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4元数の構成法

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Nagira

未読、
2002/10/16 10:34:562002/10/16
To:
4元数をa+bi+cj+dk(a,b,c,d∈R)と表して積の表を作ろうと思います。
X_0 = 1, X_1 = i, X_2 = j, X_3 = kとおいて 積が閉じているとして積は
X_α X_β = Σ(γ=0,1,2,3) T_αβγ X_γ
の形になるとします。
i,j,kと実数は可換であることを仮定しますがi,j,kについては仮定しないでおきます。
分配則も仮定します。これだけでは決まらないので
a+bi+cj+dkのノルムの2乗をa^2+b^2+c^2+d^2と仮定して、
|AB|^2=|A|^2 |B|^2
であるとします。複素数であれば積の表は完全に決まりますが4元数の場合、
これらの仮定だけで積表を完成できるでしょうか?

柳楽@生物系

Tsukamoto Chiaki

未読、
2002/10/17 11:04:272002/10/17
To:
工繊大の塚本と申します.

In article <3DAD7910...@d5.dion.ne.jp>

勿論出来ません. 例えば, i, j, k が 普通の四元数の積の表を満たすとき,
I = i, J = j, K = - k として, I, J, K についての積の表は I J = - K
になります. 但し, このようなものは, 当然, 普通のものと同型です.

R^4 = R + R^3 に入る(連続な)積で, R が中心にあり, Euclidean norm
(の二乗) N(x) = |x|^2 を保つものが与えられたとしましょう.

長さ 1 の元を掛けることは(右からの積も, 左からの積も), (Euclidean
な)長さを保つ変換ですから, 内積を保ち, 直交変換になります. 連続性の
議論から向きを保つことも分かります.

a を R^3 の長さ 1 の元としましょう. N(1 + a) = 2 ですから,
N((1 + a)(1 + a)) = 4 です. 一方, (1 + a)(1 + a) = 1 + 2 a + a^2
です. a^2 も長さ 1 の元で, 1 ⊥ a より a ⊥ a^2. 従って,
a^2 = (cos t) + (sin t) b となる, 実数 t と, R^3 の中の a と
直交する長さ 1 の元 b とが存在します.

N((1 + cos t) + 2 a + (sin t) b)
= (1 + cos t)^2 + 4 + (sin t)^2
= 6 + 2 cos t = 4

ですから, t = π, つまり, a^2 = -1 であることが分かります.

a, b を R^3 の長さ 1 の元で a ⊥ b であるとしましょう.
左から a を掛けて -1 ⊥ ab, 右から a を掛けて -1 ⊥ ba.
1 ⊥ a より b ⊥ ab, b ⊥ ba. 1 ⊥ b より a ⊥ ab, a ⊥ ba.
4 = N((a + b)(a + b)) = N(a^2 + (ab + ba) + b^2)
= N(-2 + (ab + ba)) = 4 + N(ab + ba) より N(ab + ba) = 0,
従って, ab + ba = 0. ab = -ba であることが分かります.

R^3 の中の正の直交基底 i, j, k を取りましょう. 1, i, j, k は
R + R^3 の正の直交基底です. 左から i を掛けてできる
i, -1, ij, ik も正の直交基底です. ij は i とも -1 とも j とも
直交する元ですから, k か -k かのいずれかです. ik も i とも
-1 とも k とも直交する元ですから j か -j かのいずれかですが,
ij = k なら ik = -j, ij = -k なら ik = j であることが(結合律を
仮定しなくても)正の直交基底であることから定まります.

右から j を掛けてできる j, ij, -1, kj が正の直交基底であること
から, ij = k ならば kj = -i, ij = -k ならば kj = i です.

これから積の表は決まりますね.
--
塚本千秋@応用数学.高分子学科.繊維学部.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chi...@ipc.kit.ac.jp

Tsukamoto Chiaki

未読、
2002/10/18 4:08:142002/10/18
To:
工繊大の塚本です. # どうもいけない.

