昨日の投稿「WebアプリケーションとAndroid」の補足です。
> HTML5の全機能が、Androidでも利用できるようになるとき、AndroidのWebアプリの
> 開発は、新しい段階に入ると思います。
少し説明不足だったかもしれません。
Androidのブラウザは、Chromeと同じくWeb Kitを使っています。そのことから、
両者は、機能的にはほぼ同じだろうという印象を持っている人も少なくないと思います。
ただ、HTML5への対応という点では、そうではないのです。
ブラウザのHTML5対応を簡単にチェックできる便利なサイトがあります。
http://html5test.com/ というサイトです。
お使いのブラウザに、このURLを入れて少し待つと、HTML5への対応状況を
項目ごとにチェックして、結果を点数で表示してくれます。たいていの皆さんは、
PCとAndroidをお持ちでしょうから、是非、両方のブラウザで、お試しください。
ちなみに、僕のPCのChromeブラウザは、329点でした。
僕のAndroidは、184点でした。ずいぶん、点数違いますでしょう。
このサイトの http://html5test.com/results.html
に、各デスクトップのブラウザの点数がまとめられています。
さすが、Chromeは、一番の点数をたたき出しています。
Google Chrome12.0.742 327 点
Opera11.50 296 点
Mozilla Firefox5.0 286点
Apple Safari5.0.5 253点
Microsoft Internet Explorer9 141点
同じく、http://html5test.com/results-mobile.html
には、携帯端末上のブラウザのHTML5対応の状況がまとめられています。
これを見ると、Android2.3のブラウザが、携帯ブラウザの中では、
HTML5対応が「遅れた」部類に入ることがわかります。OperaやFirefoxやiOSを見ると、
PCブラウザと携帯ブラウザとの差は、Googleほど、大きくないこともわかります。
MeeGo 1.2 Nokia N9 and N950 283点
BlackBerry OS 7 BlackBerry Bold 9900 and others 277点
Opera Mobile 11.10 Multiple platforms 269点
Firefox Mobile 5 Multiple platforms 249点
iOS 4.2 & 4.3 Apple iPhone and iPod Touch 217点
webOS 2.1 Palm Pre Plus, Pre 2 189点
Android 2.3 Google Nexus S and others 184点
Bada 1.2 Samsung Wave S8500 and others 178点
Windows Phone 7 HTC HD 7, LG Optimus 7, Samsung Omnia 7 and others 25点
> ただ、いずれ、AndroidにChromeが載るようになると、
> 僕は思っています。
では、どうしてそう思ったのか?
最大の理由は、Google製品の、こうした分裂した状況は不自然だと言うことです。
携帯ブラウザのHTML5対応でも、各社がしのぎを削っているだけに、なおさらです。
ただ、一つ期待していい兆候はあります。
http://html5test.com/results-tablets.html
に、タブレット上のブラウザのHTML5対応のまとめがあります。
RIM Tablet OS 1 BlackBerry PlayBook 274点
webOS 3 HP TouchPad 229点
Android 3.1 Motorola Xoom, Samsung Galaxy Tab and others 222点
iOS 4.2 & 4.3 Apple iPad 217点
Android2.3が184点だったのに対して、Android3.1は、222点です。
明らかに、タブレット版のAndroidブラウザは、改善されています。
こうした改善が携帯側で利用できるようになるのは、Androidの次のバージョン
IceCreamからになるのですが、その時に、更なる進化が起きるだろうことに
僕は期待しています。
(ここでも、RIMやwebOSといった「後発部隊」が、がんばっていますね。)
(きっと、「中の人」、がんばっているんでしょうね。)
(なんでも、GoogleやAppleが一番になるとは、限りません。)
