あるガス会社のサイトによりますと、一酸化炭素は、漏れた場合、空気よりも軽いの
で、CO警報機は天井近くに設置しますとあります。多分まったくそのとおりなのです
が、ここで疑問です。、空気は重さの違う窒素と酸素が均一に混じっている(本当か
な?)のに、どうして、COは上にいっちゃうんでしょう?もしくは、どうして窒素と
酸素は均一に混じっているのでしょう?
In article <JM-dnX5RDYA...@comcast.com>, "txm" <txm@no_spam_please_softhome.net> writes
> が、ここで疑問です。、空気は重さの違う窒素と酸素が均一に混じっている(本当か
> な?)のに、どうして、COは上にいっちゃうんでしょう?もしくは、どうして窒素と
> 酸素は均一に混じっているのでしょう?
まじりあう速度と分離する速度のバランスかな。水と油でも洗剤入れて
かき混ぜると均一になりますよね。
O2 16
N2 14
CO 14
なんですけど、O2は1/5だから、
16*0.2+14*0.8 = 14.4
だから、CO の方がほんの少し軽いですね。
でも、O2の方が圧到的に重いじゃん。COの方が分極しているので、
分極が少ないO2,N2とは混じりにくいんじゃないかな。
---
Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus,
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科,
In article <JM-dnX5RDYA...@comcast.com>, txm@no_spam_please_softhome.net says...
CO警報機は不完全燃焼で発生した温度の高い(したがって軽い)COを検出するんだと
思います。
現在主流の都市ガスは天然ガス系で、COは少ない(3%くらい)。昔の石炭系の
都市ガスならCOが多くて、だから自殺できたんだけど、近頃は死ねなくて、
引火して大火災起こして迷惑かけるだけだから、やめときましょうね。
それと、空気分子は高速で運動してるんだから、すぐに攪拌されるだろう。
N2とO2の重さの違いなんてまず問題にならないだろう。Heみたいな軽いガスだって
地表付近で(微量だけど)見つかるんですから。
--
石原 幸男
<Yukio Ishihara of theR.A.N.S.>
ishi...@y.email.ne.jp
http://www.nn.iij4u.or.jp/~therans/
黍粥は塩に椰子油にサザエ・イソノ祝う隣で虚仮にするまで(詠み人しらず)
In article <JM-dnX5RDYA...@comcast.com>, "txm" <txm@no_spam_please_softhome.net> writes
>>> が、ここで疑問です。、空気は重さの違う窒素と酸素が均一に混じっている
>>> (本当かな?)のに、どうして、COは上にいっちゃうんでしょう?もしくは、
>>> どうして窒素と酸素は均一に混じっているのでしょう?
<3989383...@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp>の記事において
ko...@ie.u-ryukyu.ac.jpさんは書きました。
>>まじりあう速度と分離する速度のバランスかな。水と油でも洗剤入れて
......
>>でも、O2の方が圧到的に重いじゃん。COの方が分極しているので、
>>分極が少ないO2,N2とは混じりにくいんじゃないかな。
混じり合う速度というのがキーポイントだと思われます。
ガス管から漏たばかりでも, 不完全燃焼で発生したものでも
いいのですが, 空気と混ざる前はある程度かたまっています。
液体でも水のなかに *そうっと* 食塩水を注げば, すぐには
混ざらずに沈み, 二層になりますね。このように, 気体と言え
ども混ざる前ならば, 密度に応じて上に昇ったり下に降りたり
することでしょう。
また確かに空気は窒素と酸素が均一に混じっているのですが,
この様にいったん混ざってしまえば, 分離するのはエントロピーが
減少する方向ですから, ほとんど起こりえないでしょう。
最後に, 分子間の相互作用が無いのが気体と言えるので, 分子の
分極を考えて混ざりやすい/混ざりにくいの議論は, ここでは
不適切と思われます。
--
Ryo MIYAMOTO; rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp;
ちっとも良くない。温度による密度変化(ボイル・シャルルの法則)から
勉強しなおしましょう。
常温のCOを空気中に放出したら上昇する、なんて大気汚染の専門家に
言ってごらんなさい。あほか、って言われますから。
大気汚染予測では排気ガスの温度による上昇(有効煙突高)を考えるのは常識。
これがないなら、COくらいは空気と同じ重さと考えて良い。
>液体でも水のなかに *そうっと* 食塩水を注げば, すぐには
>混ざらずに沈み, 二層になりますね。このように, 気体と言え
(正確な計算忘れたので)概算ですが、空気分子の平均速度は
200m/s程にもなりますよ。水との類推で考えていいものかどうか。
「すぐには混ざらず」というその「すぐ」がどれくらいの時間かということです。
非常に短いはず。
>また確かに空気は窒素と酸素が均一に混じっているのですが,
>この様にいったん混ざってしまえば, 分離するのはエントロピーが
>減少する方向ですから, ほとんど起こりえないでしょう。
重力が秩序を与え(エントロピーを減少させ)ますね。分子運動を考えなければ、ですが。
最初からそのことを問題にしてるんでしょうが。
わかってんのかね?
>最後に, 分子間の相互作用が無いのが気体と言えるので, 分子の
>分極を考えて混ざりやすい/混ざりにくいの議論は, ここでは
>不適切と思われます。
これは正しい。
ていうか、琉球大学が弘前大学に輪をかけていい加減、というだけのこと。
どっちもこんなんでよく授業料取れるもんだ。
ま、確かに温度が主要因なんだろうなぁ。
In article <bv2ob9$mam$1...@news01.iij4u.or.jp>, ishi...@y.email.ne.jp (Yukio Ishihara) writes
> (正確な計算忘れたので)概算ですが、空気分子の平均速度は
> 200m/s程にもなりますよ。水との類推で考えていいものかどうか。
> 「すぐには混ざらず」というその「すぐ」がどれくらいの時間かということです。
> 非常に短いはず。
うーん、だとすると、温度の高い空気も低い空気もすぐに混ざって
均一な温度になるはずだけど... そうはならないところを見ると、
やっぱり平均自由行程とか言わないとだめなのかもね。
平均自由行程には分極も関係するので、ちょっとだけCOの方が短い
みたいですね。だから混ざりにくいってわけでもないんでしょうけ
ど。
もれたCOと異なり、窒素と酸素は非常に大量の分子が混合しています。この場合、重
力
による沈降拡散分離運動が生じた場合、成分ごとの質量保存の式のおかげで生じる拡
散
流は、重力分離しようとする重力拡散流と一様混合しようとする分子拡散流とが、結
局は
地上付近では平衡に達してしまい、拡散流はネットで0になり、液体などとは違って
分子拡
散のほうが勝ってしまうと思われます。もし非平衡のままだと非線形流体現象なので
不安
定な乱流となり分子拡散でなくさらに大きい乱流拡散による混合となるでしょう。も
ちろん
重力による拡散分離の拡散係数は地上付近の高密度ではとても小さいです。重力拡散
係
数は密度が大きいほど小さいです。窒素と酸素というのは上空数百km以上も重力に
よっ
て地球にひきつけられていて、上空では重力通り窒素優勢になるようです。
したがって閉鎖された部屋の中程度でのわずかなCOのもれでは水に赤インクを落とし
たよ
うなものでしょうが、それとは異なり、水に少量の油を落としたように軽いというこ
とがそのま
ま効いてつまり重力拡散係数が密度の小さい分子では大きいので、分子拡散に勝って
上に
行くというのではないかと思います。
txm wrote:
> あるガス会社のサイトによりますと、一酸化炭素は、漏れた場合、空気よりも軽いの
> で、CO警報機は天井近くに設置しますとあります。多分まったくそのとおりなのです
> が、ここで疑問です。、空気は重さの違う窒素と酸素が均一に混じっている(本当か
> な?)のに、どうして、COは上にいっちゃうんでしょう?もしくは、どうして窒素と
> 酸素は均一に混じっているのでしょう?
そういや、どうしてなんでしょ?
特にN2とCOって分子量いっしょですね。
COが上に行くのは、基本的にガスは上向きに放出されるようになっている
ことと、不完全燃焼とかでガスの温度が室温よりも高いからじゃないかな
なんて想像したりして。
それでは、時間が経過しても、COは天井付近にとどまるということでしょうか?
"TOSHI" <tos...@gol.com> wrote in message news:bv34bq$bl8$1...@nnrp.gol.com...
In article <X4ydnRz2Esx...@comcast.com>, "txm" <txm@no_spam_please_softhome.net> writes
> それでは、時間が経過しても、COは天井付近にとどまるということでしょうか?
時間にもよるけど、火事のときに姿勢を低くして避難するってのは
そのためもあるんじゃないかな。
> 中学生レベルの質問で申し訳ないですけど、ちょっと気になったんで教えてくださ
> い。
>
> あるガス会社のサイトによりますと、一酸化炭素は、漏れた場合、空気よりも軽い
の
> で、CO警報機は天井近くに設置しますとあります。多分まったくそのとおりなので
す
> が、ここで疑問です。、空気は重さの違う窒素と酸素が均一に混じっている(本当
か
> な?)のに、どうして、COは上にいっちゃうんでしょう?もしくは、どうして窒素
と
> 酸素は均一に混じっているのでしょう?
>
どのサイトかわかりませんが、もしかして不完全燃焼によるCOを問題にしているので
は
無いでしょうか。
石段
"Ishidan" <supamu_iya...@ma.kcom.ne.jp> wrote in message
news:bv76c0$26r$1...@nn-tk105.ocn.ad.jp...
.......
> どのサイトかわかりませんが、もしかして不完全燃焼によるCOを問題にしているの
で
> は
> 無いでしょうか。
サイトは
http://www.j-energy.co.jp/et/lpg/what/index2_3.html
です。そこに
‘LPガスは、空気より重いのでガス漏れ警報機も床から30センチ以下の低いところに
設置しないと効果がありません。ただし、不完全燃焼を起こした際出る一酸化炭素は
空気よりも軽いので、CO警報機は天井近くに設置します。また、都市ガスも空気より
軽いので警報機は上の方に設置します。’
という記述があります。不完全燃焼で出たCOは空気よりも暖かそうですが、、漏れた
ガスというのは、多分空気よりも冷たいような気がします。
"Shinji KONO" <ko...@ie.u-ryukyu.ac.jp> wrote in message
news:3989398...@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp...
