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婚姻の自由と民法の制約規定の関 係

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Yasuyuki Nagashima

未読、
2003/06/20 9:57:362003/06/20
To:
長島です。
なんていうか、法律クイズ的にふと気になったもので、投稿します。

以前、民法733条を合憲とする判例
(平成7年12月5日最高裁判決)の紹介がありましたが…

これ以外に民法731条、732条、734~736条にある、婚姻に関する制限規定、
民法739条2項で、届出には二人以上の証人を要している点、これらは
解釈次第では憲法24条違反を問われかねないものに思われるのですが、
どのように憲法との整合が考えられているのでしょう?

手元の著書で調べてみようと思ったのですが…
芦部先生の概説書では、なぜだか24条のことは全く触れられていない…
(私が読み落としているだけだったらスミマセンします)

いちおう「婚姻の自由」に関する規定とされているやに聞いていますので
(法律学小辞典もその線での説明)
自由権の一種としてとらえられているのだと思いますが、
自由権の場合、それが他者の人権を脅かすような場合には
一定の制約も合理的といえると思いますが、
(表現の自由の問題なんかではよく議論されるところ)
731条~736条や739条2項なんかは、誰か他人に迷惑かけるかぁ?
迷惑かけないんだったら、合理的な制約とはいえないんじゃないか?
って気がしなくもないのです。

どうなんでしょう?

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Yasuyuki Nagashima
yas...@horae.dti.ne.jp
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SASAKI Masato

未読、
2003/06/21 7:33:572003/06/21
To:
佐々木将人@函館 です。

私も資料を持っている訳ではないんだけど……。

>From:Yasuyuki Nagashima <yas...@horae.dti.ne.jp>
>Date:2003/06/20 22:57:36 JST
>Message-ID:<bcv3qi$rn9$1...@newsl.dti.ne.jp>
>
>民法739条2項で、届出には二人以上の証人を要している点、これらは
>解釈次第では憲法24条違反を問われかねないものに思われるのですが、
>どのように憲法との整合が考えられているのでしょう?

これはもともと
「憲法では両性の合意のみで成立すると定める」
だけど
「民法では法律上の手続をとらないと婚姻と認めない」
となっていて
「合意はあるけど法律上の手続をとってない関係は
 婚姻になるのかならないのか」
という齟齬の問題ですよね?

で、これについては2つの点を考える必要があります。
1つは憲法24条の意味なんですが
これは民法でいう
「(契約成立における)意思主義」を採用したという趣旨ではなく
戦前の制度において婚姻に対し他者の承諾を当然に要求していた
(家長の承諾が必要だったでしょ。)
ことを否定する意味で「両性の合意のみ」と言っているにすぎない点。
もし意思主義だというのであれば
民法で婚姻を法律上のものとして認識し
事実婚と区別していること自体が
憲法違反になってしまうでしょう。
でも、24条の意味が意思主義の規定ではないからこそ
民法が法律婚というシステムを導入していても
それ自体が憲法の問題になり得ることはない……と。
(ここまでは24条の解説で触れていると思いますよ。)
で、もう1つが
法律婚というシステムが妥当であっても
そこに何か条件を課すことが問題になり得る訳ですが
(例えば証人が1万人いないとだめなんてえのは
 そりゃあ問題だよ。)
今のところは2人の証人をつけるくらいは
婚姻を困難にするほど加重なものとは考えられてないということでしょう。
(こっちははっきり書いているのは見たことないけど。)
現実の運用では役場の(戸籍担当以外の職員が)届け出本人の確認をした上で
その場で証人になるってことがあるって聞いたことあるし
たまたま役場に別の用で来ていた人にお願いしたって例もあるやに聞いているし
証人を欠く届け出も受理してしまえば有効って判例もあるし……。

>731条~736条や739条2項なんかは、誰か他人に迷惑かけるかぁ?
>迷惑かけないんだったら、合理的な制約とはいえないんじゃないか?
>って気がしなくもないのです。

法律婚というシステムが是認される背景には
「婚姻関係の有無は法律上の利益に影響する」からこそ
それを公証する必要があると考えられているってことがある訳です。
で、この程度の制約では公証制度の実現のための
まさに合理的な制約であろう……と。

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Talk lisp at Tea room Lisp.gc .
c...@nn.iij4u.or.jp 佐々木将人
(This address is for NetNews.)
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ルフィミア「私のアンソロ本を書くって本当?」
まさと  「それ、微妙に間違っている……。」

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