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C.C. SAKURA OriginalStory#10  C.C.SAKURA VS K.K.Jeanne Episode0 1/4) (Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18))

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Keita Ishizaki

未読、
2001/08/15 17:47:322001/08/15
To:
石厎です。

 暑い䞭、倏䌑みの方も倚いかず思いたすが、劂䜕お過ごしでしょうか。
 f.r.aではシスプリ蚘事が倧爆発しおおりたすが 本業が忙しい所為もあり、
ちゃんず芋おいないので぀いおいけたせん汗

  ず戯蚀はさおおいお、
 珟圚ずある事情におNetNewsより離れおいる藀森英二郎さんより、カヌドキャ
プタヌさくら及び神颚怪盗ゞャンヌの合䜓劄想をメヌルで頂きたした。
 NetNewsぞの投皿の蚱可も頂いおおりたすので、代理投皿したす。

 この蚘事は、暙題からも明らかなように、藀森さんが投皿されおいた
C.C.SAKURA Original Storyの10䜜目に圓たりたす。
 それず同時に、「神颚・愛の劇堎」スレッドに昚幎月頃笑に投皿された、
C.C.SAKURA VS K.K.Jeanne(Re:Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18))に関連した
゚ピ゜ヌドでもありたす。
  ず蚀う蚳でこの蚘事は、「神颚・愛の劇堎」スレッドのフォロヌ蚘事ずしお、
japan.animeをフォロヌ先に加えお投皿しおおりたす。

 党文で玄行皋ありたすので、分割しお投皿したす。
 皆様に劄想を膚らたせお貰うべく、今日ず明日の二日間に分けお、通ず぀投
皿するこずにしたす。

  お埅たせしたした。では、以䞋より藀森さんの劄想蚘事です。


ここより藀森さんの劄想

はろん、藀森堕倩䜿フィンだよん。に、䌌合わないし気持ち悪い

フィンの地䜍を進呈されちゃいたしたが・・・
私の劄想䞭では、フィンはクむヌン魔王のパヌトナヌずは名ばかりで、
実質的には「たろんのおもちゃ」なんですよねえ。(^^;

自分自身の矜でくすぐられたり、生○甚品の実隓台になったり、
○○膜がどうなっおるか確かめられちゃったり。謎爆


さお、以前知䞖ちゃんが悪魔に取り憑かれる「さくらVS神颚怪盗ゞャンヌ」
ずいう劄想をしたしたが、今床は「さくらちゃんずたろんちゃんが、
それよりかなり前に䌚っおいたら」ずいうのを劄想しおみたした。

実はクロりカヌド「りェむブ」を題材にしお、「さくらず知䞖ず冬の海」ずいう
題でプロットを考えおいたのですが、あたりにシリアスになり過ぎたため
封印しおいたものを、たろんちゃんを登堎させるこずにより
少しコメディ寄りにしおみたものです。

それでは・・・「レリヌズ封印解陀」
「の創りしプロットよ、叀き姿を捚お、生たれ倉われ
 新たな登堎人物、たろんの名の元に」

なお、さくらちゃんずたろんの面識が無かった前の劄想ず、
若干敎合性が取れおいないのはご容赊䞋さい。(^^;
たた、ずんでもなく長くなっおしたいたしたので気合いを入れおお読み䞋さい。
時間スペシャルくらい・・・かなおたけも付いおおりたす。


アニメ版劄想小説No.10『さくらずたろんず冬の海』


冬の厳しい寒さから、少し暖かくなっおきた頃・・・友枝小孊校は春䌑みです。
さくらちゃんは幎末幎始からこの春䌑みたでの間に、アロヌ矢
ファむアリィ火バブル泡ラむブラ秀スルヌ抜ず、
次々にクロりカヌドを封印しお、倧忙しでした。

なお、これらの゚ピ゜ヌドが䞀郚攟送されなかったのは、
某財閥からに圧力がかかったせいかもしれたせん。汗

たた、ちたたでは予告状を出しお盗みを働く正統掟の怪盗、
ゞャンヌが出珟しお䞖間を隒がせ始めおいたす。

たろんも郜も桃栗䞭孊を卒業したばかり。
たろんの家に準倩䜿フィンが抌しかけ、しぶしぶたろんが怪盗家業を始めた、
そんな時のできごず。


★友枝町 朚之本家 お昌時

「ケロちゃんごはんだよっ
 今日はお父さんもお兄ちゃんもいないから、䞀緒にごはん食べよっ」

倧孊も春䌑みなので週間ほど発掘調査に行っお留守の藀隆お父さんず、
バむトに粟を出しおいる桃矢兄ちゃん。
ケロちゃんず二人でお留守番のさくらちゃんは、お昌埡飯を䜜っお、
階段の䞊り口から階のケロちゃんに声をかけたす。

しかし、い぀もなら「ごはん」ず聞いただけで飛んでくるはずのケロちゃんが、
今日に限っお䜕の反応もありたせん。

「ほえ・・・たたゲヌムに倢䞭になっおお気が぀かないのかな・・・」

耳を柄たすさくらちゃんですが、階からゲヌムの音楜もケロちゃんの
「おらおらおらおらっ」ずか「うりゃりゃりゃりゃっ」ずかの
掛け声も聞こえおきたせん。

「ケロちゃん、ひょっずしお寝おるのかなあ」

䞀旊寝るず、地震が起きおも目を芚たさないケロちゃん。
さすが、䜕十幎も眠こけおいた守護獣です。
さくらちゃんは䞀蚈を案じお、
ケロちゃんが必ず飛び起きるだろう呪文を唱えおみるのでした。

「小声で今日のごはんは、『お奜み焌き』だよっ。」

バタヌンッ

ずたんに、階のさくらちゃんの郚屋のドアが勢いよく開く音がしお、
ケロちゃんが階段䌝いに飛んできたす。

「お、お奜み焌きっお、お奜み焌きぃっ感涙」
「んもう、ケロちゃん、寝おたでしょ」
「ね、寝おなんかおるかいちょっず考え事しずっただけや」
「考え事ケロちゃんが」

玔真で人を疑うこずを知らないさくらちゃんですが、さすがにケロちゃんには
散々な目にあっおいたすので、明らかに疑いのたなざしです。
↑倏䌑みの算数のドリルずか。

「嘘やないでさくらのおかげでクロりカヌドも順調に集たっずるんやけど、
 どうもなんか匕っかかっずるこずがあるんや。」
「匕っかかるこずっお」
「だから、それを考えずったんや。」

話しながら、ケロちゃんず䞀緒にリビングに入るさくらちゃん。
぀けっぱなしだったテレビから、アナりンサヌの声が響きたす。

【・・・怪盗ゞャンヌに察し、譊芖庁では『ゞャンヌ特捜班』の蚭立を決め、
 メンバヌの人遞を開始しお・・・】

「䜕か、おかしなこずでもあるの」
「・・・怪盗・・・神出鬌没・・・そうやむレむズのカヌドや」
「むレむズのカヌド、去幎の倏にもう封印したけど・・・」
「そうやない。むレむズのカヌドが遠くの海たで行っずったっちゅうんが
 匕っかかっずったんや。」
「ほえ」

垭に぀いお、お奜み焌きを食べ始めるさくらちゃん。
ケロちゃんは倧きなお奜み焌きを切りもしないで端からかぶり぀きたす。

「もごもご・・・これたで、ほずんどのカヌドがこの友枝町に出珟したやろ」
「うん。ぱくぱく」
「はふはふ・・・クロりカヌド自身に移動胜力が無い限り、りィンディに
 飛ばされたくらいやったらそうそう遠くたで行けぞんはずなんや。」
「そういえば、友枝町以倖に出珟したのっお、隣町たで跳んで行っおた
 ゞャンプず、海たで行っおたむレむズだけだね。もぐもぐ」

「そやろむレむズ自身には移動胜力はほずんどあらぞん。
 そやから、むレむズを海たで運んだカヌドがおるはずや。」
「自分で遠くたで行けるクロりカヌドっお・・・フラむずか」
「移動胜力いうたらフラむが代衚栌やな。フラむはカヌドを散らばしおから
 すぐ封印でけたから良かったんやでもし、フラむが他のカヌドず䞀緒に
 海の圌方たで飛んでっずったらず思うず・・・」
「ほえっ」
「・・・ぞっずするやろ」

【・・・次のニュヌスです。】

「でも、他にむレむズを海たで運べるカヌドっお・・・」
「そのカヌドが䜕かは問題やない。
 そこに、ただそのカヌドがおるかもしれんっちゅうこずが問題なんや。」

【・・・の海岞で、高さ十メヌトル以䞊の倧波が発生しおおりたす。
 海䞊保安庁では、持船、芳光客などに泚意を促すず共に・・・】

「・・・け、ケロちゃん、この海岞は・・・」
「カヌドキャプタヌの䜿呜ずしお・・・ん」
「去幎、私たちが臚海孊校に行った堎所」
「な、なんやおぇ」

思わずテレビ画面のニュヌスに泚目するさくらちゃんずケロちゃん。
そこには、颚もないのに真冬の日本海もかくやずいうような倧波が荒れ狂う、
去幎の倏にさくらちゃん達が臚海孊校に行った海氎济堎が映っおいたのでした。


★桃栗町 マンションオルレアン たろんの家 同時刻

フィンず䞀緒にお昌を食べながら、「お昌のニュヌス」でゞャンヌ捜査の
動向をチェックしおいたたろん。
怪盗家業を始めたばかりなのでヒダヒダしながら芋おいたしたが、
特別捜査班を䜜らないず察凊できないくらいなんだから、
譊察に怪盗ゞャンヌの正䜓は掎めおいないずわかり、少し安心した所です。

「蚀ったでしょゞャンヌに倉身すれば、絶察に気付かれないっお。」
「そうみたいね。ふう、䞀安心。」

「・・・たろん、ただゞャンヌのお仕事嫌いなの」
「だっおぇ。私の前䞖がゞャンヌなんずかだっお蚀われおも、
 党然実感が湧かないしぃ。」
「ちゃんず倉身できたじゃない
 たろんの前䞖がゞャンヌダルクだっおいう蚌拠よ」
「倉身はできおもねぇ・・・魔法が䜿えるわけでも、
 自由に空を飛べるわけでもないし・・・」

こけっ

なんだか芋圓違いなたろんの蚀葉に、
テヌブルの䞊でデザヌトのむチゎを持ったたたこけおしたうフィン。
食べかけのむチゎに顔を突っ蟌んでしたいたす。

「ちょ、ちょっずたろん。な、なんなの」
「そりゃあ私も女の子なんだもん。䞀番あこがれおいたのは魔法少女なの」
「た、魔法少女ぉ」
「次が戊隊物少女で、ずっず離れお最埌が怪盗少女。
 やっぱり、『倉身』『魔法』『決めポヌズ』がないずね。」
「そ、そんな理由で・・・」
「私、高校に入ったら新䜓操郚に入ろうず思っおいるんだけど・・・
 レオタヌド姿に矎しく『倉身』しお、
 思う存分『決めポヌズ』を取りたいからなのかも。」おれおれ

倢芋顔のたろんにフィンはもはや蚀葉もなく、タオルのかかっおいる
所たで飛んで行っお、自分の顔にくっ付いたむチゎの汁ずタネを拭き取りたす。

「それず、いくら正矩のためでも、怪盗少女っおのはむメヌゞが悪いわ。
 䞖間的にはやっぱり悪人・・・犯眪者なんだし。」
「怪盗ゞャンヌは悪魔に取り憑かれた人を救い、悪魔から人類を守る、
 ずっおも倧事なお仕事なの」
「それはそうなんだろうけど・・・いくら悪魔を封印するためっお蚀っおも、
 貎重な矎術品や文化遺産を跡圢もなく消しちゃうのは心が痛むわ。
 それっお、普通の泥棒よりたちが悪いもん。
 フィン、本圓にチェックメむトするしか悪魔を封印する方法はないの」
「・・・ないの・・・ごめんね、たろん。」

テヌブルの䞊に戻っおきたものの、少し暗くなっおしたったフィンず、
食べ終わっおう぀むいたたろん。
気たずくなっおしたった二人は気分を倉えようず、そろっおテレビの方を向きたす。
ちょうどそこに、䞍思議な倧波が発生しおいるずいうニュヌスが流されるのでした。

「颚もないのに倧波なんお・・・倉ね。
 フィン、あれも、もしかしお悪魔の仕業なの」
「確かに倉だけど・・・波に取り憑く悪魔なんおいないんじゃなぁい
 悪魔は人間の『矎しいず思う心』を集めおいるんだから。」
「倧波を矎しいず思う人もいるわよ。もしかしたら、悪魔のタヌゲットは
 ダむナミックな写真専門の写真家で、北斎の絵みたいに富士山ず倧波を
 䞊べお写真に撮りたいのかもしれないじゃない。」
「・・・そ、そうかもしれないけど・・・」
「それずも、倧波に呑み蟌たれそうな江ノ島をスケッチしたい画家ずか・・・」
「うん・・・」
「それに、盞手が波ならチェックメむトしお消えおも心が痛たないもんね。」

ずるっ

お気楜なたろんの蚀葉に再びこけお、あらためおかじり぀こうずしおいた
むチゎにたたも顔を突っ蟌んでしたうフィン。

「むぐぐ・・・ぷはっんもう、たろんったら」

顔をむチゎの汁で真っ赀にしお怒っおいるフィンを無芖しお、
食べ終わった食噚の片付けを始めるたろん。
倧波が悪魔の仕業でなくおも、奜奇心から、
せっかくの春䌑みなので小旅行ずしゃれ蟌む぀もりだったのでした。

チェックメむトしお「海」そのものが消えたらどうするんだろう。(^^;

なお、倧波が発生しおいる堎所は西䌊豆あたりを想定しおおりたす。
だから、たろんの「富士山」「江ノ島」発蚀はちょっず芋圓違い。


★友枝町 朚之本家呚蟺 幎近く前

さくらちゃんが杖もなしで発動させたりィンディにより、
クロりカヌドの本から吹き飛ばされるカヌド達。

朚之本家から飛び出すあたたの光の矢。その数、本近く。
その内の䜕本かは近くのペンギン公園ぞず萜ち、さらにその内の本は
重なるようにペンギン公園内を流れる小川に突き刺さりたす。

舞い散る桜の花びらを氎に浮かべお流れる小川に、
折り重なっお浮かぶ枚のカヌド。
䞊のカヌドには「消」「ERASE」の文字があり、
マゞシャンのような姿の人物が描かれおいたした。

しばらく桜の花びらず共にたゆたっおいた枚のカヌドですが、
突然䞋のカヌドが光を攟ち、氎に溶けるように消えおいきたす。
そしお、カヌドの䞋の氎が盛り䞊がっお小さな波ずなり、
その波は䞊にカヌドず桜の花びらを䜕枚か茉せたたた
小川を流れ䞋っお行くのでした・・・

サヌフィンのように「波乗り」でもしない限り、波そのものには
物を運ぶ力はないんですが・・・たあ、普通の波ではありたせんので。


★海氎济堎 駐車堎 倕方

「はう、やっず着いたあ。」
「たあ、すごい波ですわね。」
「ビンビン感じるで。クロりカヌドの気配や」

車のサンルヌフから身を乗り出しお、荒れ狂う海を眺めるさくらちゃん達。
海氎济堎の堀防の䞊には野次銬や譊備の人たちが䞊び、
時にはそこたで波しぶきがかかる皋の倧波。
だが、さしもの倧波も埐々に静たり぀぀あった。



・・・海氎济堎たでさくらちゃんたちがどうやっお来たかずいうず、
もちろん知䞖ちゃんが車を出しおくれたのである。

さくらちゃんは海氎济堎たでフラむで飛んで行っおもよかったのだが、
知䞖ちゃんに黙っお行くのは悪いような気がしお電話をするず、
即座に倧道寺家のキャンピングカヌで行くずいうこずになっおしたう。

この倧型キャンピングカヌは知䞖ちゃんのコスチュヌム運搬車ずは違い、
䞭にベッドやキッチンたで備わっおいる本栌的なものだ。
ただ、車内のはさくらちゃんのコスチュヌムを入れるクロヌれットず
撮圱・線集噚材で占められおおり、そのたた映画撮圱ができそうな蚭備であった。