> > どのサイトかわかりませんが、もしかして不完全燃焼による
> > COを問題にしているのでは無いでしょうか。
> サイトは
>
> http://www.j-energy.co.jp/et/lpg/what/index2_3.html
>
> です。そこに
>
> ‘LPガスは、空気より重いのでガス漏れ警報機も床から30センチ以下
> の低いところに設置しないと効果がありません。ただし、不完全燃焼
> を起こした際出る一酸化炭素は空気よりも軽いので、CO警報機は天井
> 近くに設置します。また、都市ガスも空気より軽いので警報機は上の
> 方に設置します。’
> という記述があります。不完全燃焼で出たCOは空気よりも暖かそうで
> すが、漏れたガスというのは、多分空気よりも冷たいような気がしま
> す。
都市ガスは大部分がメタン(分子量=16)ですから酸素(分子量=32)、窒素
(分子量=28)よりかなり軽くなります。不完全燃焼のCO(分子量=28)とも
れたガスを混同しているようです。
また、大気に開放され、圧力が下がったガスは断熱拡張により若干温度
が下がると思います。
石段
ということは,CO警報機は天井近くに設置します。という記述は誤りということが石
段さんの意見なのでしょうか。
--
******************************
keizi kounoike
******************************
> > 都市ガスは大部分がメタン(分子量=16)ですから酸素(分子量=32)、窒素
> > (分子量=28)よりかなり軽くなります。不完全燃焼のCO(分子量=28)とも
> > れたガスを混同しているようです。
> ということは,CO警報機は天井近くに設置します。という記述は誤りということが
石
> 段さんの意見なのでしょうか。
不完全燃焼を警告する為のCO警報機なら温度が高いので、器具の上方、
天井近くに設置するべきでしょう。その意味では間違いではないと思い
ます。
もしCOを含むガスのガス漏れを検出する目的なら、同時に含まれる水素
(たぶん)を狙ってやはり上方に設置するのではないかと思います。この
場合はCO警報機とは言えません。
プロパン、ブタンなら下でしょうけど、ほぼ同じ分子量なら、風でどち
らに流れるか判らないので、どうしたらよいか見当がつきません。
石段
どうしてそのような解釈になるのか理解に苦しみますが、
まず、現在の都市ガスにはCOは殆ど含まれていませんので、都市ガスの
警報機でCOを探知することはできませんし、COの警報機で都市ガスを探知
することもできません。
都市ガスの主成分はメタンで比重は空気の2/3程度しかありませんので、
温度には余り関係なく上に行きます。
また、不完全燃焼で生じたCOは高温の燃焼ガスに含まれるため、これも
上昇します。
従って、CO警報機も都市ガス警報機も天上近くに設置します。
石段さんは、txmさんがこの2つの警報機を混同されているのではないかと
仰られているのだと思います。
--
おおつか かつみ
e-mail:ot...@kajima.com
"Otsuka Katsumi" <ot...@ipc.kajima.co.jp> wrote in message
news:40175412...@ipc.kajima.co.jp...
......
> 石段さんは、txmさんがこの2つの警報機を混同されているのではないかと
> 仰られているのだと思います。
すみません、まったく余計なことを書いてしまいました。漏れたガスのことはお忘れ
ください。失礼しました。
> koun...@mbh.nifty.com wrote:
> > ということは,CO警報機は天井近くに設置します。という記述は誤りということ
が石
> > 段さんの意見なのでしょうか。
>
> どうしてそのような解釈になるのか理解に苦しみますが、
txmさんが引用した下記の記述に対して
> ‘LPガスは、空気より重いのでガス漏れ警報機も床から30センチ以下の低いところ
に
> 設置しないと効果がありません。ただし、不完全燃焼を起こした際出る一酸化炭素
は
> 空気よりも軽いので、CO警報機は天井近くに設置します。また、都市ガスも空気よ
り
> 軽いので警報機は上の方に設置します。’
石段さんが
> 都市ガスは大部分がメタン(分子量=16)ですから酸素(分子量=32)、窒素
> (分子量=28)よりかなり軽くなります。不完全燃焼のCO(分子量=28)とも
> れたガスを混同しているようです。
と書かれているのを見て,
警報機の設置場所は,空気に対して対象となる気体の軽重によって決まると書いてい
る警報機メーカの記述が正しいとするなら,実際のCOは空気とほぼ同じ重さなので,
上に行くはずはない。石段さんは,「この文章を書いた人(メーカ側)は,不完全燃
焼のCOの状態と漏れたガスを混同している」と言っているのだろうと思い,
メーカの記述は誤り よって メーカの記述している警報機を上に設置する記述も誤
り。
と短絡的に思い込んでしまいました。
よく考えると石段さんの意見からはそのような結論になるはずもありませんね。大変
失礼致しました。(この勝手な推論が石段さんの意図かどうかも,もちろん分かりま
せん。)
In article <uKudnVN0Moc...@comcast.com>, txm@no_spam_please_softhome.net says...
>サイトは
>
>http://www.j-energy.co.jp/et/lpg/what/index2_3.html
>
>です。そこに
>
>‘LPガスは、空気より重いのでガス漏れ警報機も床から30センチ以下の低いところに
>設置しないと効果がありません。ただし、不完全燃焼を起こした際出る一酸化炭素は
>空気よりも軽いので、CO警報機は天井近くに設置します。また、都市ガスも空気より
>軽いので警報機は上の方に設置します。’
やはりCOは不完全燃焼で出るものということで落着のようですね。
不完全燃焼と無関係のCOの上昇なんて「理論」を展開した人達はザンゲもんだね。
特に国立大学の人なんかは月給返せと言いたい。
# でもそれって禁止されてる「寄付」になるのか:-P
>という記述があります。不完全燃焼で出たCOは空気よりも暖かそうですが、、漏れた
>ガスというのは、多分空気よりも冷たいような気がします。
平凡社「世界大百科事典」の「都市ガス」の項目にある表を見ると、主な成分は
水素とかメタンといった軽いガスです。多少冷たくてもこれらは充分軽いだろう。
「石炭系ガス」には多量のCOが含まれてるんだけど、これ自体、今の都市ガスの
主流ではない。
ところで、N2とO2くらいの重さの違いでは重力によって分離しないのは何故か?
分子運動、と私は言ったわけですが、分子拡散って、そんなに大きいのかというと
確信が持てない。それで文献調べてみたんですが、確かなところはまだわかりません。
地上85kmくらいまではN2/O2比は変化しないという。
でもそれだけだと、乱流拡散が効いてる可能性も否定できないだろう。
しかし、もしそうなら、空き瓶にふたをして(対流が起こらないように)冷餡所に
静かに長時間放置したら、乱流は無視できるはずだから、酸素は下に沈み込むだろう。
そこでふたを開けて火を入れたら、上部は窒素ばっかりのはずだから、そこで
火は消えるだろう。
ということで、ウィスキーの空き瓶でやってみたけど、勿論こんなことは起こらなかった。
かくして乱流拡散説は却下。
分子拡散だとすると、N2とCOで違いはまずないはずで(分極が効いてくるのかどうか
私は知らない)、やはり常温のCOが空気中を上昇するなんてことはないはず、
というのが現時点での私の見解です。
もし何か間違っておりましたら、お教え下さいますようm(..)m
でも、そうすると分子拡散だけで均等に混合するのは質量差(比)がどの程度までなんだろう?
CO2なんかは、穴の底に溜まってて人が窒息死した、なんて話を聞いたような気がします。
もっともあれは穴の底の温度が低いのか?
しかし、塩素ガス(Cl2)なんかは確かに沈み込んだと思うけど・・
In article <bv81kl$m2o$1...@news01.iij4u.or.jp>, ishi...@y.email.ne.jp (Yukio Ishihara) writes
> 不完全燃焼と無関係のCOの上昇なんて「理論」を展開した人達はザンゲもんだね。
> 特に国立大学の人なんかは月給返せと言いたい。
> # でもそれって禁止されてる「寄付」になるのか:-P
そんなことを言わないと議論できないのって恥ずかしくない?
まぁ、人格の問題だからなぁ。余計なお世話か...
> ところで、N2とO2くらいの重さの違いでは重力によって分離しないのは何故か?
もし、分離してたら地表はO2のみですね。でも、上には純粋N^2の
層があるから、そこからまったくN^2が浸透しないってのも考えに
くい。実は、O^2は、実際には重力で下層にいるんだけど、拡散/分
圧の関係で地表面では1/5になっているってことなのかな。質量比
だけなく温度とか量の問題もあるんでしょう。
> でも、そうすると分子拡散だけで均等に混合するのは質量差(比)がどの程度までなんだろう?
> CO2なんかは、穴の底に溜まってて人が窒息死した、なんて話を聞いたような気がします。
> もっともあれは穴の底の温度が低いのか?
> しかし、塩素ガス(Cl2)なんかは確かに沈み込んだと思うけど・・
なんか、あんまり単純な問題じゃないみたいね。ただ、COの場合は、
質量比があんまりないから、温度が大きいのだと僕も思います。
分子一個の水素H2は、大気中で上方に移動する確率が高いと思いま
すか? 確率が高いとすれば何故?
と書いたけれど、全然自信はありません。皆さんどうして自信満々に書けるので
しょうか。計算されたのかな。
In article <3989402...@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp>, ko...@ie.u-ryukyu.ac.jp says...
>
>河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
>
>In article <bv81kl$m2o$1...@news01.iij4u.or.jp>, ishi...@y.email.ne.jp (Yukio Ishihara) writes
>> 不完全燃焼と無関係のCOの上昇なんて「理論」を展開した人達はザンゲもんだね。
>> 特に国立大学の人なんかは月給返せと言いたい。
>> # でもそれって禁止されてる「寄付」になるのか:-P
>
>そんなことを言わないと議論できないのって恥ずかしくない?
>まぁ、人格の問題だからなぁ。余計なお世話か...
