小笠原です。
ちょっとばかり体がしんどいので、気分転換に印刷ネタのトレンドをい
くつか。
1. Ubuntu Natty にてバイナリプリンタドライバ自動ダウンロード対応
The Linux Foundation のワーキンググループである OpenPrinting
(
http://www.openprinting.org) でやっている活動の一つで、ディストロ
には入れられないベンダー製のドライバをリポジトリにおいて、それを
実行時にダウンロードするというプロジェクトがあるのですが、この機能
を最初に搭載するのが Ubuntu 11.04 ということになっています。
とはいえ、当初、日本のユーザーに恩恵があるのは、多分 Avasys 社
のリリースするエプソンのプリンタ群だけかと思われます。
あとこのプロジェクト自体、例えば RH の Tim Waugh なんかは否定
的ですし(他のドライバはどれもそんなことをやっていないのに、なぜ
プリンタだけ? パッケージングシステムとの整合性はどうする?
などなど)、みんなが幸せになる道が開けるかどうかはわかりませんが、
ベンダーはプロプラでやりたくて、ディストロはフリーでいたくて、
ユーザーはつないですぐ使いたいというなら、こういうやり方もアリ
かなと。
技術的詳細など詳しくは OP のマネージャである Till Kamppeter
によるこのメールとそこにあるリンクをご覧ください。
https://lists.linux-foundation.org/pipermail/printing-architecture/2011/002192.html
2. 2011 年 GSoC、OpenPrinting のテーマ募集
毎度おなじみ GSoC 2011
http://socghop.appspot.com/gsoc/program/home/google/gsoc2011
に、OpenPrinting として何を出そうか、ってアイディアを募集してるようです。
https://www.linuxfoundation.org/collaborate/workgroups/gsoc/2011-gsoc-printing-projects
もちろん一番の注目株は CPD (分からない人は私のブログ参照) ですが、
「Vendor WIN32 driver made available to Linux applications」なんての
にぴぴっと来る人もいるんじゃないですか?
Windows のドライバはユーザーインタフェースを提供するモジュールと、
Windows GDI から呼ばれてプリンタ言語を生成するモジュールに別れ
てるんですが、前者を WINE で動かし、後者を大昔に Novell が作って、
そのまま放置されてる ddiwrapper
http://www.novell.com/products/linuxpackages/opensuse/ddiwrapper.html
というもので動かしちゃおうという作戦。
まあこのテーマ、去年も上げられててボツってるんですけどね……。
3. CUPS Native Avahi 対応
ネットワーク内にある Bonjour 対応のプリンタを探してくれて、
自動でインストールしてくれる仕組みってのはこれまでもあった
のですが、avahi daemon に依存してたのを、RH の Tim Waugh
がネイティブ実装して 1.4 系へのパッチを投稿して、それを Till が
Debian/Ubuntu のにも取り込んだ、という。
正直うれしさがぼく自身はわかってなかったりしますが (^^;)、
まあ、そういうことがありましたよと。これはもう一月ぐらい前の
話かな?
4. CUPS 1.5 trunk tarball 公開
CUPS 1.5 のスケジュールは私自身は把握してませんが、ここに
来て trunk の Development Snapshot が頻繁にリリースされて
います。最新は 2/19 付けのこれ。
http://www.cups.org/articles.php?L610
ヘタすると Mac 以外ビルド通らないとかあるかもしれないので、
*BSD や Solaris 使いの人はそろそろ試してみてもいいかも。
あんまり新鮮味はありませんけど、まあ、ぼちぼち進んでますよ、
ということで。
では。
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Naruhiko Ogasawara (
nar...@gmail.com)