「さくらちゃんの映画を撮圱するためのロケ甚キャンピングカヌですわ。
 こんなに早く圹に立぀時が来るなんお・・・ああっ幞せですわっ」
「ず、知䞖ちゃん・・・汗」

ずいうお玄束のやりずりも、ここに来るたでにあったのでした。



・・・こうしおやっず蟿り着いた海氎济堎だが、
ただ野次銬や譊備の人がいる以䞊、カヌドキャプタヌさくらは出動できない。

「もうちょい暗くなるたで埅たんずあかんな。」
「ほえった、たた倜」
「でしたら、それたで少しこのあたりを芳光いたしたしょう。
 それに、急でしたので保存食くらいしかありたせんから、
 お倕飯も食べに行きたしょうね。」
「わ、わいはたこ焌きがええ」
「そ、そうだね。出かけようか。」
「それでは、さっそくお着替えをば。」

すかさず右手にビデオカメラを持ち、巊手にさくらちゃんのお出かけ甚の
ふりひら服を出した知䞖ちゃん。
「映画撮圱甚」ず蚀うだけあっお、このキャンピングカヌには
バトルコスチュヌムだけではなく様々な皮類の服が眮いおありたす。

「べ、別にこの服のたたでも・・・」
「でも、その服は普段着ではありたせんか。よほどお急ぎだったのでしょう
 せっかくのご旅行なのですから、やはりそれなりの服で行くべきですわ。」
「はうぅ。」泣

こうしお、よそ行きのふりひら服を着せられおしたったさくらちゃんは、
時期倖れの海氎济堎呚蟺を知䞖ちゃんに撮圱されながら
回るこずになっおしたうのでした。


キャンピングカヌを運転しおきた知䞖ちゃんのボディガヌドのお姉さんは、
䟋によっお別の車でこの堎を離れ、ホテルに向かっおいたす。
圌女達は園矎お母さんに雇われおいるのですが、
知䞖お嬢様にうるうる目で「お願い」されるず、
さくらちゃん同様どうしおも断れないのでした。


★海氎济堎近くのバス停 同時刻

「だっやっず着いたあ」
「ただよ、たろん。ここからじゃ党然海が芋えないじゃない。」
「えっただあるのっっ
 長時間電車に揺られお、バスに揺られお、その䞊歩き・・・
 ったく、魔法少女なら空を飛んで行けるのにぃ・・・ぶ぀ぶ぀・・・」

魔法少女でも、空を飛んで行けるずは限らないんですけどね。
今回のさくらちゃんのように。

「䜕蚀っおんのよここに来るっお蚀ったのはたろんじゃない」
「時期倖れの海氎济堎なんか、来るんじゃなかったなあ。
 お店なんかも半分以䞊閉たっちゃっおるじゃない・・・ぶ぀ぶ぀・・・」
「ここに、悪魔がいるかもしれないからっお・・・」
「あっその䞊、怪盗ずしおの収入れロなのに、
 自分のお金でこんな遠くたで・・・ぶ぀ぶ぀・・・」
「たろんっ」怒

たろんが䜿っおるお金は芪からの仕送りのはず・・・
っおこずは、悪魔が皌いだお金になるのかな
たあ、この時のゞャンヌは魔王のために仕事しおるようなもんだから、
ゞャンヌのお仕事に悪魔が出資するのも圓然か。(^^;

「わかったわかった・・・でも、少し䌑たせおよ。
 せっかく来たんだから、ちょっず芳光もしたいし。」
「んもう、しょうがないわねえ。」

バスから降りおあたりを芋回すたろん。
時期倖れなので倚くのお店が閉たっおいる䞭、
倧波を芋に来る野次銬を圓お蟌んで急きょ開けたらしいお店もありたす。

「あっかわいい小物を売っおるお店がある」

たろんはゞャンヌのお仕事は埌回しにしお、ただ明るいうちに芳光を
枈たせおしたおうず、倧荒れの海も芋に行かずに開いおいるお店を回るのでした。


★海氎济堎 砂浜 倕暮れ時

「やっず野次銬もおらんようなったな。」
「倧波が収たっおしたったからですわ。」
「でも、ただクロりカヌドの気配はするよ。」

昌間の倧荒れが嘘のように静たり返り、倕焌けの赀い光に照らし出された海。
同じく赀く色付いた砂浜を、封印の杖を手に歩くさくらちゃんず、
倕焌けの海をバックにさくらちゃん撮圱にいそしむ知䞖ちゃん。
ただ明るいので、念の為ケロちゃんは知䞖ちゃんのフヌドの䞭で
ぬいぐるみのふりをしおいたす。

「それにしおも・・・倕焌けの海をバックにしたさくらちゃん・・・
 なんお矎しいのでしょう・・・ああっ、めたいが・・・」
「ず、知䞖ちゃん・・・汗」
「臚海孊校の時はビデオを持っお来れなかったですから、
 その分撮りたくらなくおは」
「はうぅぅ。泣」

倧波が盞手ずあっお、今回さくらちゃんが着せられたのは
䜓にぎったりフィットしたりェットスヌツタむプのバトルコスチュヌム。
胎䜓を芆う郚分はピンク色だが手足を芆う郚分が肌色なので、
少し遠くから芋るず氎着に芋えおしたう。

「なんや、えらい寒そうなコスチュヌムやな。」
「ううん、党然寒くないよ。・・・ちょっず恥ずかしいけど・・・」真っ赀
「さくらちゃんのためですもの。防氎・防寒は完璧、真冬の海でも泳げたすわ。」
「そ、そりゃたたすごい服やなあ。知䞖もなかなかやるやないか。汗」

「はうぅ・・・だ、だんだん暗くなっおきたよう。」
「ほらさくらちゃんあの掞窟わたくし達がきもだめしをした掞窟ですわ。」
「ほえっ」

さくらちゃん達がいる砂浜から少し離れた岩堎を指差す知䞖ちゃん。
岩堎の絶壁に、掞窟が黒々ずした口をぜっかりず開けおいたした。

「あそこにむレむズさんがいらっしゃったんですわね。」
「う、うん・・・」
「そん時、わいはおらぞんかったからようわからんのやけど、
 どうやっおむレむズを封印したんや」
「わたくしも、その時のこずは憶えおおりたせんわ。」
「知䞖ちゃんも、みんな消えちゃっお・・・李君にはげたしおもらっお・・・」

むレむズを封印した時のこずを思い出すさくらちゃん。
泣いおしたった時、小狌にはげたしおもらっお、アドバむスもされお・・・

「・・・そういえば、ここに来るこずを李君に䌝えなかったな・・・」
「小僧はさくらのラむバルやでわざわざ教えおやらんでもええ」
「う、うん・・・」

それでも、䞀抹の寂しさを感じるさくらちゃん。
そしお、だんだん暗くなっおいく呚囲におびえながらも、
クロりカヌドの気配を远うのでした。


★海氎济堎 堀防の䞊 同時刻

「んもう、たろんがあっちこっち芳光なんおしおるから
 こんなに遅くなっちゃったじゃない。」
「フィンだっお、来るのをしぶっおた割には楜しんでたみたいじゃん。
 それに、怪盗の出番は倜よね、倜。」

䞀通りお店を回っお、お土産を買ったり倕飯を食べたりしおいたたろん。
ようやく海が芋える堀防の䞊にやっお来た時には、
すっかり日が暮れかけおいたした。

「急に旅行に行ったなんお郜が知ったら、
 『なんで誘っおくれなかったのよ』なんお怒るだろうなあ。
 郜にもおみやげ買っお来たから、これで蚱しおもらおっず。」

たろんは倧きな玙袋に、買い蟌んだグッズやらおみやげやらを
入れおうんせうんせず持ち歩いおいたす。

「お、重い・・・車が欲しいなあ・・・
 ねえフィン、せめお荷物持ちくらいやっおくんない」
「な、䜕蚀っおんのよそんな重い物、私に持おるわけないじゃない」
「はあ・・・魔法少女のお付きの小動物なら、
 もうちょっず圹に立っおくれるものなんだけどなあ・・・」
「私は倩䜿動物なんかじゃないのっ」

同じ魔法少女のお付きの小動物でも、
ケロちゃんだずほずんど圹に立たないんですけどね。
さくらちゃんを持ち䞊げられるから、力はそれなりにあるんだが。

「あっ、もう、やめやめ荷物はこの蟺に眮いずいお・・・ず。
 いよいよゞャンヌのお仕事開始」
「やっずやる気になったのね、たろん。」
「うん、でも、『倧波の矎しさ、頂戎に参䞊したす』なんお、
 さすがに予告状を出すもんじゃないわよねえ。
 第䞀、誰に出せばいいのかわかんないし。」
「なによ、せっかくやる気になったず思ったら・・・
 でも、やる気になった所で悪いんだけどね、たろん」

堀防の内偎に荷物を眮き、身軜になった所でようやく
真面目に悪魔探玢を始めようず気合いを入れるたろん。

「フィンは芳光なんかしおちゃ駄目で、誰が取り憑かれおるのか
 調べおないずいけなかったんじゃないの」
「だっお・・・悪魔の気配が党然しないんだもん。
 ・・・それより、たろん・・・」
「ずにかく、本圓に悪魔の仕業なのか、
 悪魔の仕業なら誰が取り憑かれおいるのか調べないず。」
「・・・だから、たろんっおば・・・倧波はどこなの」
「えあらあららら」

堀防の䞊たで登っお芋枡せば、お昌のニュヌスでやっおいた倧波は
いったいどこに消えたのかず思うような静寂の海が広がっおいたす。

「んもう、これじゃ䜕しにこんな遠くたで来たのかわかんないじゃない」
「た、たあいいじゃないのフィン。悪魔のせいじゃなければその方が。」
「あったろん、最初から芳光旅行の぀もりだったわねっ」
「ちょっず埅っお、フィン。あんな所に子䟛が・・・」
「ごたかさないで」
「あ、あの子、ひょっずしおすっぱだかなんじゃ」
「ええっ」

思わず堀防の圱に隠れおしたうたろん。
堀防の䞋、砂浜を歩いおいる二぀の小さな圱。
たろんのいる堀防の䞊からでは、さくらちゃんの着おいるり゚ットスヌツの
手足の肌色の郚分はもちろん、䜓のピンク色の郚分も倕焌けの赀い光に
溶けおしたい、すっぜんぜんの女の子を同じくらいの幎の女の子が
ビデオ撮圱しおいるように芋えおしたうのでした。


★海氎济堎 砂浜

「うん、クロりカヌドの気配はするんだけど・・・」
「どうやら、沖の方におるようやな。」
「それでは、船をお借りした方がよろしいでしょうか」
「ちょっず埅っお、知䞖ちゃん。だんだん気配が倧きくなっおきたみたい。
 こっちに近づいおいるのかな」

海の方に向いおクロりカヌドの気配に集䞭するさくらちゃん。
その倕日に照らし出されたりりしい暪顔を撮圱しおいる知䞖ちゃんは、
フレヌムの䞭の颚景がさっきたでず少し違うこずに気付きたす。

「あら波打ち際が・・・さっきよりずいぶん埌退したような・・・」
「ほえ」

さくらちゃんが足元を芋るず、黒々ず氎に濡れた砂の郚分がどんどん広がり、
芋る芋る朮が匕いお行く様が芋お取れたす。

・・・ゎオオォォォォ・・・

「なんの音や海鳎りかぁ」
「さ、さくらちゃんあ、あれは・・・」

ビデオカメラから目を離し海の方を芋た知䞖ちゃんは、
氎平線に沈みかけおいる倪陜の沈む速床が、目に芋えお速くなるのを目撃したす。
いや、倪陜の沈む速床が速くなったのではなく、
海が盛り䞊がり倪陜を芆い隠しおいくのを。

「぀、接波やっ」
「ほえっ」

◆アむキャッチ入りたす◆

の内容はここたでです

 では、そのぞず続きたす。

--
Keita Ishizaki mailto:kei...@fa2.so-net.ne.jp

Keita Ishizaki

未読、
2001/08/15 18:03:422001/08/15
To:
石厎倏䌑み䞭です

この蚘事は、藀森英二郎さんのさくらゞャンヌ劄想小説です。
この蚘事は、分割投皿のそのです。

その及び藀森さんからの挚拶は、
<9leqm1$gt3$1...@news01cd.so-net.ne.jp>よりお楜しみ䞋さい。

改ペヌゞ埌より、藀森さんの劄想です。

ここから藀森さんの劄想

C.C. SAKURA OriginalStory#10 C.C.SAKURA VS K.K.Jeanne Episode0

アニメ版劄想小説No.10『さくらずたろんず冬の海』その

★海氎济堎 堀防の䞊

堀防の圱に隠れお、ドキドキしながらさくらちゃん達の撮圱珟堎を
芗き芋しおいるたろんずフむン。

「いくら春䌑みでも、この寒空にすっぜんぜんでビデオ撮圱なんお・・・
 もしかしお、悪魔はあの子たちに取り憑いおいるのフィン。」
「悪魔の気配じゃないず思うけど・・・さっきから倉な気配は感じるの。
 それも、どんどん倧きくなっおくるみたい。」
「あらどうしたのかな急に。」

砂浜の二人の動きが急に慌ただしくなったのを芋お䞍審に思うたろん。
二人の子䟛を芆っお倧きな圱が海から砂浜に䌞びお行くのに気が付き、
沖に目を転じおやっず理解したす。

「あ、あれっお、た、たさか・・・぀、接波ぃ」

堀防の䞊からではただ倪陜が芋えるのですが、
盛り䞊がった海が倪陜を芆い隠し、その圱が砂浜たで達しおいたのでした。

「お昌のニュヌスでやっおた『十メヌトル以䞊』なんおもんじゃないわ
 倍はあるじゃない」
「た、たろん、は、早く逃げないず・・・」
「いけない、あの子達が」

接波の高さはただたろんのいる堀防よりは䜎いようだが、
どんどん高くなっおきおいる。しかも、そのたたの高さだったずしおも、
その勢いなら䞀郚は堀防を越えお町ぞなだれ蟌みそうだ。
それより、砂浜にいる二人の子䟛は間違いなく巻き蟌たれる

「だめよ、たろんあの子たちのいる所に蟿り着く前に接波が襲っおくるわ」

堀防から飛び降りお、波打ち際にいる子䟛達の所たで走ろうずしおいる
たろんの耳を぀かんで匕き止めるフィン。

「やん耳を匕っ匵らないでぇ・・・そうだゞャンヌに倉身すれば」
「た、ただロザリオに倩䜿のパワヌを入れおないの倉身できないわ」
「んもう肝心な時に圹に立たないんだからフィン、お願いっ」
「お、オッケむ・・・」

接波に飲み蟌たれおも、絶察あの子達を助けなきゃ

ゞャンヌに倉身するため、ロザリオにフィンの力を入れおもらうたろん。
たろんは接波が来る前に子䟛達を安党な堎所に移すこずができなければ、
海に飛び蟌んででも二人の子䟛を救出する぀もりです。
しかし、そうこうしおいる内に接波はどんどん岞たで迫っお来るのでした。


★海氎济堎 砂浜

「間違いあらぞん、りェむブのクロりカヌドや」
「倧倉ですわあの高さですず、堀防を越えおしたいそうです」
「ここで封印しないず、町が・・・」

フラむを䜿っお知䞖ちゃんず二人乗りすれば簡単に空に逃れられる
さくらちゃんですが、接波が町を襲いそうだず聞いおは
逃げ出すこずなどできたせん。
たた、シヌルドを䜿っお自分達だけ身を守るこずも。

「・・・ケロちゃん、知䞖ちゃんをお願い」
「どないする぀もりなんや、さくら」
「さくらちゃん」

「シヌルドを䜿っお、接波より高い壁を䜜っおみる」
「無茶や、さくら高さはずもかく・・・」
「幅はキロ以䞊ありそうですわ」
「それでも、やっおみる」

「・・・こんな時、フリヌズのカヌドがあったらよかったんやけどなあ・・・」
「フリヌズさんなら、あの接波を止められるのですか」
「りオヌティの時ず䞀緒や。氎なら、凍らせおしたえばええ。」
「ここに来るこずを、李君にお䌝えしおおけば良かったですわね。」
李君・・・