ちょっと古いですが、Android端末別のベンチマーク表にまとめています。
http://jp.droidget.com/mobile-5/html5
RIM(BlackBerry)がHTML5対応が早いのは、TouchMobileを買収して、WebKitの
チームを強化したのが要因ですね。人員リソースさえあれば、HTML5はどんどん
対応してくるのではと思います。
http://www.torchmobile.com/
それと、最近だとFirefox Betaで、WebGLも動くようになってきていますよ。
Android NDKのおかげてThird PartyのブラウザというのもAndroidでは選択肢に
なってきていると思います。
Firefox on AndroidでWebGL
http://www.youtube.com/watch?v=jEThgmFPaEM
よろしくお願いします。
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株式会社GClue ( http://www.gclue.com )
代表取締役
佐々木 陽 ( ak...@gclue.jp )
〒965-0818
福島県会津若松市東千石二丁目1番14号 早川ビル1F
TEL/FAX:0242-85-7400
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2011/8/11 fujio maruyama <fujio.m...@gmail.com>:
> --
> このメールは Google グループのグループ「日本Androidの会」の登録者に送られています。
> このグループに投稿するには、android-g...@googlegroups.com にメールを送信してください。
> このグループから退会するには、android-group-j...@googlegroups.com にメールを送信してください。
> 詳細については、http://groups.google.com/group/android-group-japan?hl=ja からこのグループにアクセスしてください。
>
>
Androidのブラウザは、Chromeと同じくWeb Kitを使っています。そのことから、
両者は、機能的にはほぼ同じだろうという印象を持っている人も少なくないと思います。
ただ、HTML5への対応という点では、そうではないのです。
> ただ、いずれ、AndroidにChromeが載るようになると、
> 僕は思っています。
では、どうしてそう思ったのか?
最大の理由は、Google製品の、こうした分裂した状況は不自然だと言うことです。
携帯ブラウザのHTML5対応でも、各社がしのぎを削っているだけに、なおさらです。
Android2.3が184点だったのに対して、Android3.1は、222点です。
明らかに、タブレット版のAndroidブラウザは、改善されています。
こうした改善が携帯側で利用できるようになるのは、Androidの次のバージョン
IceCreamからになるのですが、その時に、更なる進化が起きるだろうことに
僕は期待しています。
> ちょっと古いですが、Android端末別のベンチマーク表にまとめています。
> http://jp.droidget.com/mobile-5/html5
Androidの端末間でも、細かな違いがあるんですね。
気づいていませんでした。
> RIM(BlackBerry)がHTML5対応が早いのは、TouchMobileを買収して、WebKitの
> チームを強化したのが要因ですね。人員リソースさえあれば、HTML5はどんどん
> 対応してくるのではと思います。
> http://www.torchmobile.com/
そうですね。
つい、Googleに出来ないことはないと思ってしまうのですが。
それは、ある種の「Google信仰」みたいなものなのかもしれません。
Nokiaにしても、ビジネスでは、MeeGoに芽はないと思っていたのですが、
携帯ブラウザじゃ、Androidに圧勝ですね。
2011/8/11 Sasaki, Akira <ak...@gclue.jp>:
村岡さん、いろいろ情報、ありがとうございました。
若松さんの資料も拝見しました。Androidでは、JavaScriptで
、ジェスチャー・イベント拾えないこと、知りませんでした。
> HTML5アプリケーションは一つのソースが全てのWebブラウザで同様に動作することが理想でそれを前提に開発すべきです。
そのとおりですね。この指摘は、重要だと思います。