In article <02101800042...@ims.ipc.kit.ac.jp>


Tsukamoto Chiaki <chi...@ipc.kit.ac.jp> writes:
> R^3 の中の正の直交基底 i, j, k を取りましょう. 1, i, j, k は
> R + R^3 の正の直交基底です. 左から i を掛けてできる
> i, -1, ij, ik も正の直交基底です. ij は i とも -1 とも j とも

> 仮定しなくても)正の直交基底であることから定まります.


>
> 右から j を掛けてできる j, ij, -1, kj が正の直交基底であること

全ての「直交基底」の前に「正規」を入れて読んで下さい.

Nagira

未読、
2002/10/18 11:38:022002/10/18
To:
ありがとうございました。一つの元の符号を反転させた2通りしか存在しない
のですね。ij = -ji = k , jk = -kj= i, ki = -ik = jと構成したとき
|(a+bi+cj+dk)(e+fi+gj+hk)|^2
= (ae-bf-cg-dh)^2+(af+be+ch-dg)^2+(ag-bh+ce+df)^2+(ah+bg-cf+de)^2
= (a^2+b^2+c^2+d^2)(e^2+f^2+g^2+h^2)
= |(a+bi+cj+dk)|^2|(e+fi+gj+hk)|^2
の第2等号では奇跡とも思える打ち消しが起こっています。
この打ち消し合いのできる構成法は本質的に他にないということですね。

Tsukamoto Chiaki wrote:
>
> 勿論出来ません. 例えば, i, j, k が 普通の四元数の積の表を満たすとき,
> I = i, J = j, K = - k として, I, J, K についての積の表は I J = - K
> になります. 但し, このようなものは, 当然, 普通のものと同型です.
>

> 右から j を掛けてできる j, ij, -1, kj が正の直交基底であること
> から, ij = k ならば kj = -i, ij = -k ならば kj = i です.
>
> これから積の表は決まりますね.
> --

> 長さ 1 の元を掛けることは(右からの積も, 左からの積も), (Euclidean
> な)長さを保つ変換ですから, 内積を保ち, 直交変換になります.

ここはa ⊥ b ,|c| = 1 ならばca ⊥ cbとなる大事なところですね。
長さを保つ変換は 内積を保つんでしたっけ。

柳楽@生物系

Tsukamoto Chiaki

未読、
2002/10/18 11:57:122002/10/18
To:
工繊大の塚本です.

In article <3DB02AD9...@d5.dion.ne.jp>
Nagira <nag...@d5.dion.ne.jp> writes:
> 長さを保つ変換は 内積を保つんでしたっけ。

ベクトル x, y の内積 (x, y) は

(x, y) = (N(x + y) - N(x) - N(y))/2

で与えられますから.

Nagira

未読、
2002/10/21 11:41:032002/10/21
To:
そもそもは4元数の構成法でしたが、なぜ3元数や5元数が構成できないかということについて
考えてみると、以下の論法は利用して
3元数の場合、ijは-1, i,jに直交する元でそのようなものはない。ということはわかります。
5元数の場合、いかにすればよいのでしょう。

1,i,j,k,lに左からiを掛けてi,-1,ij,ik,ilが正規直交基底、jを右から掛けて
j,ij,-1,kj,kjが正規直交基底、ijは-1,i,jに対して直交するとともに
ik,il,kj,ljに直交。以下同様がいくつかつくれますが、方針がよくわかりません。

Tsukamoto Chiaki wrote:
>
> a を R^3 の長さ 1 の元としましょう. N(1 + a) = 2 ですから,
> N((1 + a)(1 + a)) = 4 です. 一方, (1 + a)(1 + a) = 1 + 2 a + a^2
> です. a^2 も長さ 1 の元で, 1 ⊥ a より a ⊥ a^2. 従って,
> a^2 = (cos t) + (sin t) b となる, 実数 t と, R^3 の中の a と
> 直交する長さ 1 の元 b とが存在します.
>
> N((1 + cos t) + 2 a + (sin t) b)
> = (1 + cos t)^2 + 4 + (sin t)^2
> = 6 + 2 cos t = 4
>
> ですから, t = π, つまり, a^2 = -1 であることが分かります.
>

> R^3 の中の正の直交基底 i, j, k を取りましょう. 1, i, j, k は
> R + R^3 の正の直交基底です. 左から i を掛けてできる
> i, -1, ij, ik も正の直交基底です. ij は i とも -1 とも j とも
> 直交する元ですから, k か -k かのいずれかです. ik も i とも
> -1 とも k とも直交する元ですから j か -j かのいずれかですが,
> ij = k なら ik = -j, ij = -k なら ik = j であることが(結合律を
> 仮定しなくても)正の直交基底であることから定まります.