フリヌズのクロりカヌドを持っおいるのは小狌である。
たた、䞀時的にせよ接波を止められそうなタむムを持っおいるのも。
しかし、ここには小狌はいない・・・

「おらぞんもんはしゃあないさくらがんばるんやで」
「うん」


★海氎济堎 堀防の䞊

「埅っお、たろん。様子が倉よ。」
「きゃんった、たた・・・耳はやめおっお蚀っおるでしょっ」

ロザリオにフィンの力を入れおもらい、いよいよ堀防から飛び降りおゞャンヌに
倉身しようずしおいたたろんは、再びフィンに耳を匕っ匵られお匕き止められたす。
芋るず、確かに波打ち際にいる二人の子䟛の動きがおかしい。
すぐそこたで接波が迫っおいるのに、逃げ出そうずするわけでも
腰を抜かしお座り蟌んでしたうわけでもない。

それどころか、すっぱだかに芋える女の子の方は接波に正察する圢で
䜕やら棒のような物を構えおいる。
そしお、ビデオカメラを持っおいる女の子の方は埌ろに䞋がったものの、
ただ裞の女の子を撮圱しおいるようだ。

「たさか、本圓に悪魔はあの子達に取り憑いおいるんじゃ・・・」

倧波をバックにした、すっぜんぜんの少女を「矎しい」ず思い撮圱する少女。
ずいぶん特殊な矎意識を持った女の子に取り憑いたものだずは思うが、
ありえないこずではないかもしれない。
だずすれば、撮圱が終われば接波は消えおしたうのだろうか

「ちょっず、様子を芋た方がいいんじゃなぁい」
「そ、そうね・・・」

今からでは、ゞャンヌに倉身しおも到底間に合わない。
本圓に悪魔の仕業なのか、それずも・・・
たろんずフィンは、接波に立ち向かうように立っおいる少女ず、
それを撮圱しおいる少女を固唟を飲んで芋守るのでした。


★海氎济堎 砂浜

「ここに、町を守る壁を䜜れシヌルド」

接波が到達する寞前に封印の杖を振るい、
シヌルドのクロりカヌドを䜿うさくらちゃん。
察シャドり戊の時には耇数の球状バリアを䜜り出したシヌルドですが、
今床はさくらちゃんの目の前に茝く壁を䜜り出したす。
その幅はキロ以䞊、高さは接波の倍以䞊しかし・・・

「いけたせんわさくらちゃんその高さでは・・・」

ゎゎゎゎゎゎ・・・どっぱあんっ

䞀瞬の埌、茝く壁に激突する接波。
接波より高いシヌルドの壁に阻たれ、防がれたかず思った次の瞬間、
シヌルドで跳ね返った接波ず、埌続の接波ずが合成され、
その高さは倍に跳ね䞊がる

「ほえぇっ」

ドドドドドド・・・ザザザザザザッ

シヌルドの壁で勢いは殺されたものの、高さを増しお壁を越えた接波の
頭の郚分は、さくらちゃんの䞊に滝のようになだれ萜ちるのでした。

「さくらちゃん」
「あ、あかん」

接波に飲たれたさくらちゃんの方ぞ駆け出そうずする知䞖ちゃんの服の
えり銖をくわえお空ぞず脱出するケロちゃん。
接波の倧郚分を防いでいた茝くシヌルドの壁が厩れ、
泡立ち荒れ狂う波が宙に浮かぶ知䞖ちゃんの足元をかすめお通り過ぎたす。

「離しおくださいさくらちゃんが、さくらちゃんが・・・」
「むぐぐ・・・冷静になるんや、知䞖
 もう少し海が萜ち着かんず、さくらの䜍眮もわからぞん」
「・・・さくらちゃん・・・」

知䞖ちゃんの足の䞋には、接波の䜙波で砕け、逆巻く海が広がっおいる。
さくらちゃんのシヌルドのために勢いを倧郚分殺され、
堀防を越えられなかった接波がその怒りをぶちたけおいるかのようだ。

「ケロちゃん、もう少し䞋に降りおください
 わたくしがさくらちゃんをさがしたすわ」
「くっ・・・あ、あかんわいかおそうそう知䞖を支えられぞんのや」
「ケロちゃんに浮き袋代わりになっおいただければ、わたくしでも泳げたす。
 私なら、さくらちゃんを誰よりも早く芋぀けられるはずです」
「んなこず蚀うたかお・・・知䞖をこんな冷たい海に萜ずしたなんお
 知れたら、わいがさくらに怒られる・・・」
「お願いいたしたすケロちゃん」うるうる
「・・・しゃあない・・・知䞖、頌むでぇ
 さくらを䞀刻も早よう芋぀けるんや」
「はい」

知䞖ちゃんの「お願い」には、ケロちゃんですら逆らうこずはできたせん。
ケロちゃんはフヌドの䞭で知䞖ちゃんをくわえおぶら䞋げたたた、
氎面近くたで降りおさくらちゃんをさがしたす。

「うっ、くっ、あ、あかん、もうもたぞん」
「あそこですわさくらちゃん・・・きゃっっ」

ドッポヌン

分ももたずにねを䞊げるケロちゃん。
それでも、あきらめずにさくらちゃんをさがす知䞖ちゃんは、
ずうずう波間に癜いものを芋぀けたす。
しかし、ケロちゃんの力が尜き、波間にただようさくらちゃんのいる所に
䞀緒に墜萜しおしたうのでした。


★海氎济堎 堀防の䞊

「本物の、『魔法少女』・・・」

堀防の䞊から、裞の女の子が棒のようなものを振るず同時に茝く壁が珟れ、
接波を食い止めるのを目撃したたろん。
その䞀瞬埌、壁を這い登ったように芋えた接波が壁を越え、少女の䞊に
なだれ萜ちるのも、埌ろにいた少女が空を飛んで逃れるのも芋おしたい、
しばしあっけにずられおいたした。

そうよね、倩䜿がいるんだから、魔法少女がいたっおおかしくないわよね。

目の前で起きたこずがしばらく理解できずに、倉な連想をしおいるたろん。
しかし、空を飛んでいた少女たで海に墜萜するに及んで、ようやく我に返りたす。

同じくあっけに取られお芋守っおいるフィンを攟っおおいお、
堀防の䞊から飛び降りるたろん。

「ゞャンヌダルクよ、力を貞しお。」

ロザリオを胞に抱き、ゞャンヌに呌びかけるたろん。
堀防の䞋たで達しお枊を巻いおいる海に着地するず共に階士
ゞャンヌダルクのシル゚ットがたろんの姿を芆い、
次の瞬間たろんは怪盗ゞャンヌぞず倉身しおいるのでした。

「匷気に本気、無敵に玠敵、元気に、勇気」

そのたた海ぞず飛び蟌み、空を飛んでいた少女が萜ちたあたりぞず泳ぐゞャンヌ。
おそらく、空を飛んでいた少女は接波に飲たれた少女をさがしおいお、
魔力が尜きお海に萜ちたのだろう。
だから、その萜ちた近くに二人の魔法少女はいるはず。

悪魔も、倩䜿も、怪盗も、魔法少女も関係ない。
今、目の前におがれおいる二人の少女がいる。
たろんが冷たい冬の海に飛び蟌むのに、他に理由はいらなかったのです。


★海氎济堎 海の䞊

「さくらちゃんさくらちゃんしっかりしお䞋さい」

ぐったりずなり、目を぀ぶっおいるさくらちゃんの䜓を抱え、
岞ぞ向かっお泳ぐ知䞖ちゃん。
息継ぎのできない知䞖ちゃんは元々しか泳げたせんが、
ケロちゃんが残った力で浮き袋代わりに二人の䜓を浮かせおいたす。

「くっわ、わいが真の姿に戻れさえすれば・・・
 二人くらいかるく持ち䞊げられるんやけどなあ・・・」

砕けた接波の䜙波で荒れおいた海もようやく静たっおきお、
堀防の䞋に砂浜が芋えおいたす。そこたではわずか数十メヌトルの距離。
しかし冷たい海に䜓枩を奪われ、䜓を動かすのも぀らい知䞖ちゃんが
さくらちゃんを抱えたたた岞たで泳ぐのは容易なこずではありたせん。
少し岞に近付いたかず思えば、波で匕き戻されおしたうのでした。

「はあ、はあ、はあ・・・」
「・・・だ、誰か来よる」

バシャバシャず泳ぐ氎音がしお、岞の方から知䞖ちゃんの所に近付いおくる人圱。
たさか党郚芋られおいたずは思いたせんから、ケロちゃんは
浮き袋モヌドのたた知䞖ちゃんのフヌドの䞭で䜓を硬くしたす。

「助けお・・・さくらちゃんを、助けお」

人圱を認めお、知䞖ちゃんは自分のこずより
気絶しおいるさくらちゃんを助けおほしいず声を匵り䞊げるのでした。



・・・いた良かった、二人ずもいるわ

波間に浮かぶ少女の姿を認め、助けを求める声を聞き、
さらに泳ぎに力が入るゞャンヌ。
しかし、和服颚で長い振り袖が付いたゞャンヌの衣装は、
足はずもかく手の方は非垞に泳ぎにくいものでした。

倉身しおいれば、氎もあんたり冷たくないけど・・・
 このたたじゃ、二人も抱えお泳げないわね。

手に絡たる服に蟟易したゞャンヌは意を決し、
少女達の所に到達する寞前で頭のリボンを぀かみ、匕っ匵っおほどきたす。
倉身シヌンを芋られおしたっおもかたわないずいう思いで。

蝶結びになっおいるリボンがほどけるず、
ゞャンヌの倉身が解け、たろんの姿ぞず戻りたす。
氎の冷たさに震え䞊がりながらも、たろんは二人の少女の元ぞず蟿り着き、
二人を抱えお岞ぞ向かっお泳ぎ出すのでした。



・・・今、この方の姿が倉わったような・・・

芋知らぬお姉さんに抱えられ、岞ぞず運ばれる、
さくらちゃんを抱えたたたの知䞖ちゃん。
薄暗くなっおきた呚囲に、自分の芋間違いだろうず、
今はそれどころではないずも思い、それ以䞊考えるのはやめにしたす。
そんなこずより、自分の腕の䞭でピクリずもしない
さくらちゃんの方が気がかりでした。

・・・二人分抱えおいるはずなんだけど・・・ずいぶん、軜いわねえ。
 うらやたしいわ・・・

こちらは、抱えおいる少女達の䜓重が劙に軜いこずを
うらやたしがっおいるたろん。
実は、ケロちゃんが知䞖ちゃんのフヌドの䞭に隠れたたた残された魔力で
浮力を䜜っおいるせいだったのですが、たろんは
たさか「魔法少女お付きの小動物」たでいるずは気が付きたせん。

劙に軜い少女達を抱え、ようやく足が付く所たで蟿り着いたたろんは、
そのたた二人を抱えおザブザブず砂浜ぞず䞊がっお行くのでした。


★海氎济堎 砂浜

ずりあえず、たろんが砂浜たで䞊がっお二人の少女を降ろすず、
䞀人は気絶しおいるのかぐったりず暪たわりたす。
しかし、もう䞀人は冷え切っおいるだろう自分の䜓も気にしないようで、
かいがいしく気絶しおいる少女の介抱を始めるのでした。

たず、暪たわる少女の胞に耳を圓おお心臓の錓動音を確認し、
唇ず錻に手を圓おお呌吞を確認・・・どうやら呌吞しおいないらしい。
するず、すかさず少女の䞊に乗り、胞を圧迫しお氎を吐かせるず共に、
少しもためらわずに少女に口付けしお、人工呌吞を始めたす。

その勢いは、たろんが手を出す暇もないほど正確・的確なもので、
しばしたろんは赀い倕日ず海をバックに、
口付けを亀わす二人の少女の姿に芋ずれおしたうのでした・・・



・・・あら、すっぱだかじゃなかったのね。
 ちゃんずり゚ットスヌツを着おるじゃない。

しばらく芋ずれおいたたろんが、砂浜に暪たわる少女が裞ではなく、
ちゃんず服を着おいるこずに気が付いたのはかなり埌になっおから。
それたでは、倕日の䞭で口付けをする二人の姿が、
矎しくも猟奇的な光景だず思い蟌んでいたのでした。

䜕せ、春䌑みずは蚀え海氎枩は真冬の海ず倧差ないですから、
すっぜんぜんのびしょ濡れの少女の䞊に、服を着おいるものの同じく
びしょ濡れの少女が芆い被さっお口付けをしおいる姿は、
たろんに寒気を催させるほど矎しくもあり、寒そうでもあったのです。

・・・ほんずに寒気がするわね・・・
「はあ、はあ、はあ・・・」

䜓が震えたため、自分自身もびしょ濡れだったこずに気が付いたたろん。
芋るず、人工呌吞をしおいる少女は寒さで震えおはいないようだが、
肺掻量がないためか息を切らしおいた。

「私が、代わるわ。」

少しためらった埌、砂浜に暪たわる少女の䞊からどいた髪の長い少女。
心配そうに暪たわる少女を芋た埌、たろんの方を芋お、
䞡手を祈るように組みあわせおうるうるお目々で「お願い」したす。

「お願い、いたしたす・・・」
・・・くっか、かわいい・・・

こうしお、知䞖ちゃんの「お願い」攻撃は
たろんをもノックアりトしおしたうのでした。(^^;



「はあはあ・・・背䞭が、暖かいですわ・・・
 ケロちゃん、ありがずうございたす。」
「すたんなあ、知䞖。今のわいにはこんなこずくらいしかできんのや・・・」

小声で話を亀わしながら、倕焌けの海をバックにさくらちゃんに
口付けをする、きれいなお姉さんを芋守る知䞖ちゃんずケロちゃん。

ケロちゃんは、知䞖ちゃんのフヌドの䞭に隠れたたた、ファむアリィ火の
カヌドの力を䜿っお、湯たんぜ代わりに知䞖ちゃんの䜓を暖め、
間接的にさくらちゃんの䜓をも暖めおいたのでした。

「浮き袋でも、湯たんぜでも、ケロちゃんがさくらちゃんを助けるために
 䞀生懞呜なのは倉わりありたせんわ。」
「た、たあ、こんな所で䞻あるじを倱のうたら、
 わいの守護獣ずしおのプラむドがやな・・・」

照れ隠しに蚀い蚳をするケロちゃん。
ずにかく、ケロちゃんのおかげで、知䞖ちゃんだけではなく
冷え切ったさくらちゃんの䜓にもぬくもりが戻っおきおいた。
しかし、さくらちゃんはただ息を吹き返さない。

知䞖ちゃんは、きれいなお姉さんがさくらちゃんに口付けしお
人工呌吞をするのを、かすかな嫉劬ず共に心配そうに芋守るのでした。



あらこの子・・・䜓が暖かい

さぞかし冷え切っおいるだろうず思った髪の短い少女の䜓は、
たろんが芆い被さっおみるず意倖にもわずかに暖かかった。

䜓枩が回埩しおいるのにただ息を吹き返さないのは・・・
 やっぱり酞玠が足りないからかしら
 小孊生くらいの子䟛の肺掻量じゃ、
 充分な酞玠を送り蟌めないのかもしれないわね。

新䜓操郚に入るべく䜓を鍛えおいる自分なら、少女に酞玠を補絊するに
充分な肺掻量があるだろう。そう考えたたろんは、
倧きく息を吞い蟌んで暪たわる少女の唇に自分の唇を重ねたす。

あ・・・やわらかい・・・

間近で芋る倕日に照らし出された髪の短い少女は、
先ほど自分に「お願い」をした髪の長い少女に匹敵する矎少女だった。
たるで「眠りの森の姫」に口付けする王子様のような気分になった
たろんですが、ゆっくり唇の感觊を楜しんでいるわけにはいかない。

「ふっ・・・すっ・・・ふっ・・・」

少女の胞が膚らむほど息を吹き蟌んでは唇を離し、
倧きく息を吞い蟌んでは再び口付けお息を吹き蟌む。
䜕床も、䜕床も繰り返し・・・目芚めるこずを願いながら。

・・・これっお、私のファヌストキスなのかな・・・
 ううん、人工呌吞はキスずは違うわよねっ
 そんなこず蚀ったら、この子のファヌストキスの盞手は
 あの髪の長い子っおこずになっちゃうもん。

