うつくしま教育通信 Vol.222

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教育庁教育総務課代表

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Nov 20, 2022, 8:12:51 PM11/20/22
to うつくしま教育通信

 《福島県教育委員会メールマガジン》

■■■ うつくしま教育通信Vol.222 2022.11.21 ■■■
発行:福島県教育委員会 https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/

★★目次★★
◇リレーエッセイ
 県教育委員会委員 大村 雅恵(おおむら まさえ)
◇日々の思い
 義務教育課長 石幡 良子(いしはた りょうこ)
◇読者投稿欄「みんなの学舎」
◇学校自慢コーナー
 楢葉町立楢葉小学校
 福島県立会津西陵高等学校
◇こんにちは!各所館です 教育センター
◇図書館アラカルト
◇お知らせ
◇編集後記
 教育総務課長 堀家 健一(ほりいえ けんいち)


◆リレーエッセイ◆

 「鉄道開業150周年に思う」
  県教育委員会委員 大村 雅恵(おおむら まさえ)

 2022年10月1日、福島県は只見線の11年ぶり全線開通のニュースで沸いていました。新聞紙面に踊る文字は、「希望を乗せて」「おかえりなさい」「つながったレール」「経済効果の創出に期待」等々。2011年7月の新潟・福島豪雨による甚大な被害からの運行再開・・・。
 日本一の地方創生路線になるよう全力で取り組もうとの想いに胸が熱くなり、期待があふれてきました。全国でローカル線存続の危機が伝えられる中、只見線の復活における地元の魅力発信方法や地域活性化の取組は、全国からの注目度も大変高いようです。
 横浜在住の秘湯大好きな友人は早速乗車することを決めており、取組に活かせる情報はないか、友人の率直な感想を聞いてみようと思っております。
 このニュースを聞いたのち、東北新幹線内でJR東日本の広報誌『トランヴェール』を手にする機会がありました。鉄道開業タイムトラベルという特集で、1872年(明治5年)に新橋~横浜(現桜木町)間に日本で初めての鉄道が開業してから、10月14日で150周年を迎えたこと、鉄道という新たな移動手段の出現が日本の近代化に大きく貢献したことから、10月14日は新しい日本が始まった日とも言われていることが掲載されていました。面白さにひかれ読み進める中で、特に興味を持ったのが、「考古学に貢献した鉄道~大森貝塚発見」の記事でした。開業から5年後、鉄道を利用したアメリカの動物学者エドワード・モースが車窓から白い地層を見つけ発見したのが大森貝塚であり、ここが日本の考古学発祥の地となった・・・という内容でした。かつて通学通勤に毎日利用していた鉄道に関する興味深い事実を今になって知ったという驚き、当時毎日眺められたのにも関わらず全く知らなかったという残念感、今すぐにでも見に行きたいと思った自分の関心のありようの意外さなど、一つの記事から様々な思いが駆け巡ったものです。
 興味や好奇心は年齢とともに変わっていくものですが、多くの情報に触れることの大事さを実感しました。周囲に情報があふれている現代において、取りに行こうとすればいくらでも集められる多種多様な情報も、自分が取りにいこうとしなければ有効には使えず、いかにアンテナを張っておけるか、どれだけ興味関心と好奇心を持っていられるかがとても重要に思えます。教育に関わる者として、このことを一つの大事な指標としていきたいと、年齢を重ねた今、改めて思っております。


◆日々の思い◆

 「面積が50平方センチメートルの正方形のかき方を説明しよう!」
  義務教育課長 石幡 良子(いしはた りょうこ)