はい、今更人格をとやかく言われても直しようがないのでご容赦願います。
ただ、私が不完全燃焼を指摘した後(それを読んだ後)でもなお、
それを無視したような「理論」を展開した人(したがってこれは河野さんではありませんが)
は、資質を問われても仕方ないと思う。それが公務員だったら納税者としては文句も
言いたくなる。あの人は以前にも電子スピンに関して珍妙な見解を披瀝してるし。
>もし、分離してたら地表はO2のみですね。でも、上には純粋N^2の
>層があるから、そこからまったくN^2が浸透しないってのも考えに
だから上空85kmまではO2/N2比は変わらないんですよね。それ以上でN2が多いと言っても、
空気が薄いんだから絶対量としては知れてる。エベレスト(高さ8.5km程度)でも
酸素ボンベが必要なんですから。
そんな微量の「純粋N2層」からの浸透がどれだけの意味を持つんだろう?
>くい。実は、O^2は、実際には重力で下層にいるんだけど、拡散/分
>圧の関係で地表面では1/5になっているってことなのかな。質量比
>だけなく温度とか量の問題もあるんでしょう。
温度に関しては試算してみました。
乾燥断熱で考えた場合ですが、O2が下にある場合は安定です。あたりまえだけど。
>分子一個の水素H2は、大気中で上方に移動する確率が高いと思いま
>すか? 確率が高いとすれば何故?
当然、浮力ですね。つまり質量差。
だから質量差が大きければより分離するのはわかる。
だけどN2とO2くらいではきれいに混ざるようだから、それが混ざらなくなる限界
のようなものがどこかにあるのかどうかを知りたいのですが。
つまりそれは、この場合に分子拡散がどのように効くかってこと。
あるいは他の何かの要因があるのか、ってことですね。
ko...@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO) wrote in message
>分子一個の水素H2は、大気中で上方に移動する確率が高いと思いま
>すか? 確率が高いとすれば何故?
今頃になってこのやっと意味がわかりました。
たしかに、1個の分子(粒子)として、他の粒子とぶつかり合いながら
激しく運動してると考えると、浮力の根拠がよくわからないですね。
でもヒントは(初歩的な)期待分子運動論にあるのかな?
分子の運動エネルギー(の平均)<(1/2)*m*v^2> は絶対温度Tに比例する。
したがって温度が同じなら、質量mが小さい分子は速度が速い。
このためより遠くまで広がる確率が高い。
ただし下方向は地面があるためどんな粒子も下へは行けない。
一方、上には屋根がない限りいくらでも行けるが、
上記のことから軽い粒子ほどより高くまで上がる確率が高い。
これが「軽い粒子ほど上へ上がる」と観測される。
同じ種類の粒子なら温度が高いほどvが大きいから、
同様に上昇する。
ということで辻褄は合いそう。
もっともこれとマクロな流体連続体の浮力はどう結びつくのか?
重力ポテンシャル m*g*z も考えるのかな?
v が 200m/s とすると相当の高度差じゃないと利いてこないみたいだけど、
最終的にはこれが利く、と。どうやってかは、よおわからんが。
あと、上に昇った軽い粒子が下へ降りようとすると、
重い粒子が占拠してて降りられないなんてことはないかな?
パウリの排他律。なんでやねん(-o-;
>>だから質量差が大きければより分離するのはわかる。
>>だけどN2とO2くらいではきれいに混ざるようだから、それが混ざらなくなる限界
>>のようなものがどこかにあるのかどうかを知りたいのですが。
TOSHIさんの理論はよく理解はできていないのですが、これはTOSHIさんの言って
おられる「重力分離しようとする重力拡散流と一様混合しようとする分子拡散
流」といったような考えでいいのではないでしょうか。
ところで、COセンサといっても不完全燃焼のみではなく、実験に用いるCOライン
からの漏れなんかにも使っています。この場合室温ですが、天井近くに設置です
よね。気体塊の量にもよりますが、少し軽いと上昇するというのは、気象をか
じったことのある人ならそう思うのではないでしょうか。
それから、不完全燃焼で発生したCOは温度が高いから上昇する、というのと、空
気分子の平均速度が大きく非常に短い時間で混じる、というのは思いっきり矛盾
しているということにお気づきでしょうか。大気の平均自由行程は1μm未満でそ
うたやすくは混じらないから浮力で上昇するのではないですか。分子の速度はと
りあえず無視できそうな気がします。
時間のファクターを考えれば、はじめは浮力で上昇し、そのうちエントロピー項
が効いて拡散し定常状態では均一になるが、質量差に応じて上空では軽い粒子が
多めになる、のストーリーで良さそうに思います。
In article <bvd8uj$fah$1...@news01.iij4u.or.jp>, ishi...@y.email.ne.jp (Yukio Ishihara) writes
> もっともこれとマクロな流体連続体の浮力はどう結びつくのか?
結びつけるのは、やっぱり、圧力ですよね。COの塊の下の圧力と上
の圧力は、COの重さのだけ異なるわけだけど、大気も同じように差
があるから、その差が浮力になるわけ。
ただ、CO/大気の境界に表面張力みたいなものがないと、圧力差が
あっても混じり合う速度が変わるぐらいにしかならないような気が
する。
CO/大気の混じり合う速度が平均自由行程で制限されるのはわかる
んだけど、それは表面張力になるのかなぁ。
完全に混じりあってしまえば、分圧で考えれば良いわけですよね。
O2/N2の比率にしたがって、純粋N2の大気の圧力の一部がO2に置き
換わる。O2は、純粋O2の大気だったとした時と同じように地球上空
に分布するってわけだ。
N
N
NN
NNO
NNNO
NNNNO
NNNNNOO
NNNNNNNOO
みたいな感じ?
In article <401A6C21...@nospam.nifty.com>, NBH0...@nospam.nifty.com says...
>それから、不完全燃焼で発生したCOは温度が高いから上昇する、というのと、空
>気分子の平均速度が大きく非常に短い時間で混じる、というのは思いっきり矛盾
>しているということにお気づきでしょうか。大気の平均自由行程は1μm未満でそ
>うたやすくは混じらないから浮力で上昇するのではないですか。分子の速度はと
>りあえず無視できそうな気がします。
平均自由行程カ゛1μmで代表速度が200m/sとすると、1秒間に10^8回以上衝突する
勘定になりますよね。毎回進む距離は1μmとしても、これだけのランダムウオーク
で拡散する距離がそんなに小さいでしょうか?
ま、計算してみないとなんとも言えないとは思いますが。
煙草をふかしてみると、煙は数秒くらいは消えない。これが拡散時間のひとつの
目安かもしれない。うーん、それくらいあればCOは天井までくらいは達するか?
ただ、量の問題は重要でしょうね。煙草の煙くらいなら数秒で混ざるけど、
冷気塊と暖気塊なんて場合はそんな少量じゃないから一様に混ざるまでには
相当の時間がかかるんでしょう。
で、一番最初の質問の都市ガスに戻ると、現在の大半の都市ガスにはCOは3%くらいしか
含まれてない。3%が無視できる量かどうか(天井では拡散してしまって検出できないか
どうか)はわかりませんが、不完全燃焼で発生する(多分)もっと大量の
しかも高温で上昇しやすいCOを検出するのとでは随分事情は違うと思うんですが。
>時間のファクターを考えれば、はじめは浮力で上昇し、そのうちエントロピー項
>が効いて拡散し定常状態では均一になるが、質量差に応じて上空では軽い粒子が
>多めになる、のストーリーで良さそうに思います。
ということになると、miyamotoさんの見解が大筋では正しかったことになりますね。
以前の暴言についてはお詫び申し上げます。
しかし、「重力分離しようとする重力拡散流と一様混合しようとする分子拡散
流」といったことをきちっと述べないで、「エントロピーは減少しない」なんて
言うのは私にはお題目を唱えてるようにしか感じられなかったんです。
河野氏は情報系だよね。彼の過去レス見てると物理は多少知ってる程度
って感じですよね。
しかし、大学教員だからといって何でも知ってるわけでないことは彼を見てれば
良くわかります。一部の学のない人間が大学教員が言ってることは正しいと
鵜呑みにしてしまう傾向があるのは否めませんが、それだけに大学教員に対しては
間違ったらきちんと批判したほうが良いと思います。
何故か彼らは間違っても間違いと認めないところがあるんで、そんな彼らは
エムシラ御大を笑うことはできないでしょうね。(笑)
この問題は分子量の話はとはほとんど無関係で単に気体の熱運動の問題である
ということで決着しているのですが、分子量が大きく異なる場合の熱運動の様子が
見れるJavaアプレットを見つけたので紹介します。
http://www.asahi-net.or.jp/~zn6t-szk/gField.html
これは以下のサイトからリンクで辿れます。
http://www.asahi-net.or.jp/~zn6t-szk/index.html
代ゼミの講師の方が作られているようですね。
僕は、自分が大学教員であろうとなかろうと、議論の際に、間違っ
たことを言うことを恐れたりしません。自分が必ず正しいことをい
うと信じているのは、馬鹿の証拠でしょ。
"Yukio Ishihara" <ishi...@y.email.ne.jp> wrote in message news:bv9o5s$j9c$1...@news01.iij4u.or.jp...
> は、資質を問われても仕方ないと思う。それが公務員だったら納税者としては文句も
> 言いたくなる。あの人は以前にも電子スピンに関して珍妙な見解を披瀝してるし。
このスピンの議論って、ここで行われる議論は大抵そうなんだけど、
昔の物理雑誌で議論になってたことなんですよね。僕が展開した話
はしょせんその中の一説に過ぎなかったわけ。それが間違っていて
も、僕は、自分の人格がどうこうなんて思わないです。
僕は自分の意見が人と違っても全然へーき。スピンの議論は、「自
然は連続だ」みたいなテーゼに対する批判だったけど、ここの議論
だと「ピタゴラスの定理は証明できない」って奴の方が面白かった
かな。
In article <c05ho1$rom$1...@news511.nifty.com>, "GON" <g...@mocha.freemail.ne.jp> writes
> 河野氏は情報系だよね。彼の過去レス見てると物理は多少知ってる程度
> って感じですよね。
僕の経歴は公開されてるし... でも、君は「そいつが名が売れてい
るかどうか」でその意見の扱いを変える奴なのね。しかも、ネット
ニュースでの適当な議論なのに。
なんか、つまんないよね。馬鹿な議論を楽しくやることができない
人達。そういうの多いけどさ。
> しかし、大学教員だからといって何でも知ってるわけでないことは彼を見てれば
> 良くわかります。一部の学のない人間が大学教員が言ってることは正しいと
> 鵜呑みにしてしまう傾向があるのは否めませんが、それだけに大学教員に対しては
> 間違ったらきちんと批判したほうが良いと思います。
「大学教員に対しては」あたりにコンプレックス入ってない?
