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議院内閣制に対する反省は必要ないのだ ろうか?

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DAIGOROU

未読、
2004/04/11 1:45:302004/04/11
To:
"Joe Keen" <mg...@hotmail.com> wrote in message
news:4071d964.9932%mg...@hotmail.com...
> Quoted from <
c4fm4g$kao$1...@news-est.ocn.ad.jp>
> Posted by DAIGOROU <
king...@wonder.ocn.ne.jp>
> > 既に別投稿で
> > 申し上げていることですが、日本の法解釈学者の殆どがあなた同様「議院内閣
> > 制」を理由に、文言上は内閣に法案提出権が無いとも読めるにも関わらず、結局
> > はそれを認めています。
>
> いや、まずそこに認識を異にする部分があります。憲法の文言上か
> らも、内閣に法案提出権がないとは読めません。法案提出権は立法
> 権とは違うからです。
>
> 日本国憲法第72条には、"内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を
> 国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並び
> に行政各部を指揮監督する"とあり、立法機関である国会に議案を
> 提出することを内閣の機能の1つとして認めています。

あまりにも基本的なことを誤解されていらっしゃるのでお答えするのを控えようかと
思いましたが、しっかりされた意見を述べていらっしゃるので、やはりお答えしなけ
ればと思った次第です。

まず、「法案提出権は立法権とは違う」と言うことは自明なほど正しい意見です。し
かし、法案が提出されもしなければ立法もされないわけで、全く関係がないとは言
えないのです。わたくしはここでは「理屈」自体よりも付加的要因を問題にしたい。
あなたの言うように内閣提出法案がほとんど立法にこぎつけるとなれば、本来の
国会議員の職務、それも憲法が期待する職務をまっとうできるのでありましょうか?
あなたは、国会議員の職務として、内閣直下の役人が法案を考えてそれが国会
に提出されたときに改めてかそのとき初めてかは分かりませんが、国会議員の目
で精査されればそれでなんら問題ないものとのお考えのようですが、果たして問題
ないと言えるのでありましょうか?

突如として提出された他人からの法案をそれ以上の見識でもって国会議員が精
査できるとお思いですか?議員が自ら法案を練り上げ功罪まで考えての法案提
出とその立法に比べ、多かれ少なかれ人間の能力の可能性として、行政部から
の法案に対し、民主的視点からの精査が弱まるとは思いませんか?一般に、他
人が作った法案を「正しく」精査できる能力は、その他人以上の能力が要求され
るとは思いませんか?結局は、国会議員の法案作成活動とその能力の向上は
望むべくもなく却って退化することになるとは思いませんか?むしろその逆が大い
に望まれているにも拘らず。

次に、あなたは、憲法上、文言的にも内閣に「法案」提出権があると解釈されてお
られるようで、その根拠に憲法第72条を論拠にされております。これが最も誤解
されておられる部分です。ご存知の通り、内閣総理大臣は内閣を「代表して」(72
条)「議案」を国会に提出するに過ぎないのです。「代表」される内容は既に決って
いる「議案」を提出するに過ぎません。しかも「議案」は「法案」をも含むかどうかは
この条文からだけでは分かりません。なぜなら、予算案だって条約案だって「議案」
に他ならないからです。したがって被代表内容を決定する内閣自体の職務が問
とされなければならないのです。

繰り返しになりますが、憲法第73条には明確に、あなたの言う「議案」項目が規
定されております。「条約」「予算案を作成」がそれであります。ところが「法律案
を作成」は明確に有りませんね。法律案も「議案」であることは明らかであるにも
拘らず。したがって、憲法第72条73条を問題とする限りは、その反対解釈によっ
て、内閣には法案提出権はない、と読むべきものなのです。実際、内閣に法案
出権ありとする学説の論拠はあなたの言うようなものではなく、それとはまっ
たく別の観点からの議院内閣制であります。わたくしは、議院内閣制はこのよう
な場合に持ち出す論拠となりうるのかと言う疑問をもっているわけであります。

わたくし自身「議院内閣制」の機能するもの、という観点からもう一度明治時代
に導入されたこのイギリス制度の真似ごとの正当的存在根拠を問うてみたいと
思っています。あまりにも簡単に、日本の国民性とか国情を無視して議院内閣
制という制度の存在に疑念を抱くことがなく、アプリオリに優れた制度として受容
してきて現在に至った、こう思うわけでございます。
 
一思案としては「制度」を概念的に表現するのではなく、この制度でもって意図
る「機能」ごとに区別して、各機能は他の機能に影響を及ぼさないとの考えの
下、この制度を持ち出してよい場合と悪い場合を具体的に見ることが必要な気
がしております。


以上です。



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