Webアプリという手法自体が、全てのWebのブラウザが、端末間の差異を吸収して、
同一の動作をするという前提で成り立ってきたものです。
> Webアプリ製品をリリースする場合、このようなケース対応するには、Webアプリが対応するAndroidの機種を限定するか、全Android端末(同端末でもOS更新前と後の状態)上で動作検証をする必要があり、かなり厳しいなと感じています。
そうした意味では、AndroidのブラウザのHTML5を利用して、Webアプリを作ろうという
アプローチは、現状では、まだまだ乗り越えるべき課題が多いと言うことだと思います。
> ボクは、この状況が発生している原因の一つに、Android CDDの 3.4.2 Browser Compatibility
> の定義が非常に緩いという点があると考えています。
これも、重要な指摘かもしれないですね。
残念ながら、僕自身は、このドキュメントちゃんと読んだことがありません。
勉強してみます。いろいろ、教えてください。
AndroidのHTML対応については、HTML5のコミュニティと、いろいろ交流していくことが
重要だと考えています。白石君とは、昔からの友人ですし。今後とも、よろしくお願いします。
いずれにしても、AndroidのWebアプリ化は、いろんな湯世曲折はあっても、ある種の
必然的な力で進むものだとも考えています。
2011/8/11 村岡正和 <bathti...@gmail.com>:
村岡さん、いろいろ情報、ありがとうございました。
若松さんの資料も拝見しました。Androidでは、JavaScriptで
、ジェスチャー・イベント拾えないこと、知りませんでした。
> HTML5アプリケーションは一つのソースが全てのWebブラウザで同様に動作することが理想でそれを前提に開発すべきです。
そのとおりですね。この指摘は、重要だと思います。
Webアプリという手法自体が、全てのWebのブラウザが、端末間の差異を吸収して、
同一の動作をするという前提で成り立ってきたものです。
> Webアプリ製品をリリースする場合、このようなケース対応するには、Webアプリが対応するAndroidの機種を限定するか、全Android端末(同端末でもOS更新前と後の状態)上で動作検証をする必要があり、かなり厳しいなと感じています。そうした意味では、AndroidのブラウザのHTML5を利用して、Webアプリを作ろうという
アプローチは、現状では、まだまだ乗り越えるべき課題が多いと言うことだと思います。
これも、重要な指摘かもしれないですね。
> ボクは、この状況が発生している原因の一つに、Android CDDの 3.4.2 Browser Compatibility
> の定義が非常に緩いという点があると考えています。
残念ながら、僕自身は、このドキュメントちゃんと読んだことがありません。
勉強してみます。いろいろ、教えてください。
AndroidのHTML対応については、HTML5のコミュニティと、いろいろ交流していくことが
重要だと考えています。白石君とは、昔からの友人ですし。今後とも、よろしくお願いします。
いずれにしても、AndroidのWebアプリ化は、いろんな湯世曲折はあっても、ある種の
必然的な力で進むものだとも考えています。
> ご指摘の通りAndroidでもWebアプリは必然的に重要になってくると考えています。
そうなんですよね。
ただ、僕自身は、昔は、Webアプリが嫌いでした。
今では、基本的には、Webアプリへの道は、止まらないだろうと考えているのですが。
まあ、Webアプリ派に、「転向」した訳です。
その辺の経緯を、昔、まとめたことがあります。
「エコ・システムとしての Web。あるいは、HTTP の呪縛」
http://maruyama.cloud-market.jp/download/spell.pdf
という文章です。
タイトルからもわかるのですが、かつて、僕は、Webをネットワーク技術に
とっての「呪縛」だと感じていた時がありました。暇なときにでも、読んででみてください。
数年前に、GoogleのLaboに遊びに行ったのですが、研究所の壁に
「君は、ブラウザが、今より100倍速くなったら、何をするか?」
というポスターが貼ってあって、ちょっと刺激を受けました。
(早くなるのは、ブラウザだけじゃ無いだろうとも思ったのですが)
FaceBookに、震災からの復興を目指す、Tohoku Smart Association(TSA)
というグループがあるのですが、そこで、佐々木陽さんが、次のような情報を
提供しています。
NvidiaによるとTegra3(Kal-el)はTegra2の5倍、2012年は10倍、
