"March Hare" <marc...@tokyo.kawai-juku.ac.jp> wrote
in message news:agknts$mbufe$1...@ID-50148.news.dfncis.de
> 例えば猫では、 シャムの "Blue Point" とか "Russian Blue" みたいに、
> 猫のカラーで灰色は "blue" なんです。
単色で Full Colour の場合(チロシナーゼ遺伝子座の遺伝子型が C/-)
猫のカラーのタイプは以下の通りです。
black
blue
chocolate
lilac
cinnamon
fawn
red
cream
ついでに、
いわゆる Sepia の場合(遺伝子型 cb/cb)
seal sepia (sable)
blue sepia
chocolate sepia (champagne)
lilac sepia (platinum)
cinnamon sepia
fawn sepia
red sepia
cream sepia
いわゆる Mink の場合(遺伝子型 cb/cs)
seal mink
blue mink
chocolate mink
lilac mink
cinnamon mink
fawn mink
red mink
cream mink
いわゆる Pointed の場合(遺伝子型 cs/cs)
seal point
blue point
chocolate point
lilac point
cinnamon point
fawn point
red point
cream point
Full Colour の場合
いわゆる blue dilution により
black → blue
chocolate → lilac
cinnamon → fawn
red → cream
と変化するわけです。
# これ以外に「色がない」 white があります。
# Ful Colour 以外では black は seal と呼ばれます。
blue とともに感覚的にわかりにくいのは red と lilac です。
red は日本的感覚では茶色ではないかと思うのですけど、
この色を決定するX染色体上の 遺伝子O の "O" は Orange を意味するので、
オレンジの色というわけでしょうが、オレンジの色よりは褐色がかっているように思います。
例えば、いわゆる三毛(tortoiseshell and white)は、
black, red and white の三色ですけど、
日本的感覚では、黒・茶・白ではないかと。
茶色というと日本的感覚では brown が茶色を意味する気がするのですが、
実際には、brown は、black の tabby である
brown tabby に使います。
この brown は日本的感覚では焦げ茶色でしょうか。
その他のカラーの tabby は blue tabby, chocolate tabby というように
マーキングの色で呼ぶのですが、
black の場合だけはなぜか地色の部分の色で呼びます。
# ハバナブラウンは実は chocolate
lilac はさらにわかりにくく、
frost-grey with a pinkish tone
で、要するに薄く明るい灰色で、
ライラックの紫の花の色からは想像しにくいカラーです。
# ただ、このカラーの猫はめったにいないので、
# 一般の人にはなじみが薄いでしょうけど。
--
March Hare <Da...@ayaC.ORG>
"March Hare" <marc...@tokyo.kawai-juku.ac.jp> wrote
in message news:ah723r$pucjm$2...@ID-50148.news.dfncis.de
> # ハバナブラウンは実は chocolate
ブラウンの遺伝子座の複対立遺伝子の優劣関係は、
B>b>bl
で、b は "brown" で、 l は "light" を意味したと思います。
Full Colour の遺伝子型は
black(B/-)
chocolate(b/b or b/bl)
fawn(bl/bl)
なのですが、ハバナは chocolate だということです。
--
March Hare <Da...@ayaC.ORG>
"March Hare" <marc...@tokyo.kawai-juku.ac.jp> wrote
March Hare さんの
news:ah723r$pucjm$2...@ID-50148.news.dfncis.de より
> Full Colour の場合
> いわゆる blue dilution により
これはどういう現象というか、要因によって起こるのでしょうか。
> frost-grey with a pinkish tone
> で、要するに薄く明るい灰色で、
> ライラックの紫の花の色からは想像しにくいカラーです。
ポインテッドの鼻面などの皮膚のピンク色が重なるあたりでは
幼少の頃こよなく愛した“灰赤紫”という色に似ているので、
これを紫と呼ぶことにあまり違和感を覚えませんでした。(^^ゞ
# 確かにライラックの紫というイメージは湧きません。
しつれいします。
--
Y.Suzuki
http://www2.ocn.ne.jp/~jacat
> > Full Colour の場合
> > いわゆる blue dilution により
>
> これはどういう現象というか、要因によって起こるのでしょうか。
メラノサイトがつくるメラノソームにより被毛の色は決まります。
劣性の dilution の遺伝子が発現しない場合はメラノソームは拡散しており、
メラノソームが拡散していると面積あたりの吸光度が高く暗い色になります。
劣性の dilution の遺伝子がホモになって発現するとメラノソームが凝集し、
面積あたりの吸光度が低下して明るい色になります。
> ポインテッドの鼻面などの皮膚のピンク色が重なるあたりでは
> 幼少の頃こよなく愛した“灰赤紫”という色に似ているので、
> これを紫と呼ぶことにあまり違和感を覚えませんでした。(^^ゞ
> # 確かにライラックの紫というイメージは湧きません。
アソシエーションによっては特定のブリードではいまだに lilac のことを lavender とも呼びますが、
やはりこれも花の色とはほど遠いです。
--
March Hare <Da...@ayaC.ORG>
"March Hare" <marc...@tokyo.kawai-juku.ac.jp> wrote
> Full Colour の遺伝子型は
> black(B/-)
> chocolate(b/b or b/bl)
> fawn(bl/bl)
black or blue (B/-)
chocolate or lilac (b/b or b/bl)
cinnnamon or fawn (bl/bl)
です。