 「面積が50平方センチメートルの正方形のかき方を説明できる?」ある日の夕食時に、突然夫に聞かれました。みなさんは、かき方を説明することができますか?
 この問題は、夫が小学6年生の時、算数の時間に担任から出された問題で、今でも鮮明に覚えていると言うのです。「この問題を解ける6年生はこの町にはまだ1人しかいない。」意欲をかき立てる担任の言葉に、何としても解決したいという思いが高まったと言います。授業中はもちろん、休み時間や放課後まで複数の友達と悩み、考え、話し合ったそうです。下校途中に出会った知り合いのおじさんにも「この問題わかる?」と質問し、一緒に考えてもらい、夜には両親と共に頭を悩ませたそうです。「主体的で対話的で深い学び」と言いますが、まさに主体的に、他者との対話を大事しながら考えたと言えます。そして、かき方がわかった瞬間の達成感と満足感は、それまで味わったことのない新鮮な感覚だったそうです。その先生の算数の時間はいつも待ち遠しく、とにかく考えることが楽しかったと言います。それがきっかけで、数学に興味をもち、教員の道を志したとも言っていました。
 「他の先生とはどこが違っていたの?」との私の質問に、「その先生は、とにかく算数が好きだった。『算数はおもしろい』と言うのが口癖だった。その教科のおもしろさがわかる指導者は、子どもの心を揺さぶる仕掛けをいろいろと考えることができるのかもしれない。」「なるほど・・・。」教員も一人一人得意とする教科や分野があります。まずは、自分が得意とする教科の真のおもしろさを伝えることを意識すれば、子どもたちにその教科のねらいが伝わり、学びの変革につながっていくのかもしれません。
 さて、問題に戻ります。みなさんは、面積が50平方センチメートルの正方形のかき方を説明できますか?
 (ヒント1)正方形を1つの対角線で切ってみましょう。
 (ヒント2)50平方センチメートルの半分は25平方センチメートルです。
 (ヒント3)三角形の面積を求める公式は?
 もうわかりましたね。あえて答えは申しません。解決できた方は、すっきり、満足した気持ちになったのではないでしょうか。みなさんも近くの人に、「面積が50平方センチメートルの正方形のかき方を説明できる?」ぜひ尋ねてみてください。


◆みんなの学舎◆
 今回は、令和3年度道徳教育総合支援事業「モラル・エッセイ」コンテスト中学生の部 優秀賞の作品をご紹介します。
 ※学校名、学年は、受賞時(令和3年度)のものです。

 「大切な友の話」
  二本松市立東和中学校3年(受賞時)菅野 心花

 今までにないくらいの緊張と不安に押しつぶされそうになったのは、それが私にとって中学校最後の大会だったからだ。大好きな陸上を始めて七年。一つの節目の大会だった。
 「無理だ」「どうせ負ける」弱音ばかり吐き、走る前からレース後の悔し涙ばかり想像した。そんな私に大きな力と勇気をくれたのはクラスのみんなの存在だった。前日、みんなが伝えてくれた「頑張れ」が私の背中を押してくれた。たった一言だけれど嬉しくて、その一言が私の一番の力になった。
 大会が終わり、誰もいない教室に入った時、レース前の緊張と不安が涙に変わったのは、黒板いっぱいに描かれたクラスのみんなからの「おつかれ」のメッセージを見たからだ。ほんの些細な日常での出来事だった。でも、私には特別なイベントのように心に残った。それは、みんなの優しさが確かに私に伝わったからだ。一人では何もできない弱い私だけれど、みんなの力を借りればどこまでも頑張れるような気がした。クラスのみんなの優しさに私は涙を止めることができなかった。私のクラスは、頑張る誰かを全力で応援できるクラスだ。相手を想うその優しさでたくさんの人を助けることができるクラスだ。一人一人がそんな心をもつ私のクラスは、相手の悪いところではなく、良いところに目を向ける。そして、互いに認め合い、自分に足りない部分を取り入れ、成長できる場所だ。このクラスで過ごす毎日がそれを実感させてくれた。
 中学校三年生の私たちにとって、卒業まで残された時間は日に日に少なくなっていくばかりだ。それでも離れる寂しさばかりではなく、この三年間で培った優しさで笑顔を増やし、楽しい毎日を過ごしていけることが今の私の一つの願いだ。大好きなみんなとは、離れていても会えなくても互いを想い合える。いつまでもそんな優しいクラスでありたい。

○読者投稿欄「みんなの学舎」では、皆様からの原稿を募集しています。
 学校であった心温まる出来事やちょっといい話、心に残る先生のエピソード、子どもたちの作文でもかまいません。
 詳しくは、福島県教育委員会のWebサイト(メールマガジン、みんなの学舎)をご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/268846.pdf