柳楽@生物系

Tsukamoto Chiaki

未読、
2002/10/22 6:32:252002/10/22
To:
工繊大の塚本です.

# Euclidean norm を保存する division algebra の次元は
# 1, 2, 4, 8 の何れかである, の説明は御勘弁いただいて……

In article <3DB4200F...@d5.dion.ne.jp>
Nagira <nag...@d5.dion.ne.jp> writes:
> そもそもは4元数の構成法でしたが、なぜ3元数や5元数が構成できないか

1 より大きい奇数次元の R 上のベクトル空間 V の
bilinear な積については, a, b ≠ 0 で a b = 0
となる a, b ∈ V がいつでも取れます.

易しい演習問題ですから, 先ずはお考え下さい. 証明は
改頁の後.

a ∈ V に対して x |→ a x から定まる V の線形変換を
L(a) とします. a ≠ 0 だが L(a) が非正則となるもの,
つまり, L(a) の行列式 det L(a) が 0 となるもの, を
見つければ良い.

det L(a) ≠ 0 としましょう. V の次元を n とすれば,
det L(-a) = det(-L(a)) = (-1)^n det L(a) で, n が
奇数という仮定から, det L(a) と det L(-a) とは異符号です.

1 より大きな次元のベクトル空間では a と -a と結ぶ
0 を通らない path a(t) (t∈[0, 1], a(0) = a, a(1) = -a,
a(t) ≠ 0, t |→ a(t) は連続) が取れます.

det(L(a(t))) は t の連続関数ですから, 中間値の定理で,
det(L(a(s))) = 0 となる s∈(0, 1) の存在が分かります.
a(s) が求めるものです.

Hideki Kato

未読、
2002/10/22 8:07:132002/10/22
To:
加藤@ODNです.本筋ではありません.

In article <02102219322...@ims.ipc.kit.ac.jp>, Tsukamoto Chiaki wrote:
>工繊大の塚本です.

>易しい演習問題ですから, 先ずはお考え下さい. 証明は
>改頁の後.
>

塚本先生,^L は Unix 系じゃないと効きません.
Windows や MacOS では単にドットになるだけですから,複数の改行を使っ
て下さい (_ _).
--
Hideki Kato <mailto:ka...@pop12.odn.ne.jp>


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Tsukamoto Chiaki

未読、
2002/10/22 8:32:482002/10/22
To:
^L愛好者同盟の工繊大の塚本です.

In article <3db523f0$1...@binarykiller.newsgroups.com>


Hideki Kato <ka...@pop12.odn.ne.jp> writes:
> 塚本先生,^L は Unix 系じゃないと効きません.
> Windows や MacOS では単にドットになるだけですから,複数の改行を使っ
> て下さい (_ _).

「先生」を使わないのなら, 今度からは考慮します.

NIDE Naoyuki

未読、
2002/10/22 10:12:402002/10/22
To:
In article <3db523f0$1...@binarykiller.newsgroups.com>,

ka...@pop12.odn.ne.jp writes:
> 塚本先生,^L は Unix 系じゃないと効きません.
> Windows や MacOS では単にドットになるだけですから,

それはOSの種別ではなく、ニュースリーダの種別によるものでは。Windows上
のmnewsあたりだと^Lが効きませんか?
ni...@ics.nara-wu.ac.jp

Hideki Kato

未読、
2002/10/22 13:57:142002/10/22
To:
加藤@ODNです.

