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不惑

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Nachi Yumesawa

未読、
2003/07/09 5:53:452003/07/09
To:

 子供の頃は、40歳にもなれば“完全な大人”になると
思っていた。いや、実際にその通りなのだ。ただ、自分が
そうならなかっただけで。

 誕生日の前日である昨日、親友から「父が死んだ」と
いう電話があり、家に帰ると彼から誕生日を祝う MD が
届いていた。

 せめて仮通夜だけでもと、車とフェリーで1時間半ほど
かけて、夜中にかけつけた。

 親友が大学生の頃に Diabetic であることが判明。その
後は合併症で腎不全になり透析を受けたり、胃ガン手術を
受けたりしながらも頑張ってきたが、ついに力尽きたのだ。
遺影こそ最後に会った数年前のままだったが、最後は体重が
37kg だったという死に顔は、別人のようだった。

 故人の傍らの座布団の上で、生まれたばかりの赤ちゃんが
眠っていた。親友にとって2人目の子供であり、故人に
とって4人目の孫である。「もう71歳だったし、孫娘の誕生を
見届けることが出来たんだから、幸せだったと思う」と彼は
静かに言った。

 父親の声で、赤ん坊が目を覚ました。彼女を抱っこした
親友と、かつては彼の部屋で昨日まで父親が使っていた
部屋に行き、わずかの時間だが若い頃の話をした。

 40分ほどで、慌ただしく鹿児島に戻る。帰りのフェリー
では、デッキから遠くに揺れる夜景をぼんやりと眺めながら、
昔のこととこれからのことを考えていた。

 本人の心構えがどうであろうと、時は確実に過ぎていく。
ならば、出来るだけのことをするだけだ。


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 すべては無の見ている夢 ならば良い夢を 酔生無詩
         ▲ Nachi Yumesawa --夢沢那智--
  -▲猫-  φ(^^;)   yume...@mac.com
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Cosmos/9202/
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