土木系公共事業でさらなる物質的な豊かさを供給しようとしても、
それに見合う需要がありませんので、景気は回復しないのです。
公共投資は、需要がありながら私企業が供給しても利益が期待でき
そうにないものを供給する必要があるのです。
現在の日本に決定的に不足しているのは、安心感です。物質的に豊
かな生活を送っていながら、人々は失業などの可能性に怯えて暮ら
しているのです。
小泉内閣は、医療費の個人負担増、社会福祉の実質的な切り下げ、
住民基本台帳ネットワーク、市民権利保護が不明瞭な有事法制案、
ペイオフなどなど、もともと不足している安心感の供給をさらに絞
るような政策ばかり打ち出すので、国民は安心感をできるだけ確保
しようと躍起になり、消費も低迷し、社会に活力をもたらす冒険を
考える人々に数も減っているのです。
誰かに綱渡りをさせたいならば、下に網を張ることが必要です。