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Mail による根回しという愚行

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頼光

未読、
2003/10/31 4:26:002003/10/31
To:
In article <bnqdnp$kbg$1...@zzr.yamada.gr.jp>, Koichiro wrote:
>以上には特に異議なしですが、だからといって
>>  ということで、以下、tom 氏が私に突然に送付してきたメー
>> ルを示し、個々に批判を加えます。
>はまずいんじゃないでしょうか。
>私信を差出人の承諾なく不特定多数が読める場に転載することは
>プライバシー権および公表権の侵害で訴えられうる行為だからです。

 「うる」かも知れませんが、それによって私が咎を受ける
可能性は、限りなくゼロに近いでしょう。

>実際、
>http://www.translan.com/jucc/precedent-1996-04-26.html
>のように、損害賠償を求める判決が出た裁判事例もあります。
># 「親告罪だから、本名を明かしてない奴に訴えようがあるまい」
># →「だからハンドルの奴から来た私信は許可なく公開する」
># というのは親告罪を悪用する行為だと思います。

 親告罪だからどうこうというカテゴリでの話ではありません。
 今の事例との対応関係を検討すると、下記のようになります
ので、当てはまらないと言えます。

 まず、この判例で言う「(一)プライバシーないし人格権の
侵害」の要件で、今の事例で問題にできそうなものは無いと言
えるでしょう。具体的には、下記のようになります。

 (a) 突然に送付されたメールですから、「関係」云々を論じ
  る話ではありません。
 (b) ここは、表面的には適合します。が、(2) にある「公開
  されないことを前提に」という前提が成り立たない私信で
  すので、(b) を期待する方がそもそも間違っています。
 (c) ここも、「名誉を棄損」の部分が表面的には適合します。
  が、同様の行為を本人が既に NetNews 上で複数回繰り返
  しているという背景がありますから、その「名誉を毀損」
  は公知のことです。従って、重要な用件として扱うことは
  できません。
 (d) ここも(c)同様です。明らかにするものではありますが、
  それは既に NetNews 上で公知の事項です。
 (e) 「抜きにして」が成立しませんから、今の事例には当て
  はまりません。
 (f) タイムラグがほとんどありませんから、考えが変わると
  いうことは考えにくく、適合するとは言えません。

 なお、(3) にある「同意しておらず」は今の事例も同様です
が、そもそも「突然に送付されたメール」ですから、そんな同
意云々を言う関係を考慮する土台が、そもそも存在しません。

 続いて、「(二)著作権の侵害」に関して言えば、(一)の
話が成立しない以上、NetNews の記事の引用と代わりません。
慣習として記事の引用が認められているのですから、侵害に当
たることもありません。

 最後の「(三)名誉毀損」ですが、そんなものを主張できる
立場に、tom 氏が無いことは、明らかでしょう。そのことは、
既に <bnoj81$qt2$2...@bgsv5648.tk.mesh.ad.jp> においても紹
介した通りです。

 以上です。

 まあ、私の事実誤認や解釈の誤りという可能性はありますが、
現状このように具体例に対しても問題無いと言えますから、
「まずい」という判断にはなりません。

>わたしなら、無視・放置するか
>「あなたご自身でNetNewsに投稿してください」とだけ返信するか、かな?
>もしくは
>「私宛のメールは事前連絡なくNetNews記事に転載される場合があります」
>みたいな文言を署名に書いとくのも一案。

 私の場合、問題無いと判断した上で公開するようにしますし、
今のケースもその原則通りです。

--
頼光 mailto:rai...@mug.biglobe.ne.jp
関心・専門分野:
 宗教学、歴史学、社会学、情報工学

SASAKI Masato

未読、
2003/10/31 7:28:102003/10/31
To:
佐々木将人@函館 です。

「ネットニュースで見知ったにすぎない人からもらったメールの公開」
については以前にも話題になり
その解説をfj.soc.lawに投げたこともあります。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/4496/project2/rr/1005.htm
でも読めます。

