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【質問】方程式の解が求まる条件

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Anonyman

未読、
2004/03/27 10:14:482004/03/27
To:
下らない質問ですみません。

方程式の解が求まる条件、というのはどういったものなのでしょうか?

何元何次方程式かで異なるとは思いますが。
ご存知の事があればご教示ください。

何がいいたいかと言うと、例えば、
Y=2X
という式では、Yの値もXの値も定まりませんよね。
でも、
Y=2X
3Y=6
ならXの値もYの値も求まりますよね。

X~2+4x+5=0
もXの値が求まりますね。

変数の値がいくつある場合、定数がいくつあれば変数の値が決まるとか、
そういったことが知りたいのですが。
漠然とした内容ですみません。
何かご存知の事があれば、ご教示いただけると幸いに思います。

Tsukamoto Chiaki

未読、
2004/03/28 2:36:262004/03/28
To:
工繊大の塚本と申します.

In article <c445p6$7om$1...@newsl.dti.ne.jp>
"Anonyman" <anony...@yahoo.co.jp> writes:
> 方程式の解が求まる条件、というのはどういったものなのでしょうか?

それは根源的な疑問ですね.

> 何元何次方程式かで異なるとは思いますが。

「未知数の数」と「方程式の数」についての話であれば,

未知数の数 = 方程式の数

の時に, 解が(少なくとも「局所的」には)「一つに(一意に)」定まる
だろう, というのが通常の信念であろうと思います.

勿論, それは一番簡単な連立一次方程式の場合にすら, そのように定
まると限ったものではありません. 例えば,

x + 2 y = 3,
x + y = 2,

という連立一次方程式については期待通り一意に解が定まりますが,

x + 2 y = 3,
2 x + 4 y = 6,

という連立一次方程式については, 方程式の数が未知数の数と同じで
あるのは「見かけ」上だけで, 一意には解が定まらないのは明らかで
ありましょう. 一方,

x + 2 y = 3,
2 x + 4 y = 5,

という連立一次方程式については解が存在しないことになります.

n 個の未知数についての m 個の一次方程式を連立させる場合という
のは, 未知数を並べた n 次の列ベクトル x, m×n 行列 A, m 次の列
ベクトル b を用いて,

A x = b,

という方程式を考えることになりますが, これについては, 解が一意
に存在する条件というのは, 行列の階数という概念を用いてきちんと
定めることが出来ます. 正確に言うと, 行列 A の階数 r と, 行列 A
と列ベクトル b とを並べて出来る行列の階数 r' と, 未知数の数 n
とが一致する場合に, 一意な解を持つことになります. 又, r = r' < n
であれば, n - r 個のパラメータを自由に定めて解が作れる, 即ち,
解の自由度が n - r であることも分かります. 詳しくは線形代数学
を学んでみて下さい.

とはいうものの, 行列の全体を考えるとき, ある意味でその殆どのも
のについて, 行列の階数は, 行の数 m と列の数 n の大きくない方に
一致しますので, m = n, 即ち, 方程式の数 = 未知数の数, の場合に
解が一意に定まるということが, 「一般的(generic)」には成立します.

未知数についての方程式が一次式ではなく, もっと一般的な多変数関
数である場合, つまり, n 個の変数 x_1, x_2, ... , x_n に関する
多変数関数 F_1, F_2, ... , F_m についての,

F_1(x_1, x_2, ... , x_n) = 0,
F_2(x_1, x_2, ... , x_n) = 0,
............................,
F_m(x_1, x_2, ... , x_n) = 0,

という連立方程式の場合には, 全ての場合に成立する解が一意に存在
するための「良い」条件を定めることは, まあ, 不可能ですが, ある
程度良い関数 F_1, F_2, ... , F_m については一般的(generic)に
成立する条件を仮定すると, やはり, 「局所的には」, m = n の時に
解が一意であり, m < n であれば, 解が存在するなら n - m の自由度
で解が存在する, ということが多変数の解析学における「逆関数定理」
「陰関数定理」として知られています.

この辺りまでが大学の初年級の数学として学ぶところでしょうか.

一般的に解がそもそも存在するのか, とか, 局所的には一意として,
全体ではいくつ解が存在するのか, といった話はなかなか難しい.

関数 F_1, F_2, ... , F_m にもっと良い条件, 例えば, 代数的であ
るといった条件を仮定して, それを調べるのが代数幾何学であるとも
いえるでしょうし, 位相幾何学からそれについての情報が得られる事
もあります. generic でない場合はどうかというのは特異点論という
分野になります. 要するに最初の根源的な疑問から多くの数学の分野
が発展しているということを申し上げておこうと思います.

# 位相幾何学と書いてから大学の初年級の数学でもう一つ思いついた
# こともありますが, 元の疑問には直接関係しないので, 省略.
--
塚本千秋@応用数学.高分子学科.繊維学部.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chi...@ipc.kit.ac.jp

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