人工呌吞を続けながらも、なんだか䞍謹慎なこずを考えおいるたろんなのでした。


◆アむキャッチ入りたす長いからアむキャッチも耇数◆

はここたでです

 埌半郚分は、17早朝に投皿する予定です。
 私のフォロヌ蚘事はその埌にでも。
 では、たた。

Keita Ishizaki

未読、
2001/08/15 18:06:432001/08/15
To:
石厎倏䌑み䞭です

その及び藀森さんからの挚拶は、
<9leqm1$gt3$1...@news01cd.so-net.ne.jp>よりお楜しみ䞋さい。

改ペヌゞ埌より、藀森さんの劄想です。

ここから藀森さんの劄想

アニメ版劄想小説No.10『さくらずたろんず冬の海』その

★海氎济堎 堀防の䞊

堀防の圱に隠れお、ドキドキしながらさくらちゃん達の撮圱珟堎を
芗き芋しおいるたろんずフむン。

砂浜の二人の動きが急に慌ただしくなったのを芋お䞍審に思うたろん。
二人の子䟛を芆っお倧きな圱が海から砂浜に䌞びお行くのに気が付き、
沖に目を転じおやっず理解したす。

堀防の䞊からではただ倪陜が芋えるのですが、
盛り䞊がった海が倪陜を芆い隠し、その圱が砂浜たで達しおいたのでした。

「だめよ、たろんあの子たちのいる所に蟿り着く前に接波が襲っおくるわ」

堀防から飛び降りお、波打ち際にいる子䟛達の所たで走ろうずしおいる
たろんの耳を぀かんで匕き止めるフィン。

接波に飲み蟌たれおも、絶察あの子達を助けなきゃ


★海氎济堎 砂浜

「おらぞんもんはしゃあないさくらがんばるんやで」
「うん」


★海氎济堎 堀防の䞊

「たさか、本圓に悪魔はあの子達に取り憑いおいるんじゃ・・・」

「ちょっず、様子を芋た方がいいんじゃなぁい」
「そ、そうね・・・」


★海氎济堎 砂浜

「ここに、町を守る壁を䜜れシヌルド」

「いけたせんわさくらちゃんその高さでは・・・」

ゎゎゎゎゎゎ・・・どっぱあんっ

「ほえぇっ」

ドドドドドド・・・ザザザザザザッ

シヌルドの壁で勢いは殺されたものの、高さを増しお壁を越えた接波の
頭の郚分は、さくらちゃんの䞊に滝のようになだれ萜ちるのでした。

「さくらちゃん」
「あ、あかん」

接波に飲たれたさくらちゃんの方ぞ駆け出そうずする知䞖ちゃんの服の
えり銖をくわえお空ぞず脱出するケロちゃん。
接波の倧郚分を防いでいた茝くシヌルドの壁が厩れ、
泡立ち荒れ狂う波が宙に浮かぶ知䞖ちゃんの足元をかすめお通り過ぎたす。

ドッポヌン


★海氎济堎 堀防の䞊

「本物の、『魔法少女』・・・」

そうよね、倩䜿がいるんだから、魔法少女がいたっおおかしくないわよね。

同じくあっけに取られお芋守っおいるフィンを攟っおおいお、
堀防の䞊から飛び降りるたろん。

「ゞャンヌダルクよ、力を貞しお。」

「匷気に本気、無敵に玠敵、元気に、勇気」


★海氎济堎 海の䞊

「さくらちゃんさくらちゃんしっかりしお䞋さい」

「助けお・・・さくらちゃんを、助けお」

人圱を認めお、知䞖ちゃんは自分のこずより
気絶しおいるさくらちゃんを助けおほしいず声を匵り䞊げるのでした。



・・・いた良かった、二人ずもいるわ

倉身しおいれば、氎もあんたり冷たくないけど・・・
 このたたじゃ、二人も抱えお泳げないわね。

手に絡たる服に蟟易したゞャンヌは意を決し、
少女達の所に到達する寞前で頭のリボンを぀かみ、匕っ匵っおほどきたす。
倉身シヌンを芋られおしたっおもかたわないずいう思いで。



・・・今、この方の姿が倉わったような・・・

・・・二人分抱えおいるはずなんだけど・・・ずいぶん、軜いわねえ。
 うらやたしいわ・・・

劙に軜い少女達を抱え、ようやく足が付く所たで蟿り着いたたろんは、
そのたた二人を抱えおザブザブず砂浜ぞず䞊がっお行くのでした。


★海氎济堎 砂浜



・・・あら、すっぱだかじゃなかったのね。
 ちゃんずり゚ットスヌツを着おるじゃない。

・・・ほんずに寒気がするわね・・・
「はあ、はあ、はあ・・・」

「私が、代わるわ。」



小声で話を亀わしながら、倕焌けの海をバックにさくらちゃんに
口付けをする、きれいなお姉さんを芋守る知䞖ちゃんずケロちゃん。

知䞖ちゃんは、きれいなお姉さんがさくらちゃんに口付けしお
人工呌吞をするのを、かすかな嫉劬ず共に心配そうに芋守るのでした。



あらこの子・・・䜓が暖かい

さぞかし冷え切っおいるだろうず思った髪の短い少女の䜓は、
たろんが芆い被さっおみるず意倖にもわずかに暖かかった。

䜓枩が回埩しおいるのにただ息を吹き返さないのは・・・
 やっぱり酞玠が足りないからかしら
 小孊生くらいの子䟛の肺掻量じゃ、
 充分な酞玠を送り蟌めないのかもしれないわね。

あ・・・やわらかい・・・

人工呌吞を続けながらも、なんだか䞍謹慎なこずを考えおいるたろんなのでした。


◆アむキャッチ入りたす長いからアむキャッチも耇数◆

はここたでです

--
Keita Ishizaki mailto:kei...@fa2.so-net.ne.jp

Keita Ishizaki

未読、
2001/08/16 17:31:262001/08/16
To:
石厎倏䌑み䞭です

 この蚘事は、ずある事情でNetNewsに投皿できない藀森英二郎さんより頂いた、
さくらゞャンヌ劄想小説です。
 そう蚀うのが奜きな人だけどうぞ。

ちなみに、News自䜓は珟時点ではただ読めるそうです。
ただ、それもそろそろ危ないずか䜕ずか汗

 長さの関係で分割したした。この蚘事は、分割投皿のそのです。
 以前の蚘事は、

その及び挚拶<9lerpv$ijg$1...@news01ce.so-net.ne.jp>
その    <9leqm1$gt3$1...@news01cd.so-net.ne.jp>

  よりお楜しみ䞋さい。


改ペヌゞ埌より、藀森さんの劄想です。

ここから藀森さんの劄想

C.C. SAKURA OriginalStory#10 C.C.SAKURA VS K.K.Jeanne Episode0

アニメ版劄想小説No.10『さくらずたろんず冬の海』その


★海氎济堎 砂浜

「う・・・うん・・・」

ずうずう息を吹き返し、ゆっくりず目を開けるさくらちゃん。
その目に入るのは、目にいっぱい涙をためながら心配そうに芗き蟌む
知䞖ちゃんず、自分に芆い被さっおいる芋知らぬきれいなお姉さん。

「ほえ・・・わ、私、どうしちゃったの・・・」
「良かった・・・さくらちゃん・・・さくらちゃんがおがれおいる所を、
 このお姉さんに助けおいただいたのですわ。」
「えっあ、ありがずうございたす」
「え、えず、私はちょっず通りがかっただけよ。お瀌ならこの子に蚀っお。
 あなたが息を吹き返したのは、この子の介抱のおかげだから。」
「知䞖ちゃんも、ありがずう・・・」
「じゃ、私はもう行くわね。たた倧波が来るかもしれないから、
 あなた達もすぐ堀防の䞊たで逃げるのよいいわね」
「あ、あの、本圓に、ありがずうございたした。」

目を開けお倕日に照らし出された少女の顔が、さらに矎しく
芋えおしたったたろんは、自分自身も決しお倕日のせいではなく
顔を赀くしお、そそくさず堀防の方ぞず走り去っおしたいたす。

「あ・・・お名前をお聞きしたせんでしたわ・・・
 さくらちゃんの呜の恩人ですのに・・・」
「それより、りェむブ察策を緎らんずあかん。
 りェむブは沖に退いただけなんや。たた来るで」

「・・・ほえっ」
「どうしたしたさくらちゃん」
「封印の杖が・・・ない」
「な、なんやおえ」

さくらちゃんが持っおいた封印の杖も、知䞖ちゃんが持っおいたビデオカメラも、
接波に飲たれた混乱の䞭でどこかに攟り出しおしたっおいたのでした。
クロりカヌドは、りェットスヌツの
 カヌド専甚ポケットの䞭に入っおいたので無事。


★海氎济堎 堀防の䞊

「フィンフィンいる」

堀防の䞊たで駆け䞊がり、フィンを探すたろん。
どうも盞手が悪魔ではないようなので、
フィンは手を出せずにそのたた堀防の䞊で芋守っおいたのでした。

「たろん。途䞭で倉身を解くなんお、無茶をしお・・・倧䞈倫なの」
「私のこずはいいのそれより、あの子達が・・・あっやっぱり」

たろんが砂浜の方を振り向くず、案の定二人の魔法少女は
逃げ出そうずはしおおらず、それどころか砂浜や波打ち際のあたりを
走り回っお䜕かを探しおいるようだ。

「やっぱりっお・・・どういうこずなの」
「フィン、お願い倚分魔法の杖だず思うけど・・・それを探しおあげお」
「た、魔法の杖ぇ」

人間界のテレビアニメを熱心に芋おいたわけではないフィンには、
魔法少女だずか魔法の杖だずか蚀われおも状況がよく理解できたせん。
しかしたろんには、あの二人の魔法少女が自分ず同じように䜕か䜿呜を持っお
接波を食い止めようずしおいるのだずいうこずが盎感的にわかるのでした。

「あの子達は、人に知られたくないだろうから、
 私が探しおあげるわけにはいかないのよでも、フィンなら・・・」
「ちょっずたろん、私にわかるように説明しお」

「んもう、じれったいわねえ・・・あの子達が光の壁を䜜っお
 接波を食い止めようずしたのはフィンも芋おたわよね」
「う、うん・・・」
「あの接波が悪魔の仕業かどうかはずもかく、
 䜕か䞍思議な力が原因で起きおいるのもわかるわね」
「確かに、悪魔ずは違う倉な気配は感じたけど・・・」
「その気配、今も感じる」
「えっず・・・うん、感じるわあっちよ」

堀防の䞊から、沖の方を指差すフィン。
倪陜は半分ほど氎平線に沈み、さっきたでの荒れようが嘘のような
静かな海が広がっおいるが、接波を起こした「䜕者か」はただ沖にいるのだ。

「接波は、たた来るのよ。あの子達は、その接波を食い止めようずしおいるの。」
「人間に、そんな無茶なこずできるわけないじゃない」
「あの子達も、怪盗ゞャンヌず同じように普通の人じゃないっおこずね。
 さっきの接波だっお、芋事防いだじゃない。
 ちょっず壁の高さが足りなかったけど。」
「それが、魔法少女なの・・・」
「そう。そしお、あの子達はこのロザリオやプティクレアず同じくらい
 倧事な杖を、接波に巻き蟌たれた時になくしちゃったんだわ。」
「あの子達はその杖を探しおいるのね」
「私が他の人にゞャンヌであるこずを知られたくないのず同様に、
 あの子達も自分達が魔法少女であるこずを知られたくないはずなのよ
 だからお願いフィン」
「わ、わかったわ・・・」

フィンなら普通の人には姿が芋えないはずである。
仕方なくしぶしぶ砂浜ぞず飛んで行こうずする
フむンの矜を぀たんで匕き止めるたろん。

「やん、䜕よう、たろん。」
「フィンは海の䞭を探しおあげお」
「えっこ、この寒いのにぃっ」
「倩䜿なら颚邪をひかないんじゃなあい
 やっおくんなきゃ、二床ずゞャンヌのお仕事はしおあげないんだから。」
「・・・んもうわかったわよやればいいんでしょっ」

たろんに぀かたれおいる矜を振りほどき、海ぞず飛んで行くフィン。
「魔法の杖」がどんな圢状の物かも知らぬたた・・・


★海氎济堎 海の䞭

暗ろうおよう芋えんなあ・・・

封印の鍵を探しお、暗く冷たい海の䞭を進むケロちゃん。
倖はただ明るいのですが、沈みかけた倪陜の光は海の䞭たであたり届きたせん。
さくらちゃんたちは、砂浜を知䞖ちゃん、波打ち際をさくらちゃん、
海の䞭をケロちゃんが探すように分担しおいたのでした。
そしお、フィンず話をしおいたたろんは、知䞖ちゃんのフヌドの䞭から
黄色い物䜓が飛び出しお海の䞭に飛び蟌むのを芋おいなかったのです。

そうやグロりの力や

グロりの力を䜿っお、みずから光を発するケロちゃん。
ケロちゃんの䜓からこがれ出た光の粒は、沈むでもなく浮かび䞊がるでもなく
挂っお、海の䞭を少し明るくしたす。
元々真冬でも自前の毛皮䞀枚で平気なケロちゃんは、
ファむアリィの力を䜿えば冷たい海の䞭でもぞっちゃら。
海䞭の探玢もみずから志願したのです。

早よう芋぀けんず・・・

明るくなっおも、接波のせいで舞い䞊がった砂がただ挂っおいる海の䞭。
あたり芖界がきかずにあせるケロちゃんですが、自分の目ず封印の鍵の
わずかな魔力の気配を頌りに探し続けるのでした。



぀、冷たいっさ、寒いなんおもんじゃないわこ、凍っちゃうよっ

こちらも海の䞭を魔法の杖を探しお進むフィン。
倩䜿は人間ずしおの感芚を残しおいるので、颚邪をひかなくおも寒さは感じたす。

魔法の杖っお・・・どんな圢の物なのよさっきから芋぀かるのは、
 朚の枝やゎミばっかり・・・えん、たろんのバカぁっ

ずにかく、「杖」らしき圢状の物を探すフィン。
接波に立ち向かった少女が棒状の物を持っおいたのはフィンも遠くから
芋おいたしたが、さくらちゃんの手を離れた封印の杖が、
「鍵」の圢状に戻っおしたっおいるなんお思いもしたせん。

あれなんか、あっちの方に光が・・・䜕かしら・・・

フィンは暗い海䞭で、䜕やら光る物䜓が挂っおくるのを芋぀け、
そちらの方向ぞず進路を倉えるのでした。



な、䜕や魚にしおは倉な生き物やな・・・
ホタルむカか䜕かの集団だず思ったら・・・な、䜕なの

ケロちゃんの目の前にいるのは、人間のような姿をしおいるものの劙に小さく、
しかも矜が生えおいる生き物。
フィンの目の前にいるのは、どう芋おも矜が生えたぬいぐるみだが、
発光しおいるし動いおいた。
しばしにらみ合ったたた動かないケロちゃんずフィン。
氎䞭ではお互いしゃべるこずもできず、盞手の動きを芋守るだけです。

・・・あ、あかん、息が苊しゅうなっおきよった・・・
・・・これ、私が芋えおるみたい・・・んっ・・・ブクブク・・・

お互い息が切れおきた二人二匹は慌おお氎面ぞず浮かび䞊がり、
頭を出しお荒い息を぀くのでした。

「ぷはあっし、死ぬかず思たあ」
「はあはあ・・・だ、誰よ、あなた」
「なんや、しゃべれるんかい。わいはクロりカヌドの守護獣、ケルベロスや」
「ケロベロス」
「ケ・ル・ベ・ロ・スや決しおケロちゃんなんかやないで」
な、なんなのよこんな生き物がいるなんお聞いおないわよっ

「そういうお前は・・・」
「な、䜕よ」
「その顔、その䜓、その矜・・・」
ギクギクッ
「劖怪やな」
ブクブク・・・

「倩䜿」だず芋砎られたかずあせったフィンですが、「劖怪」だなどず
ずんでもないこずを蚀われお、力が抜けお沈んでしたいたす。

「なんや、どないしたんや」
ザバッ
「誰が劖怪よ私は・・・」

すぐに海から飛び出しお党身を芋せ぀け、
倩䜿だず名乗ろうずしおかろうじお思いずどたるフィン。
倩䜿の存圚を知らせおいいのは、ゞャンヌの生たれ倉わりであるたろんだけです。
䟋え盞手が自分の姿が芋える埗䜓の知れない生き物でも、
倩䜿だず名乗るわけにはいきたせん。

「・・・劖怪なんかじゃないわよっ」
せめお『劖粟』くらいに蚀っお欲しいなあ・・・

「劖怪やないずするず・・・その人間のような顔、その人間のような䜓、
 その癜い矜・・・わいのよう知っずるや぀によう䌌ずる・・・」
ドキドキッ
「お前、ひょっずしおナ゚の仮の姿か」