> 何故か彼らは間違っても間違いと認めないところがあるんで、そんな彼らは
> エムシラ御大を笑うことはできないでしょうね。(笑)
別にそんなことないと思うけど。アインシュタインだって間違った説ぐらい
山程出してます。それをいちいち全部「間違いを認めない」なんてやっても
仕方ないじゃん。
---
Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科
In article <c05i74$sat$1...@news511.nifty.com>, "GON" <g...@mocha.freemail.ne.jp> writes
> この問題は分子量の話はとはほとんど無関係で単に気体の熱運動の問題である
> ということで決着しているのですが、
わかってないのは君なんじゃないの? そんな単純な結論ではないです。
CO は上層に移動するのに、O^2が沈まないのは何故か?
って質問で、ここで出て来た範囲でも、
単独の分子としてのCOの振る舞いと、ガス塊としての振る舞いの違い
そもそも、さっさと拡散しないでガス塊でいるのは何故か?
分子の平均自由行程
温度による重さの差と分子量の差の比率の問題
分極のあるなしの影響
窒素と酸素の分圧と、高層大気の成分分布
などなどが影響する結構複雑な問題です。その中で、どれが主な要
素なのかは、誰かも言っていたけど、本当は計算して判断すべき問
題です。
で、問題には実はかなり限定した初期値があって、その初期値に依
存した形で、どの要素が効いて来るかってことになります。で、お
そらくは、ボイル・シャール効果なんだろうってことになったんだ
けど、実際は、ボイル・シャール的な浮力と分子量の差は、この場
合、そんなに大きくないので、どっちが主かを判断するのは実は難
しいです。
例えば、CO でなくて H^2 が洩れたときにどうなるかとかを「分子
量の話はとはほとんど無関係で単に気体の熱運動の問題である」な
んていうことはできないんです。
In article <3989437...@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp>, ko...@ie.u-ryukyu.ac.jp says...
>
>河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
>
>僕は、自分が大学教員であろうとなかろうと、議論の際に、間違っ
>たことを言うことを恐れたりしません。自分が必ず正しいことをい
>うと信じているのは、馬鹿の証拠でしょ。
>
>"Yukio Ishihara" <ishi...@y.email.ne.jp> wrote in message news:bv9o5s$j9c$1...@news01.iij4u.or.jp...
>> は、資質を問われても仕方ないと思う。それが公務員だったら納税者としては文句も
>> 言いたくなる。あの人は以前にも電子スピンに関して珍妙な見解を披瀝してるし。
>
>このスピンの議論って、ここで行われる議論は大抵そうなんだけど、
>昔の物理雑誌で議論になってたことなんですよね。僕が展開した話
>はしょせんその中の一説に過ぎなかったわけ。それが間違っていて
>も、僕は、自分の人格がどうこうなんて思わないです。
>(略)
ここで引用されてる私の文章に関する限りにおいては、
河野さんのことではありません。
# 河野さんを批判するなら他でやる。
In article <c05i74$sat$1...@news511.nifty.com>, g...@mocha.freemail.ne.jp says...
>http://www.asahi-net.or.jp/~zn6t-szk/index.html
おお、なかなか面白いシミュレーションが並んでますね。
>代ゼミの講師の方が作られているようですね。
山本義隆さんは駿台でしたっけ?「磁力と重力の発見」読み応えありました。
予備校の先生、おそるべし!
>>>"Yukio Ishihara" <ishi...@y.email.ne.jp> wrote in message news:bv9o5s$j9c$1...@news01.iij4u.or.jp...
>>>> 言いたくなる。あの人は以前にも電子スピンに関して珍妙な見解を披瀝してるし。
ここで石原さんに指摘されているのは私だと思うのですが,
もしそうなら, どの辺がどう「珍妙な見解」だったのか,
後学のためにご教示いただけたらうれしく思います。
なお, 標準的な量子力学の教科書や Slichter の磁気共鳴の
本, Abragam & Bleaney の EPR の本などを基礎として
ご説明いただいてかまいません。
ですが NetNews でこう言っても, 対応する義務はないし義理も
ないのは承知しているつもりなので, どうぞおかまいなく。
--
Ryo MIYAMOTO; rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp;
はて、随分古いことなので内容は忘れてもおた。
ただ、私は随分奇妙に感じたので質問したんですが、未だにその答えは頂いてません。
今からでもあの時の私の質問にお答え頂ければと思います。
そしたら私も内容を思い出せるでしょう。
>なお, 標準的な量子力学の教科書や Slichter の磁気共鳴の
>本, Abragam & Bleaney の EPR の本などを基礎として
>ご説明いただいてかまいません。
そんな小難しい話ではなかった、と考えておりますが。
>ですが NetNews でこう言っても, 対応する義務はないし義理も
>ないのは承知しているつもりなので, どうぞおかまいなく。
ということで今回もお答え下さらないのなら、それはご自由ですが、
この人はいい加減なヤツだという私の認識は変わらないことになりますし、
そのように言い続けることになるでしょう。
宮本さん次第です。
<c0c8no$ebj$1...@news01.iij4u.or.jp>の記事において
ishi...@y.email.ne.jpさんは書きました。
>>はて、随分古いことなので内容は忘れてもおた。
>>ただ、私は随分奇妙に感じたので質問したんですが、未だにその答えは頂いてません。
>>今からでもあの時の私の質問にお答え頂ければと思います。
>>そしたら私も内容を思い出せるでしょう。
2002 年 11 月頃の「メビウスの輪」と題された一連の記事の中の
<aqa2ef$qgi$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp>
rmiya>>>電子スピン の (+, -) とか (up, down) とか (\alpha, \beta) は,
rmiya>>>空間的な自由度 (自由度 3) とは異なる第四の自由度です。
という私の記事に対する
<aqa7db$m7t$1...@news01.iij4u.or.jp>の記事において
ishi...@y.email.ne.jpさんは書きました。
ishihara>>>>軌道角運動量とスピンを足し合せた「全角運動量」もあったと記憶して
ishihara>>>>ます。空間的な自由度の軌道角運動量(r×p)と足し算できるスピン
ishihara>>>>が別の自由度というのは、どうも納得できないんですが?
これのことでしょうか ? これに対するわたしの返事は,
<aqb3qr$t5p$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp> とそれに対する自己フォロー
<aqb59a$t5p$2...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp> で (内容についてはあとで述べます),
google によると, そのあと <3dc9f209$0$19943$44c9...@news3.asahi-net.or.jp> で
石原さんが
ishihara>> しかしまだ、「電子スピン」と「スピン角運動量」の違いは理解できてません。
と述べたところで, この枝はおしまいになっているようです。単なる言明であって,
わたしに対する質問だとは受け止めておりませんでしたし, あとはご自分で
お考えになれば理解に至るだろうと期待してしまいましたので, 特にフォロー
しませんでした。
もしこのことではないのなら, 以下は無視してください。
さてわたしの最後の記事は, <aqb3qr$t5p$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp> と
それに対する自己フォロー <aqb59a$t5p$2...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp> で,
rmiya>>私 (rmiya) が上の引用部分で述べている「電子スピン」と, 石原さん
rmiya>>が使っている「スピン」は, 意味が違います。おそらく石原さんが
rmiya>>一行目でスピンと言っているのは「スピン角運動量」のことでしょう。
と述べていますが, こういうたとえはどうでしょう。
三次元空間内の自由度で言えば, 座標軸の x とその値 (例えば x=10) を距離として
とらえたものとは異なるものだと言っているつもりです。ここで x 軸は y 軸とは
別の自由度ですが, その値としての例えは y=5 と加算して, 全道程が 15 である
という議論は可能です。
あるいはこういう説明ではどうでしょうか。
「スピンが 1/2 である」ということは,
1) スピンという第四の自由度があって, それの値域が (up, down) の二値である。
2) このスピンに由来する角運動量について, その u 成分の大きさが +1/2 \hbar
ないし -1/2 \hbar である, (あるいは大きさが sqrt(3/4) \hbar である)。
前者について言えば, スピンは空間の三つの自由度 x, y, z と独立の自由度で,
それらと何らかの加算をすることはできません。これは, x と y は別の次元で
あるので x=10 と y=5 を足して x=15 (or y=15) などとできないことと同じです。
後者について言えば, 議論の対象はスピン角運動量という物理量ですから,
軌道角運動量と合成した全角運動量を考えることも可能です。それについては
rmiya>>さて, 軌道角運動量にしろスピン角運動量にしろ, いずれも「角運動量」
rmiya>>という物理量です。ですから当然のごとくに加算できます。
と当時既に述べていますが。
--
Ryo MIYAMOTO; rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp;
In article <c0ep3a$mq4$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp>, rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp says...
>石原さんが
>
>ishihara>> しかしまだ、「電子スピン」と「スピン角運動量」の違いは理解できてません。
>
>と述べたところで, この枝はおしまいになっているようです。単なる言明であって,
>わたしに対する質問だとは受け止めておりませんでしたし, あとはご自分で
おかしいな。私はさらなる説明を期待する旨、申していたと記憶します。
といって、私のほうには証拠は残ってないし(今更googleたどる気もないので)、
水掛け論になってしまうでしょうが。
ただ、今回のようなご説明いただいていれば、少なくとも「いいかげんなヤツ」
という見解にはならなかったろうということは申しておきます。
すぐにはうまい説明を考え付かなかったかもしれないし、ご多忙でこんなことに
ばかりかかわってられなかった、というならそれもわかりますが、
たとえ半年後だろうが1年後だろうが、私としては一向に構わなかったんですがね。
さて、そのご説明ですが、
>前者について言えば, スピンは空間の三つの自由度 x, y, z と独立の自由度で,
>それらと何らかの加算をすることはできません。これは, x と y は別の次元で
>あるので x=10 と y=5 を足して x=15 (or y=15) などとできないことと同じです。
>後者について言えば, 議論の対象はスピン角運動量という物理量ですから,
>軌道角運動量と合成した全角運動量を考えることも可能です。それについては
つまり、地球の自転は並進運動とは別の自由度、ということですね。
剛体には並進の3つの自由度と回転の(古典論では)3つの自由度がある。
そんなの、あたりまえ。何を言いたいんだろう?
