02258/02266 BZT00066 切込隊長 ベンチャーな人達(後編)
(11) 97/01/03 00:59
みなさん、こんばんは。切込隊長と申します。
オフ会や戴いたメールなど見ましたが、いちいちコメントするのも面倒なの
で、
そのまま後編のアップをしてしまおうと思います。
なお、「言い方が乱暴ではないか」というご意見も散見されましたが、基本的
にここにでてくる人は全てゴミ野郎であり、丁寧な言葉を出すには値しない連中
であるからに他ならないということを、予め申し上げておきます。
# でも、そのうちの何人かはここ巡回してるんだよな。ヨンデナイ カモ シレナイガ
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<前編のあらすじ>
俺は、旧知のへっぽこ記者にベンチャー企業若手経営者の座談会に出て欲しい
と誘われて、精神的に荒廃した母校へ向かった。そこで見たものは、まさに大手
企業への反動のような若者達であった(注:俺も若者であるぞ)。
俺を除く全ての人達はソフト産業の起業家たちであり、得々と、自己の企業の
経営ビジョンという名の甘美な夢物語を語り合うのであった。
前編も読め。
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その男は、ハゲていた。
着ているモノは上質のようだったが、その語り口は経営者の熱弁というより
は、
マルチ商法の下請業者のトークのように安っぽく舶来物のカフスやローレックス
をつけた左手を誇示するかのように振りかざしていた。でも、髪は薄かった。
彼は、大きく、かつ無駄なジェスチャーをまじえて、今日本の社会がかれらの
ようなベンチャー経営者をいかに求めているのか、夢がなぜ大事なのか、弁論を
振るった。上方向に領地を拡大する額を赤く脂ぎらせながら、彼の発言は数分の
長きにわたり、一息つくと、今度は俺の嫌いな帰国野郎が、アメリカではこう
だ、
と三流経済評論家の常套句のような発言をし、一同の賛同を得ていた。
彼らは、「世の中がベンチャー企業を求めている」という前提を疑っていなか
った。一種の宗教の類である。なにが、彼らをそうさせたかは知らない。俺に
は、
単純にそういう非常に都合の良い論理を頭から信じる気にはならない。
俺は、ベンチャーだからといって、銀行が甘い条件で融資をしてくれ、人材を
紹介してくれ、部屋まで探してくれることに一種の気持ち悪さを感じるのであ
る。
仕方なく、反論に転じる事にした。「で、お前ら利益は上がってるのか」
・・・し~ん・・・としてしまった。まずい、また刺激が強すぎたか。
俺は、ソフト関連のベンチャーをやっているわけではないが、デバイスなどの
卸も利益構造安定のためにやっているから、連中の「夢」とやらが、いかに夢で
あるかをなんとなく感じる事ができる。馬鹿め。利益などあがっちゃいめぇ。
結局、連中はその夢の中に「お客様」という死ぬほど大事な要素が豪快に欠落
しているのである。誰に、誰のために商売するのか、考えてもいないのだろう。
単に、夢の中は居心地が良いから強弁しているだけだ。そんな夢に乗せられた
金融機関や社員こそ、いい面の皮だろう。
しばらくしてハゲた男は、売りだし開始後は順調にいくはずだ、それに納得し
てもらっているから融資がでているのだ、受け入れられる商品を出すのに時間が
かかるのは、納得の行く商品を出すためだ、と興奮して半ば叫び気味であった。
おいおい、興奮するな、もっと抜けるぞ後退するぞ。
「アメリカでの話がでたが、アメリカのVCは百件のベンチャーに投資して、
何件あたれば元が取れると考えていると思うか」と問うてみた上で「アメリカは
いいよなぁ、失敗しても次のチャンスが来るかもしれないから。その点、日本は
悲惨だよな~、出始めだけおだてられて、いざコケたら、はいど~もぉ、の世界
だもんな~。債権者に追われて、知人関係み~んなに手が伸びて、生きた心地が
しないよな~、地獄だよな~」などと独り言を言ったりした。
事実上、平均で見てアメリカは百件のベンチャー投資に対して、5件ないし、
6件程度上場すれば採算が採れるようになっている。その点、日本は上場までに
時間がかかる上、上場手続きだの初期株式発行だので、二重三重に金が取られる
システムになっている。だから、大手金融など是が非でもベンチャー育成を産業
化してやっていかなければいけない仕組みなのだ。上場まで、10年でも15年
でもかけて、何回でも甘い汁を吸いたいのである。規制緩和が遅れるのも道理
だ。
また、こういうところは人材の紹介にも熱心だ。なんせ、グループ全体が失業
して、たそがれている労働力を抱えている。こういう人達を何も知らないベンチ
ャー経営者のところに送り込んで、固定費を少しでも軽くしようという意図だ。
俺も、最初、外国人ビジネスマンと仕事をしようという時に、この手のVCを
回った事もある。確かに、金は出る。しかし、紹介された人材--「営業のスペ
シャリスト」だの「凄腕マーケッター」などといって来た人は、なんだこいつ、
ただの肉の塊じゃん、でも、服着てるから肉袋だ、といった人達なのである。
しかも、紹介された人材の採用を断ると、金を出してくれないのだ。仕方な
く、
知恵絞って商売に絡みそうなイキのいい会社に融資を願い出て、ようやく企業を
つくったのである。結果的には、これが効を奏すわけだが。
見方によっては、大手は影響力も資金もあるから、ブームを作って、若い人に
アイデアを出させ、ほとんど見返りなく言う事を聞くそこそこの中小企業を乱立
しようとしているにほかならない。そういう人は、一生懸命マスコミ出演に精を
出して、新たな大多数の犠牲者か極少数の成功者を産み出そうとするのである。
それが、悪い事だとは思わない。どう見ても、踊った奴が悪いのである。
日頃、秋葉原で見ている極当たり前の光景を述べたところ、再びし~んとなっ
てしまった。「うむ! そろそろ時間ですな。金は戴きますよ」
終了までには10分ほど余裕があったが、俺は強引に座談会を終結させ、帰路
についた。これ以上、あんなくそくらえな%&#野郎どもといてもしょうがない
し、上を見て崖を登っている連中に、わざわざ下を見せて恐怖心を煽ってもね
ぇ、
という気分になっていた。今日のところは、このぐらいで勘弁してやろう。ニヤリ
・・・あれから一か月半、依頼してきたへっぽこ記者からの連絡はない。
完
97/01/02(木) 23:05 切込隊長
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