ドボンッ・・・ブクブク・・・

「ナ゚」が䜕かはわからなかったフィンですが、人間に近い自分の姿ず
癜い矜を芋お、「倩䜿」以倖に芋られるずは思いもしなかったので、
たたも力が抜けお海に萜ちおしたったのでした。

ザバッ

「や、ナ゚。久し振りやなっ」
「私は劖怪でもナ゚でもないわよっ私の名前はフィン」

再び氎面に浮かび䞊がったフィンの手を取り、
䞊䞋に動かしお再䌚を喜ぶケロちゃん。
フィンはその劙に暖かい手を振り払い、
こんな埗䜓の知れないモノずは付き合いきれないずそっぜを向きたす。

「なんや、ナ゚やないんか・・・」がっかり
「そうだこうしちゃいられない私は探し物しおる途䞭だったわ」
「あかんわいも鍵を探しちょるずこやった」
「えっ、『鍵』」
「なあ、お前、鍵を芋かけぞんかったか
 ペンダントになっちょる金色の鍵なんや」
「ちょっず埅っお。『杖』じゃなくお『鍵』なの」
「杖になる鍵なんやああっ、早よう芋぀けんず、たた接波が・・・」
「ペンダントの『鍵』だったら、確かあっちの方で芋たような・・・」
「ほんたか」

自分が来た方の、海の底を指差すフィン。
杖を探しおいたフィンは、海の底で金色に茝く『鍵』を芋぀け、
それにわずかに劙な気配を感じたものの、杖ではないのでほっずいたのでした。

「ありがずなっ『フン』っ」

ゎボオッ・・・ブクブクブクブク・・・ザバッ

「ゎホッゎホッだ、誰が『フン』よっ
 わ、私は『フィン』なのっ」

汚物のような発音で名前を略されおしたい、
䞉たび海䞭ぞず沈んでしこたた海氎を飲んでしたったフィン。
しかし、埗䜓の知れない生き物はずうに海䞭ぞず朜り、
フィンの絶叫にも䌌た蚂正の蚀葉は届かなかったのでした。


★海氎济堎 砂浜

「あったでっ」

波打ち際で封印の鍵を探しおいたさくらちゃんの元ぞ、
鍵を持っお飛んでくるケロちゃん。
もう光っおいないので、薄闇の䞭その黄色い䜓も遠くからは良く芋えたせん。

「ケロちゃん」
「『フン』っちゅう劖怪に芋぀けおもろたんや」
「よ、劖怪さん・・・ですか」
「ほえ」
「違うっちゅうずったけど、䜓が小そうお、矜が生えずっお、
 海の䞭も空も自由に動けお、蚀葉もしゃべるんやから、劖怪しかあらぞん」

そ、それだず、ケロちゃんも劖怪になっちゃうんじゃ・・・
ケロちゃんは、劖怪さんずいうよりは劖粟さんですわね。

さくらちゃんも知䞖ちゃんもケロちゃんに突っ蟌みたい所だったが、
今はその暇はない。
さっきからクロりカヌドの気配は再びどんどん倧きくなり、
朮も匕き始め、海鳎りも聞こえおきおいたのである。

「今床こそ、封印しないず・・・レリヌズ」

ケロちゃんから封印の鍵を受け取り、封印解陀しお杖にするさくらちゃん。
ケロちゃんは再び知䞖ちゃんのフヌドの䞭に戻り、
いただびしょ濡れの知䞖ちゃんを暖める仕事を続けたす。

「おっ知䞖もビデオ芋っけたんか。」
「はい。防氎仕様でしたので、なんずか無事でした。
 さくらちゃんの勇姿を収めたテヌプがだめになっおしたわなくお、
 本圓に良かったですわっ」
「はうぅ。」

無事ではあったが、砂だらけになっおしたっおいるビデオカメラに
頬擊りしながらさくらちゃんの撮圱を続ける知䞖ちゃん。
砂浜を探しおいた知䞖ちゃんは、鍵は芋぀けられなかったものの
自分が攟り出したビデオカメラを芋぀けおいたのでした。
重いビデオカメラは波にさらわれずに、そのたた砂浜に残っおいたのです。

・・・ゎオオオォォォォォォ・・・

「き、来よったで」
「こ、今床のは先皋の接波よりはるかに倧きいですわ」
「シヌルドが効かぞんずなるず・・・ど、どないしたらええんやぁ」

遠くからでもさっきの接波より倧きいこずがわかる、
高さ癟メヌトルはあるかず思われる倧接波。
沈みかけおいた倪陜をたちたち芆い隠しお迫る巚倧な黒い壁に察し、
さくらちゃんは少しもひるたず枚のカヌドを取り出したす。

「ファむアリィの時みたいに、枚のカヌドを同時に䜿っおみる。」
「りオヌティさんず・・・りィンディさん」
「無茶やあの倧接波・・・もうクロりカヌドだけの力やない」
「ほえ」
「この䞀幎の間に、この海岞で起こった波の力を党郚集めたもんや
 蚀わば、海そのものを盞手にしちょるようなもんやで」

「臚海孊校の時、劙に波が静かだったのですが・・・
 たさかクロりカヌドさんがそんなこずをしおいたなんお。」
「・・・それでも、やらなきゃ・・・封印しなくちゃ」
「さくら」
「・・・だいじょうぶ。絶察、だいじょうぶだよ」
「さくらちゃん・・・」

無敵の呪文を唱え、枚のクロりカヌドを手に杖を構えるさくらちゃん。
その目の前には、海からそそり立぀巚倧な氎の壁が迫っおきおいるのでした。


★海氎济堎 堀防の䞊

「たろん芋぀けたみたいよ。」

自分で「魔法の杖」らしきものを芋぀けるこずはできなかったものの、
「杖になる鍵」を探しおいる埗䜓の知れない生き物に、
鍵の堎所を教えるこずができたフィン。
どうもその「鍵」が「魔法の杖」だったらしく、フィンは自分の圹目を果たしお
堀防の䞊で埅぀たろんの元ぞ戻りたす。

「・・・っお、なんでたたゞャンヌに倉身しおるのよ」
「だっお、寒いんだもん。」

びしょ濡れで震えおいたたろんは、堀防の圱で再びゞャンヌに倉身しお、
寒さを凌ぎながら砂浜の少女達を芋守っおいたのでした。
ゞャンヌは海から小さな物䜓が飛び䞊がっお、少女達の元ぞず飛んで行き、
その埌「さくらちゃん」ず呌ばれおいた少女が再び杖を手にするのも
堀防の圱から目撃しおいたす。

フィンのおバカ誰が盎接手枡せっお蚀ったのよっ

ず、思っおいたのですが、どうも少女達の所に行った小さな圱は
フィンではなかったようで、フィンはもっず離れた海䞭から空に飛び立ち、
自分の所たで飛んできたのでした。

「あの倉なのが、『魔法少女お付きの小動物』なのかしら・・・」
「えっあの子達、お付きの小動物もいたの」
「・・・動物・・・ねえ自分ではケロなんずかだっお蚀っおたけど。」
「じん・・・本圓に、魔法少女っおいるんだ・・・なんだか感動しちゃう。」
「あれがそうなら、あの子達も倧倉よね。」
「フィン、倧倉っお」
「ずにかく、『倉』な生き物だったの」

倉な生き物に『劖怪』呌ばわりされたばかりか、
汚物のようにたで呌ばれおしたっお、ただフィンはプンプン怒っおいたす。
ゞャンヌの方はフィンの「ケロなんずか」ずいう蚀葉から、
カ゚ルのような小動物なんだろうず劙な想像をするのでした。

カ゚ル型なら、海の䞭もお手の物よね。やっぱりフィンより圹に立ちそう。

「さ、寒うちょっずあっためおよたろん。」
「キャッな、䜕っ」

びしょ濡れで震えおいるフィンは、ゞャンヌの懐ぞもぐりこんでしたいたす。
ゞャンヌ自身も海に飛び蟌んでびしょ濡れになったのですが、倉身を解き、
もう䞀床倉身するず服は也燥しおきれいになっおいるのでした。

「あ、ぬくぬく。」
「んもうほんずに圹立たずなんだから」

自分の胞の䞭で䞞たったフィンに腹を立おながらも、
なんだか愛しいず思っおしたうゞャンヌ。
フィンが来おから䞀人きりになるこずがほずんどなくなり、
寂しさを感じる暇もない。
ゞャンヌの仕事は気が進たないが、その事だけはフィンに感謝しおいたのです。

・・・ゎオオオォォォォォォ・・・

「はっちょっずフィンのんきに䞞たっおる堎合じゃないわよっ」

ポンポンず自分の胞を叩き、フィンに再び接波が来たこずを知らせるゞャンヌ。
ゞャンヌの懐から顔を出したフィンは、堀防よりもはるかに高い倧接波が
沈みかけた倪陜だけではなく、空党䜓を芆いそうな勢いで迫っおくるのを
芋るのでした。

「な、䜕なのおあれえ」
「さっきの接波の倍どころじゃないわね・・・」
「冗談じゃないわあんなのに巻き蟌たれたら、
 ゞャンヌず蚀えどもどうなるこずかわかったもんじゃないわよ」
「そんなの関係ない
 ・・・それに、あの魔法少女達だけじゃ止められないんじゃ・・・」

すでに自分自身が逃げ腰になっおいるフィンず、なんずしおも
魔法少女達を助けお接波を止めたいず考えおいるゞャンヌ。
先皋の魔法の壁があの魔法少女達の力の限界だずしたら、
今床の倧接波は間違いなく堀防を越えお町を壊滅させそうだ。
ゞャンヌの専門は悪魔退治だが、
それでも䜕か自分にできるこずはないのだろうか

「フィン、あれには悪魔は党然関わっおいないのね」
「・・・やっぱり悪魔じゃないわ。接波の䞭に、䜕か別の力を感じるの。」
「悪魔じゃないずしおも・・・どうにかならないの」
「ゞャンヌの悪魔封印甚のピンなら、䞀時的に動きを止めるくらいは
 できるかもしれないけど・・・」
「それでいいわ」

巊手でプティクレアをかざし、䞭からピンを取り出すゞャンヌ。

「神の名の元に」

本・・・本・・・プティクレアからゞャンヌの力の及ぶ限りピンを出し、
右手の指ではさんでいきたす。

「じゃ、ゞャンヌ・・・」

本・・・本

「はあはあ・・・こ、これなら・・・どう」
「ゞャンヌ・・・無茶をしお・・・」

右手の指の間に本づ぀本のピンをはさみ、
堀防の䞊に立っお倧接波を芋぀めるゞャンヌ。
その前には、倕焌けで赀く染たった空をほども芆い隠した、
巚倧な氎の壁がそそり立っおいたのでした。


★海氎济堎 砂浜

「あの接波を止めよりオヌティりィンディ」

撮圱しおいる知䞖ちゃんの所からは氎着に、堀防のゞャンヌの所からは
やっぱりすっぜんぜんに芋えるり゚ットスヌツを着たたた、
封印の杖を振るっお枚のカヌドを同時に䜿うさくらちゃん。

開攟されたりィンディは颚の力で接波を抌し戻そうずし、
りオヌティはりェむブに操られお接波を構成しおいる氎そのものを
逆に操っお接波を抌し戻そうずする。
遊園地を火の海にしたファむアリィをも䞀瞬で倒す、
倧元玠のうち぀ものカヌドの力。

「おっ接波の勢いが匱たったで」
「すばらしいですわさくらちゃん」

さしもの倧接波もその勢いを匱め、぀いには停止するかず思われたその時、
再びじりじりず接波はさくらちゃんの方ぞず動き出す。

「んんっ・・・」
「さくらちゃん」
「さくらっ」

目を぀ぶり、枟身の力で枚のカヌドを操るさくらちゃん。
それでも、倧接波は止たりたせん。

むレむズず自分自身を友枝町からこんなに遠くたで運んだこずにより
力を䜿い果たしおいたりェむブは、幎近くに枡っおこの近蟺で発生した
波の゚ネルギヌを党郚吞収し、力を貯えおいたのである。
その倧質量ず゚ネルギヌは、りオヌティずりィンディの
同時攻撃ですら退けるほどだったのでした。


★海氎济堎 堀防の䞊

「さっきずは違う魔法ね・・・すごい・・・」
「でも、ただ接波は止たっおないわ」

堀防の䞊から砂浜で接波を止めるべく魔法を䜿っおいる少女を芋守るゞャンヌず、
盞倉わらずゞャンヌの懐に入ったたた顔だけ出しおいるフィン。
フィンは䞀刻も早く逃げ出したい所でしたが、
ゞャンヌが螏みずどたっおいるので芋捚おおは行けたせん。

少女の魔法で極端に速床が遅くなったものの、ただ接波が少女に襲いかかろうず
少しづ぀動いおいるのを確認したゞャンヌは、
いよいよ自分もピンを投げるべく振りかぶりたす。

「こ、こんな遠くからピンを投げるの」
「あの倧きさなら、目を぀ぶっおたっお圓たるわよ」

自分の胞の間から心配そうに芋䞊げるフィンをチラッず芋お、
右手の指の間にはさんだ本のピンに祈りを蟌めるゞャンヌ。

「闇より生たれし悪しき者を、ここに封印せんチェックメむト」

ゞャンヌは、堀防の䞊から迫り来る倧接波に向け、
枟身の力を蟌めお本のピンを同時に攟぀のでした。


クロり・リヌドの属性は「闇」だったから、
クロりカヌドも「闇より生たれし者」になりたすね。


★海氎济堎 砂浜

はうっもう、だめぇ・・・ほえ

もうだめかず思われた時、さくらちゃんの頭䞊を本の小さな光の矢が
通り過ぎ、目前にたで迫っおいた氎の壁に突き刺さりたす。
ずたんに、電撃が走ったかのような光が接波の䞭を走り、
じりじりずさくらちゃんの方に迫り぀぀あった氎の壁が停止するのでした。

「な、なんや䜕が起こったんや」
「今ですわさくらちゃん」
「う、うん汝のあるべき姿に戻れクロりカヌド」

接波が止たったのを芋お、接波に向けお封印の杖を振るうさくらちゃん。
さしもの倧接波もたちたち分解し、氎のような魔力の流れずなっお
封印の杖の先端に集たり、枚のカヌドを構成したす。

「・・・ふう。」
「やりたしたわさくらちゃん」
「ようやったさくら」

぀いにりェむブを封印したさくらちゃんは、
気が抜けお砂の䞊にぞたり蟌んでしたいたした。
しかし、封印されたりェむブのカヌドはしばしさくらちゃんの頭䞊で
挂っおいたしたが、ふわふわず埌ろの方ぞず飛んで行きたす。

「ほえっ」
「こ、こらっどこ行くんやっ」

さくらちゃんは慌おお立ち䞊がり、
堀防の方ぞ飛んで行くりェむブのカヌドを远うのでした。


★海氎济堎 堀防の䞊

「やったやったわ」
「あ、あの倧接波が・・・消えちゃった・・・」
「消えおなくなっちゃったっおこずは、あの少女が創った魔法の壁ず同じで、
 あの倧接波も魔法の産物だったのかもね。フィン。」
「た、魔法っお・・・すごいのね・・・」

巚倧な氎の壁が跡圢もなく消えおしたったこずに驚きながらも、
倧接波の脅嚁から開攟されお喜ぶゞャンヌずフィン。
自分の攟った悪魔封印甚のピンがどれだけ圹に立ったのかはわかりたせんが、
それでも魔法少女達の手助けができたらしいのは誇らしくもありたした。

「あらゞャンヌ、䜕か倉よ」
「えっ」

改めお砂浜の方を芋るず、がんやりず光る極小の物䜓がゞャンヌめがけお
飛んで来る。そしお、それを远うかのように二人の魔法少女が
堀防の方ぞず走っお近づいおいた。

た、たさかあの倉な生き物なんじゃ・・・
たずいわゞャンヌの姿を芋られちゃう

䞀床䌚っただけなのに、フィンは二床ず「自称ケロなんずか」の
「魔法少女お付きの小動物」には䌚いたくなかった。
たしお、その倉な生き物には自分の姿が芋えおいる。
人がいる所で䌚ったら、自分の存圚が人に知られおしたうかもしれない。

ゞャンヌの方は、さっきたろんの姿で魔法少女達に䌚っおいるし、
少女達を助けた時に倉身シヌンを芋られた恐れもある。
ここでゞャンヌの姿を芋られたら、たろんずゞャンヌの関係を疑われそうだ。

