In article <3e3c710a.7453%mg...@hotmail.com>, Naoya Kinjo <mg...@hotmail.com> writes
>投資家がいくつもの銘柄に分散投資するように、国家は多くの種類の人材に教育予
>算を分散投資すべきであろうと思う。
そうね、これくらいやっても良いと思うよ。
>提案:
>
>・中学校から無学年単位制を導入する。
>・全国標準学力基準を設ける。
>・ほとんどの教科について、資格試験合格による単位の代替を認める。
>・大学入学について、年齢制限を緩和し、13歳から入学できるようにする。
結構、硬直的な教育制度だってのが、この項目を見るとわかりますね。
>・転校を自由に認める。
私立はどうするんだろう?
>・チャータースクール制度を導入する。
これは良くわからないな。
---
Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus,
PRESTO, Japan Science and Technology Corporation
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科,
科学技術振興事業団さきがけ研究21(機能と構成)
教育に、もっと多様性を持ち込むべきだと言う意見は古くからあり、それ自体
に関しては私も同意見である。
しかし、多様性を持ち込むと言うことはそこに格差が発生すると言うことであり、
義務教育のあり方として、その格差をどのように捉えるかと言う問題は忘れる
べきではない。
現在は、公立の小中学校においては、その居住地域によって通学する学校
が決められており、公立学校に通う限りは学校の選択の余地はあまりない。
逆に、学校の選択の余地がないため、そこで行なわれる教育に大きな格差
があると大きな不公平を生んでしまう。それを防ぐために、教科書検定や学習
指導要領などによって学校を均質化し、不公平が生まれないようにしているの
が現行の制度である。
現在の公立学校による義務教育に多様性を持ち込むのならば、同時に生徒
による、学校の選択の自由を確保する必要があるだろう。
> ・大学入学について、年齢制限を緩和し、13歳から入学できるようにする。
> ・転校を自由に認める。
選択の自由を確保することは、好きな学校に自由に入れると言うことである。
しかしそれを行なえば、現在の大学のように、一流と呼ばれる一部の学校に
志望者が集中することになると思われる。
生徒を無制限に受け入れることは物理的に不可能であるため、入学試験に
よって生徒を選抜することになるだろう。
よって、義務教育を多様化すれば、必然的に志望者が集中する学校と、
志望者が集まらない学校が生まれ、学校の序列化と受験競争を激化させる。
# それが悪いと言っているわけではない。
> ・中学校から無学年単位制を導入する。
> ・全国標準学力基準を設ける。
> ・ほとんどの教科について、資格試験合格による単位の代替を認める。
現在、中学校は義務教育なので、成績が悪くても必ず卒業できる。
その為、代替の単位そのものを取る必要がない。
これは、今後は単位を取得出来ない者は、中学校の卒業資格を与えない
と言うことなのであろうか?
> ・チャータースクール制度を導入する。
> ・チャータースクールには独立型と非独立型の区分を作る。
> ・独立型チャータースクールにおいては、単位を取得した全国標準学力を満たして
> いるかどうか、厳しく吟味する。
これは、現在の中高一貫教育を売りにする私立の進学校とどこが違うのか?
> ・非独立型チャータースクールにおいては、芸術など、標準学力とは関わりの無い
> 分野についての教育を行わせる。非独立型チャータースクールに通う生徒たちは、
> 他の方法で全国標準学力基準を満たす単位を取得するか、資格試験での合格を持っ
> てそれに代えることになる。
現在でも、ダンスを学びながら大学受験資格検定をめざす専門学校は存在する。
それとも、フランスのバカロレアのような制度を想定されているのだろうか?
In article <b1nsf6$1d3r$1...@nwall1.odn.ne.jp>, "Lamia" <la...@yahoo.co.jp> writes
> 逆に、学校の選択の余地がないため、そこで行なわれる教育に大きな格差
>があると大きな不公平を生んでしまう。それを防ぐために、教科書検定や学習
>指導要領などによって学校を均質化し、不公平が生まれないようにしているの
>が現行の制度である。
均質化は先生が楽をするための制度であって、なんの役にも立ちません。
平等と同じは違うんだよ。
> よって、義務教育を多様化すれば、必然的に志望者が集中する学校と、
>志望者が集まらない学校が生まれ、学校の序列化と受験競争を激化させる。
># それが悪いと言っているわけではない。
じゃぁ、何が言いたいの?
> これは、現在の中高一貫教育を売りにする私立の進学校とどこが違うのか?
