今年4月の米中朝3者協議で、北朝鮮が提案したという「新しく寛大な提案」と
自称するものの内容が明らかになった。
「寛大」とは「寛大な処分」というように、上位者の下位者に対する言葉だが、
こんな言葉づかいを好んでで使う金正日という人物は、相手の神経を逆なでにし、怒
らせるようなことがよほど好きらしい。これ自体が異常性格である。
この提案の内容は、4段階で核施設の廃棄を行おうというもの。第一段階は、北
が核開発の断念を表明すると引き換えに、米国は重油の供給を再開する。第二段階
は、米が北への敵視政策を止め、不可侵条約を締結するのと引き換えに北は核施設の
凍結と査察の受け入れを認める。第三段階は、日米両国と国交を正常化と引き換えに
ミサイル問題を解決する。第四段階は、軽水炉原発の完了と引き換えに核施設を廃棄
する。ざっとこういうものなのだ。
北は、開発断念表明、核施設の凍結と査察、ミサイル問題、核施設の廃棄とカ-
ドを小出しにして、エネルギ-、金正日体制の保証、経済協力、軽水炉原発を取り込
もうという魂胆だ。そして、それが進まないのは日米韓のせいだと非難するつもりな
のだ。
これは時間稼ぎで、その間に核兵器を完成させてしまおうというねらいがあるの
かもしれない。が、北の経済、食糧がもつまいし、おかしな動きが察知されれば、
ブッシュ大統領の「先制攻撃理論」がものを言うことを、北は忘れてはならないの
だ。
北朝鮮は、この回答を6者協議の際に、アメリカに期待すると言っているが、勿
論拒否回答以外にあり得ない。94年の枠組み合意の時のカ-タ-元大統領のよう
に、甘くないことを、6者協議でアメリカは思い知らせるべきである。
村上新八