"M_SHIRAISHI" <eu...@apionet.or.jp> wrote in message news:3F06DCD0...@apionet.or.jp...
> とまれ、物理量ではないものが物理空間を伝播するなどということ
> は在り得ない筈である。
つまり、「確率密度なるものは時空を伝播しない」ということでしょうか?
In article <3F06DCD0...@apionet.or.jp>, M_SHIRAISHI <eu...@apionet.or.jp> writes
> よく考えてみると、確かに、「確率(密度)が時空間を波動となって
> 伝播する」というのは≪おかしな話≫である。
> 確率(密度)は、決して、〔物理量〕ではないからである。
もちろん、波動関数は物理量ではありません。
でも、白石さん、量子力学勉強したことないでしょ?
この文章だけでも、
波動関数は確率波ではない ( <Φ|Φ> が確率になる物理状態 )
古典量子力学では物理量は波動関数に対する決まった性質を持った演算子
波動関数を使わない量子力学の表現もある
あたりを理解してないようなので...
古典的なフォンノイマンの「量子力学の数学的基礎」なんかは、白
石さんの好みじゃないかな。そっちを読んでから議論した方が良い
と思う。ファインマンの量子力学もお勧め。その方が面白いので。
もっとも、
> しかし、“配置空間”なるものは、実在の時空間ではないのである
> から、その中を伝播する波動は実在の物理的波動ではありえない。
ってのは、当の物理学者でも嫌いな人は多いらしくって、
場の量子論では、切角、
観測される不連続な状態と、その間の確率的因果関係を規定する時間推進演算子
という立場を捨てて、
最初に時空間ありきで、その点における粒子の連続的な存在確率を規定する状態
としての波動関数
に戻ってしまうんです。哲学的には、つまらない方に戻った感じが
しますね。
ま、その方がわかりやすいんでしょうけど。ちなみに場の量子論は
ハヤカワの教科書を勧める人が多かったですね。
昔、いろいろ議論したなぁ。
物理的実体は連続か不連続か
量子状態はジャンプするのか
とか...
量子力学は、まだ解けてない基本的な部分が結構あるので、「とん
でも」の人にも面白い分野だと思うんですけどね。
例えば、
スピンの起源の説明
次元の制約 ( 4次元とか 1,1,1,-1 の計量 ) の起源
赤外発散
スピン2の理論の現実的な計算手法
人間の意識と観測理論の関係
あたり?
相対論みたいな整合性が自明な「幾何学的なモデルを持つ理論」の
不整合を示すみたいな無駄な努力より、よっぽど面白いと思うんだ
けど。彼らの議論は「ユークリッド幾何学の矛盾を見付けた」とか
に近いんだよな...
---
Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus,
PRESTO, Japan Science and Technology Corporation
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科,
科学技術振興事業団さきがけ研究21(機能と構成)
> 河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
>
> In article <3F06DCD0...@apionet.or.jp>, M_SHIRAISHI <eu...@apionet.or.jp> writes
> > よく考えてみると、確かに、「確率(密度)が時空間を波動となって
> > 伝播する」というのは≪おかしな話≫である。
> > 確率(密度)は、決して、〔物理量〕ではないからである。
>
> もちろん、波動関数は物理量ではありません。
>
> でも、白石さん、量子力学勉強したことないでしょ?
初めに読んだ --- と言うよりも、読破しようと試みた ヽ(^。^)ノ ---
のは、かの有名な Paul.A.M.Dirac の"The Principles of Quantum
Mechanics"(Oxford Univ.press)でした。 さっぱり、ワカリマセン
でした。 ヽ(^。^)ノ
幸い、Diracから直接的に教わったという J.M.Cassels という人の
書いた“Basic Quantum Mechanics”(The MacMillan Press)と
いう、Dirac の本の論理的枠組みを平易に解説した本に出会い、
「分かったつもり」になりました。
次に、Albert Messiah の“Quantum Mechanics”と、小出昭一郎
(著)『量子力学 I,II 』 と、朝永振一郎(著)『量子力学 I,II 』 と
を併読しました。
> フォンノイマンの「量子力学の数学的基礎」
> ファインマンの量子力学
両方とも原書を購入しましたが、どちらも、全然、私の好みには
合いませんでした。 (゜д゜)
> 場の量子論
S. Weinberg の“The Quantum Theory of Fields I,II,III”
(Cambridge Univ.Pess)を、先日、注文したので、届いたら
(そして、暇ができたら)読んでみるつもりです。 ヽ(^。^)ノ
GON wrote:
確率密度なんてなものは、断じて、物理量ではありえないのに、
そんなものが時空を伝播するってのは、どう考えても「オカシな
話」だと、私には思えるんだけど、どうですか?