いや、だんだん思い出して来たんだけど、
そもそもは「メビウスの輪」に電流を流したらどうなるか、という
まあ、ちょっと奇妙な話から始まったんですよね。それはいい。
で、これを紙か何かで作った「メビウスの輪」の表面にニクロム線を這わせるという
モデルで解釈した人がいた。別にこれも悪いとは言わない。
ただ、私は「メビウスの輪」をもうちょっと抽象的に解釈した。
最終的には「電子がループ運動をしながら、1周ごとにスピンが逆転する」という
モデルを提示した。いや、これが正統的物理理論の中でどういう意味を持つのか
については今は問いません(別のスレッドで議論するならそれはそれで面白いかも
しれないけど)。あくまで「と」の話として提示しただけです。
それで、宮本さんの記事は私がまだそんな「整理されたモデル」を提示する前に、
漠然と「電子スピン」に言及した時点で出てきたものですよね?
さて、そういう話の流れの中で、「電子スピンは並進運動と別の自由度」という
ご主張はどういう意味を持つんでしょうか?
(言い方の問題にすぎないと思うけど)「スピンに由来する角運動量」が存在する
ということは宮本さんも認めてるんですよね?「メビウスの輪に電流」という
議論の中では、その角運動量(当然、並進運動とは別の自由度)を
問題にしてるのは明らかじゃないですか?
空間反転=メビウスの輪(の本質)というふうに指摘なさった方も、
あのときいたと記憶してます。スピン(角運動量)は、まさにその空間反転を
反映してるんじゃないんですか?違ってましたら教えて下さい。
以上について、ご回答お待ちします。
ついでに誤解のないように言っておきますが、
私はべつに電子スピンを古典論の剛体の回転(地球の自転)と同じと言ってる
わけではない。ただ、*ここまでの議論*に関する限り、そのアナロジーでも
充分だろうと言ってるだけです。
<c0hca2$2u1$1...@news01.iij4u.or.jp>の記事において
ishi...@y.email.ne.jpさんは書きました。
>>おかしいな。私はさらなる説明を期待する旨、申していたと記憶します。
ごめんなさい。まず謝っちゃいます。
手元には当時の記事が残っていません。そういえば google にあるかなと
思い立って, かろうじて残されていた自分の発信記録に基づいて少し探した
結果から, 前回の様に述べました。しかし今回, もっと別の枝も探った
ところ, 石原さんの言う通りに, 私の返答をもらっていない旨の発言が
ありました。
>>そもそもは「メビウスの輪」に電流を流したらどうなるか、という
>>まあ、ちょっと奇妙な話から始まったんですよね。それはいい。
......
>>最終的には「電子がループ運動をしながら、1周ごとにスピンが逆転する」という
>>モデルを提示した。
......
>>さて、そういう話の流れの中で、「電子スピンは並進運動と別の自由度」という
>>ご主張はどういう意味を持つんでしょうか?
さて細かく言うと論点は複数あったというか, だんだんずれていったというか,
徐々にはっきりしてきたというか, 深まっていったというか ... そんな感じの
ようです。
まずスピン角運動量と軌道角運動量が合成できる件については, 解決したと
考えていいですね ? 合成できることについては石原さんもわかっていらっしゃる
ようで, 「合成できるのに異なる自由度とはどういうことか ?」 というのが
最初の疑問でした。これについては先日の記事で説明させていただきました。
また当時も河野さんが「月と地球の角運動量は別々な自由度だけど足し算でき
ますよね。そんなものなのでは。」と発言しています。
次に, 当時の記事を見ると石原さんの疑問は, 「これら二つの角運動量を合成
することができるのなら, メビウスの輪によってスピン(角運動量)が影響
されないんだろうか?」ということのようでした。これに関連して, 私が
『「別の自由度だから」という理由で影響されない』と述べたと, 石原さんは
言っており, それについての説明を求めていました。
さてこの発言の大元は, 関連する私の最初の発言である
||電子スピン の (+, -) とか (up, down) とか (\alpba, \beta) は,
||空間的な自由度 (自由度 3) とは異なる第四の自由度です。
||したがって空間的にひねっただけのメビウスの輪では, そこを流れる
||電流に対して電子スピンは無関係と考えられます。
||
||もちろん環電流によって生じる磁場と電子スピンの磁気モーメントとの
||相互作用はあるでしょう。しかしそれはメビウスの輪でなくて
||普通の輪でも生じることなので, 特別なことではありません。
の前半部分だと思われます。(今見てみると, ずいぶんあっさりとした
言及ですね。)
当時「一周ごとにスピンが逆転する」というモデルを目にして, 私は
次のように考えたのだと思います。[*1]
まず出発点としてメビウスの帯の表面に自分が立っている。ここで頭が
+z で足が -z 方向を向いていると空間の座標軸を定義しておきます。
またメビウスの輪は x 軸に巻き付いているものとします。
ここで帯の表面上をてくてく進んでいって, 一周して出発点の裏側に
もどって来ます。するとこんどは頭が -z で足が +z 方向を向いている
わけです。これを角運動量の方向に対応させて, 始め +z 方向を向いて
いた角運動量が, メビウスの輪を一周することにより -z 方向へと反転
した, と考えてこのモデルを提案したのかなと推定しました。
この段階で, 三次元空間内で並進や回転をすることでスピンが反転する
わけがないという直感を持ったのだと思います。それは, 磁気共鳴を
念頭においていたからです。ご存じの通り磁気共鳴では, 磁場中のスピンが
電磁波のエネルギーの授受を伴って, その向きを反転させます。しかし
磁場中に置いた試料の向きを変えたからと言って, そのせいで電磁波の
吸収あるいは放出が観測されるなんてことはないだろう, と考えた
のです。[*2] そういうわけで, スピンを反転させるためには三次元空間
内での並進や回転などではなくもっと別なことが必要なはずだ → スピンは
第四の自由度だから三次元空間内での配向を変えるのじゃダメだ, との
発想に至ったようです。例えて言えば, 高さ (z) を変えたいのに xy 平面
内でいくら動かしてもダメだ, という感じでしょうか。[*3]
そこで先の引用の通り「スピンは第四の自由度なので空間的にひねっただけ
のメビウスの輪とは無関係だろう」とのわたしの発言になりました。[*4]
さて以上の議論は, 石原さんの二つ目の疑問への直接の回答ではありません。
むしろそれには次のように主張させていただきます。私はスピン角運動量と
軌道角運動量の間に相互作用の可能性がないとは言っていませんし, むしろ
最初の私の発言の後段では, 相互作用があるかもと言っています。ただし
それは輪だからであって, 環電流が流れているからであって, その輪が
メビウスかどうかとは無関係だということです。[*5]
[*1]
最初からモデルに関するこの様な表現はなされていませんでした。当初は
「スピン+の状態と-の状態が重畳されて、スピン0の電子状態が観測
される。」の記述が見られます。これを, 始め + だったものが一回り
して反転して - になり, (定常電流として流れている表の) + と重なる
という意味と受け取りました。
[*2]
現実の NMR 分光器では, 試料を高速で回転させています。もしこれで
スピンが反転するのならば, αスピンとβスピンの占有数が平均されて
同一になってしまいます。すなわち実効的にラジオ波の吸収が観測されない
ことになります。でも現実にはラジオ波の吸収が観測されていますね。
[*3]
厳密に言えば正しくありません。そう, スピン-軌道相互作用です。しかし
これはメビウスとは独立な話です。繰り返しですが。
[*4]
なおここでの「ひねる」は, 帯の表裏をひねってつなげることでメビウスの
輪を作ることに引きずられた表現です。後述の「空間反転=メビウスの輪」
という意味でのなんらかの空間反転操作をだれかが「ひねる」と表現した
かもしれないものとは無関係です。
[*5]
当時は, 言ってないことについて説明を求められて困惑したのかもしれません。
言った言わないの最も flame になりそうな展開を嫌ったのかもしれません。
最初に言っていたことを繰り返すのをめんどくさがったのかもしれません。
その後で石原さんは, 以下のような表現で,
|| 電子がループ軌道を描いていて、1周するごとにスピンが反転する。
「電子版メビウスの輪相当品」, 「幾何学的なメビウスの輪とは直接関係ない」
「メビウス・コンパチ」を提起されました。
>>空間反転=メビウスの輪(の本質)というふうに指摘なさった方も、
>>あのときいたと記憶してます。スピン(角運動量)は、まさにその空間反転を
>>反映してるんじゃないんですか?違ってましたら教えて下さい。
長くなりましたので, この話題は別便で述べたいと思います。しばしお待ち下さい。
--
Ryo MIYAMOTO; rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp;
<c0hca2$2u1$1...@news01.iij4u.or.jp>の記事において
ishi...@y.email.ne.jpさんは書きました。
>>空間反転=メビウスの輪(の本質)というふうに指摘なさった方も、
>>あのときいたと記憶してます。スピン(角運動量)は、まさにその空間反転を
>>反映してるんじゃないんですか?違ってましたら教えて下さい。
上記の指摘について, 残念ながら記憶にありません。また google にある
「メビウスの輪」と題された一連の記事を少し辿ったのですが, まだ発見
していません。
当時, 石原さんは,
|| 電子がループ軌道を描いていて、1周するごとにスピンが反転する。
という「電子版メビウスの輪相当品」, 「幾何学的なメビウスの輪とは直接
関係ない」「メビウス・コンパチ」を最終的には提起されました。
これに対して河野さんが
||パリティの異なるワームホールってわけですよね。3次元版はクラ
||インの壺っていうんですが、4次元版は、何故かワームホール。
||
||こいつはなかなか便利で、右手袋をぶちこむと左手袋になって出て
||来ます。生産性倍ですね。
と言っています。これとはちがうかな。
さて過去の発言とは別に, 空間反転と(スピン)角運動量の関係をおさらい
してみました。
ここでこの「空間反転」が何を意味しているかを良く考える必要があります。
これは私にとっては, 空間座標の符号の反転 (x, y, z) → (-x, -y, -z) の
ことを連想させます。この操作は点群では「反転 (inversion)」という対称
操作です。対称心 (center of symmetry) に関する対称操作です。最も簡単
には点群の指標表を見るとすぐにわかるように, x, y, z の各軸回りの回転
{R_x, R_y, R_z} の属する表現において, 反転操作に対する指標は +1 です
(二重縮重していれば +2)。また二重群におけるスピンの属する表現においても
同じです。すなわちこの意味の空間反転によっては, スピンの符号は変化
しないのです。
これについて, キャラクタで絵を描いてみましょうか。全て全角文字なので
崩れないと思うのですが ...