「いやん」
「ぞ、倉身を解かなきゃ」

フィンは慌おおゞャンヌの懐から飛び出し、町の方ぞず逃げおしたう。
ゞャンヌは、頭のリボンをほどいおたろんの姿ぞず戻るのでした。



倉身を解いたたろんの目の前にがんやりず光る小さな物䜓が止たり、
光を倱っおたろんの手ぞずスヌっず降り立぀。
぀かんで芋るず、それは䞀枚のカヌドだった。

・・・「波」・・・「WAVE」・・・

たろんの手の䞭にあるのは、挢字ず英語の文字、
それに波の絵が曞いおあるタロットのようなカヌド。

・・・どうもあの倧接波は、こい぀のせいだったようね・・・

悪魔を封印するずチェスの駒になるのず同様に、
フィンが感じた力の源を封印するずこのようなカヌドになるのだろう。
今、堀防に付いおいる階段を駆け登っおくる魔法少女達は、
このカヌドを集めおいるらしい。

・・・魔法少女も、倧倉なんだ・・・

怪盗家業悪魔封印業を始めたばかりのたろんにも、
その倧倉さは容易に想像できる。
今回の接波のように、その「力の源」が悪魔以䞊に盎接的に
人に灜いをもたらすものならなおさらだ。
実際、魔法少女達がいなければ、たろん自身のみならず町たで
倧接波に呑み蟌たれおいただろう。

・・・これは、私には無甚の物ね。

魔法少女達の倧䜓の事情を理解したたろんは、
息せき切っお堀防の䞊たで駆け䞊がっおきた魔法少女に、
このカヌドを枡すこずを決意するのでした。



「はあ、はあ、はあ・・・」
「はい、これ。萜ずし物よ。」

高い堀防を駆け䞊がっお息を切らしおいるさくらちゃんの前にいるのは、
さっき助けおくれたきれいなお姉さん。
そのお姉さんが、「党おわかっおいるわ」ずいうようなほほ笑みを浮かべながら
自分にクロりカヌドを差し出しおいる。

「ほ、ほえ・・・あ、あの・・・」なんだか、芳月先生みたい・・・

にっこりずほほ笑んでカヌドを差し出しおいる目の前のお姉さんを、
メむズの時の芳月先生に重ねおしたったさくらちゃんは、
思わず顔がゆるんで「はにゃん」ずなっおしたいたす。

「あ、ありがずうございたす・・・」

にこやかな顔の䞭にも芳月先生同様有無を蚀わせぬ迫力を感じ取った
さくらちゃんは、芳月先生の時ず同じに䜕も聞かず玠盎に
クロりカヌドを受け取るのでした。

くっか、かわいい・・・思わず抱き締めたくなっちゃう。
ああっなんだかずっおも絵になりたすわぁ。

その時、倪陜は氎平線の圌方にほずんど沈んでしたっおいたしたが、
堀防の䞊だけはかろうじお赀く照らし出しおいた。
さくらちゃんの埌を远っお堀防の䞊に駆け䞊がっおきた知䞖ちゃんは、
「はにゃん」ずなりながらお姉さんからクロりカヌドを受け取っおいる
さくらちゃんを、絶奜のアングルで撮圱しおいるのでした。



「ハ・・・ハ・・・ハックション」

せっかくの矎しいシヌンをぶち壊すかのようにくしゃみをしおしたうたろん。
ゞャンヌの服は、砎れようが濡れようが倉身するたびに
新品同様に再生したすが、たろんの服はそうはいきたせん。
倉身前の状態をそのたた再珟したたろんの服は、ケロちゃんのおかげで
なかば也いおいる知䞖ちゃんの服ずは察照的にびしょ濡れのたただったのです。

「いけたせんわすぐ、濡れた服を脱いで䜓を暖めないず、
 カれをひいおしたいたす」
「知䞖ちゃんのキャンピングカヌ、シャワヌ宀あったよね」
「もちろんですわ。さくらちゃんの呜の恩人にカれをひかせるわけには
 たいりたせん。ぜひ、熱いシャワヌを济びお行っおくださいな。」

「べ、別にいいわよ。私より、あなた達の方が
 熱いシャワヌが必芁なんじゃない」
「私はりェットスヌツだから倧䞈倫だよ。
 私より、普通の服のお姉さんず知䞖ちゃんの方がびしょ濡れなんだから、
 早く熱いシャワヌを济びないず。」
「わたくしはカむロケロちゃんがありたしたから倧䞈倫ですわ。
 わたくしより、おがれたさくらちゃんず、
 びしょ濡れのたたこんな寒い所にいたお姉様の方が・・・」

「ハックション」
「くしゅっ」
「クシャン」

「・・・ふふっ。」
「あははっ。」
「おほほっ。」

互いに譲り合っおいた䞉人ですが、
䞉人共くしゃみをするに及んで笑い出しおしたいたす。
ずにかく、早くしないず䞉人共カれをひいおしたうず。

たろんはゞャンヌに倉身するこずによっおその間寒さから身を守っお
いたのですが、今は濡れた服ず倕方の冷たい颚に震えおいたす。
知䞖ちゃんは背䞭のケロちゃんに暖めおもらっおいたしたが、
暖かいのが背䞭だけではさすがに長時間はもちたせん。
防氎・防寒が完璧な知䞖ちゃん特補りェットスヌツを着おいるさくらちゃんも、
長時間濡れたたたでいたので䜓が震えおきおいたのでした。

「・・・これは、䞉人ずも熱いシャワヌを济びるべきですわ。」
「そうだね。知䞖ちゃん。」
「お、お願いしようかな・・・ブルブル」
「キャンピングカヌのシャワヌ宀ですから、䞉人で入るには
 さすがに小さいですけど、お湯はタンク匏なのであたりもちたせん。
 狭くお申し蚳ないですが、䞉人䞀緒に入るしかありたせんわね。」
「うん」
さ、䞉人䞀緒っお・・・えっ

あこがれの魔法少女の前ですっぱだかにならなければならないずいうこずに
戞惑うたろんの手を匕き、さくらちゃんは駐車堎に眮いおある
知䞖ちゃんのキャンピングカヌの方ぞず走っお行きたす。
そのほほえたしい光景をも、
知䞖ちゃんのビデオカメラは䜙さず撮圱しおいるのでした。

◆アむキャッチ入りたす最埌のアむキャッチです◆

はここたでです

 では、最埌の蚘事ぞず続きたす。

Keita Ishizaki

未読、
2001/08/16 17:50:442001/08/16
To:
石厎倏䌑み䞭です。

 この蚘事は、ずある事情でNetNewsに投皿できない藀森英二郎さんより頂いた、
さくらゞャンヌ劄想小説です。
 そう蚀うのが奜きな人だけどうぞ。

某アヌカむブ及び停アヌカむブには早速登録されおいたすね笑

 長さの関係で分割したした。この蚘事は、分割投皿のそのです。


 以前の蚘事は、
 その及び挚拶<9lerpv$ijg$1...@news01ce.so-net.ne.jp>
 その    <9leqm1$gt3$1...@news01cd.so-net.ne.jp>

 その    <9lhe3f$ak7$1...@news01de.so-net.ne.jp>

  よりお楜しみ䞋さい。

 ここでお知らせ。
 分割蚘事の予定でしたが、最埌の蚘事が行を越えおしたう事が刀明し
笑、もう぀埌曞きずおたけのショヌトストヌリヌの蚘事を远加したす。

 改ペヌゞ埌より、藀森さんの劄想です。


ここから藀森さんの劄想
>
C.C. SAKURA OriginalStory#10 C.C.SAKURA VS K.K.Jeanne Episode0

アニメ版劄想小説No.10『さくらずたろんず冬の海』その


★海氎济堎 駐車堎 キャンピングカヌ内 曎衣宀兌脱衣所 倜

キャンピングカヌ内の脱衣所ず思われる所で、赀くなりながらも
びしょ濡れで砂ず塩だらけの服を脱いでいくたろん。
倧型バス以䞊に倧きなキャンピングカヌに、「魔法少女の乗り物なら
小さくおピンクで掟手」だろうず考えおいたたろんは予想が倖れおしたいたす。
たた、この堎所も脱衣所にしおは広く、通路に面しおいた劙に巚倧な
クロヌれットに繋がったドアもありたした。

あこがれの魔法少女達の前で服を脱ぐこずに顔を赀くしおいるたろんず異なり、
髪の長い魔法少女の方は小さい子だけあっお
党然物怖じせずぱっぱず服を脱いでいたす。
髪の短い魔法少女の方は、䜓に密着したり゚ットスヌツを
少し脱ぎあぐねおいるようでした。

「知䞖ちゃん、背䞭のファスナヌ降ろすの手䌝っお。」
「はい。もちろんですわ、さくらちゃん。」
・・・倉身しおたわけじゃないの・・・

明るい所で近くから芋るずピンク色で掟手掟手なり゚ットスヌツ姿の
魔法少女の方は、おっきり倉身した姿だず思っおいたたろん。
シャワヌのお誘いを最初断ったのは、魔法少女は倉身する所を
芋られたくないだろうず考えたせいもあるのですが、
圌女達はどうも普通の魔法少女ずは違うようです。

芋るず、り゚ットスヌツの背䞭にファスナヌが付いおいお、
髪の長い方の魔法少女が䞋着姿で手䌝い、そのファスナヌを䞋げおいたした。

り゚ットスヌツっお、普通は自分で脱ぎやすいように
 前にファスナヌが付いおいるんじゃなかったっけ

さくらちゃん専甚り゚ットスヌツのデザむンを優先した知䞖ちゃんが、
着付けも自分でする぀もりで背䞭にファスナヌを付けたのですが、
この蟺はたろんには理解できないこずでした。



「あっ、そうそう。ボむラヌのスむッチを入れおたいりたすわ。」
「ほえ・・・あ、うん。知䞖ちゃん、お願いね。」

り゚ットスヌツのファスナヌを䞋げた埌、䞋着姿のたた
自分が脱いだ服を抱えお、䜕やらさくらちゃんに目配せする知䞖ちゃん。
膚らんだ服のフヌドの䞭からケロちゃんの尻尟がはみ出しおいるのを芋お、
さくらちゃんはケロちゃんのこずを知䞖ちゃんにたかせたす。
い぀もならケロちゃんも䞀緒にシャワヌを济びる所ですが、
お客さんがいるのでさすがにそういうわけにはいきたせん。

掗濯機ならここにあるのに・・・どこに持っお行くのかしら

知䞖ちゃん同様䞋着姿になったたろんは、濡れた服を抱えお脱衣所から
出お行く知䞖ちゃんの方を䞍思議そうに芋るのでした。


★海氎济堎 駐車堎 キャンピングカヌ内 脱衣所シャワヌ宀

知䞖ちゃんが手ぶらで戻っおきた時、さくらちゃんもたろんも
党郚脱いでしたっお、すっぜんぜんでバスタオルを巻いお震えおいたした。

「お埅たせいたしたした。もう熱いお湯が出るはずですわ。
 先に入っおいお䞋さいな。」
「お湯はそんなにもたないんだよね
 だったら、知䞖ちゃんも䞀緒に入らなきゃ。」
「それでは、倧急ぎで。」

キャミ゜ヌルずパンツを倧急ぎで脱ぎ捚お、
すっぱだかになっお先に立っおシャワヌ宀に入る知䞖ちゃん。
さくらちゃんずたろんは䜓に巻いおいたバスタオルを取り、
タオルを持っおシャワヌ宀に入りたす。

「ドア、締めたよ。」
「シャワヌを出したすわ。最初はぬるめで・・・」

四方もない狭いシャワヌ宀に、文字通りおしくらたんじゅうのように
すし詰めになっお入ったさくらちゃん、知䞖ちゃん、たろんの䞉人。
自分の裞のお腹から足にかけお魔法少女達の裞䜓が密着しおしたい、
たろんはたすたす赀くなるのでした。

ザヌッ

「熱っ、あちっ」
「冷え切った䜓には、もっずぬるめでも良かったですわね。」
「でも、気持ちいいよ、知䞖ちゃん。」

本のシャワヌを䞉人で济びるため、たすたす䜓を寄せおくるさくらちゃんず
知䞖ちゃんにサンドむッチになっおしたったたろんは、
熱いシャワヌのせいだけでなく䜓がほおるのを感じたす。

あたりのかわいさから思わず「抱き締めたい」ずは思ったけど・・・
 こ、これは拷問だわ。あこがれの魔法少女が、二人も、
 すっぱだかで私に密着しお・・・あ、あら

黒い瞳がじっず自分を芋䞊げおいるのに気付いたたろんは、
自分の考えを読たれたのかず思わずどぎたぎしおしたいたす。

「あの、お名前・・・ただお聞きしおいたせんでしたわ。」
「そうだあの、私は朚之本さくら。そしお、友達の倧道寺知䞖ちゃん。
 お姉さんの名前は」
「え、あ、名前・・・さくらちゃんに、知䞖ちゃんね
 ・・・私は、日䞋郚たろん。たろんでいいわよ。」

䞀瞬、泥棒である自分が正矩の味方の魔法少女に名前を明かしおいいものかず
ためらったたろんですが、「名乗るほどの者じゃないわ」なんおのはあたりに
キザだったので、玠盎に本名を教えるのでした。

「たろんさん・・・今日は、本圓にどうもありがずうございたした。」

密着されたたた二人に同時に頭を䞋げられ、お腹ず脇腹にキスされた
栌奜になっおしたったたろんは、さらに䜓を赀くしおしたいたす。

「わ、私はほずんど䜕もしおいないんだからいいわよ。」
倧接波から助けおもらったのは私の方だし・・・

「たろんさん少しかがんで䞋さい私が掗っおあげたす」
「わたくしもお掗いいたしたすわ」
ひ、ひえっ

やっぱり、断っお垰るんだったず埌悔しおいるたろんに、
「呜の恩人」だず思っおいるさくらちゃんず知䞖ちゃんは
粟䞀杯サヌビスするのでした。

ごほヌし、埡奉仕っお、それは違うアニメ。
サヌビス、サヌビスぅっおのも違うアニメだ。(^^;


★海氎济堎 駐車堎 キャンピングカヌ内 キッチン 同時刻

「は、極楜、極楜。」

お客さんがいるのでさくらちゃんず䞀緒にシャワヌに入れなかったものの、
知䞖ちゃんにキッチンのシンクにお湯を溜めおもらい、
お颚呂にしお入っおいるケロちゃん。
ファむアリィの力を䜿っおいたので自分の䜓は也いおいたのですが、
砂ず塩だらけになっおしたったので䜓も掗っおいたす。

「ええ気分やな。」

ぬるくなったら自分でファむアリィの力を䜿っお远い炊きし、
頭の䞊に知䞖ちゃんのハンカチを畳んで茉せ、埡満悊なケロちゃん。

「なんや」

お湯に浞かったたたケロちゃんがキッチンの窓の倖を芋るず、
すっかり暗くなった倖を䜕やら癜いものが暪切るのでした。



キャンピングカヌの回りをうろうろ飛び回っお䞭の様子をうかがっおいるフィン。
遠くから隠れお眺めおいたため事情がわからないフィンには、魔法少女達が
たろんをキャンピングカヌの䞭に拉臎監犁したように芋えおしたったのです。

たろん、倧䞈倫なの

たろんを心配しおいるフィンでしたが、たた埗䜓の知れない生き物に
䌚うかもしれないず思うず、なかなかキャンピングカヌの䞭たで螏み蟌めない。
しかし、䞭から話し声や笑い声だけではなく、たろんの悲鳎らしき声たで
聞こえおきお、もういおもたっおもいられたせん。

声が聞こえる所には窓がないので、
その近くの窓に顔を付けお䞭を芗き蟌んでみるのでした。



「おおっお前は・・・」
げっやばっ

窓から芗き蟌んだずたんに、海䞭で䌚った黄色いぬいぐるみのような
埗䜓の知れない生き物ず目が合っおしたうフィン。

「フンやないか」

ずるっ・・・ドスン

たたも汚物のように呌ばれおしたい、フィンは窓からずり萜ちお
アスファルトの地面に激突しおしたいたす。
ケロちゃんの方は再䌚を喜び、シンクのお颚呂から出お窓を開け、
フィンに向かっお手を振るのでした。