今回の例もこれにあてはめればおのずと答は出るでしょう。

>From:頼光 <rai...@mug.biglobe.ne.jp>
>Date:2003/10/31 18:26:00 JST
>Message-ID:<bnt9r6$t7k$1...@bgsv5648.tk.mesh.ad.jp>
>
>>私信を差出人の承諾なく不特定多数が読める場に転載することは
>>プライバシー権および公表権の侵害で訴えられうる行為だからです。
>
>  「うる」かも知れませんが、それによって私が咎を受ける
>可能性は、限りなくゼロに近いでしょう。

という判断はおおむね妥当であるように思います。

>>実際、
>>http://www.translan.com/jucc/precedent-1996-04-26.html
>>のように、損害賠償を求める判決が出た裁判事例もあります。

これが私が上の投稿で言っている
「平成8年4月26日高松高裁判決
(判例タイムズ926号p207)」
ってやつです。

そして同判決の基準を採用する限り

> 続いて、「(二)著作権の侵害」に関して言えば、(一)の
>話が成立しない以上、NetNews の記事の引用と代わりません。
>慣習として記事の引用が認められているのですから、侵害に当
>たることもありません。

そもそも著作物とは認められないのではないでしょうか?

ちなみに

>>わたしなら、無視・放置するか
>>「あなたご自身でNetNewsに投稿してください」とだけ返信するか、かな?
>>もしくは
>>「私宛のメールは事前連絡なくNetNews記事に転載される場合があります」
>>みたいな文言を署名に書いとくのも一案。

書かなくとも違法かどうかの判断が変わる訳ではないでしょう。

----------------------------------------------------------------------
Talk lisp at Tea room Lisp.gc .
c...@nn.iij4u.or.jp 佐々木将人
(This address is for NetNews.)
----------------------------------------------------------------------
ルフィミア「兄さん、秋休み、終わっちゃったね?」
まさと  「それ青いブレザーでキュンキュンさせながら言わないと……。」

Koichiro

未読、
2003/11/02 2:58:272003/11/02
To:
頼光 <rai...@mug.biglobe.ne.jp> wrote:
>  「うる」かも知れませんが、それによって私が咎を受ける
> 可能性は、限りなくゼロに近いでしょう。

公共の場へ私信を無断転載する行為そのものに対して、
「公表権の侵害」でなんらかの咎を受ける可能性があります。
相手が誰であろうと。

さらに内容や状況によっては(今回は該当しないようですが)
プライバシー権の侵害にもなるケースがあります。
# このへんは佐々木氏の投稿で認識を改めた部分です。

>  (a) 突然に送付されたメールですから、「関係」云々を論じ
>   る話ではありません。

それは問題にしていません。

>  (b) ここは、表面的には適合します。が、(2) にある「公開
>   されないことを前提に」という前提が成り立たない私信で
>   すので、(b) を期待する方がそもそも間違っています。

では、なぜ <bnol5k$k6i$1...@mail.wbs.ne.jp> に
| 私が頼光氏に対して送ったメールの転載・引用に関して、
| 私は頼光氏に対して一切認めておりません。
と記されているのでしょう?
わたしが問題視しているのは、この1点だけです。

そもそも、私信は公開されないのがデフォルトの媒体です。
「公開されないことを前提に」が成り立たない私信というのは、
公開されることを前提に書かれたものに限られます。
たとえば、読者・視聴者参加企画への投書とか、
ネットニュースを読めるけど投稿できない場合の代理投稿依頼とか。

>  (c) ここも、「名誉を棄損」の部分が表面的には適合します。
>   が、同様の行為を本人が既に NetNews 上で複数回繰り返
>   しているという背景がありますから、その「名誉を毀損」
>   は公知のことです。従って、重要な用件として扱うことは
>   できません。
>  (d) ここも(c)同様です。明らかにするものではありますが、
>   それは既に NetNews 上で公知の事項です。
>  (e) 「抜きにして」が成立しませんから、今の事例には当て
>   はまりません。
>  (f) タイムラグがほとんどありませんから、考えが変わると
>   いうことは考えにくく、適合するとは言えません。

