな土地の開発が始まりました。今回の展示では、矢吹が原と呼ばれる県南の広大な台地の発掘調査成果を中心に、開発に挑んだ人々のくらしがどのようなものであったのかについて、当時の生活道具や農具、信仰に関連するもの、流通品などの展示を通して、古代ふくしまの開発の様相をご紹介します。ぜひお越しください。

※ご来館の際は感染症対策にご協力ください。体調に不安がある場合はご来館をご遠慮ください。
※詳しくは、県文化財センター白河館（まほろん）Webサイトをご覧ください。
・県文化財センター白河館（まほろん）　電話0248-21-0700
→ https://www.fcp.or.jp/mahoron/


□■□編集後記□■□

　雪の季節がきました。徐々に雪化粧する吾妻連峰の美しさと、湿気を吸った分厚い布団のように山の上にどんより居座る重たい雲に、雪国に来たと感じます。朝は電動自転車に次女を乗せて保育園まで送っています。雪が積もったら歩くしかないかなど頭を悩ませています。そんな親の気は知らず、娘たちは「早く雪積もらないかな。一緒に雪だるま作ろうね。雪合戦もしたいな。」などと無邪気に話をしています。
　最近、妻がバレエを習い始めました。以前からやってみたかったそうですが、福島はバレエが盛んなようで、駅前に様々な選択肢があって一念発起したそう。平日、週に1回は私のお迎えデーなので、その日は夜のレッスンを楽しんでから帰宅します。毎日、埼玉まで遠距離通勤してくれている中、良い息抜きになっているようです。
　そんな妻が面白いことを言っていました。股関節を外旋させる動きに苦労していたところ、ある本で「股関節を動かすのではなく、関節に付いている脚の付け根を意識して、そこから生えている脚を動かすイメージで」という解説があり、それを読むと驚くほどしっくり動かせるようになったとのこと。ハマったものに関する書籍を読み漁る妻ですが、いろんな本を読む中で自分にぴったりする記述に出会ったのと興奮気味に教えてくれました。
　このエピソードで感じたのは、人それぞれの内的な学びのプロセスに響く指導は一人一人異なるということです。文科省の答申や本県の第7次総合教育計画でも「個別最適な学び」を標榜していますが、学校における子どもたちの学びは、様々な個性を持った子どもたち一人一人の心に響く言葉を投げかけ、導いていく営みです。
　昨今「個別最適な学び」とICT利活用の文脈で、次世代の学校は「教え」から「学び」に転換していくことが大切だと言われます。確かにICTが進歩し、必要な情報は検索すればすぐに手に入る世の中では、多くの情報をインプットすることよりも、いかに関連する情報を集め、見極め、組み合わせ、解決に導いていくかが重要です。その過程は一様ではなく、ICTの利活用を通して学びのプロセスが個別最適化されることが重要だと指摘される所以です。
　一方で、「学び」のプロセスを起動させるためのスイッチは教師が子どもたちに投げかける「教え」や「問いかけ」です。学校段階によって違いはありますが、それらを起点として子どもたちそれぞれが独自の「疑問」や「問い」を見いだし、「学び」のプロセスに入っていくのです。そう考えると、その「教え」や「問いかけ」といった、子どもの学びの着火点の個別最適化の重要性は、これまでもそしてこれからも変わることはないのだと思います。
　すなわち、いくらAIをはじめとするICTが進歩しても教師の仕事は代替可能にはなりません。「画一化された」と評されることも多い学校での学びですが、実は、一人一人の子どもたちの表情や反応を見つつ、内面に寄り添い、どんな言葉がこの子に響くのか、どう角度を変えて伝えると腑に落ちるのかなと試行錯誤していく中で生み出される相互作用です。子どもたち一人一人に実現すべき「個別最適な学び」は、教師の教え、問いかけ、導いていく働きかけの個別最適化と、子どもたちの学び、課題を解決していく過程の個別最適化の積み重ねではないかと考えています。
　あらゆるモノとコトがITで繋がり、はるかにスマート化されると予測されるSociety 5.0時代。「人間にしかできない価値」を生み出すことが重要であり、そのための資質・能力を子どもたちに育むことが求められます。まさに、そのための「教育」という営みこそが、「人間にしかできない」大きな役割であり、その役割を十分に発揮できる環境と体制の整備が、改めて重要になるのだと感じています。
　今月も最後までお読みいただきありがとうございました。
　
　教育総務課長　堀家 健一（ほりいえ けんいち）


■このメールについて■

・お問い合わせは、福島県教育庁教育総務課へお願いします。
　電話024-521-7759
　メールアドレスk.ko...@pref.fukushima.lg.jp
・このメールの再配信はご遠慮ください。

■□■ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま　編集・発行　福島県教育委員会■□■