◆学校自慢コーナー◆
 このコーナーでは、各学校の特色ある取組をご紹介しています。詳しい内容を県教育委員会Webサイトに掲載していますので、ご覧ください。

○「聞き合い 認め合い 学び合う ~Challenge Change~」
  楢葉町立楢葉小学校
 楢葉町立楢葉小学校は、楢葉南小学校と楢葉北小学校が統合し、2022年(令和4年)4月に誕生しました。学校は、木戸川の南に位置し、太平洋を望む高台にあります。
 令和4年度の重点目標は、「聞き合い 認め合い 学び合う ~Challenge Change~」です。
 すべての子どもたちが安心・安全に過ごせる学校を地域と共につくっていきます。

・楢葉町立楢葉小学校の学校自慢Webサイト
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/s-sosol.html
・楢葉町立楢葉小学校のWebサイト
https://sites.google.com/fcs.ed.jp/narahaminamikita-e

○「『友と学び ともに鍛えん』~郷土を愛し、活力ある地域づくりに貢献する人材を育てる~」
  福島県立会津西陵高等学校
 本校は会津盆地の南西部、会津美里町にあります。会津美里町は豊かな田園の広がる旧新鶴村、本郷焼と東日本最大級の山城「向羽黒山城」を有する旧会津本郷町、そして会津文化発祥の地である伊佐須美神社の門前町として栄えた旧会津高田町からなっています。また、旧大沼高校と旧坂下高校の統合校である本校は、江戸時代から阿賀川を利用した水運、物流の中心地として栄えた商業都市の会津坂下町に旧坂下高校があったことから、この会津盆地西部を学びのフィールドとしています。本校の教育目標では、目指す生徒の将来像として「郷土を愛し、活力ある地域づくりに貢献できる人物」とし、地域課題探究学習に取り組んでいます。

・福島県立会津西陵高等学校の学校自慢Webサイト
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70012a/k-aizul.html
・福島県立会津西陵高等学校のWebサイト
https://aizuseiryo-h.fcs.ed.jp/

○「学校自慢コーナー」では、県内の公立小・中・高・特別支援学校の学校自慢を募集しています。詳しくは、Webサイトをご覧ください。
「学校自慢コーナー」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/appeall.html
「学校自慢コーナー応募の流れ」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/310322.pdf
 教育総務課 電話024-521-7759
 

◆こんにちは!各所館です◆
 このコーナーでは、県教育委員会が所管する各教育事務所及び各センターの取組をご紹介します。

◎『教育センター』編
 本年度も昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染防止対策が求められる中、研究・研修の実施にあたってご協力とご理解をいただき感謝申し上げます。
 さて、第7次福島県総合教育計画のもと、本県では児童生徒への一人一台の学習用端末の導入を踏まえ、デジタルとリアルの双方の良さを生かした学びの変革に取り組んでいます。また、高校では共通教科「情報」の授業力向上が急務となっております。
 そこで、当センターでは、「学びの変革」の実現のために、「ICT活用」に関する研修を実施します。また、共通教科「情報」におけるプログラミング指導に不安を感じる教員を支援するために、研修を実施します。今回はこの2つの研修を紹介します。

【児童生徒が一人一台端末を活用する授業基礎講座】
 本研修の目的は、授業における一人一台端末の活用例の紹介や体験を通じて授業力の向上を図ることです。
 研修内容は下記のとおりです。
期日:令和4年12月26日(月曜日)13時~16時
対象者:一人一台端末を活用した基礎的な授業力を高めたい県内の小・中・義務教育学校教員
開催方法:オンライン
講義・演習「主体的・対話的で深い学びを実現するICTの活用例」
・主体的・対話的で深い学びの理解
・学習課題把握・課題追求・課題解決・まとめ・振り返りのためのICT活用
協議「ICT活用の成果と課題」
演習・協議「主体的・対話的で深い学びを実現する授業」
講師:教育センター指導主事