それは問題にしていません。
今回の件では直接関係ないためと、
紹介した判例では賠償事由の対象外になっているためです。

>  続いて、「(二)著作権の侵害」に関して言えば、(一)の
> 話が成立しない以上、NetNews の記事の引用と代わりません。

私信というクローズドな媒体と
NetNewsの記事という不特定多数に公開された媒体を
一緒にしている時点でおかしいです。
それに前述の通り「(一)の話が成立しない」が成立していません。

>  私の場合、問題無いと判断した上で公開するようにしますし、
> 今のケースもその原則通りです。

その判断が誤ってるんじゃないかと疑義を呈したわけですが。

Koichiro

未読、
2003/11/02 2:58:282003/11/02
To:
c...@nn.iij4u.or.jp (SASAKI Masato) wrote:
> 「ネットニュースで見知ったにすぎない人からもらったメールの公開」
> については以前にも話題になり
> その解説をfj.soc.lawに投げたこともあります。
> http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/4496/project2/rr/1005.htm
> でも読めます。
>
> 今回の例もこれにあてはめればおのずと答は出るでしょう。

なるほど、プライバシー権については了解しました。

ただ、公表権という観点からすると納得しかねます。
別記事の繰り返しになりますが、私信とは非公開がデフォルトです。
それは件の判決で「一般論」として記されている通り。

私信とプライバシーにまつわる歴史的経緯があるにせよ、
| ・公開されるような相手だと判断したらそもそも出さない。
| ・公開されて困るようなことは書かない
| などの防御策がいくらでも可能なのに
という判断が付くような状況にない場合は
一般論をあてはめて考えるのが普通でしょう。

# 筒井康隆の日記集に「日々不穏」という
# 書簡の無断引用を売りのひとつにしたものがありますが、
# あれは筒井氏のパブリックイメージもあって許されたことで
# 誰かが訴えていたらどうなったろうかと思います。

> そもそも著作物とは認められないのではないでしょうか?

言語の著作物にあたるのではないでしょうか?
書き手の思想、感情をオリジナルに表現したものですから。

> >>わたしなら、無視・放置するか
> >>「あなたご自身でNetNewsに投稿してください」とだけ返信するか、かな?
> >>もしくは
> >>「私宛のメールは事前連絡なくNetNews記事に転載される場合があります」
> >>みたいな文言を署名に書いとくのも一案。
>
> 書かなくとも違法かどうかの判断が変わる訳ではないでしょう。

そりゃ違法かどうかの判断にゃ無関係でしょうね。
無断引用に伴うトラブルの回避策として挙げている案ですから。

頼光

未読、
2003/11/03 7:05:072003/11/03
To:
In article <20031031...@nn.iij4u.or.jp>, SASAKI Masato wrote:
>そして同判決の基準を採用する限り
>
>> 続いて、「(二)著作権の侵害」に関して言えば、(一)の
>>話が成立しない以上、NetNews の記事の引用と代わりません。
>>慣習として記事の引用が認められているのですから、侵害に当
>>たることもありません。
>
>そもそも著作物とは認められないのではないでしょうか?

 私もそう思いますが、上記の論法なら、著作物と認める認めな
いの議論に影響されないと考えました。

>>>わたしなら、無視・放置するか
>>>「あなたご自身でNetNewsに投稿してください」とだけ返信するか、かな?
>>>もしくは
>>>「私宛のメールは事前連絡なくNetNews記事に転載される場合があります」
>>>みたいな文言を署名に書いとくのも一案。
>
>書かなくとも違法かどうかの判断が変わる訳ではないでしょう。

 同感です。

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