| |
←←|←← ←←|←←
↓ | ↑ ・ ↓ | ↑
→→→→→ →→→→→
| |
さてこの図の左の角運動量は up です。これを中央の点を対称心として右に
移すことを考えます。左端の向うからこちらへの動きは, 右端の手前から奥
への動きへと投影されています。また手前の縁の左から右への動きは, 奥の
右から左への動きに対応しています。この様にして移された右の角運動量は,
やっぱり up です。
しかし「空間反転」が上記とは別の意味であれば, また別の議論になるでしょう。
例えば上記の河野さんが言うように「パリティが反転する」というのもその
一つかもしれません。この場合, スピンが反転することは対称操作の定義に
折り込み済みですから, スピンは反転します。当たり前ですね。しかしこの
操作の場合「反転」ではなくてむしろ「鏡映」と呼んで欲しいです, あるいは
しっかり「*パリティの*反転」と。
... と, こうやって書いてみると, 当時の説明は全く舌足らずでしたね。でも
今回これだけの文章をまとめるのに, かなりの労力を費やしたことも事実
です。とても常にできるものではないことは, ご理解いただけると思います。
そんなこんなで, ついつい考えの方向性を示す「お題目」を提示するだけに
して, 背景の詳細の説明を省略してしまいがちになります。わたしがくどくど
書くよりも, きちんとした本を各自が参照した方が好ましいとか, いちいち
細かく書くのがめんどくさいとかいう意識もあるかもしれません,
とイイワケをして, 今日はおしまいにします。ふう。
--
Ryo MIYAMOTO; rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp;
In article <c0iorq$ta3$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp>, rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp says...
>結果から, 前回の様に述べました。しかし今回, もっと別の枝も探った
>ところ, 石原さんの言う通りに, 私の返答をもらっていない旨の発言が
>ありました。
ご確認いただきましたこと、感謝します。
>さてこの発言の大元は, 関連する私の最初の発言である
>
>||電子スピン の (+, -) とか (up, down) とか (\alpba, \beta) は,
>||空間的な自由度 (自由度 3) とは異なる第四の自由度です。
>||したがって空間的にひねっただけのメビウスの輪では, そこを流れる
>||電流に対して電子スピンは無関係と考えられます。
>||
>||もちろん環電流によって生じる磁場と電子スピンの磁気モーメントとの
>||相互作用はあるでしょう。しかしそれはメビウスの輪でなくて
>||普通の輪でも生じることなので, 特別なことではありません。
>
>の前半部分だと思われます。(今見てみると, ずいぶんあっさりとした
>言及ですね。)
あっさりした、というより、スピンが空間的な(並進)自由度と異なる自由度
ということを拡大解釈してると、私には見えます(した)。
たしかに地球の自転は並進運動とは別の自由度ですが、自転軸というのは、
北極星という3次元空間のひとつの方向を向いてますよね。
角運動量を持ち出したというのも、つまりはこのこと、スピンも3次元空間内の
方向を持つベクトルであろう、ということを言いたかったんで、今考えれば
脱線でした。私も混乱してたようです。地球の自転軸と言えばすむ話でした。
で、このことはよろしいでしょうか?まさか、スピンは空間とは別の自由度だから、
空間的な方向など持たないんだ、というご主張ではなかろうと思いますが
(そしてあの時には私にはそのような主張に見えた、ということですが)。
>当時「一周ごとにスピンが逆転する」というモデルを目にして, 私は
>次のように考えたのだと思います。[*1]
この[*1]に引用されてる「スピン+の状態と-の状態が重畳されて、スピン0の電子状態が観測
される。」という記述は私の記憶にはないんです。私の所に来てない記事があるのかな?
まず、前回も述べましたように、紙か何かで作ったメビウスの輪の表面にニクロム線を
這わせるというモデルで考えた人がいて、そうすると単なる2周のループ電流である。
それに対して私は、「電流に裏も表もなかろうから、1周で閉じる」と申しました。
その後で「スピンまで考えるとどうか」という問題を提起した。これがスピンに言及した
私の知る限りでは最初だったはずで、そしてその直後に宮本さんのご発言があったと記憶します。
まあ、頭の良い方なんだろうから私の問題意識なんぞは簡単にに先取りなさったのかも
しれないけど、あの時点では私も漠然としたイメージしか持ってなかったし、
他の誰もそのことに言及してなかったと思うんですが。
>この段階で, 三次元空間内で並進や回転をすることでスピンが反転する
>わけがないという直感を持ったのだと思います。それは, 磁気共鳴を
>念頭においていたからです。ご存じの通り磁気共鳴では, 磁場中のスピンが
>電磁波のエネルギーの授受を伴って, その向きを反転させます。しかし
>磁場中に置いた試料の向きを変えたからと言って, そのせいで電磁波の
>吸収あるいは放出が観測されるなんてことはないだろう, と考えた
前回も申しましたように、私はあのときこれを「と」の問題として提示したわけです。
それに対して宮本さんのこのご意見は正当物理理論に基づく反論ですよね。
無論それがいけないわけはない。そのようにして議論を深化させて行って
その中で私も勉強させていただくのはむしろ歓迎しますが、
あの時点でそのような正統理論に基づいて、しかしながらご自身認められるように
「ずいぶんあっさりとした」形で言われても、違和感しかないんですよね。
あの時点では、まず「と」としてでもきちんとした問題設定をして、
その上で正当理論による反駁を展開するのが「正しい」筋道だったろうと思いますが。
まあ、「ボタンの掛け違い」と言えばそれまでですが。
>のです。[*2] そういうわけで, スピンを反転させるためには三次元空間
>内での並進や回転などではなくもっと別なことが必要なはずだ → スピンは
>第四の自由度だから三次元空間内での配向を変えるのじゃダメだ, との
>発想に至ったようです。例えて言えば, 高さ (z) を変えたいのに xy 平面
>内でいくら動かしてもダメだ, という感じでしょうか。[*3]
>
>そこで先の引用の通り「スピンは第四の自由度なので空間的にひねっただけ
>のメビウスの輪とは無関係だろう」とのわたしの発言になりました。[*4]
でもやっぱり、これを読むと「第4の自由度なので3次元空間の方向など持たない」
というご意見なのかな?だとすると今の私には理解できない話ですが・・
相変わらず古典論で考えますが、
A. 地球は北極の上空から見ると反時計回りに自転しているが、「スピンが反転」
というのは、これが時計回りになることである。「太陽が西から昇る」と言い
換えても良いだろう。
B. さて、この北極から見て時計回りに自転している地球をメビウスの輪の表面に
沿って動かすと、1周したとき、北極(スピン角運動量ベクトル)は(3次元空間中で)
最初と反対の方向を向いている。しかしスピン(北極から見て時計回り)が反転
したわけではない。
ちなみにA.でもB.でも「スピン角運動量」が反転するのは同じですが、意味は全く違う。
自転軸(スピン角運動量ベクトル)は、実際には北極星のほうを向いてるわけだけど、
それはここではあまり意味はない。まあ、「たまたま」と言っていいかな?
で、宮本さんが言いたかったのはB.のことなんでしょう。違いますか?
ところで私はその後、「1周ごとにスピンが反転する」というモデルを提示した。
したがってこれは定義としてA.を採用してるわけで、宮本さんの反論が当たらないのは
明白なわけですが、しかしその前の時点ではA.B.どちらの可能性もあっただろう。
私自身、あの時はこれを明確に峻別してなかった、ていうか、まだ大雑把な感覚しか
持ってなかったんで、どちらととられても文句は言えないだろうな。
ただ、あの時「紙で作ったようなメビウスの輪」からは既に離れてたわけで、
そのことはB.を排除していたことになる、というのは所詮負け惜しみかな?
でも、それで「第4の自由度だから」という説明は当を得てるんだろうか?
むしろ「自転軸の周りの角運動量の保存」という主張じゃないか?(相変わらず
古典論イメージですが)。で、それはたしかに「第4の自由度」に繋がるんだけど・・
そこのところ、宮本さんの説明は(私には)分かり難かった。
なんせ、GONは“トンデモ馬鹿GON”なるニックネームが付いてシマッテいる
人物だからねぇ。 ヽ(^。^)ノ
http://science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1061747809/l50
> > しかし、大学教員だからといって何でも知ってるわけでないことは彼を見てれば
> > 良くわかります。一部の学のない人間が大学教員が言ってることは正しいと
> > 鵜呑みにしてしまう傾向があるのは否めませんが、それだけに大学教員に対しては
> > 間違ったらきちんと批判したほうが良いと思います。
>
> 「大学教員に対しては」あたりにコンプレックス入ってない?
なんせ、GONは“トンデモ馬鹿GON”なるニックネームが付いてシマッテいる
人物だからねぇ。 ヽ(^。^)ノ ヽ(^。^)ノ
http://science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1061747809/l50
> > 何故か彼らは間違っても間違いと認めないところがあるんで、そんな彼らは
> > エムシラ御大を笑うことはできないでしょうね。
こらっ、馬鹿GON! “エムシラ御大”とは、余のことか!?!