【プログラミング指導研修会2~Python編~】
 本研修の目的は、プログラミング指導に不安を感じる教科担当者に対し、プログラミングの指導力の向上を図ることです。
 研修内容については下記のとおりです。
期日:令和4年12月5日(月曜日)9時50分~16時
対象者:情報科担当教員
会場:福島県教育センター及びオンライン
講義・演習「問題の発見・解決に向かう授業の在り方」~Python 編~
・プログラミングの導入と必要性の喚起
・プログラミングを活用した問題の解決の授業
講義・演習「令和7年度大学入学共通テストに向けて」
・大学入学共通テスト試作問題(令和4年11月9日公表)の解説
・2年後の大学入学共通テストに向けての授業改善の在り方や教育課程の在り方
講師:東京都立神代高等学校 主任教諭 稲垣 俊介 様
※12月5日の予告動画URL
https://drive.google.com/file/d/1TWnJQ3Glo4oTe4mh5NXVTOui06Oo_0lF/view?usp=sharing
※福島県研究発表会の概要(教科情報)
https://drive.google.com/file/d/1VlCWjBMVxexG-O7kM7vJSlcrZXzCYNMF/view?usp=sharing


◆図書館アラカルト◆
 福島県立図書館で開催予定の講座・イベントをお知らせします。
 参加ご希望の場合は、電話または来館等でお申込みください。詳細は当館ホームページをご覧ください。
○世界のことばで おはなしかい
日時:令和4年12月10日(土曜日)11時00分~11時40分ごろ
対象:5歳以上の子ども
講師:李 智恵さん(韓国出身)
   ブラッド マシュー ウィルソンさん(ニュージーランド出身)
定員:20名
内容:日本語と韓国語と英語で、絵本を楽しんでみませんか?
みんなで遊びに来てください。

○県立図書館では、雑誌も貸出しています。
 県立図書館はバックナンバーの雑誌を貸出しています。遠方にお住まいの場合は、地元の図書館で取寄せたり、宅配(有料)で利用することもできます。また、記事の郵送複写(有料)も著作権法の範囲内でご利用いただけます。ぜひご利用ください。
※購入雑誌一覧はこちら
 https://www.library.fcs.ed.jp/?page_id=256
※最新号・復刻版・地域関係雑誌等、一部貸出できないものもあります。
※学校の図書館に取寄せできる場合もあります(校種・学校によって異なります)。

<おすすめの1冊>
『子育て支援の経済学』山口 慎太郎/著 日本評論社 2021年
 経済学の観点から様々な子育て支援政策について、その効果や是非を論じた一冊です。「なぜ政府が少子化問題に取り組むべきなのか?」というそもそもの疑問から、「保育所支援で母親は働きやすくなるのか?」など政策に直結する内容まで幅広く扱っています。この本では経済学に基づいた実証(統計)分析から各種政策の帰結を分析していますが、そうした分析の手法や前提(国や制度など)を詳しく述べていることが特徴的です。そのため、各種の問題に対して「何が」「どこまで」言えるのか、逆に何が分からないのかが分かりやすく、子育て政策のあり方について考えるきっかけになります。教育と密接な関わりを持つ子育て政策に関心のある方にお勧めの一冊です。

・県立図書館 電話024-535-3220
https://www.library.fcs.ed.jp/


◆お知らせ◆
 12月4日から10日は人権週間です。戦争のニュースを耳にするたび、国や親は選べないということを痛感します。世界には今もなお、1日1ドル以下で生活している子どもたちがたくさんいます。私はかつて、途上国で小学校低学年くらいの子どもたちから、お手伝いの対価としてお金を要求されたことがあり、その時は、悪い慣例とならないようお金は渡さない方がいいのか(代わりにモノを渡すべきか)、それともお金を渡して今日の食費にしてもらうか、渡すとしたらいくらが妥当か悩んだものです。彼らは今では大人。国や親は選べなくても、どのように生きるかは自分で決めて選んでいるはず。人権週間が近づくたびに、彼らの幼い顔を思い出します。
 さて、ここからはお知らせのコーナーです。

○【教育総務課】「令和4年度教育フォーラム」のお知らせ
 県教育委員会では、今年度から第7次福島県総合教育計画及び年次計画である「学びの変革推進プラン」に基づき、取組を進めています。そこで、多様化するこれからの社会を見据えた学びを行っている各学校の実践報告を通して、これからの多様な学校の在り方について展望する機会とするため、本フォーラムを開催します。
日時:令和4年12月23日(金曜日)9時30分~11時30分(受付は9時から)
開催方法:オンライン(Zoom)
テーマ :多様化するこれからの教育~誰一人取り残さないために~
内容
 実践報告をする学校は、川内村立川内小中学園、県立川口高等学校、県立ふくしま新世高等学校の3校です。アドバイザーに、(一社)未来の準備室理事長の青砥和希氏と、(一財)地域・教育魅力化プラットフォームディレクターの長谷川勇紀氏をお迎えして開催します。傍聴ご希望の方は、参加申込書にご記入の上、郵送又は電子メールでお申し込みください。
 傍聴申込期間は、令和4年11月7日(月曜日)から12月5日(月曜日)までです。
※詳しくは、福島県教育委員会教育総務課のWebサイトをご覧ください。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/forum.html

