柳楽@生物系
In article <3DAD7910...@d5.dion.ne.jp>
勿論出来ません. 例えば, i, j, k が 普通の四元数の積の表を満たすとき,
I = i, J = j, K = - k として, I, J, K についての積の表は I J = - K
になります. 但し, このようなものは, 当然, 普通のものと同型です.
R^4 = R + R^3 に入る(連続な)積で, R が中心にあり, Euclidean norm
(の二乗) N(x) = |x|^2 を保つものが与えられたとしましょう.
長さ 1 の元を掛けることは(右からの積も, 左からの積も), (Euclidean
な)長さを保つ変換ですから, 内積を保ち, 直交変換になります. 連続性の
議論から向きを保つことも分かります.
a を R^3 の長さ 1 の元としましょう. N(1 + a) = 2 ですから,
N((1 + a)(1 + a)) = 4 です. 一方, (1 + a)(1 + a) = 1 + 2 a + a^2
です. a^2 も長さ 1 の元で, 1 ⊥ a より a ⊥ a^2. 従って,
a^2 = (cos t) + (sin t) b となる, 実数 t と, R^3 の中の a と
直交する長さ 1 の元 b とが存在します.
N((1 + cos t) + 2 a + (sin t) b)
= (1 + cos t)^2 + 4 + (sin t)^2
= 6 + 2 cos t = 4
ですから, t = π, つまり, a^2 = -1 であることが分かります.
a, b を R^3 の長さ 1 の元で a ⊥ b であるとしましょう.
左から a を掛けて -1 ⊥ ab, 右から a を掛けて -1 ⊥ ba.
1 ⊥ a より b ⊥ ab, b ⊥ ba. 1 ⊥ b より a ⊥ ab, a ⊥ ba.
4 = N((a + b)(a + b)) = N(a^2 + (ab + ba) + b^2)
= N(-2 + (ab + ba)) = 4 + N(ab + ba) より N(ab + ba) = 0,
従って, ab + ba = 0. ab = -ba であることが分かります.
R^3 の中の正の直交基底 i, j, k を取りましょう. 1, i, j, k は
R + R^3 の正の直交基底です. 左から i を掛けてできる
i, -1, ij, ik も正の直交基底です. ij は i とも -1 とも j とも
直交する元ですから, k か -k かのいずれかです. ik も i とも
-1 とも k とも直交する元ですから j か -j かのいずれかですが,
ij = k なら ik = -j, ij = -k なら ik = j であることが(結合律を
仮定しなくても)正の直交基底であることから定まります.
右から j を掛けてできる j, ij, -1, kj が正の直交基底であること
から, ij = k ならば kj = -i, ij = -k ならば kj = i です.
これから積の表は決まりますね.
--
塚本千秋@応用数学.高分子学科.繊維学部.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chi...@ipc.kit.ac.jp
In article <02101800042...@ims.ipc.kit.ac.jp>
Tsukamoto Chiaki <chi...@ipc.kit.ac.jp> writes:
> R^3 の中の正の直交基底 i, j, k を取りましょう. 1, i, j, k は
> R + R^3 の正の直交基底です. 左から i を掛けてできる
> i, -1, ij, ik も正の直交基底です. ij は i とも -1 とも j とも
> 仮定しなくても)正の直交基底であることから定まります.
>
> 右から j を掛けてできる j, ij, -1, kj が正の直交基底であること
全ての「直交基底」の前に「正規」を入れて読んで下さい.
Tsukamoto Chiaki wrote:
>
> 勿論出来ません. 例えば, i, j, k が 普通の四元数の積の表を満たすとき,
> I = i, J = j, K = - k として, I, J, K についての積の表は I J = - K
> になります. 但し, このようなものは, 当然, 普通のものと同型です.
>
> 右から j を掛けてできる j, ij, -1, kj が正の直交基底であること
> から, ij = k ならば kj = -i, ij = -k ならば kj = i です.
>
> これから積の表は決まりますね.
> --
> 長さ 1 の元を掛けることは(右からの積も, 左からの積も), (Euclidean
> な)長さを保つ変換ですから, 内積を保ち, 直交変換になります.