# 余は自分が間違っていたと思った時には、率直にそれを認めて居るゾ!
## もっとも、余が間違いを犯すことは、滅多に無いことではあるが。 ヽ(^。^)ノ
山本義隆さんは、もと東大全共闘の議長としてのほうが有名ですね。大学院生時代
には
あの湯川さんと物理の話でしょうか、衝突したという話もあるし、理化学辞典の編纂
者の一
人でもあります。
私はその昔、谷川安孝研究室にいまし
た。。。。。TOSHI
スピンに対する理解が, 石原さんと私とで隔たりがあるようだとはわかり
ましたが, その原因については未だわかりません。この記事は, その溝を
埋めることにはほとんど寄与しないだろう事項に関する記述であることを,
あらかじめ断っておきます。
In <c0k2h2$s3o$1...@news01.iij4u.or.jp>
>> たしかに地球の自転は並進運動とは別の自由度ですが、自転軸というのは、
>> 北極星という3次元空間のひとつの方向を向いてますよね。
>> 角運動量を持ち出したというのも、つまりはこのこと、スピンも3次元空間内の
>> 方向を持つベクトルであろう、ということを言いたかったんで、今考えれば
>> 脱線でした。私も混乱してたようです。地球の自転軸と言えばすむ話でした。
>> で、このことはよろしいでしょうか?まさか、スピンは空間とは別の自由度だから、
>> 空間的な方向など持たないんだ、というご主張ではなかろうと思いますが
>> (そしてあの時には私にはそのような主張に見えた、ということですが)。
角運動量が三次元空間内で方向をもつベクトル量であることには同意します。
しかしこの引用部分の下から二行目が, 面白いと思いました。
今ここにスピン S=1/2 をもつ電子が一個あるとします。スピン角運動量を
持っているのですから, 上で同意したように, そのベクトルの方向を三次元
空間内で考えることができるはずです。ではどっちを向いているのでしょう ?
やー, おもしろいなー (ニコニコ)。答えは「わからない」または「お気に
召すまま」となるのだと思います。その意味は, 仮にスピンに由来する磁気
モーメントの x 成分を測れば +1/2 \hbar または -1/2 \hbar だし, そうで
なくて y 成分を測れば +1/2 \hbar または -1/2 \hbar だし, あるいは z
成分を測れば +1/2 \hbar または -1/2 \hbar になる。観測者が任意に選んだ
軸方向についての成分が +1/2 \hbar または -1/2 \hbar であると観測される
と。
観測問題とか波動関数の収縮とかいう言葉が聞こえてきそうですが, その通り
です。その意味で (観測するまで) 空間的な方向は決められないことになって
しまいます。より根元的には, 観測してもその方向の成分がわかるだけで,
他の軸方向の成分はわからない。三次元空間でベクトルの方向を決めるため
には, 例えばデカルト座標系で各軸に投影した成分の大きさがわからないと
いけないのですが, それらを同時に正確に測定することはできない。不確定性
原理のせいです。すなわち磁気モーメントベクトルの三次元空間内での方向を
決めることができないことになってしまいます。なおこれは角運動量一般の
性質であって, スピンに限った話ではありません。念のため。なおベクトルの
大きさと, ある軸方向の成分を同時に決めることはできます。演算子 L^2 と
L_i とは可換ですので。L_i と L_j が非可換 (i, j = x, y, z)。
しかしこれは石原さんと私との溝を埋めるものではないので余談としておき
ます。
さて次に「と」な問題について。
私は「と」理論の全てが悪だとは考えていません。ここだけ抜き出されると
ちょっと語弊がありますが。すなわち普通の研究者だって普段の思考過程に
おいて, 少々「と」な理論や平凡な理論は, それこそ掃いて捨てるほど考えて
いることと思われます。そういった中からすぐれた考えが出てきたり, 理解が
深まったりするものだと考えるからです。
当時この「メビウスの輪」の問題は, メビウスの輪に電流を流すと無限の
エネルギーが得られるなどと言うような (詳細は忘れましたが) 理論を唱える
人がどこぞに居て, それに関する話題が本筋 (多くの人が記事をポストして,
また話が長く続いた) だったかと思います。相対論や無限エネルギーに関する
「と」理論は世の中にたくさんあって, この fj.sci.phys でも時々議論に
なります。しかし量子論に関するその手のモノは, あまり見かけませんでした。
そのような中で, 「メビウスの輪とスピンの反転」の話題が出てきたので,
興味を引かれたわけです。
荒唐無稽な理論について, あれこれ空想を広げることは, うまくいけば楽しい
ことですが, 出発点に致命的な誤解を含んでいては興醒めですよね。承知の
上で標準的な物理に反する仮定を置くということもアリかとは思いますが,
その場合には「ここは荒唐無稽な仮定」と明示するのがルールだと思います。
みんなが参加して遊ぶゲームのルールは公開しておくってことですね。
そこで「メビウスの輪とスピンの反転」の話題は興味を引かれた話題だったの
ですが, スピンが反転するかどうかという点で直感的に違和感があったので,
あの記事をポストしました。その後の展開はご存じの通りで, うやむやに
なったというか立ち消えでした。主流が別にあったためかもしれません。その
為に今回ほどは深く考えていなかったというのが正直なところです。さて今回
あらためて話題にして, いろいろ考える機会が得られて, 嬉しいです。
閑話休題か(?)。<c0iorq$ta3$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp> で私は,
|| ご存じの通り磁気共鳴では, 磁場中のスピンが
|| 電磁波のエネルギーの授受を伴って, その向きを反転させます。しかし
|| 磁場中に置いた試料の向きを変えたからと言って, そのせいで電磁波の
|| 吸収あるいは放出が観測されるなんてことはないだろう, と考えたのです。
と述べました。しかしその後よくよく考えると, 別なことに思い至りました。
それは ...... 常磁性な物体を磁場中におけば, 磁化されて(巨視的な)磁気
モーメントを持つ。つまりマクロな磁石だ。それが回転運動などをすれば,
おやおや電磁波の放出になるではないか (ただしスピンの緩和が回転運動に
比べて遅い場合)。でもここで出てくる電磁波の周波数は, 物体の回転運動の
回転速度に依存するものであって, αスピンとβスピンの反転に共鳴する
周波数とは全く異なるけれど。
石原さんの次の記事も来たようですが, 私のこの記事は余談集ということで,
本題は別記事にしたいと思います。ではでは。
--
Ryo MIYAMOTO; rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp;
なかなか齟齬の核心をつかめないでいるのですが, いくつか確認事項を述べる
ことから始めたいと思います。(引用では改行位置を調整しています)
In <c0k2h2$s3o$1...@news01.iij4u.or.jp>,
>>たしかに地球の自転は並進運動とは別の自由度ですが、自転軸というのは、
>>北極星という3次元空間のひとつの方向を向いてますよね。
>>角運動量を持ち出したというのも、つまりはこのこと、スピンも3次元空間内の
>>方向を持つベクトルであろう、ということを言いたかったんで、今考えれば
>>脱線でした。私も混乱してたようです。地球の自転軸と言えばすむ話でした。
>>で、このことはよろしいでしょうか?まさか、スピンは空間とは別の自由度だから、
>>空間的な方向など持たないんだ、というご主張ではなかろうと思いますが
>>(そしてあの時には私にはそのような主張に見えた、ということですが)。
別記事で別の文脈でここを取り上げた折にも述べましたが, スピン角運動量と
それに起因する磁気モーメントが三次元空間内で方向をもつベクトル量である
ことには同意します。
In <c0iorq$ta3$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp>,
||そういうわけで, スピンを反転させるためには三次元空間
||内での並進や回転などではなくもっと別なことが必要なはずだ → スピンは
||第四の自由度だから三次元空間内での配向を変えるのじゃダメだ, との
||発想に至ったようです。例えて言えば, 高さ (z) を変えたいのに xy 平面
||内でいくら動かしてもダメだ, という感じでしょうか。[*3]
||
||そこで先の引用の通り「スピンは第四の自由度なので空間的にひねっただけ
||のメビウスの輪とは無関係だろう」とのわたしの発言になりました。[*4]
In <c0k2h2$s3o$1...@news01.iij4u.or.jp>,
>>でもやっぱり、これを読むと「第4の自由度なので3次元空間の方向など持たない」
>>というご意見なのかな?だとすると今の私には理解できない話ですが・・
こうして書かれた文面を見て, 私の考えが
「(スピンは)第4の自由度なので3次元空間の方向など持たない」
であるかと問われれば, その答えは YES になります。
私の上の二つの言質について, 石原さんは納得できないのだと推察します。
あぁ今思いつきました。これに対する説明として以前のものに一言加えた
これはどうでしょうか。
曰く「スピン量子数とスピン角運動量(磁気モーメント)とは異なる」。
-- -- -- -- --
In <c0krou$b2f$1...@news01.iij4u.or.jp>,
>>A. 地球は北極の上空から見ると反時計回りに自転しているが、「スピンが反転」
>> というのは、これが時計回りになることである。「太陽が西から昇る」と言い
>> 換えても良いだろう。
>>
>>B. さて、この北極から見て時計回りに自転している地球をメビウスの輪の表面に
>> 沿って動かすと、1周したとき、北極(スピン角運動量ベクトル)は(3次元空間中で)
>> 最初と反対の方向を向いている。しかしスピン(北極から見て時計回り)が反転
>> したわけではない。
...
>>で、宮本さんが言いたかったのはB.のことなんでしょう。違いますか?
さてこれについて, B では地球の南極が北極星の方向を向くことになる
という意味において, 私の考えは B だと言えます。そしてこのあとの
石原さんの文章にある
>>ただ、あの時「紙で作ったようなメビウスの輪」からは既に離れてたわけで、
>>そのことはB.を排除していたことになる、
に関連して言えば, 私が記事をポストした時点では, 『「紙で作ったような
メビウスの輪」から離れた』という認識は, 私にはありませんでした。読解力
不足だったのかな ? それとも別の枝だったので見逃したかな ??