補足すると、
dilution が起こる(d/d の場合)と
eumelanistic のカラーでは
black → blue
chocolate → lilac
cinnamon → fawn
phaeomelanistic のカラーでは
red → cream
となります。
注) melanin には 黒い eumelanin と 赤い phaeomelanin があり、
どちらが主につくられるかで eumelanistic か phaeomelanistic かが分かれます。
(X染色体上のオレンジの遺伝子座で 遺伝子O が発現すれば phaeomelanistic になる)
white は epistatic と呼ばれます。
--
March Hare <Da...@ayaC.ORG>
"March Hare" <marc...@tokyo.kawai-juku.ac.jp> wrote
> Full Colour の遺伝子型は
> black(B/-)
> chocolate(b/b or b/bl)
> fawn(bl/bl)
black or blue (B/-)
chocolate or lilac (b/b or b/bl)
cinnamon or fawn (bl/bl)
です。
補足すると、
dilution が起こる(d/d の場合)と
eumelanistic のカラーでは
black → blue
chocolate → lilac
cinnamon → fawn
March Hare さんの
news:ahcdtn$sbtar$1...@ID-50148.news.dfncis.de より
> メラノサイトがつくるメラノソームにより被毛の色は決まります。
> 劣性の dilution の遺伝子が発現しない場合はメラノソームは拡散しており、
> メラノソームが拡散していると面積あたりの吸光度が高く暗い色になります。
> 劣性の dilution の遺伝子がホモになって発現するとメラノソームが凝集し、
> 面積あたりの吸光度が低下して明るい色になります。
なるほど。詳細をありがとうございます。
> アソシエーションによっては特定のブリードではいまだに lilac のことを
> lavender とも呼びますが、
> やはりこれも花の色とはほど遠いです。
実際の色より、語感というか良いイメージを優先している感じですね。
灰色に見える猫の被毛を grey でも灰色でもなく、silver や blue と
呼ぶみたいに。pewter ってのも有りますね。
それぞれ遺伝子が違うし、毛の色の付き方も違うので呼び方が色々ある
のはよいのですが、どの色も“灰色”と付けないところに意図を感じます。
新型の灰色が作出された場合、今度は何と付けるのでしょうね。(^^;
すみません。もう一つ教えてください。
March Hare さんの
news:ahcfsl$s16j5$1...@ID-50148.news.dfncis.de より
> 注) melanin には 黒い eumelanin と 赤い phaeomelanin があり、
> どちらが主につくられるかで eumelanistic か phaeomelanistic かが分かれます。
> (X染色体上のオレンジの遺伝子座で 遺伝子O が発現すれば phaeomelanistic になる)
> white は epistatic と呼ばれます。
ポイントカラーが寒い地方(皮膚温度の低い)で、濃くなるのですが、
これは red 系にも当てはまるのでしょうか。
> 実際の色より、語感というか良いイメージを優先している感じですね。
> 灰色に見える猫の被毛を grey でも灰色でもなく、silver や blue と
> 呼ぶみたいに。pewter ってのも有りますね。
同じ blue でも、Russian Blue と Chartreux の blue はかなり違ってみえますし、
Russian Blue の中だけでさえかなり幅があります。
silver (特に shaded silver)はティッピングが黒いので確かに銀色という感じです。
pewter は blue silver 系のことを呼ぶ場合と、
眼の色が黄色い silver のことを呼ぶ場合があります。
> それぞれ遺伝子が違うし、毛の色の付き方も違うので呼び方が色々ある
> のはよいのですが、どの色も“灰色”と付けないところに意図を感じます。
> 新型の灰色が作出された場合、今度は何と付けるのでしょうね。(^^;
black の dilution の場合が本来の blue なので、
遺伝子型が C/-,B/-,d/d の場合はやはり blue となるのでしょう。
> ポイントカラーが寒い地方(皮膚温度の低い)で、濃くなるのですが、
> これは red 系にも当てはまるのでしょうか。
遺伝子cs は temperature sensitive mutation なので、
この遺伝子がつくるチロシナーゼは温度が高いと失活します。
これに対して、遺伝子O は eumelanin か phaeomelanin かをスイッチングする
チロシナーゼより下流で働く遺伝子なので、
当然 red 系にも当てはまります。
--
March Hare <Da...@ayaC.ORG>
> pewter は blue silver 系のことを呼ぶ場合と、
> 眼の色が黄色い silver のことを呼ぶ場合があります。
混乱しますね。
私にとってはどちらか変えれば良いじゃないかという気になりますが、
作出した人?にとっては重要なこだわりなのでしょうね。
> black の dilution の場合が本来の blue なので、
> 遺伝子型が C/-,B/-,d/d の場合はやはり blue となるのでしょう。
あはは(^^;
遺伝子は全くの不案内なので、間抜けな質問をしてしまいました。
> 遺伝子cs は temperature sensitive mutation なので、
> この遺伝子がつくるチロシナーゼは温度が高いと失活します。
> これに対して、遺伝子O は eumelanin か phaeomelanin かをスイッチングする
> チロシナーゼより下流で働く遺伝子なので、
> 当然 red 系にも当てはまります。
なるほど。レッド系で濃かったり薄かったりというのをあまり見たことが
なかったものですから。
# 見た数が、圧倒的に少ないせいでもあります。(^^ゞ
> これに対して、遺伝子O は eumelanin か phaeomelanin かをスイッチングする
> チロシナーゼより下流で働く遺伝子なので、
わかりにくい書き方をしてしまいました。
遺伝子O はメラニン合成経路で eumelanin か phaeomelanin かをスイッチングする遺伝子で、
チロシナーゼ遺伝子より下流で働く遺伝子なので、
です。
--
March Hare <Da...@ayaC.ORG>