ここはa ⊥ b ,|c| = 1 ならばca ⊥ cbとなる大事なところですね。
長さを保つ変換は 内積を保つんでしたっけ。
柳楽@生物系
In article <3DB02AD9...@d5.dion.ne.jp>
Nagira <nag...@d5.dion.ne.jp> writes:
> 長さを保つ変換は 内積を保つんでしたっけ。
ベクトル x, y の内積 (x, y) は
(x, y) = (N(x + y) - N(x) - N(y))/2
で与えられますから.
1,i,j,k,lに左からiを掛けてi,-1,ij,ik,ilが正規直交基底、jを右から掛けて
j,ij,-1,kj,kjが正規直交基底、ijは-1,i,jに対して直交するとともに
ik,il,kj,ljに直交。以下同様がいくつかつくれますが、方針がよくわかりません。
Tsukamoto Chiaki wrote:
>
> a を R^3 の長さ 1 の元としましょう. N(1 + a) = 2 ですから,
> N((1 + a)(1 + a)) = 4 です. 一方, (1 + a)(1 + a) = 1 + 2 a + a^2
> です. a^2 も長さ 1 の元で, 1 ⊥ a より a ⊥ a^2. 従って,
> a^2 = (cos t) + (sin t) b となる, 実数 t と, R^3 の中の a と
> 直交する長さ 1 の元 b とが存在します.
>
> N((1 + cos t) + 2 a + (sin t) b)
> = (1 + cos t)^2 + 4 + (sin t)^2
> = 6 + 2 cos t = 4
>
> ですから, t = π, つまり, a^2 = -1 であることが分かります.
>
> R^3 の中の正の直交基底 i, j, k を取りましょう. 1, i, j, k は
> R + R^3 の正の直交基底です. 左から i を掛けてできる
> i, -1, ij, ik も正の直交基底です. ij は i とも -1 とも j とも
> 直交する元ですから, k か -k かのいずれかです. ik も i とも
> -1 とも k とも直交する元ですから j か -j かのいずれかですが,
> ij = k なら ik = -j, ij = -k なら ik = j であることが(結合律を
> 仮定しなくても)正の直交基底であることから定まります.
柳楽@生物系
# Euclidean norm を保存する division algebra の次元は
# 1, 2, 4, 8 の何れかである, の説明は御勘弁いただいて……
In article <3DB4200F...@d5.dion.ne.jp>
Nagira <nag...@d5.dion.ne.jp> writes:
> そもそもは4元数の構成法でしたが、なぜ3元数や5元数が構成できないか
1 より大きい奇数次元の R 上のベクトル空間 V の
bilinear な積については, a, b ≠ 0 で a b = 0
となる a, b ∈ V がいつでも取れます.
易しい演習問題ですから, 先ずはお考え下さい. 証明は
改頁の後.
a ∈ V に対して x |→ a x から定まる V の線形変換を
L(a) とします. a ≠ 0 だが L(a) が非正則となるもの,
つまり, L(a) の行列式 det L(a) が 0 となるもの, を
見つければ良い.
det L(a) ≠ 0 としましょう. V の次元を n とすれば,
det L(-a) = det(-L(a)) = (-1)^n det L(a) で, n が
奇数という仮定から, det L(a) と det L(-a) とは異符号です.
1 より大きな次元のベクトル空間では a と -a と結ぶ
0 を通らない path a(t) (t∈[0, 1], a(0) = a, a(1) = -a,
a(t) ≠ 0, t |→ a(t) は連続) が取れます.
det(L(a(t))) は t の連続関数ですから, 中間値の定理で,
det(L(a(s))) = 0 となる s∈(0, 1) の存在が分かります.
a(s) が求めるものです.
In article <02102219322...@ims.ipc.kit.ac.jp>, Tsukamoto Chiaki wrote:
>工繊大の塚本です.
>易しい演習問題ですから, 先ずはお考え下さい. 証明は
>改頁の後.
>
塚本先生,^L は Unix 系じゃないと効きません.
Windows や MacOS では単にドットになるだけですから,複数の改行を使っ
て下さい (_ _).
--
Hideki Kato <mailto:ka...@pop12.odn.ne.jp>
-----------== Posted via Newsfeed.Com - Uncensored Usenet News ==----------
http://www.newsfeed.com The #1 Newsgroup Service in the World!
