印刷関係ニュース色々

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Naruhiko Ogasawara

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Feb 21, 2011, 5:20:00 AM2/21/11
to フリーデスクトップ印刷友の会
小笠原です。

ちょっとばかり体がしんどいので、気分転換に印刷ネタのトレンドをい
くつか。


1. Ubuntu Natty にてバイナリプリンタドライバ自動ダウンロード対応

The Linux Foundation のワーキンググループである OpenPrinting
(http://www.openprinting.org) でやっている活動の一つで、ディストロ
には入れられないベンダー製のドライバをリポジトリにおいて、それを
実行時にダウンロードするというプロジェクトがあるのですが、この機能
を最初に搭載するのが Ubuntu 11.04 ということになっています。

とはいえ、当初、日本のユーザーに恩恵があるのは、多分 Avasys 社
のリリースするエプソンのプリンタ群だけかと思われます。

あとこのプロジェクト自体、例えば RH の Tim Waugh なんかは否定
的ですし(他のドライバはどれもそんなことをやっていないのに、なぜ
プリンタだけ? パッケージングシステムとの整合性はどうする?
などなど)、みんなが幸せになる道が開けるかどうかはわかりませんが、
ベンダーはプロプラでやりたくて、ディストロはフリーでいたくて、
ユーザーはつないですぐ使いたいというなら、こういうやり方もアリ
かなと。

技術的詳細など詳しくは OP のマネージャである Till Kamppeter
によるこのメールとそこにあるリンクをご覧ください。

https://lists.linux-foundation.org/pipermail/printing-architecture/2011/002192.html


2. 2011 年 GSoC、OpenPrinting のテーマ募集

毎度おなじみ GSoC 2011

http://socghop.appspot.com/gsoc/program/home/google/gsoc2011

に、OpenPrinting として何を出そうか、ってアイディアを募集してるようです。

https://www.linuxfoundation.org/collaborate/workgroups/gsoc/2011-gsoc-printing-projects

もちろん一番の注目株は CPD (分からない人は私のブログ参照) ですが、
「Vendor WIN32 driver made available to Linux applications」なんての
にぴぴっと来る人もいるんじゃないですか?

Windows のドライバはユーザーインタフェースを提供するモジュールと、
Windows GDI から呼ばれてプリンタ言語を生成するモジュールに別れ
てるんですが、前者を WINE で動かし、後者を大昔に Novell が作って、
そのまま放置されてる ddiwrapper

http://www.novell.com/products/linuxpackages/opensuse/ddiwrapper.html

というもので動かしちゃおうという作戦。

まあこのテーマ、去年も上げられててボツってるんですけどね……。


3. CUPS Native Avahi 対応

ネットワーク内にある Bonjour 対応のプリンタを探してくれて、
自動でインストールしてくれる仕組みってのはこれまでもあった
のですが、avahi daemon に依存してたのを、RH の Tim Waugh
がネイティブ実装して 1.4 系へのパッチを投稿して、それを Till が
Debian/Ubuntu のにも取り込んだ、という。

正直うれしさがぼく自身はわかってなかったりしますが (^^;)、
まあ、そういうことがありましたよと。これはもう一月ぐらい前の
話かな?


4. CUPS 1.5 trunk tarball 公開

CUPS 1.5 のスケジュールは私自身は把握してませんが、ここに
来て trunk の Development Snapshot が頻繁にリリースされて
います。最新は 2/19 付けのこれ。

http://www.cups.org/articles.php?L610

ヘタすると Mac 以外ビルド通らないとかあるかもしれないので、
*BSD や Solaris 使いの人はそろそろ試してみてもいいかも。


あんまり新鮮味はありませんけど、まあ、ぼちぼち進んでますよ、
ということで。

では。
--
Naruhiko Ogasawara (nar...@gmail.com)

Naruhiko Ogasawara

unread,
Apr 1, 2011, 3:43:11 AM4/1/11
to フリーデスクトップ印刷友の会
小笠原です。
特に反応はありませんが、連載っぽく続けます。


1. Ubuntu Natty にてバイナリプリンタドライバ自動ダウンロード対応(続報)

前にご報告したこの件、もう多くの方がご存知と思いますが、この件、
EPSON さんと Avasys さんからニュースリリースが出ていて、

http://www.epson.jp/osirase/2011/110331.htm
http://avasys.jp/product/linux_driver/news/2011/03/news00050.php