「わ、私は『フン』なんかじゃないわよっ
 『フィン』『フ・ィ・ン』なのっ」
「たあ、そんなこずはどうでもええ。」
「どうでもよくないっ」

顔面からアスファルトに突っ蟌んでしたっおいたフィンは䞀瞬で立ち盎り、
キッチンの窓枠の所たで飛び䞊がっおケロちゃんに食っおかかりたすが、
ケロちゃんは汚れた顔でたくしたおるフィンにも平気な顔です。

「さっきはお前のおかげで助かったわ。そっちの探し物は芋぀かったんか」
「・・・え、ええ、たあ。」
「そりゃよかったな。そや䞀緒に颚呂入らぞん」
「えっ」
「ずいぶん汚れずるようやし。」
「誰のせいだず思っおんのよっ」

「お前も海から䞊がったばかりで䜓掗っおないやろ」
・・・そうねぇ、服は倩䜿の力で也かしたけど・・・
 塩だらけでベトベトしお気持ち悪いし・・・でも・・・
「遠慮せんでええわいが掗ろうたるさかい」

ためらうフィンでしたが、ケロちゃんはその手を掎んで
無理矢理シンクの湯船たで匕っ匵り蟌んでしたいたす。

ドボンッ

「キャヌッな、䜕すんのよっ」
「なんやこん服どうやっお脱がすんや」
「そ、そんな所に觊らないでっこの倉態っ」
「ああもう、めんどいから服ごず掗ろうたる」

ザバッゞャブッごしごし、ざぶざぶ・・・

「ががっごがっブクブク・・・」た、助けおったろんっ

こちらも、「封印の鍵を芋぀けおくれた恩人」に察しお
倧サヌビスで服ごず無理矢理掗っおあげるケロちゃん。
こうしお、たろんはさくらちゃんず知䞖ちゃんに、
フィンはケロちゃんに党身くたなく掗われおしたうこずずなったのでした。


★海氎济堎 駐車堎 キャンピングカヌ内 曎衣宀兌脱衣所

「ふう、ふう、ふう・・・」
「たろんさん、倧䞈倫ですか」
「え、ええ・・・」

魔法少女二人に耳の埌ろから足の指の間たで掗っおもらい、
お返しにキャアキャアず倧隒ぎをしながら掗っおあげ・・・
そうこうしおいる内にタンクのお湯が尜きおシャワヌが止たり、
たろんにずっお楜しくも拷問のようなシャワヌタむムは終わりを告げたした。

バスタオルを䜓に巻き、怅子に座っおぐったりしおいるたろんを、
同じくバスタオルを䜓に巻いたさくらちゃんが心配そうに芗き蟌み、
たたんだタオルで扇いで颚を送っおいたす。
長時間湯船に浞かっおいたわけでもないのに、
たろんは䜓を真っ赀にしおすっかりのがせおしたっおいたのでした。

「たろんさん、今日はもう遅いですし、ここに泊たっお行きたせんか」

䞉人分の着替えを甚意しながらたろんに声をかける、
これたたバスタオルを䜓に巻いおいる知䞖ちゃん。
しかし、たろんは匱々しく銖を暪に振りたす。

「わ、私は、今日䞭に垰らないずいけないから・・・」
「そうなの残念だね。」

本圓に残念そうに蚀うさくらちゃんの顔を芋お、たろんは少し胞が痛みたす。
別に今日䞭に垰らなければならない甚事があるわけではないのですが、
これ以䞊ここにいたら䜕をされるか、䜕をするかわかったものではありたせん。

キャンピングカヌの狭いベッドで、䞉人䞀緒に寝たしょうなんお蚀われたら
 ・・・䜓が持たないわ。私の理性も持ちそうにないし・・・

これ以䞊䞀緒にいたら、自分は魔法少女に付いお
根掘り葉掘り聞いおしたうかもしれない。
正䜓を知られたくない魔法少女にずっお、いくら恩人ず蚀っおも
たろんはい぀たでもいおもらっおは困る人だろう。

そしお、今日の事はお互いに、お互いのためにもできれば忘れた方が、
忘れおもらった方がいいくらいのこずなのだ。
そう考えたたろんは、断固垰るこずを決意するのでした。

「残念ですわ・・・
 あ、これがお着替えです。サむズが合えばよろしいのですが。」
「・・・こ、この服を着るの・・・」

知䞖ちゃんがたろんに向けお差し出した䞡手に茉っおいるのは、
たたんであっおもわかる掟手掟手ふりひら付ピンクのスカヌトず䞊着、
それにレヌス付パンツにブラゞャヌ。

「たろんさんが着おいた服をお掗いしお也かしおいる時間はありたせんから、
 この服はさし䞊げたすわ。さくらちゃんの呜の恩人ですもの、
 これくらいは圓然です。」
「で、でもこれ・・・」

たろんが手に取っお広げおみるず、たすたす少女趣味な服の実䜓が明らかになる。
知䞖ちゃんが甚意したのは、実は「成長したさくらちゃん」を想定しお詊䜜した
バトルコスチュヌムで、もちろんふりひらレヌス付ミニスカヌトであった。

「お気に召したせんか
 でも、他は子䟛服ばかりでたろんさんが着れそうな服はないのですが・・・」

濡れた服のたたでも、ゞャンヌに倉身すれば倧䞈倫なんだけど・・・
 さすがにゞャンヌの姿のたた電車で垰るわけにもいかないわねえ。
 でも、これ・・・えん、ゞャンヌの服より恥ずかしいよう。

「今日䞭に垰る」ず蚀った以䞊、いたさらここに泊たっお
着おいた服を也かすわけにはいかない。
ゞャンヌの姿では電車に乗れないし、たしおバスタオル䞀枚で垰れるはずもない。
ゞャンヌの姿の時は倉身しおいるからそれほど恥ずかしくはないが、
たろんの姿のたたこんな服を着お人前に出るこずを考えるず、
その恥ずかしさは想像を絶する。

たろんは、倜䞭で電車に乗っおいる人が少ないだろうこずを願い぀぀、
やむを埗ずひらひらの䞋着ず服を着おみたす。

「き぀くはありたせんかそれずもゆるい所は
 簡単な盎しならこの堎ですぐできたすが。」
「え、ええ。倧䞈倫みたい。」

実際は少しブラがき぀かったのですが、
こうなったら䞀刻も早く家に垰りたいたろんは、服の寞法盎しを断りたす。
こうしお、たろんは自分自身がたさしく魔法少女そのもののような姿になり、
限界たで真っ赀になっおしたうのでした。

魔法少女っお、ゞャンヌより倧倉だし、恥ずかしかったのね・・・


★海氎济堎 駐車堎 キャンピングカヌ近く

「今日は、本圓にありがずうございたした」
「さようならっ」

着替えた埌、キャンピングカヌの倖たでたろんを
お芋送りに出おいるさくらちゃんず知䞖ちゃん。
今床は普通の服を着おいるさくらちゃんの方をうらやたしそうに芋おから、
自分の濡れたたたの服を持っおたろんは意を決しお歩き出したす。

お互いに手を振り、別れを惜しむ䞉人。
䞡者の距離がかなり離れた時、キャンピングカヌのキッチンの窓から
小さな癜い物が飛び出し、埌を远うように黄色い物も飛び出しおきたす。

癜い物䜓の方はそのたたたろんの方ぞ飛んで行き、黄色い物䜓の方は
途䞭で慌おお方向転換し、知䞖ちゃんの埌ろに隠れおしたいたした。

「ほえ」
「あら、ケロちゃん。お颚呂はいかがでしたか」
「おういい湯やったで」
「知䞖ちゃん、芋えないの」
「えっ」
「あの人の方ぞ、矜のある、なんだかケロちゃんみたいなのが
 飛んで行ったんだけど・・・ケロちゃんは芋えた」

「・・・な、䜕だずぉ・・・」顔぀きが厳しくなったフィン
「フィン、どうしたの」
「え私、どうかしおた」準倩䜿の顔に戻ったフィン
「」

「もちろんわいにも芋えずるで。
 知䞖に芋えんずなるず、ありゃやっぱ劖怪や、劖怪。
 あんなもんがわいに䌌ずるなんお倱瀌やで、さくら。」
「よ、劖怪っお・・・お、おばけ・・・ほえぇっ」

ドスンッ

耳がいいのでこの䌚話も聞こえ、思わず地面に萜っこち、
めり蟌んでしたったフィン。

「・・・お、おのれ・・・」堕倩䜿の顔になったフィン
「フィン、䜕しおんの眮いおくわよ」フィンの顔の倉化に気付かないたろん
「あ、埅っおよたろん」たた元の顔に戻ったフィン

せっかくケロちゃんに掗っおもらっおきれいになった䜓を
たたもほこりだらけにしお、フィンは慌おお
堀防の䞋に眮いお来たおみやげを取りに行くたろんを远うのでした。

「・・・どなたか、いらっしゃったのですか」
「わいはあの『フン』っちゅうや぀ず䞀緒に颚呂入っずったんや。」

ドシャッ

「もう、さっきから䜕やっおんのよ、フィン。」
「・・・」もはや蚀葉もないほど怒っおいるフィン

「あい぀が封印の鍵を芋぀けおくれたんや。
 お瀌代わりにこのわいが䜓たで掗っおやったっちゅうに、
 ほんた無愛想なやっちゃで。」
「『フン』っお・・・なんか倉な名前だね。」

ズシャッ

「颚呂から䞊がっお、知䞖にもろたハンカチで拭いおやった埌、
 わいがドラむダヌ代わりになっお也かしたろ思お抱き付いたら、
 振りほどいお逃げよったんや。」
「わたくしにはその『劖怪さん』は芋えないのですわね・・・残念ですわ。」

グシャッ

「にしおも・・・あの姉ちゃん、
 あん『フン』っちゅう劖怪に取り憑かれずったんか。倧倉やなあ。」

ドズンッ

「フィンっおば」
「・・・・・・」

ふらふらになりながら、自分の耳が良すぎるこずを恚み぀぀、
倩䜿であるこずがばれなくお良かったずほんの少し思いながら、
劙に掟手な栌奜をしおいるたろんの埌を远うフィンなのでした。

フィンが自分の意志で堕倩䜿になれおたら、
この埌血を芋たかもしれない・・・
でもさくら察ゞャンヌじゃなくお、ケロ察フィンになっおしたうな。


★゚ピロヌグ その 「その頃、朚之本家では・・・」

「そういや、そろそろ兄ちゃん垰っお来る時間やないか」
「それならだいじょうぶ。ミラヌさんにお留守番お願いしおきたから。」



「ただいた。」
「あっ、お、おかえりなさいたせ。」

玄関に入っおきた桃矢兄ちゃんに、キッチンから走り出おきお
あいさ぀するミラヌさくらちゃん。
しかし、たたも桃矢兄ちゃんは䞀目で芋砎っおしたうのでした。

「・・・はぁ・・・たた、さくらはどっか行っおんのか・・・」
「えっ、あの、その・・・」
「で、さくらは今日は泊りか」
「え、そ、それは・・・」
「た、いいか。晩埡飯、できおんだろ䞀緒に食べようぜ。」
「・・・は、はい」

「あ、あの、お味はどうですか・・・」
「うたい。」
「あ、ありがずうございたす・・・」

今倜はお兄様ず、二人っきり・・・ぜっ。

キャンピングカヌの小さなベッドでさくらちゃんず䞀緒に寝られる
知䞖ちゃん同様、倧きな幞せを感じおいるミラヌさくらちゃん。
りェむブのクロりカヌドはさくらちゃんをおがれさせるずいう詊緎を
䞎えたしたが、結果的に倚くの人に幞犏感をも䞎えたのでした。

たろんは幞犏過ぎおのがせちゃいたしたが。(^^;


★゚ピロヌグ その 「その埌、オルレアンでは・・・」

ピンポン

「こんな倜䞭に誰よ、たったく・・・」

こんな倜䞭でも構わず来るや぀は䞀人しかいないだろうず思い぀぀も、
玄関たで走り出おドアを開ける郜。

「・・・ブッ・・・キャハハハハハハハ」
「・・・」

玄関の倖に立っおいる人物は予想通りでしたが、
その姿・・・着おいる服に郜はお腹を抱えお笑い出しおしたいたした。

「ヒヌ、ヒヌな、䜕よその栌奜」
「・・・」

玄関の倖に立っおいたのは、癜いレヌス付の
どピンク服ずふりひらミニスカヌト姿のたろん。
郜はたろんずは長い付き合いですが、幌少の頃からこんな少女趣味の
掟手な栌奜をした姿など䞀床も芋たこずがありたせん。
䞭孊も卒業したずいうのに、いったいたろんに䜕があったずいうのでしょう

「・・・忘れない内に、おみやげだけ枡しおおくわ。」

着おいる服より赀くなっおいるたろんは、あいさ぀抜きで本題だけ話し、
持っおいた袋の䞭から郜ぞのおみやげを取り出しお抌し付けたす。

「クククク・・・お、おみやげアンナミラヌズにでも行っおきたっおの」
「ちょ、ちょっず旅行にね。」
「䜕これ『西䌊豆みやげ』っお・・・あっ
 たろん、お昌のニュヌスでやっおた倧波を芋に行っおたのね
 蚀っおくれれば私も䞀緒に行ったのにっ」
「ごめん、郜。だからこうしおおみやげ買っお来たんじゃない。」

おみやげの箱に貌っおあったシヌルを読んで、
たろんがどこに行っおいたのかすぐにわかっおしたった郜。
では、倧波が発生しおいる海岞に野次銬しに行ったたろんが、
こんな服を着お垰っお来たのはどういうわけか・・・

「ははん。」
「な、䜕よ」
「さおは、たろん・・・」
ドキッ

「海に近づき過ぎお波をかぶったわね」
「・・・う、うん、たあ・・・」
「それで、着替えを買おうずお店に行ったら、同じような人が殺到しお
 党郚売り切れおお、そんな服しか残っおなかったんでしょ。」
「た、たあ、そんな所よ。」ホッ
「それにしおも、よくそんな掟手な服あったわねえ・・・たさか、䞋着も」
「ちょ、ちょっず郜、䜕を・・・キャヌッ」

たろんのスカヌトの裟を぀かみ、思いっきり捲り䞊げお芗き蟌む郜。
たろんはあわおおスカヌトを抌さえたすが、時すでに遅し。
しかも、前を隠そうず埌ろを向いたので、
結果的にパンツのお尻たで芋せおしたいたす。

「ププッアハハハハハ・・・」
「・・・んもう郜のバカッ」

笑い転げおいる郜を埌にしお、怒りず恥ずかしさでたすたす赀くなっおしたった
たろんは、郜の家の向かい偎にある自分の家に逃げ垰っおしたうのでした。



玄関から家の䞭に走り蟌んで、買い蟌んだグッズや湿ったたたの
自分の服を入れおある倧きな袋を怒りにたかせお叩き付けおしたうたろん。
続いお、着おいる服も攟り投げるように脱ぎ散らかしおしたう。

たろんの埌を付いおきおいたフィンは、「觊らぬ神にたたりなし」ずばかりに、
そっずたろんの偎を離れようずするのですが、
たたもたろんに矜を匕っ匵られお匕き止められたす。

「埅っお、フィン。」
「いやん、矜を匕っ匵らないでったろん、いったい䜕」
「倩䜿っお、人間に正䜓を知られたら蚘憶を消したりしおるでしょ」
「・・・き、聞いたこずはあるけど・・・
 私はそんなドゞ、したこずないわよっ」
「蚘憶を消せるのは本圓なのね」
「そ、そうだけど・・・」
「私の今日の蚘憶を消しお。」
「えっ」

䞋着姿でフィンの矜を぀たみながら自分の蚘憶消去を頌み蟌むたろん。

「魔法少女っお、人に正䜓を知られるず、魔法が䜿えなくなったり、
 魔女ガ゚ルになったり・・・たあ、䜕らかのペナルティがあるものなのよ。」
「たろんが、あの子達のこずを魔法少女だっお知っちゃったから・・・」
「うん。あの子達のこずは忘れたくないけど、忘れおあげた方がいいず思っお。」
「でも・・・」

ためらうフィンに、たろんは顔を近づけお匷匁したす。

「こんな服を着お、恥ずかしい思いをしながら
 電車に乗っお垰っおきたなんお・・・絶察、忘れるの」

ズルッ矜を぀たたれたたたこけおしたったフィン

・・・そ、そっちが䞻な理由なのね・・・
「服を郜に笑われるだろうこずは芚悟しおたけど・・・
 た、たさか、このパンツたで芋られちゃうなんお」

たろんの䞋着は芋おいなかったフィンは、矜を぀たんでいるたろんの手を
振りほどいお、たろんの回りを回っおその䞋着姿をたじたじず芋おみたす。
するず、レヌス付玔癜ブラはずもかく、パンツの方はレヌスが付いおいる
だけではなく、なんずお尻にでっかいくたさんプリントが付いおおり、
さらに前の埮劙な所にたで小さなくたさんプリントが付いおいたのでした。

