覚醒剤と言えば「一度手を出したらやめられなくなり、いずれ幻覚・妄想や
凶悪犯罪に行き着く」恐怖のクスリのはずだ。今は第3次ブームだそうで、
確かに覚醒剤をやっているヤツはたくさんいる。なのに錯乱してるヤツとか、
覚醒剤凶悪犯なんて全然いないのはなぜなんだ。?
実は「覚醒=幻覚・妄想・凶悪犯罪」というのは、世界でも日本だけの
“常識”なのだ。ヨーロッパへ行ってドラッグの本や雑誌を見て気づいたが、
薬害としての「幻覚・妄想」は「不眠」なんかと一緒に「やめて数日寝れば
治る」と軽く扱われていた。これが欧米の研究者の一般的な見方なのだ。
(鶴見済「檻のなかのダンス」)
ところで、引用だけってのは転載とみなされますよ。著作権的に大丈夫です
か?
From <ba9454f0.04030...@posting.google.com> Written by S
> 結局、覚醒剤の効用は一言で言えば「活動欲求が高まり、爽快になる」
<snip>
> 覚醒剤と言えば「一度手を出したらやめられなくなり、いずれ幻覚・妄想
や
>凶悪犯罪に行き着く」恐怖のクスリのはずだ。今は第3次ブームだそうで、
>確かに覚醒剤をやっているヤツはたくさんいる。なのに錯乱してるヤツとか、
>覚醒剤凶悪犯なんて全然いないのはなぜなんだ。?
たぶん、日本の警察が優秀で凶悪犯罪に至るまでに「収監-更正」の道を
あゆむからじゃないのですかね?
http://mitsuoing.hp.infoseek.co.jp/kakuseizai.html
によれば、普通は覚醒剤事犯では初犯では執行猶予がたいていつくらしいです
が、それにも関わらず、初犯刑務所の6割が覚醒剤事犯というと、かなりの
検挙率であろうことが推測可能です。
まあ、
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/nisinari.htm
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/fukagawa.htm
とか覚醒剤で通り魔ってのがいくつか引っかかってきます。
1980年前後から覚醒剤乱用者による殺人事件が目立つようになったそうです。
> 実は「覚醒=幻覚・妄想・凶悪犯罪」というのは、世界でも日本だけの
>“常識”なのだ。ヨーロッパへ行ってドラッグの本や雑誌を見て気づいたが、
>薬害としての「幻覚・妄想」は「不眠」なんかと一緒に「やめて数日寝れば
>治る」と軽く扱われていた。これが欧米の研究者の一般的な見方なのだ。
>(鶴見済「檻のなかのダンス」)
私は、医学や薬物に特に詳しいわけではありませんが(ツマが医者なのでほの
かに雰囲気は知ってる)、医学論文って今時全世界で共有されてますよね?
私の専門(情報工学)なんかだと、普通は英語のメジャーな論文誌は(ざっ
と)目を通すわけで、欧米の研究者の一般的な見方というのはわかります。
少なくとも、研究者なら自分の専門に関する論文はサマリをするはずです。
ということは、日本でアンフェタミン系薬剤に関する研究者がいらっしゃるの
なら、少なくともそれは知っているだろうし、あまり世界的な潮流とはずれた
発表をするはずがないと思うのです。
それとも、もしかして日本では論文査読者が(日本の方針に反した)世界的な
潮流と一致した論文をリジェクトしたりするのでしょうか。
覚醒剤の恐怖ってのがもし本当ならば、こういういい加減な本とかに対する専
門家からのクレームをつけるのが科学者としての正しい態度かな という気が
します。
ちょっと差し出がましいことを書いてるような気がしますが。
--
池田 尚隆(Yoshitaka Ikeda) mailto:ik...@4bn.ne.jp
まぁ,シャブ(塩酸メタフェタミン)も薬としても使われているっぽいですね.
http://mid.cc.kumamoto-u.ac.jp/data.php?record=0612300
--
> ところで、引用だけってのは転載とみなされますよ。著作権的に大丈夫です
> か?
まあ、チクってやるのが良いのでは。
> 1980年前後から覚醒剤乱用者による殺人事件が目立つようになったそうです。
実際の所、昔は少なかったのですかね。
私、鶴見済の本は好きで割と共感覚えるのですけど
彼に対する研究者からの反論があるわけでもなくて
信じて良いのかどうか迷うところあるのですが…。
> ということは、日本でアンフェタミン系薬剤に関する研究者がいらっしゃるの
> なら、少なくともそれは知っているだろうし、あまり世界的な潮流とはずれた
> 発表をするはずがないと思うのです。
いないんでないですか。知らないけど。
どちらにしてもこの手の医薬品の取り扱いの判断って
行政の意思に左右されやすいような雰囲気ありますよね。
例として相応しいのかどうかわからないけど、痛みの
コントロールに使うモルヒネの浸透がイマイチなのだって
ムキになって麻薬が良くないってイメージ作ったおかげと
ちゃうかなあ…。
--
ayu
メタンフェタミン(日本の覚醒剤のほとんどはこれ)は臨床ではほとんど使われ
ていないんじゃないでしょうか。
アメリカだとADHDの治療にアンフェタミンが頻用されますが(第一選択がメ
チルフェニデート=リタリン=で、第二選択がアンフェタミン)、ADHD関係
の訳書ではアンフェタミンという名前は頻繁に出てきても、メタンフェタミンの
名前は見たことがありません。
で、その手の本では、アンフェタミンは日本では発売されていない、という訳注
がついているのが常ですが、覚せい剤取締法で覚醒剤に指定されているという事
実は書かれていません。訳者は当然知っているはずですが、覚醒剤=恐怖、とい
うイメージからADHD(の治療)への偏見が増長されるのを防ぐためにそうし
ているのでしょうね。
> 私は、医学や薬物に特に詳しいわけではありませんが(ツマが医者なのでほの
> かに雰囲気は知ってる)、医学論文って今時全世界で共有されてますよね?
> 私の専門(情報工学)なんかだと、普通は英語のメジャーな論文誌は(ざっ
> と)目を通すわけで、欧米の研究者の一般的な見方というのはわかります。
> 少なくとも、研究者なら自分の専門に関する論文はサマリをするはずです。
>
> ということは、日本でアンフェタミン系薬剤に関する研究者がいらっしゃるの
> なら、少なくともそれは知っているだろうし、あまり世界的な潮流とはずれた
> 発表をするはずがないと思うのです。
>
> それとも、もしかして日本では論文査読者が(日本の方針に反した)世界的な
> 潮流と一致した論文をリジェクトしたりするのでしょうか。
う~ん、そういう論文を書いても、学者本人や医学界にほとんどメリットがない
んではないでしょうか。厳格なコントロールの元でならば覚醒剤が有用なことも
あるということは精神医学や麻酔学の専門家なら常識だし、下手な論文を書くと
雑誌編集部ともども学界から袋叩きにあうし、一般に広まった偏見(と言ってい
いでしょう)を払拭するのが困難なのはハンセン病元患者宿泊拒否事件の顛末を
見ても明らかだし。
で、医療目的では、アンフェタミンの代わりとしては今のところリタリンとベタ
ナミンの2つがありますし、モダフィニールという新薬も国内で臨床試験の段階
に入っています。
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飯嶋 浩光 / でるもんた・いいじま http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/
IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta mailto:delm...@ht.sakura.ne.jp