これを受ける形でマイコミジャーナルが取り上げてますね。

http://journal.mycom.co.jp/news/2011/03/31/034/


次に注目すべきは、

- 他のディストロが追随してくれるか
- 他のベンダーはどうするか

ですねえ。正直どっちもかなりハードルが高いと見ているのですが。
というのも、あくまでもぼくの感触ですが、

- OpenPrinting のマネージャー Till Kamppeter は Ubuntu の印刷
コンポーネントのメンテナーなので、Ubuntu にはこういう変更を入れ
やすいが、RH なんかはこのやり方に割と否定的
# プリンタドライバ以外はそんなことやってないだろ? とか昔言ってた

- Avasys は資本関係があるとはいえ EPSON 本体ではないので、
ベンダ本体に比べるとフットワークが軽いからこそできたんでは(想像)

ってことがあるからです。


2. HP、Google Cloud Print に対応したプリンタを発表

まぁ厳密にはデスクトップじゃないですけど、個人向けUXということで。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1104/01/news023.html
http://www.hp.com/united-states/campaigns/hp-eprint-google-cloud-print/

試してみたいから、だれかぼくに OfficeJet 買ってください(うそ

Naruhiko Ogasawara

unread,
Apr 6, 2011, 9:03:05 PM4/6/11
to フリーデスクトップ印刷友の会
小笠原です。
一点、事実と異なる、誹謗ともなりかねないことを書いていたので訂正。

> 1. Ubuntu Natty にてバイナリプリンタドライバ自動ダウンロード対応(続報)
<snip>
> - OpenPrinting のマネージャー Till Kamppeter は Ubuntu の印刷
> コンポーネントのメンテナーなので、Ubuntu にはこういう変更を入れ
> やすいが、RH なんかはこのやり方に割と否定的
> # プリンタドライバ以外はそんなことやってないだろ? とか昔言ってた

たしかにそういう発言を昔 Tim Waugh がしていて、PackageKit に
プリンタの ID を送信して適切なドライバをインストールする仕組みを
構築するような動きがあったのは事実ですが、では今回の動きに
RH が非協力的かというとそれは違います。

先に紹介した Till のメール:

https://lists.linux-foundation.org/pipermail/printing-architecture/2011/002192.html

からスレッドを追っていただければ分かるんですが、この仕組みって
Jockey と System-Config-Printer (以下 scp) に手を入れて実現し
ています。
んで scp についての改造は RH の Tim Waugh が協力しています。
scp は twaugh の RH での業務の一環なので、そういう意味で、
このプロジェクトに RH は「協力」しているわけです。

ただし、これは直接、RH 系ディストリビューション (つまり Fedora)
にこの仕組みが入ることを意味しているわけではありませんが。
ということで、今後に注目する必要があることには変わりありません。


なお誤解がときおりありますので補足しておきます。

「今の Ubuntu だって USB や Bonjour のプリンタ見つけると適切
なプリンタドライバー見つけてくるじゃない? 何が変わるの?」

と思われる方もいるようなのですが、大きく違うんです。


CUPS ベースの印刷シナリオでは、プリンタドライバーというのは、
次の二つの組み合わせです。

1. CUPS 用 PPD (機種ごとの情報、設定項目などを持つ)
2. PDL フィルタ (印刷用データ (PDL) を生成する)

2. は印刷の中間データ形式 (PS または PDF) から、プリンタが
取り込んで印刷できるデータに加工するものです。
著名なものとしては:

- なし (プリンタが PS を処理できる場合)
- Ghostscript (FLOSS の PS インタプリタ、PCL などのメジャー
なプリンタ言語への変換エンジンを持つ)
- Gutenprint (主に IJ をターゲットとしたFLOSSプリンタドライバ。
EPSON などのプリンタを中心に活動している)
- HPLIP (HP 謹製の印刷システム)

などがあり、これらはフリーなので大抵のディストリビューションが
すでにパッケージとして取り込んでいます。

今まで可能だったのは、2. がインストールされているものに対し、
適切な 1. をインストールするという仕組みだったのですが、今回
の仕組みで「ベンダーが作った 1 + 2 の組み合わせのパッケージ
を自動ダウンロードできるようになった」のが大きな違いです。

つまりバイナリドライバであるフィルタを対象とするかどうかが大き
な違いだというわけですね。
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