In article <02102221324...@ims.ipc.kit.ac.jp>, Tsukamoto Chiaki wrote:

>「先生」を使わないのなら, 今度からは考慮します.

失礼しました (_ _).では,

塚本さん,最近は ^L が改ページにならないニュースリーダもたくさんあり
ますので,次からは ^L じゃなくて複数の改行を使って下さい (_ _).

と修正します (^^;;).

Tsukamoto Chiaki

未読、
2002/10/22 23:20:552002/10/22
To:
^L愛好者同盟の工繊大の塚本です.

In article <3db57...@binarykiller.newsgroups.com>


Hideki Kato <ka...@pop12.odn.ne.jp> writes:
> 塚本さん,最近は ^L が改ページにならないニュースリーダもたくさんあり
> ますので,次からは ^L じゃなくて複数の改行を使って下さい (_ _).

了解しました. 考慮します.

# 愛好者を増やしたくもあり, 読者を減らしたくもなし.

Wakamtu kazuhiro

未読、
2002/10/23 8:51:392002/10/23
To:
若松といいます。知ったかぶりモード。

In article <3DB4200F...@d5.dion.ne.jp>, nag...@d5.dion.ne.jp says...

>そもそもは4元数の構成法でしたが、なぜ3元数や5元数が構成できないかということについ
>て
>考えてみると、

文章をぶつ切りさせていただきました。

複素数体を含むような実数体上の代数というのは、複素数体上 n 次元なら
実数体上必然的に 2n 次元です。基底を考えてみてください。
(説明終わり)

(じゃあ 6 元数は?とか聞かれると困るが。
ブラウワー群とかの本を読んでください。私は忘れました。)

確か「数-zahlen」という本で読んだんですが歴史的にも、
複素数が平面の平行移動や回転などで解釈できるように、
3次元でもそのようなものはないか?と探されたのが
4元数発見のいきさつだったかと。つまり「3元数」を探していたわけです。
(上記の本は面白いので探してみてください)

ついでにさらに知ったかぶり。
4元数にも「複素共役」のようなものがあり、
z=a+bi+cj+dk に対し、z'=a-bi-cj-dk とすると
(xy)'=y'x' , zz'=a^2+b^2+c~2+d~2 となり
|xy|^2=|x|^2 |y|^2 がわりと楽に示せます。

(すべての自然数が4個の平方数の和で表せることを
4元数を使って示せるかと考えてみたんですが…
素数だけ表せればいいんだけど)

--
Wakamatu kazuhiro w...@po4.synapse.ne.jp

Nagira

未読、
2002/10/24 9:39:442002/10/24
To:
質問者の柳楽@生物系です。
通勤電車のなかの思考のみなので未だ一昨日の内容も理解しておりません。すいません。
代理で転送します

Date: 24 Oct 2002 09:09:23 +0900
From: Takuji Kawamoto <kawa...@miln.mei.co.jp>
To: nag...@d5.dion.ne.jp
CC: w...@po4.synapse.ne.jp (Wakamtu kazuhiro)
References:

松下電器情報システム名古屋研究所の川本といいます。

ニュースは投稿できないので、メールにて失礼します。
適当にニュースにフォローしてください。

若松さんの「6 元数は?」についてです。

6元数体 K は、複素数体を含む非可換体で、複素数体上3次拡大だから、複素数体との
間には部分体は無い。
従って、複素数体上1つの元 a で生成されているはずである。即ち、K = C(a)。

ここで、 a を実数体上に付け加えると、実数体上3次拡大非可換体 R(a) が得られる。
これは実数体をセンターに含むので、特に、a はどの実数とも可換だから、特に
R(a) は
可換体になる。

ところで、実数体上の有限次元可換体は、複素数体しかないので、R(a) が実数体上3次拡
大になれるはずはない。従って、6 元数体 K は存在しない。

--
川本 琢二 (Dr.Sc.KAWAMOTO,Takuji)
(株)松下電器情報システム名古屋研究所
E-mail kawa...@miln.mei.co.jp
tel. 052-232-0194 fax. 052-232-0135
tel. 7-532-503 fax. 7-532-435

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