○【教育総務課】福島県ICT活用ハンドブック2022について
 福島県教育委員会では、10月に本県教員のICT活用指導力の向上を目指して「福島県版ICT活用ハンドブック2022」を作成し、ウェブサイトに公開しています。
 一方通行の画一的な授業から個別最適化された学び、協働的な学び、探究的な学びへと変革していく「学びの変革」は、教員の日々の授業実践の延長線上にあり、ICTを活用することで日々の授業は更に豊かになる可能性があります。本誌は、ICT活用スキルチェック表などで基礎的なスキルから確認できるだけでなく、モデル校の実践事例をもとに、学びの変革につながる授業のヒントもたくさん盛り込まれています。また、ICT活用にこれから挑戦してみようという人向けに、「プロジェクターに端末の画像が映らない時の対処法」なども掲載しました。
 県教育センターでも、このハンドブックの参考資料等を掲載した「【資料】福島県版ICT活用ハンドブック」のサイトを開設しました。教員が自身のICT活用指導力を踏まえて、スキル向上ができるような関連情報が掲載されています。
 (一部、FCSアカウント限定あり)
 「福島県版ICT活用ハンドブック2022」を日々の教育活動の充実にぜひご活用ください。

・福島県版ICT活用ハンドブック2022
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/icthandbook.html
・【資料】福島県版ICT活用ハンドブック
https://sites.google.com/fcs.ed.jp/fictbook

○【県立博物館】秋の企画展「名君の大名文化」について
会期 後期:令和4年11月8日(火曜日)~12月4日(日曜日)
時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 一般・大学生1,300円、高校生800円、中学生以下無料
休館日 毎週月曜日、11月24日(木曜日)
内容
 岡山藩主池田家は西国を代表する大名家。藩祖の池田光政と会津藩主の保科正之は同時代を生き、共に名君と仰がれました。本展覧会では、岡山市にある林原美術館の特別協力により、池田家ゆかりの甲冑、能装束、絵画、婚礼調度など池田家の文武を伝える名品の数々を始め、林原一郎氏が収集した素晴らしい美術工芸品を紹介します。また、岡山藩士から文人となり、会津を訪れた浦上玉堂、その息子で会津藩士となった秋琴の作品も展示。岡山と会津の関わりを多角的に探ることのできる展覧会です。ぜひお越しください。

※ご来館の際は感染症対策にご協力ください。体調に不安がある場合はご来館をご遠慮ください。なお、混雑時には入場を制限する場合があります。
※詳しくは、県立博物館Webサイトをご覧ください。
https://general-museum.fcs.ed.jp/

○【県立美術館】企画展「没後200年 亜欧堂田善」のご案内
会期 令和4年10月29日(土曜日)~12月18日(日曜日)
時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 一般・大学生1,000円、高校生600円、小・中学生400円
休館日 毎週月曜日、11月24日(木曜日)
内容
 亜欧堂田善、本名永田善吉(1748~1822)は、江戸時代後期を代表する洋風画家の一人で、現在の福島県須賀川市に生まれました。彼は白河藩主の松平定信から才能を見出され、腐食銅版画の習得という君主の期待に見事に応えました。亜欧堂の画号は、「アジア(亜)とヨーロッパ(欧)を眼前に見るかのようだ」と賞賛した定信が与えたものと伝えられています。
 没後200年を記念して開催する今回の企画展は、田善の銅版画をはじめ、肉筆作品、下絵など約160点を通して、彼の画業を振り返ります。また谷文晁、司馬江漢など同時代の絵師たちの作品もあわせて展示し、その表現の源泉と独自性を探ります。ぜひお越しください。

※ご来館の際は感染症対策にご協力ください。体調に不安がある場合はご来館をご遠慮ください。なお、混雑時には入場を制限する場合があります。
※詳しくは、県立美術館Webサイトをご覧ください。
https://art-museum.fcs.ed.jp/