良いものには学ぶべきです。進学校だったら中高一貫がベスト。
小学生の時に、もっと多様なコースがあってもいいですよね。人は
あまってんだから。いろんな人を先生にしよう。
現在ほとんどの子供は、小学校は選択の余地の少ない公立に通っています。
そして、公立の小学校はどこに通っても大差なく、どこの小学校に通っても著
しい不利益を得ることはないというのが、公立に通う人の大方の意見でしょう。
# それが正しいかどうかは別として。
もし、小学校にも大きな格差があり、その選択によっては大きな不利益を受け
ることがあると言う認識が社会に広まれば、現在の教育行政は大混乱になりま
す。
劣っている小学校に通わなければならない子供は、優れた学校への入学を
求めて行政による学校の選択を不当だと訴えるでしょう。
確かに「平等と同じは違う」のであり、多様性を生みつつ、そこに格差を生じさ
せないような方法があると良いのですが、(児童に学校の選択の自由を与える
のもその一つ)、現実問題としてそれが実現困難であるため、同じにすることに
よって平等を実現しているのです。
> > よって、義務教育を多様化すれば、必然的に志望者が集中する学校と、
> >志望者が集まらない学校が生まれ、学校の序列化と受験競争を激化させる。
> ># それが悪いと言っているわけではない。
> じゃぁ、何が言いたいの?
落ちこぼれや不登校などの日本の義務教育が抱える問題は、これまで、受験
競争や詰め込み教育によるカリキュラムの難しさがその遠因になっていると言わ
れてきました。
その為、教育現場から競争を極端に排除し、カリキュラムをやさしくするような
「改革」が過去に行なわれてきたのです。
現在の義務教育の多様化や、その手法としてのチャータースクール制度の導
入も、これまでの「改革」の延長として受験競争の緩和や、不登校や学級崩壊
などの勉強できない子供への対策として考えられている部分があります。
しかし、生徒の格差を認めること無しに義務教育の多様化やチャータースクール
制度を導入しても、出来ない子供に対する対策としてはあまり機能しないでしょう。
# むしろ、出来る子を伸ばすには、役に立つシステムだと思うが。
> > これは、現在の中高一貫教育を売りにする私立の進学校とどこが違うのか?
> 良いものには学ぶべきです。進学校だったら中高一貫がベスト。
チャータースクールが典型的なのですが、適度な競争を教育現場に持ち込み、
生徒の格差を認めることが出来るのならば、なにもチャータースクールのような
屋上屋を架す必要はありません。現在も、公立にはない独自の教育を売りにする
私立学校はいくつもあり、それらへの援助を増やすだけで十分です。
義務教育の多様化にしても、小学校のクラス編成を学習進度別に大胆に振り
分けることにして、規定の進度に達しているクラスには校外学習などのゆとりを
生かした学習をおこない、達していないクラスは補習を行なうようにするだけで、
特に教師を増員しなくても多様性と問題児への対策を両立させることはできる
はずです。
# これだけでも、学級崩壊をかなり抑制できると思う。
> 小学生の時に、もっと多様なコースがあってもいいですよね。人は
> あまってんだから。いろんな人を先生にしよう。
私の意見としては、現在の小学校の授業が多様でないのは、教師が足りない
のではなく、できる子とできない子を振り分けて、そこに格差をつけることが出来
ないことが最大の原因だと思います。
(生徒を振り分けるようにすれば、当然、教育現場での競争は激化します。)
この原因をそのままにしたままでは、多様な人を教師にしてもそれを生かすこと
は難しいと思います。
まさか、「転校の自由を認める」っていう通達を出すだけですべて解決する
と考えられているのではありませんよね。
ほとんど大人と呼べる大学生と違って、小中学生の場合は遠距離通学や
親元を離れて生活するのに大きな困難を伴います。
また、そのような遠方の学校に通う場合の経済的な負担も無視できません。
「隣の校区の小学校に通うことができる」程度の選択の自由ならば、ほとん
ど選択の余地がないのと同じです。
私は、現在の予備校がやっているような、「すぐれた授業の通信回線による
配信」などの手法を用いて、現在の学校に通いながら多様な選択を行なえる
システムの構築が必要だと思います。
> また、公立の学校が平等の実現に重点をおきすぎている
> ため、エリート教育が裕福層に独占されがちであるとい
> う点も考慮しなければならないでしょう。
だからこそ、
「金持ちは遠方の優れた学校に子供を転校させ、貧乏人は近所の学校で
我慢する」
みたいなシステムを作るわけにはいかないでしょう。
> > チャータースクールが典型的なのですが、適度な競争を教育現場に持ち込み、
> > 生徒の格差を認めることが出来るのならば、なにもチャータースクールのような
> > 屋上屋を架す必要はありません。現在も、公立にはない独自の教
> > 育を売りにする
> > 私立学校はいくつもあり、それらへの援助を増やすだけで十分です。
>
> それは私立学校のチャータースクール化ということで、
> 私の意見と大差ありませんね。
というか、現在チャータースクールとして提案されている物のほとんどは、私立
学校や専門学校として既にあるものがほとんどです。
しかし現実にある私立学校は、様々な問題も抱えており、「全ての学校を私立
学校にすれば教育問題は解決する」とはとてもいえないのが現状です。
# 金がかかるので、富裕層しか通えないのもその一つ
それらの問題を解決することができない限り、チャータースクールも現在の私立
学校、専門学校以上のことは出来ないでしょう。
# 単に名前を変えて、目新しくしただけに終わる可能性が高いと思います。