政治がどう動くべきかを知るためには国家の経済状況が今どうなってい
るかを知るのが最も手っ取り早い、と言われることがよくある。同様の
意味で、ではその経済状況を知り個々の問題をどのように舵取りすべき
かを知るのに手っ取り早い方法は何か?
ぼくは<本質的意味>ではないにせよ「株価動向を含む株式市場の動向」
を知るのもその一つだと思う。一国の国内状況、国外状況等全てが要因
となって一こま一こまのその時点に於ける株価形成に寄与する。また、
全体としての市場動向を知るだけでなく、個別銘柄の株価動向を知るこ
とは世界に向けて取るべき「日本の役割」をも時として示してくれる場
合が有る。
そうだとすると、少なくともこれは時の政治の指針を知る<技術的意味>
に於ける羅針盤にもなぞらえる事ができるのではないだろうか。特に日
本のように、対外貿易を無視できず完全にそれに負っているような国家
にあってはこのことは一層当て嵌まるように思う。
ところで、国内市場を見ると、出来高では東証が群を抜いている。大証
や名証福証幌証などを合わせても2分の1にも満たない。ではこの「出
来高」に最も影響を与え従って株価にも影響を与える「勢力」は何か。
それは外国人の買いと売りの圧力である。勿論現在国内要因として企業
の代行返上の「売り」や、企業の持ち合い解消の「売り」が出ている。
にもかかわらずここ一週間は再び急激に日本の株価が上昇した理由は今
回もこの外国人の日本株の買い越が国内要因の「売り」を吸収して尚且
つ押し上げに働いたからである。
ではなぜ、今、外国人は日本株を買うのであろうか?安いから?なるほ
どそれも理由にはなっているであろう。しかし、低値安定するであろう
と予測する向きにはこの買いの姿勢は期待できないはずで、安いことだ
けからこれを理解することは出来ない。四半期GDPが0.6パーセント
上昇したから?しかし、外国人の日本株買いはその発表前から起きてい
ることであった。勿論理由は単純ではないであろう。本当の理由は一体
どこに有るのであろうか?日本国内は勿論、世界の経済がデフレ懸念の
ある中で何故日本株が買い越しになるのか?日本経済の癌である不良債
権処理問題が大きく横たわっているにも拘らず。
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KENTAROU