「確率密度が時空を伝播していると考えると実験結果とよく一致
するからである」というのは、この場合、解答たりえません。
なぜならば、「物理量でもないものが、どうして時空を伝播しえる
のか?」ってのが問題提起だからです。
In article <3F083FDF...@apionet.or.jp>, M_SHIRAISHI <eu...@apionet.or.jp> writes
> 次に、Albert Messiah の“Quantum Mechanics”と、小出昭一郎
> (著)『量子力学 I,II 』 と、朝永振一郎(著)『量子力学 I,II 』 と
> を併読しました。
そのあたりの本は、物理より歴史より過ぎだと思います。波動関数
っていったいなんなんだみたいな疑問には向かない本ですね。
こういったら怒られるかも知れないけど、この三人は、割と「波動
関数が物理的実在である」という立場なんじゃないかな... という
か、確率解釈自体を天下りに受け入れられる人向けっつうか、とに
かく、水素原子のスペクトルを計算できれば良い人向けって言うか。
でも、そういうのが物理学者なんだよな。
僕も朝永振一郎から読んじゃったんですが、回り道だったと、ちょ
っと後悔してます。
> 初めに読んだ --- と言うよりも、読破しようと試みた ヽ(^。^)ノ ---
> のは、かの有名な Paul.A.M.Dirac の"The Principles of Quantum
> Mechanics"(Oxford Univ.press)でした。 さっぱり、ワカリマセン
> でした。 ヽ(^。^)ノ
僕は、Dirac の方がわかりやすかったです。この、まったくの古典
物理とか歴史を無視した書き方がよろしい。記法もすぐれものだし。
> 幸い、Diracから直接的に教わったという J.M.Cassels という人の
> 書いた“Basic Quantum Mechanics”(The MacMillan Press)と
> いう、Dirac の本の論理的枠組みを平易に解説した本に出会い、
> 「分かったつもり」になりました。
こっちは知らない本だな。
> > フォンノイマンの「量子力学の数学的基礎」
> > ファインマンの量子力学
> 両方とも原書を購入しましたが、どちらも、全然、私の好みには
> 合いませんでした。 (゜д゜)
あら、残念。
> > 場の量子論
> S. Weinberg の“The Quantum Theory of Fields I,II,III”
> (Cambridge Univ.Pess)を、先日、注文したので、届いたら
> (そして、暇ができたら)読んでみるつもりです。 ヽ(^。^)ノ
がんばっちょくれ。
僕は、確率のおおもとは、量子力学だと思ってます。当り前な気も
するけど。なので、量子力学を離れた確率論って、ちょっと虚しい。
一方で、確率論抜きの量子力学ってのも存在しないわけだけどね。
それ言ったらFokker-Planck方程式を否定することになるね。(w
> 「確率密度が時空を伝播していると考えると実験結果とよく一致
> するからである」というのは、この場合、解答たりえません。
> なぜならば、「物理量でもないものが、どうして時空を伝播しえる
> のか?」ってのが問題提起だからです。
量子力学をよ~くよ~く勉強してください。
物理量の時間発展を記述する描像(Heisenberg形式)もありますし、
逆に物理量はそのままで状態が時間発展するという描像(シュレーディンガー形式)
もあります。
量子力学的にはどちらも等価です。
GON wrote:
> 物理量の時間発展を記述する描像(Heisenberg形式)もありますし、
> 逆に物理量はそのままで状態が時間発展するという描像(シュレーディンガー形式)
> もあります。
>
> 量子力学的にはどちらも等価です。
そんなことは、百も承知だ。
Dirac は言っている:- “結局は 「Einstein のほうが正しかった」ということ
になるのかも知れない”
In article <3988535...@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp>, ko...@ie.u-ryukyu.ac.jp says...
