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[ f_*X, f_* Y ] = f_* [X,Y]?

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柳楽盛男

未読、
2004/02/16 10:00:192004/02/16
To:
リー群Gの左不変なベクトル場X全体L(G)がリ-環になるところに
ついて教えてください。

[ f_*X, f_* Y ] = f_* [X,Y] ...(1)

が成立すれば X, Y ∈L(G)に対して[X, Y]∈L(G)が成立することは容易なので
(1)を確認したいのですがうまくできません。
まず[X, Y]fでのXfという表記ですが
θ∈D(C^r(M)):C^r(M) -> Rの被作用C^r(a)関数を{}で括ることにして
XをM上のベクトル場、f∈C^r(M)として
(Xf) (x) = X(x) {f}
により定義されるXf:M -> Rの関数でよろしいでしょうか?

fが逆を持つ時
f_* X (x) {g} = X (f^(-1)(x)) {g○f} = X○f^(-1) {g○f}(x)
なので
f_* X {g} = X○f^(-1) {g○f}...(2)
よってgに(1)を作用させると左辺は
[ f_*X, f_* Y ]{g}
= f_*X{ f_* Y {g}}- f_*Y{ f_* X {g}}
= f_*X{ Y○f^(-1) {g○f}}- f_*Y{ X○f^(-1) {g○f}}
= X○f^(-1){ Y○f^(-1)○f {g○f}}-Y○f^(-1){ X○f^(-1)○f {g○f}}
= X○f^(-1){ Y{g○f}}-Y○f^(-1){ X{g○f}}
一方右辺は
f_* [X,Y] {g} = [X,Y]○f^(-1) {g○f}
でうまくいかないように思います。(2)でのX○f^(-1) という表記が変だと思うので
ベクトル場の引き数を明示するとして
X(x){Yg}-Y(x){Xg} ....(3)
は求めることができても
X(x){Y(y){g}}-Y(x){X(y){g}}やX(x){Y(x){g}}-Y(x){X(x){g}}
はY(y){g}やY(x){g}がC^r(M)ではないので意味不明です。
そして(3)では同じことになってしまいます。
L_X Y (x) = lim_(t->0) {(exp-tX)^* Y(x)-Y(x)}/tを用いても同様です。
どうしたらよいでしょう?

柳楽@生物系

Tsukamoto Chiaki

未読、
2004/02/17 3:52:182004/02/17
To:
工繊大の塚本と申します.

可微分多様体 M, N の間の可微分写像 φ: M → N について,
M 上のベクトル場 X と N 上のベクトル場 X' の間に

X'(φ(p)) = f_*(X(p)) (∀p ∈ M)

が成立するとき, φ-related であるといいます.

In article <4030DB0...@d5.dion.ne.jp>


柳楽盛男 <nag...@d5.dion.ne.jp> writes:
> リー群Gの左不変なベクトル場X全体L(G)がリ-環になるところに
> ついて教えてください。
>
> [ f_*X, f_* Y ] = f_* [X,Y] ...(1)
>
> が成立すれば X, Y ∈L(G)に対して[X, Y]∈L(G)が成立することは容易なので
> (1)を確認したいのですがうまくできません。

一般に, X, Y が X', Y' と φ-related であるとき,
[X, Y] は [X', Y'] と φ-related になります.

> まず[X, Y]fでのXfという表記ですが
> θ∈D(C^r(M)):C^r(M) -> Rの被作用C^r(a)関数を{}で括ることにして

これは ?? ですが,

> XをM上のベクトル場、f∈C^r(M)として
> (Xf) (x) = X(x) {f}
> により定義されるXf:M -> Rの関数でよろしいでしょうか?

これは良いようですね.

> fが逆を持つ時

そもそも f が G 上の可微分同相写像とかでなければ, f_* X とは
書けない訳で, 一般論としては φ-related ということで考えておく
のが普通です.

> f_* X (x) {g} = X (f^(-1)(x)) {g○f} = X○f^(-1) {g○f}(x)
> なので

何を "X○f^(-1)" と書くことにしたのでしょうか. 素直に書くと,

((f_* X)g)(x) = (X(f^* g))(f^{-1}(x))

ということですね. (g○f のことを f^* g と書きました.)

> f_* X {g} = X○f^(-1) {g○f}...(2)

素直に書くと

(f_* X)g = (f^{-1})^* (X(f^* g)).

> よってgに(1)を作用させると左辺は
> [ f_*X, f_* Y ]{g}
> = f_*X{ f_* Y {g}}- f_*Y{ f_* X {g}}
> = f_*X{ Y○f^(-1) {g○f}}- f_*Y{ X○f^(-1) {g○f}}
> = X○f^(-1){ Y○f^(-1)○f {g○f}}-Y○f^(-1){ X○f^(-1)○f {g○f}}
> = X○f^(-1){ Y{g○f}}-Y○f^(-1){ X{g○f}}

[f_* X, f_* Y]g
= (f_* X)((f_* Y)g) - (f_* Y)((f_* X)g)
= (f_* X)((f^{-1})^* (Y(f^* g))) - (f_* Y)((f^{-1})^* (X(f^* g)))
= (f^{-1})^* (X(f^* ((f^{-1})^* (Y(f^* g)))))
- (f^{-1})^* (Y(f^* ((f^{-1})^* (X(f^* g)))))
= (f^{-1})^* (X(Y(f^* g))) - (f^{-1})^* (Y(X(f^* g))).

ここで, f^{-1}○f = identity より, f^*((f^{-1})^* h) = h, を
用いています.

> 一方右辺は
> f_* [X,Y] {g} = [X,Y]○f^(-1) {g○f}

(f_* [X, Y])g = (f^{-1})^* ([X, Y](f^* g)).

> でうまくいかないように思います。

素直に書くようにすれば問題ありません.

# 一般の φ-related な vector fields についての証明は演習問題.

> (2)でのX○f^(-1) という表記が変だと思うので

そう思います.
--
塚本千秋@応用数学.高分子学科.繊維学部.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chi...@ipc.kit.ac.jp

柳楽盛男

未読、
2004/02/20 11:46:392004/02/20
To:
柳楽です。塚本様、いつもありがとうございます。
XfはM -> Rの関数ですねと聞いておきながらX(f^* g)が関数であることを
見落として、(f_* X)g = (f^{-1})^* (X(f^* g))に思い到りませんでした。
ようやくリー群の左不変なベクトル場がリー環になることの理解ができた
ように思います。ありがとうございました。

柳楽@生物系

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