-----= Over 100,000 Newsgroups - Unlimited Fast Downloads - 19 Servers =-----
In article <3db523f0$1...@binarykiller.newsgroups.com>
Hideki Kato <ka...@pop12.odn.ne.jp> writes:
> 塚本先生,^L は Unix 系じゃないと効きません.
> Windows や MacOS では単にドットになるだけですから,複数の改行を使っ
> て下さい (_ _).
「先生」を使わないのなら, 今度からは考慮します.
それはOSの種別ではなく、ニュースリーダの種別によるものでは。Windows上
のmnewsあたりだと^Lが効きませんか?
ni...@ics.nara-wu.ac.jp
In article <02102221324...@ims.ipc.kit.ac.jp>, Tsukamoto Chiaki wrote:
>「先生」を使わないのなら, 今度からは考慮します.
失礼しました (_ _).では,
塚本さん,最近は ^L が改ページにならないニュースリーダもたくさんあり
ますので,次からは ^L じゃなくて複数の改行を使って下さい (_ _).
と修正します (^^;;).
In article <3db57...@binarykiller.newsgroups.com>
Hideki Kato <ka...@pop12.odn.ne.jp> writes:
> 塚本さん,最近は ^L が改ページにならないニュースリーダもたくさんあり
> ますので,次からは ^L じゃなくて複数の改行を使って下さい (_ _).
了解しました. 考慮します.
# 愛好者を増やしたくもあり, 読者を減らしたくもなし.
In article <3DB4200F...@d5.dion.ne.jp>, nag...@d5.dion.ne.jp says...
>そもそもは4元数の構成法でしたが、なぜ3元数や5元数が構成できないかということについ
>て
>考えてみると、
文章をぶつ切りさせていただきました。
複素数体を含むような実数体上の代数というのは、複素数体上 n 次元なら
実数体上必然的に 2n 次元です。基底を考えてみてください。
(説明終わり)
(じゃあ 6 元数は?とか聞かれると困るが。
ブラウワー群とかの本を読んでください。私は忘れました。)
確か「数-zahlen」という本で読んだんですが歴史的にも、
複素数が平面の平行移動や回転などで解釈できるように、
3次元でもそのようなものはないか?と探されたのが
4元数発見のいきさつだったかと。つまり「3元数」を探していたわけです。
(上記の本は面白いので探してみてください)
ついでにさらに知ったかぶり。
4元数にも「複素共役」のようなものがあり、
z=a+bi+cj+dk に対し、z'=a-bi-cj-dk とすると
(xy)'=y'x' , zz'=a^2+b^2+c~2+d~2 となり
|xy|^2=|x|^2 |y|^2 がわりと楽に示せます。
(すべての自然数が4個の平方数の和で表せることを
4元数を使って示せるかと考えてみたんですが…
素数だけ表せればいいんだけど)
--
Wakamatu kazuhiro w...@po4.synapse.ne.jp
Date: 24 Oct 2002 09:09:23 +0900
From: Takuji Kawamoto <kawa...@miln.mei.co.jp>
To: nag...@d5.dion.ne.jp
CC: w...@po4.synapse.ne.jp (Wakamtu kazuhiro)
References:
松下電器情報システム名古屋研究所の川本といいます。
ニュースは投稿できないので、メールにて失礼します。
適当にニュースにフォローしてください。
若松さんの「6 元数は?」についてです。
6元数体 K は、複素数体を含む非可換体で、複素数体上3次拡大だから、複素数体との
間には部分体は無い。
従って、複素数体上1つの元 a で生成されているはずである。即ち、K = C(a)。
ここで、 a を実数体上に付け加えると、実数体上3次拡大非可換体 R(a) が得られる。
これは実数体をセンターに含むので、特に、a はどの実数とも可換だから、特に
R(a) は
可換体になる。
ところで、実数体上の有限次元可換体は、複素数体しかないので、R(a) が実数体上3次拡
大になれるはずはない。従って、6 元数体 K は存在しない。
--
川本 琢二 (Dr.Sc.KAWAMOTO,Takuji)
(株)松下電器情報システム名古屋研究所
E-mail kawa...@miln.mei.co.jp
tel. 052-232-0194 fax. 052-232-0135
tel. 7-532-503 fax. 7-532-435