「ププッ」
「ゞロリ。わ、笑ったわねっもう、ちゃんず蚘憶を消しおくれないず、
 二床ずゞャンヌのお仕事なんおしおあげないんだから」
「えっそ、そんなあ、たろん」
「明日の朝、私が起きた時にただ今日の事を憶えおいたら・・・
 いいわねフィン」
「わ、わかったわ・・・」

ゞャンヌのお仕事をやめられおは困るフィンは、
やむを埗ず今日のたろんの蚘憶を消すこずに同意したす。

んもう・・・今日の事を忘れたいのはこっちよあの倉態ぬいぐるみっ

たろんの方は、今日の事を忘れるずなったら今日の事を思い出させる物は
党郚隠しおしたわなければならず、ちょっず思案䞭。
せっかくもらった服は捚おるわけにもいかず、たろんは知䞖ちゃん特補
コスチュヌムを母の衣装ダンスの奥にしたい蟌み、他に買っおきたグッズ類も
䞡芪の郚屋の物入れ等に隠しおしたいたす。
芋慣れない物を芋぀けおもあんたりおかしくないような、普段開けお芋ない所ぞ。

「ふう。これでよし、ず・・・」

埌で、母の衣装ダンスからこの服を芋぀けた自分が、
母の少女時代を誀解するかもしれないず思い぀぀も、
䞀安心したたろんは普通の䞋着ずパゞャマを着おベッドに入りたす。

・・・忘れちゃうのは惜しい蚘憶もいっぱいあるんだけどな・・・

今日の出来事を思い返しおみるたろん。
裞の少女をビデオ撮圱しおいるず思い蟌んで赀くなり、
その少女に口付けしお赀くなり、䞀緒にシャワヌを济びお赀くなり、
恥ずかしい服を着せられたシヌンでさらに赀くなり、そしお・・・

や、やっぱり忘れるっごめんね、さようなら、魔法少女達・・・




そしお、翌日の朝。

「フィンフィンいる」
「なにたろん。私、ちょっず力を䜿い過ぎちゃっお眠いんだけど・・・」
「どうも日付が䞀日飛んでるず思ったら・・・
 フィン、昚日の私の蚘憶を消したでしょ」

パゞャマ姿のたた、届いた新聞の日付欄を指差しお
プンプン怒りながらフィンに詰め寄るたろん。
たろんに蚀われお仕方なくやったこずなのに、
怒られるずは思っおもみなかったフィンはうろたえたす。

「だ、だっお、たろんが蚀ったんだよ昚日の蚘憶を消しおっお。」
「嘘よフィン、あなた、ひょっずしお・・・
 昚日䜕か倧倱敗したんで私の蚘憶を消したんじゃない」
「し、倱敗なんおしおないわよっ」
「誰かに倩䜿の存圚がばれちゃっお、それを私にも知られたから
 その人ず䞀緒に私の蚘憶も消したずか」
「だから、しおないっおばっ」
「もう金茪際ゞャンヌのお仕事なんかしおあげないんだから」
「えっそ、そんなあっ」

フィンが勝手に自分の蚘憶を消したず思い蟌み、
たすたすゞャンヌのお仕事が嫌いになっおしたったたろん。
こうしお、フィンはやむを埗ず勝手に予告状を出し、無理矢理
たろんにゞャンヌのお仕事をやっおもらうようになっおしたうのでした。


・・・これより䞀幎近く埌に、たろんはこの時の魔法少女達に再䌚したす。
しかし、フィンに蚘憶を消されたため思い出すこずはできたせん。
たた、再䌚する時のたろんはゞャンヌの姿をしおいるため、
さくらちゃんもこの時助けおくれたお姉さんだずは思いもしないのです。

そしお、たろんはこの時せっかく助けおあげたあこがれの魔法少女達に、
「おばけ」だの「センスが悪い」だのず蚀われるこずになっおしたうので、
忘れおいた方が幞せなのでしょう・・・


★゚ピロヌグ その 「その埌、キャンピングカヌでは・・・」

「今日は、本圓にお疲れ様でした、さくらちゃん。」
「う、うん。知䞖ちゃんも、ありがずう。助けおくれお・・・」
「わたくしより、たろんさんず、ケロちゃんのおかげですわ。」
「ケロちゃんが」
「わいの倧掻躍、さくらにも芋せたかったで」
「しか泳げないわたくしのために浮き袋になっおいただいたり、
 おがれたさくらちゃんを暖めるために湯たんぜになっおいただいたり
 したのですわ。」
「汗・・・そ、そう。ケロちゃんも、ありがずう。」
「おうた、たいしたこっちゃないんやけどな」

確かにケロちゃんはたいしたこずはしおいないのですが、
玠盎なさくらちゃんは心からケロちゃんにもお瀌を蚀いたす。

「それよか、あの姉ちゃんが着ずった服、知䞖が䜜ったコスチュヌムやないか」
「ええ。そうですわ。」
「あの姉ちゃんにやっおもうお、良かったんか」
「あれは、さくらちゃんが成長したお姿を想定しおお䜜りした
 バトルコスチュヌムなのですが・・・もちろん、たたお䜜りしたすわ」
「ほえっ」

「さくらちゃん、あの服を着たたろんさんを芋お、
 デザむン等、䜕かご垌望はございたせんでしょうか」
「え、えっず、服の方はずっおもかわいかったけど・・・
 パンツのくたさんプリントは無い方が良かったかも。」
「そうですかせっかく垃地が倧きくなったので、くたさんがお奜きな
 さくらちゃん甚におっきなくたさんをプリントしおみたのですが。」
「高校生くらいのお姉さんだったよね。それなら、やっぱり
 くたさんのプリントパンツは恥ずかしいんじゃないかなあ」
「そうですわね・・・わたくしも、倧人向けのデザむンは
 ただただ勉匷の䜙地がありそうですわ。もっずもっずデザむンの勉匷をしお、
 䜕着でもお䜜りしたすから、たた着おみおくださいね。さくらちゃん。」
「はうぅ。」泣

いくらくたさんが奜きでも、倧人になった時に前たでくたさんが
プリントされおいるパンツをはくのはさすがに恥ずかしいだろうず、
今日のたろんお姉さんの姿を芋お思ったさくらちゃんでした。

・・・助けおくれお、ありがずうございたした。
 そしお・・・恥ずかしい服を着せちゃっおごめんなさい・・・
 お、『おばけ』憑きのお姉さん・・・


『ハックション』たろんフィン


おしたい。

はここたでです

 では、埌曞きおたけの蚘事ぞず続きたす。

Keita Ishizaki

未読、
2001/08/16 18:03:512001/08/16
To:
石厎倏䌑み䞭です。

 この蚘事は、ずある事情でNetNewsに投皿できない藀森英二郎さんより頂いた、
さくらゞャンヌ劄想小説です。そう蚀うのが奜きな人だけどうぞ。

 これたでの蚘事は以䞋の通りです。

その及び挚拶<9lerpv$ijg$1...@news01ce.so-net.ne.jp>
その    <9leqm1$gt3$1...@news01cd.so-net.ne.jp>
その    <9lhe3f$ak7$1...@news01de.so-net.ne.jp>

その    <9lhf7m$anq$1...@news01de.so-net.ne.jp>

 この蚘事は、あずがき及びおたけのショヌトストヌリヌです。
 では、改ペヌゞ埌より。

ここから藀森さんの劄想

C.C. SAKURA OriginalStory#10 C.C.SAKURA VS K.K.Jeanne Episode0

アニメ版劄想小説No.10『さくらずたろんず冬の海』あずがきおたけ


●少し埌曞き

長々ずお付き合いいただき、どうもありがずうございたした。
懞案だった、「アニメで描写されなかったクロりカヌド」のお話を、
これで党郚曞き䞊げるこずができたした。

最初にも少し曞いたのですが、このお話は元々たろんちゃんが登堎しない
「さくらず知䞖ず冬の海」ずいう題でプロットを考えおいたものであり、
原案ではさくらちゃんを助けるのは知䞖ちゃんずケロちゃんに加え、
知䞖ちゃんのボディガヌドのお姉さんだったのです。

ずころが、プロットを考えおいく内に「ど」シリアスになっおしたい、
ギャグもお色気もたるっきり入れる䜙地がなくなっおしたいたした。
「さくらちゃんず知䞖ちゃんのキスシヌンを無理なく描こう」ず考えお
劄想を始めたのに、さくらちゃんは死にそうになるわ、人工呌吞シヌンは
深刻になるわで、「こんなシリアスなのは私の劄想じゃない」ず、
封印しおしたったのでした。

石厎さんず䜐々朚さんぞの莈呈甚に、たろんちゃんを登堎させお
曞き盎すこずを思い付き、曞き始めたらシリアスの反動か、
ギャグばかりかお色気たでふんだんに入っおしたいたした。
たあ、自分で劄想しおお楜しかったからいいですが。倧汗


以䞋、自己突っ蟌み。

◎゚ピロヌグ その
ミラヌさんの料理の腕っお、どんなもんだろう
さくらちゃんず党く同じになるのか、それずもやったこずがないので
ずんでもないシロモノになるか、はたたた桃矢兄ちゃんのために
こっそり緎習しおお、おいしい料理が䜜れるのか・・・

桃矢兄ちゃんは、盞手が本物のさくらちゃんなら
おいしくおも「たずい」か「怪獣にしおはたあたあ」ず蚀うだろうし、
盞手がミラヌさくらちゃんならたずくおも「うたい」ず蚀うだろうな。(^^;

◎さくら察ゞャンヌ
封印されたりェむブのクロりカヌドがゞャンヌの所に行ったから、
戊闘ではゞャンヌの勝ちずいうこずになりたすね。
でも、埌のシャワヌシヌンでは、のがせちゃったたろんの負けず。(^^;

それにしおも、シリアス過ぎるから封印しおいた劄想だったのに、
どこをどう間違っお「䞉人同時シャワヌシヌン」なんおモノが
入っちゃったんだろう(^^;

・・・やっぱ、たろんちゃんのせいだな。おいおい

◎ケロ察フィン
こちらは胜倩気なケロちゃんの勝利でしょう。
堕倩䜿になれたフィンがケロちゃんをさがしお仕返しに来たりしお。
でも、その時はケロちゃんも真の姿に戻れるはずだから・・・
やっぱり血を芋る戊いになりそうだなあ。(^^;

ケロちゃんずフィンのお颚呂シヌンでは、
「フィンの服を無理矢理脱がせお掗うケロちゃん」っおのも考えたんだけど、
なんだか猟奇的なシヌンになったので没。ここに曞いおれば䞀緒だっお(^^;

◎゚ピロヌグ その
ミストのせいで知䞖ちゃんが悪魔に取り憑かれるずいうさくら察ゞャンヌ劄想ず
぀じ぀たを合わせるため、たろんちゃんの蚘憶を消しおしたいたしたが・・・
やっぱ無理矢理だったかなあ。
たあ、それだけたろんちゃんは恥ずかしい思いをしたずいうこずで。


●おたけのショヌトストヌリヌ

さお、このお話だけ読むず、さくらちゃんのファヌストキスは知䞖ちゃん、
セカンドキスはたろんちゃんに奪われちゃったように芋えたすが、実は違いたす。
以䞋はおたけのショヌトストヌリヌ。


『さくらのファヌストキス』


幎、ある秋晎れの日の朚之本家での出来事。

撫子お母さんが生埌半幎皋の赀ちゃんさくらちゃんを抱いお、
倕飯の準備をしおいる藀隆お父さんの元ぞ走っお来たす。
それを芋お、藀隆さんの方は撫子さんが転ぶんじゃないかず
気が気ではありたせん。

歩いおいお、なんにもない所でも転んじゃう撫子さんですから。

「どうしたんです撫子さん。そんなにあわおお走るず転んじゃいたすよ」
「藀隆さん、ほらほらさくらちゃん、歯がはえおきたの」
「えっ・・・どれどれ。さくらさん、『あん』しおごらん」

撫子さんから受け取ったさくらちゃんを抱きかかえお、
自分も倧きく口を開けおみせる藀隆お父さん。
さくらちゃんもたねっこしお口を開けたす。

「あヌ。あヌ。」
「おっ、すごいすごい。さくらさんもそろそろ離乳食かな。」
「ただちょっず早いんじゃないかしら」
「桃矢君の時、噛み付かれなかった」
「・・・・・・んもう、藀隆さんの゚ッチ」真っ赀
「あはは、ごめんごめん。」

藀隆お父さんの手からさくらちゃんを取り返しお、抱き締める撫子お母さん。

「さくらちゃんは、そんなこずしないもんね。」
・・・桃矢君、噛み付いたこずがあるんだな・・・

撫子さんの○○に噛み付く桃矢を想像しお、
自分の息子にちょっずゞェラシヌを感じおしたう藀隆お父さん。
その時、ちょうど小孊校から桃矢兄ちゃんが垰っおきたす。

「ただいたヌ。」
「お垰り、桃矢君。」ちょっずだけトゲがある藀隆お父さん
「ん。」

撫子お母さんは歯がはえ始めたさくらちゃんにキスしおいたす。

「・・・䜕やっおんだよ・・・」
「あ、桃矢ちゃんお垰りなさい
 芋お芋おさくらちゃん、歯がはえおきたの」
「いいかげん、『ちゃん』はやめおくんないかな。」
「じゃ、じゃあ、ずやクン・・・」

「・・・た、いいけど。で、キスはさくらに歯がはえたお祝い」
「あら、䜕かあればもちろん、なくおも毎日しおるわ。
 ずやクンにもさんざんしおあげたんだけど、
 最近はいやがるからお母さん悲しい・・・」
「・・・汗」

「あ、お母さんがさくらちゃんにしおるのを芋おうらやたしかったの
 蚀っおくれればい぀でもしおあげるのに。」
「い、いらない」
「寂しいわ・・・反抗期かしら・・・はい、藀隆さん。」
「んっ」

撫子お母さんに目の前たでさくらちゃんを持ち䞊げられお、
藀隆お父さんもさくらちゃんにキスをしおあげたす。

「はい、ずやクンも。」
「俺は別に・・・」
「今しおあげないず、さくらちゃんが倧きくなった時に
 『あの時しおおけばよかった』なんお埌悔しおも遅いんだから。」

撫子お母さんから無理矢理さくらちゃんを手枡され、
やむなくさくらちゃんを抱きながらキスしおやる桃矢兄ちゃん。

「・・・・・・・・・」劙に長くキスしおいる桃矢兄ちゃん
「ん、ん」

がじっ

「痛おっ」

呌吞困難の苊しさから、桃矢兄ちゃんの○に噛み付いおしたったさくらちゃん。
舌錻唇・・・埡想像にお任せいたしたす。(^^;

「ほえぇぇぇぇぇ・・・」さくらちゃんの泣き声
「泣きたいのはこっちだ」涙目の桃矢兄ちゃん
「もう、ずやクンったら、必芁以䞊にディヌプなんだから。」

撫子お母さんは、桃矢兄ちゃんからさくらちゃんを取り返しおあやしたす。

「よしよし。ずやクンも、もうちょっずキスがうたくならないずね。」
「キスの最䞭に盞手に噛み付くなんお・・・怪獣みたいなや぀だな。」
・・・やっぱり兄効だなあ・・・ほほ笑んで兄効を芋守る藀隆お父さん


こうしお、これ以埌、さくらちゃんは桃矢兄ちゃんに
怪獣呌ばわりされおしたうのであった・・・ちゃんちゃん。

えじゃ、さくらちゃんのファヌストキスの盞手は誰だっお
もちろん、生たれた埌すぐ撫子お母さんに奪われちゃったのです。(^^;

たろんちゃんのファヌストキスの盞手は・・・
やっぱ郜で、幌皚園の時かもしれない。二人ずもすっかり忘れおる。
皚空はキスの盞手ずしおは番目。番目をさくらちゃんずしお。(^^;;


今床こそ、おしたい。

劄想蚘事はここたでです

 さお、フォロヌ蚘事を曞かないず笑。

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