>こういったら怒られるかも知れないけど、この三人は、割と「波動
うん、怒る(^o^;
>関数が物理的実在である」という立場なんじゃないかな... という
>か、確率解釈自体を天下りに受け入れられる人向けっつうか、とに
>かく、水素原子のスペクトルを計算できれば良い人向けって言うか。
>でも、そういうのが物理学者なんだよな。
教科書としては、歴史的経緯もあって水素原子のエネルギー準位なんかにウエート
を置くのはある程度仕方ないんじゃないかな?そこだけ見て
「そういうのが物理学者」てのはあまりに一面的と思います。
朝永さんは、たとえばニュートンの力と質量の循環論法に独自の解釈を試みて
みたり、かなり深いところで思索された方だと思います。その一方で人形町の
末広に足繁く通っておられたとか、そんな柔軟性が後に小柴先生にも受け継がれ
たんだろう。
>僕は、Dirac の方がわかりやすかったです。この、まったくの古典
>物理とか歴史を無視した書き方がよろしい。記法もすぐれものだし。
というわけで、私は正反対の立場かな?
ディラックはとっつきにくかった。
>僕は、確率のおおもとは、量子力学だと思ってます。当り前な気も
>するけど。なので、量子力学を離れた確率論って、ちょっと虚しい。
>一方で、確率論抜きの量子力学ってのも存在しないわけだけどね。
私は、人間にとって量子の世界は確率的にしか理解できないだけなんじゃないか、
と思ってますけどねえ。
# アインシュタイン的素朴実在論、て言われそうな気もするけど・・
--
石原 幸男
<Yukio Ishihara of theR.A.N.S.>
ishi...@y.email.ne.jp
http://www.nn.iij4u.or.jp/~therans/
ko...@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO) writes:
> 河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
> 僕も朝永振一郎から読んじゃったんですが、回り道だったと、ちょ
> っと後悔してます。
朝永振一郎は、量子力学の発展史に関しては、一番詳しいのではないかな?
テキストとして読むには回り道でしょうが、当時の物理学者がどういう紆余曲
折をたどって量子力学を建設したか追験するには好著では?
> > 初めに読んだ --- と言うよりも、読破しようと試みた ヽ(^。^)ノ ---
> > のは、かの有名な Paul.A.M.Dirac の"The Principles of Quantum
> > Mechanics"(Oxford Univ.press)でした。 さっぱり、ワカリマセン
> > でした。 ヽ(^。^)ノ
>
> 僕は、Dirac の方がわかりやすかったです。この、まったくの古典
> 物理とか歴史を無視した書き方がよろしい。記法もすぐれものだし。
そうかなー。
交換関係とポアソン括弧の対応というのは解析力学を深く理解したから書けた
のでは?
ハイゼンベルクは交換関係見出した時に行列を知らなかったというが、ポアソ
ン括弧との類推意識していたのだろうか?
歴史からいえば、場の量子論までの発展睨むと行列力学形式、もしくは演算子
の記法の方がシュレディンガー形式より素直なんですよね。
# 他ならぬ Dirac の貢献大きいですが。
朝永とは別の意味で歴史的バックグランドを意識して書かれたテキストでは?
--
===============================================
Kiyohide NOMURA
Department of Physics,
Kyushu University,
812-8581 Fukuoka
JAPAN
e-mail:kno...@stat.phys.kyushu-u.ac.jp
http://maya.phys.kyushu-u.ac.jp/
TEL,FAX:+81-92-642-2566
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In article <5fy8z9e...@maya.phys.kyushu-u.ac.jp>, Kiyohide Nomura <kno...@maya.phys.kyushu-u.ac.jp> writes
> 朝永振一郎は、量子力学の発展史に関しては、一番詳しいのではないかな?
> テキストとして読むには回り道でしょうが、当時の物理学者がどういう紆余曲
> 折をたどって量子力学を建設したか追験するには好著では?
そういう意味で好著ってのは、そうですね。なんだけど、プランク
の揺らぎの計算に延々つき合わされるのはなぁ...
> > 僕は、Dirac の方がわかりやすかったです。この、まったくの古典
> > 物理とか歴史を無視した書き方がよろしい。記法もすぐれものだし。
> そうかなー。
> 交換関係とポアソン括弧の対応というのは解析力学を深く理解したから書けた
> のでは?
そうね。解析力学を勉強してから読んだからDirecをわかりやすく
感じたのかも知れない。
> 歴史からいえば、場の量子論までの発展睨むと行列力学形式、もしくは演算子
> の記法の方がシュレディンガー形式より素直なんですよね。
ですね。
> # 他ならぬ Dirac の貢献大きいですが。
> 朝永とは別の意味で歴史的バックグランドを意識して書かれたテキストでは?
つうか.... 歴史を作った本といった方がいいんじゃないかな。
このDirac の本を読んでファインマンが経路積分を思い付く
あたり...