角栄の日本列島改造論が派手だったこと、金に糸目をつけない選挙、陣営の子分掌握
が文字通り金の実弾でなされたこと、それだけのどえらい金をまく甲斐性をもってい
たことなど、歴代の吉田学校エリートとは違った土建屋出の強烈さが日本人の関心を
よんでいたのが、角栄研究がセンセーショナルになった下地。
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そんな金力の駆使と利権獲得にばかり角栄の名が使われているが、田中角栄その人
は、政治的解決を考える感性を持っている人物であったと私は思う。
その最大の功績は
「日本には、社会党が必要である」ということを持論としていたこと。ただ選挙で一
人勝ちすればよいと角栄は考えなかった。彼は、その実弾で制御できたとしても、
全面的な自陣の制圧は好ましくない。日本には社会党勢力が不可欠であると看破して
いた点である。
角栄後の自民党は、マスコミ、評論家をフル活用して、ソ連崩壊の前から社会党を崩
壊させる手法をとってきたが、角栄の政治感覚を引き継ぐなら、すくなくとも日本全
体の政治をみわたして社会党の存在を必要という認識を持っていただろうう。昨今の
社民たたきは、まだやるかと思うほど、壊滅を狙っているとしか思えないたたきだ
が、このような生理的解決を角栄はしない。日本の政治は、角栄が失脚して、実は、
変質していった。反対勢力を消失させることに。角栄は反対勢力さえ、日本の進路の
舵取りに利用しようとしていた点で、kentarou君の思考は、角栄の血筋に一部つなが
るものがある。少なくとも、現自民の指導層には、角栄のごとき政治感覚は見られな
い。
100個あれば100個好物を平らげる感覚。この感覚は、政治的解決より生理的解
決を短絡的にとる感覚である。
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いつまでたっても、敵地にのりこんで日の丸をあげること、その資源を、資本投下し
てかすめること、反対する勢力は武力で鎮圧すること、という、脳みそのない肉体派
の思考しかわが国の政治経済人はできないようである。イラクに石油があるからイラ
クの陣取りゲームに参加して彼の地を踏んで銃と日の丸の実績を積んでおくという陣
取り思想。わが国が自由貿易立国でしか生きていけない国であること。この国は戦争
をすれば、自由貿易で蓄えた財をすっからかんに失うこと、資本投下して海外に利潤
率の高い場を設けても維持管理の銃弾が高すぎて、自由貿易で蓄えた財を失ってしま
うこと。現実には海外に資本投下して利潤率を確保したようでも、自由貿易をしてい
ればそんな資本や労働の移動をしてもしなくても、同等の成果をうること。つまり、
逆に無駄な投資を、海外にばら撒くだけの結果に終わること。以上の国際経済の原理
をわが国の生理的政治家経済人は一片の認識さえない。
社会党の非武装中立論にばかり砲火を浴びせて撃沈させたが、非武装中立だろうが、
一武器所有中立だろうが、社会主義だろうが、昭和平和主義だろうが、そんなことは
どうでもよい。要は、角栄のように妥協できる資質をもつ【正】反対勢力を使って
内部のガス抜きと、対海外の、反対勢力存在ゆえの、米国からの無理難題には希
望にそえないことを申し出る口実に使うこと。自由貿易立国のわが国が、憲法9条
の有効利用を放棄することは社会党撲滅の愚行に、追い討ちを掛ける愚行なんだが、
視野狭窄の政治経済人にも学者にも、そこが見えないでいる。サンプロの田原なん
か、マスコミ側のその典型だよね。
彼のいう通りに竹中送り込んでは失敗し「海外派兵をしないが派兵のポーズをとる」
ようにしては、「派兵しない」が現実にはすっ飛び、ああいう、口舌の徒は、視聴率
しか考えてないから、つねに、【生理的解決】ばかり口にする。田原には政治的解決
なんかないよ。テレビにだまされてはいけない。
みろ、自民の政策に反対でも、生理的解決しか知らない国民は反対投票する投票箱が
ないんだ。野党第一党はこの間まで自民で活躍していた人が指導。似た政治感覚で生
理的解決の域を出てない。社民は壊滅、ナンミョウホウレンゲッキョウはルビコン川
を渡って向こう岸に行き(彼岸に行くのが夢だからしようがないか)、わが国国民
は、共産党に入れるか、棄権するか、棄権して飯でも食いに行くかとなっている。テ
ンポラリーに政治の流れを阻止するには、棄権より共産党を使うほうがはるかに有効
なのに、なにぶん生理的解決しか出来ない国民は、マルキシズム、ソ連、強制収容
所、北朝鮮、人さらい、金ジョンイル、怖い、の連鎖反応ばかりで棄権するものがお
お
いのだろう。これが、低レベル教育の国家なら、だめなら反対する政党に船が傾くよ
うにドドドーーーと、共産党だろうがなんだろうが投票するのに、我が国民は、棄権
してしまう。もっとも、低レベル国家ならクーデターの乱発か。
角栄の政治的思考は、もはや現自民の生理的思考に覆い尽くされ、反対勢力なるもの
は表舞台から融けてしまったようだ。辻本の問題など、巨悪の犯罪から見れば蚤のよ
うなものなのに、なぜか、女王蚤の土井まで殺虫剤をまかれている。こんな小政党に
成り下がった社会党をさらに抹殺する感覚は、もはや、いかなる反対勢力も日本には
不要であるということなのか。田中角栄の政治的思考がしのばれる。
民主党は小沢を迎え入れたが、海外への資本投下による利潤率ねらいは、自由貿易確
保の大原則の上ではなんら意味のない愚行であることを認識した上で、日本の安全保
障を考える常識を身につけていただきたい。わが国はこの狭い国土で、たかだか1億
2500万人の人口で、資源もなく、国内需要のみで生きていける国ではないこと。
見えない財という、サービス業は、いくらでも発展させることは出来ること。加工貿
易のみが、わが国の財をうむ鶏ではないこと。工業の競争力低下は、労賃の輸入(海
外移転)で解消する必要はないこと(海外移転しても時間の問題。ジプシー企業にな
るだけ。永久ジプシー企業などなりえない。やがて水没)。生産関数向上は、労賃の
輸入に走らずに実現することが出来る。需要関数は、自由貿易での輸出無しではわが
国はありえないこと。生産の逓増は、補助曲線の追加で実現可能。
最大の眼目は、不要な戦争は一切しないで、99%平和工作こそが生きる道であるこ
とをキモに命じるべし。あの手この手で、米国の無理難題はすり抜けること。間違っ
ても生理的解決をしない。北のような国家がいる限り、国土防衛は、厳しく対応する
ことは言うまでもない。不審船撃沈でも、オーストラリアのように麻薬船に軍の投入
による拿捕も当たり前。硬軟を、生理的思考でなく政治的手法で使い分けて当然。
(日本はオーストラリア軍が拿捕したあの麻薬船をすんなり出国させている。)
イラク派兵などという生理的反応を看板にせず、このような国土防衛の機能を正常に
まず機能させることが政治的思考というものです。次期内閣に求む。
純ちゃん、さようなら。