ところで石原さんの中では A の意識があったとのことですが, つまりそれは,
「メビウスの輪=パリティ反転」という意味ですね ? [*1] 私にはそんな
意識は全くありませんでした。もしそのようにメビウスの輪に対する認識が
異なっていたのならば, 齟齬が生じるのも当然ですね。私が「紙で作った
ようなメビウスの輪」をイメージして三次元空間内の移動として考えていた
のに対して, 石原さんはいわば四次元空間を通ってパリティを反転させると
考えていたのですから。[*2]
なお「メビウスの輪=パリティ反転」であるならば, 輪に沿ってツウッと移動
して一周するうちの, いったいどの時点でパリティ反転するのだろうなどと
考えてしまいますが, まあこれは「紙で作ったようなメビウスの輪」に捕ら
われた発想ですね (笑)。移動している過程において, すぐ直前の状態と
変わっていないにも関わらず, ぐるっと一周すると一周前とはパリティが
反転しているところが要なのでしょうから。
[*1]
なおここでは「空間反転」ではなくて, 敢えて「パリティ反転」と記述して
います。空間反転に関する話は <c0ir1b$tdp$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp> で
述べました。
[*2]
「メビウスの輪=パリティ反転」であるならば, 私の「第四の自由度」という
発言は, おかしな事を言っているように写るかもしれませんね。いや, どう
写るのか, まだちゃんと考えていないのですが。
-- -- -- -- --
さてこれで残るは, この記事の前半部分とも関連して,
>>「第4の自由度だから」という説明は当を得てるんだろうか?
でしょうか。
--
Ryo MIYAMOTO; rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp;
手元に記事がありましたので拙のホームページに置いておきました.
<http://www.geocities.jp/hideki_katoh/fj.html>
Unix の mbx 形式のものと SJIS text 形式のものがありますのでよろしけ
ればご利用下さい (_ _).
--
Hideki Kato <mailto:ka...@pop12.odn.ne.jp>
----== Posted via Newsfeed.Com - Unlimited-Uncensored-Secure Usenet News==----
http://www.newsfeed.com The #1 Newsgroup Service in the World! >100,000 Newsgroups
---= 19 East/West-Coast Specialized Servers - Total Privacy via Encryption =---
In article <c0ld73$6tj$1...@nnrp.gol.com>, tos...@gol.com says...
> 山本義隆さんは、もと東大全共闘の議長としてのほうが有名ですね。大学院生時代
>には
はい、実は私の大学受験の時は、あの人達のお陰で東大の入試がなかった。
だから私は東大に行かなかった(接続詞の不適切くらいはまけといてくれ)。
だけど大分以前から科学史関係の著述家としてのほうが有名じゃないでしょうか?
In article <c0lkl6$24u$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp>, rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp says...
>こうして書かれた文面を見て, 私の考えが
>「(スピンは)第4の自由度なので3次元空間の方向など持たない」
>であるかと問われれば, その答えは YES になります。
>
>
>私の上の二つの言質について, 石原さんは納得できないのだと推察します。
そういうことになりますね。
まあ、このへんから先は私の古典論アナロジーが通用しないんだ、
と言われればそれまでなんでしょうが。
でも、今のところべつにディラック方程式が出てくるわけでもないし、
私のようなシロートには古典論的なイメージで説明して下さるほうが
わかりやすいかと思うんですがね。
>>>ただ、あの時「紙で作ったようなメビウスの輪」からは既に離れてたわけで、
>>>そのことはB.を排除していたことになる、
>
>に関連して言えば, 私が記事をポストした時点では, 『「紙で作ったような
>メビウスの輪」から離れた』という認識は, 私にはありませんでした。読解力
>不足だったのかな ? それとも別の枝だったので見逃したかな ??
単刀直入に言うと、読解力不足だったと思います。というのは、「紙で作ったようなメビウスの輪」
にニクロム線を巻くというモデルを私が否定したのと、電子スピンに初めて言及したのは
同じ記事だった(あるいは直後のフォローだった)と記憶してますので。
ただ、この「読解力不足」は今更責めるつもりはありませんのが。
>ところで石原さんの中では A の意識があったとのことですが, つまりそれは,
>「メビウスの輪=パリティ反転」という意味ですね ? [*1] 私にはそんな
ですから後知恵で整理して言うとそうなりますが、
あの時点では私も明確にそのように意識していたわけではないことは
正直に申しておきます。
なんかそんなふうな「予感」くらいはあったのかな?
>なお「メビウスの輪=パリティ反転」であるならば, 輪に沿ってツウッと移動
>して一周するうちの, いったいどの時点でパリティ反転するのだろうなどと
ですから、「と」なんだから「何でもあり」なんです(^o^);;
「いったいどの時点で」という質問は既に次のステップに入ってると思います。
まあ、そんな質問ひとつで破綻するようじゃ、「と」としても底が浅いのは
たしかですが・・
In <c0n3o3$38l$1...@news01.iij4u.or.jp>,
>>まあ、このへんから先は私の古典論アナロジーが通用しないんだ、
>>と言われればそれまでなんでしょうが。
>>でも、今のところべつにディラック方程式が出てくるわけでもないし、
>>私のようなシロートには古典論的なイメージで説明して下さるほうが
>>わかりやすいかと思うんですがね。
スピンを古典的なアナロジーで考えて, かなりのところまで行けると思い
ますが, 「メビウスの輪」が意味するところの認識も重要だとわかりました。
これについては後述。
1) スピン角運動量とそれに起因する磁気モーメントが三次元空間内で方向を
持つベクトル量である。
2) スピンは第四の自由度なので三次元空間内での方向など持たない。
この一見すると二律背反が, なぜ同時に成り立って背反ではないのか, 私の
なかでは背反でも何でもなくて, それは説明済みなのですが。しかし納得して
いない人もいて, そこでどうやって説明したらいいのか, すぐには思いつき
ません。良いアイデアがある人に教えてもらいたいです > All
スピンが第四の自由度として存在しなければ困るのは, そういう実験事実が
あるからで, 適当な教科書を見ていただくと, スピン発見の歴史とからめて
いろいろ書いてあることでしょう。でもそれらはたぶん石原さんの望むもの
じゃなさそうですが。
ところで, 基本的なところで「実際にそうである」という例に, ようやく
思い至りました。
量子力学では物理量(の期待値・平均値)を以下のようにして求めることは
ごぞんじのことと思います。ある物理量に対応する演算子を A として, 系の
状態が規格化された波動関数 Ψ で与えられるとき, 期待値 a は,
\bar{a} = \int \Psi^* \hat{A} \Psi d\tau (TeX 表記)
あるいは
a = ∫ Ψ^* A Ψ dτ (いわゆる全角文字使用)
の様に, 形式的に表記されます。ここで積分は全空間についての積分です。
水素原子の 1s 軌道にある電子が核から受ける静電ポテンシャルの平均値
や核からの距離の平均値などを, このような手順で求めることができるわけ
です。ではここで電子の持つスピン角運動量の z 成分の大きさを求めるには
どうすればいいのか。これも上記と全く同じ手順・形式で, 電子の波動関数を
Φ, 演算子を S_z とすると,
m = \int \Phi^* \hat{S}_z \Phi d\sigma
(m = ∫ Φ^* S_z Φ dσ)
と書けるわけです。z が量子化軸になっていれば, m = +1/2 \hbar または
-1/2 \hbar という値が得られることになります。さてこのとき, 積分 ∫...dσ
とはどの空間についてなのだろうか, というのが問題です。
体積素片 dσ の次元はスピン空間なわけですが, もっと具体的に関数 Φ の
形や変数は, 寡聞にして私は見たことがありません。もし知っているあるいは
見たことがある人がいたら, 教えてください > All
スピンに関しては通常はこの様な積分の表記は用いずに, ディラックのブラ
ケット表記あるいはベクトルの内積の表記が用いられ, あるいは仮に関数
として書かれても, 単に φ などと書かれるだけだと思います。もっとも
ちゃんとしたものならスピノールとしてのベクトル表記でしょうか。実用的
には, 演算子が作用した結果だけを利用して, 内積の部分は 0 か 1 になる
ようにして扱うのだと思います。(例を示そうとして手近な教科書を二つ三つ
開いたけど, ふさわしいものがない (;_;))
以上「どうであるか」に関する話です。「スピンとはそういうものだ」では
納得してもらえないだろうな。
この形式で行けば, <c0iorq$ta3$1...@news.cc.hirosaki-u.ac.jp> でも述べた
通り, 私は「スピン反転」に対して「磁気共鳴」を連想していたので, そこ
ではスピンの反転は, 例えば以下のように書かれます。
S_- |ms=1/2> = sqrt(S(S+1)-ms(ms-1)) |-1/2>
ただしここで S_- は下降演算子, スピン関数はケット表示です。そして
S=1/2, ms=1/2 なので sqrt(...)=1 です。可観測量としては例えば遷移確率
ですから,
P = | <-1/2|S_-|1/2> |^2 = 1
などとなるわけです。この時に遷移 (スピンの反転) を引き起こす演算子
S_- は, 空間内でのひねり (並進とか回転とか) とは違うだろう な。という
のが, 今回じっくり考えた「第四の自由度だから」の意味です。しかし当初の
発言で本人すら明示的に意識していなかったのに, 他人にそんなところまで
推測して意味を取れっていうのはムチャですね (笑)。
これで, だいたい決着がつきましたでしょうか ?
--- --- --- --- ---
ところで「一回りのメビウスの輪」というのが, どういう対称操作に相当
するのだろうかって, 考えています。
1) 「紙で作ったようなメビウスの輪」であれば, なんらかの回転操作等を
組合わせたものになるでしょう。しかし, 組合わせ方が一意じゃない。
輪に沿ってツウッと移動して一周するうちの, いったいどの時点で表から
裏に移るかが任意。
2) 「紙で作ったようなメビウスの輪」の発展として, 裏への移り方を鏡映で
移る場合。メビウスの輪の輪の面が鏡映面。これも周回中のどこで鏡映するか
が一意でない。
3) さらにバリエーションとして, 鏡映でなくて反転。
4) 輪そのものからは離れて, ただの空間反転。以前に述べた i の操作。この
場合には角運動量は反転しない。物体の掌性は反転し, 右手と左手は入れ替わる。
5) 以前に <86znsjh...@mac.com> で Shigenobu Kimura さんが言った
S(θ+2π) = - S(θ) となるような操作。これは二重群にあらわれてくる
対称操作で, 空間については任意の軸回りの 2π 回転という恒等操作なん
だけど符号が反転し, 二回繰り返して作用させてようやく元に戻る。
その他にどんなものが考えられるでしょうか。
--
Ryo MIYAMOTO; rm...@cc.hirosaki-u.ac.jp;