□■□編集後記□■□

 秋も深まる中、寒さも厳しくなっていく今日この頃です。先日、家族で福島市の「フルーツライン」を通った際には鈴生りの林檎や柿の木々が延々と続き「すごい!林檎だらけ!」と娘たちは大興奮。果物王国福島に来たと改めて実感しました。
 娘たちは福島の果物が大好物です。東京に住んでいたときには「桃」「梨」「林檎」と一括りだったものが今では「あかつきも好きだけど白鳳が一番好き」「二十世紀はちょっと酸っぱいから甘い豊水がいいな」「こっちの秋映はお父さんが食べて。私はシナノスイートを食べるから」とそれぞれの果物にも品種があって自分好みのものがあるということを知ったようです。背伸びした不釣り合いな発言に思わずクスッと笑ってしまうとともに、このように物事を分節していくということが知を身につけていくことなのだなと感じます。極めて単純化した言い方ですが、学校における学びも、混沌とした社会を切り拓いていくために、このように新たに知識や技能、思考力や判断力等を身につけていくことなんだなと思います。
 一方で、現代の国際情勢や日本社会は、過度に分節が進みすぎている危惧があります。ロシアによるウクライナ侵攻やSNSを用いた誹謗中傷など、Aとは異なるBをnot Aとして敵視し排除・攻撃しようとする分断が生じています。学校現場でも、先日発表された文部科学省の調査によると、いじめの認知件数が増加し過去最多、不登校児童生徒の数も過去最多となるなど、深刻な状況があります(なお、本県は、いじめの認知件数は全国で少ない方から20番目、不登校児童生徒の発生数も全国で5番目に低い割合であり、学校現場や家庭の御努力もあり、生徒指導上比較的落ち着いた状況にあります)。
 こうした過度に分節が進む世の中で重要になってくるのが「あいだ」ではないかと考えています。精神科医で哲学者でもある木村敏は、自己と他者の間主観的な「あいだ」の視点から人間存在について深く洞察し、その中で「あいだ」は未来産出的な志向性を持つと指摘しています。AとBの狭間やAでもBでもあるような領域は新たな価値を生み出す土壌になります。科学技術分野においても、例えば生物学と物理学が出会うことで分子生物学が生まれてDNAの二重らせん構造が解明されたように、新たなイノベーションは複数分野の融合領域から生まれています。
 先日、西会津町の家庭教育相談室「こころのオアシス」を視察した際に、こうした「あいだ」の重要を改めて感じました。「こころのオアシス」は西会津小学校の1階、児童用玄関の横の青い看板が目印となる一室で、2名のスタッフが常駐しています。学校の玄関を通らず直接入れる構造になっていて、小さい子どもも遊べる畳のスペースや地域の方から譲り受けたソファが置かれた温かい雰囲気の室内に、リラックスできる音楽と香り。子どもたちや地域の方が誰でも気軽に訪れることができる場所になっています。教室に通うことがしんどい子にとっては教室までのワンクッションに。保護者の方や子育てに奮闘されている方にとっては、まずはお茶を飲みながら気軽にお喋りできる場所に。「じっくり聞いてしっかりつなげる」をモットーに関係機関と連携しながら相談者の不安解消や継続的な支援に取り組まれており、その取組が評価され令和3年度には文部科学大臣表彰も受賞しています。学校であって学校でない場所。家から教室までのあいだ、家庭と子育て支援センター等の専門機関とのあいだにある存在として、子どもたちや地域の子育て世代の方々にとって重要な役割を担っていると感じました。
 第7次福島県総合教育計画でも「多様性を力に変える教育」を重視しています。その土壌として、従来の仕組みや価値観の「あいだ」となる部分にしっかりと目を向けていかなければならないと思っています。
 今月も最後までお読みいただきありがとうございました。

 教育総務課長 堀家 健一(ほりいえ けんいち)


■このメールについて■

・お問い合わせは、福島県教育庁教育総務課へお願いします。
 電話024-521-7759
 メールアドレスk.ko...@pref.fukushima.lg.jp
・このメールの再配信はご遠慮ください。

■□■ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま 編集・発行 福島県教育委員会■□■
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