2013年は50倍、2014年に100倍、将来的に25,000個のGPUコアを搭載。
Tegra3でCPU4個、GPU 12個。
情報のソース、ネットで調べたら見つけました。
Mobile World Congress (MWC)で発表された、TegraのRoadmapですね。
http://blogs.nvidia.com/2011/02/tegra-roadmap-revealed-next-chip-worlds-first-quadcore-mobile-processor/
Androidのブラウザ、2-3年後には、スピード100倍になるかもしれません。
AndroidのWebアプリ化は、やはり、確実に進むと思います。
2011/8/15 村岡正和 <bathti...@gmail.com>:
皆様のご意見に触発され、拙文少々したためさせていただきました。
私も、HTML5によるWEBアプリ化は意外と早く進むと思っています。
すこし、WEBアプリ化後の世界を想像してみます。
作り手からみたHTML5の魅力は、
(1)Android、iPhone、WindowsPhoneどのプラットフォームでも稼動する。
(2)特にiPhoneで多いrejectを回避できる。
(3)アプリバグをサーバサードのバージョンアップで解決できる。
といったところでしょうか、
逆にデメリットとしては、
(1)Browserアクセスになると課金が困難。なんらかの制御が必要。
(2)通信圏の制約。オフラインでどこまで動かせるか?の技術力が問われる。
といったところでしょうか。
WEBアプリのContentsProviderを、企業と個人に分類した場合、
恩恵をうけるのは、企業の方かもしれません。
というのも、企業は、アプリそのものの課金でマネタライズを狙うわけではなく、
アプリをサービス提供の一つのチャネルにしかしていないので、
アプリ課金が困難というデメリットはまったく問題ないからです。
また、企業アプリで思いつくのが、
旅行予約、銀行取引、証券取引、書籍購入・・・などなど。
いずれもオンラインを前提としているのが企業のWEBアプリです。
通信圏の制約は、WEBアプリだろうとAndroidアプリだろうと一緒です。
というわけで、プラットフォーム超越で多数のユーザーにアプローチしたい、
さらにタイムリーなアプリ変更をサーバーサイドで行いたい、という企業が
HTML5推進の主役になる。と、考えています。
昨晩、日テレ深夜番組で、iPhoneにrejectされてしまった
「いっしょにとれーにんぐ」が紹介されていました。
https://market.android.com/details?id=com.moonage.iTraining&feature=search_result
こういうアプリやが、HTML5でiPhoneに再上陸する日がくるのでしょうか。
こういう現象を、人は何と呼ぶのか、それもまた楽しみです。
「AndroidとHTML5」については興味深くwatchしているのですが、
素朴な疑問が頭から離れません。
Androidの標準ブラウザを、OSバージョンとは関係なくバージョン
アップできないのだろうか?という疑問です。
あれだけOSとブラウザは一緒くただよと言ってたマイクロソフト
でさえIEのバージョンアップはしてきたのですから、美しいAndroidで
それができないとは到底思えません。
googleは、PC分野でブラウザ種類とバージョンがあふれ返った現状がどれだけ
悲惨かをよく分かっていると思うのですが、Androidのブラウザに関しては
全く知見が生かされてないように思います。
この問題を解決せずして、AndroidのHTML5の未来はありえないと思うの
ですがどうでしょうか。
その辺の経緯を、昔、まとめたことがあります。
「エコ・システムとしての Web。あるいは、HTTP の呪縛」
http://maruyama.cloud-market.jp/download/spell.pdf
という文章です。
タイトルからもわかるのですが、かつて、僕は、Webをネットワーク技術に
とっての「呪縛」だと感じていた時がありました。暇なときにでも、読んででみてください。
数年前に、GoogleのLaboに遊びに行ったのですが、研究所の壁に
「君は、ブラウザが、今より100倍速くなったら、何をするか?」
というポスターが貼ってあって、ちょっと刺激を受けました。
(早くなるのは、ブラウザだけじゃ無いだろうとも思ったのですが)
Androidのブラウザ、2-3年後には、スピード100倍になるかもしれません。
AndroidのWebアプリ化は、やはり、確実に進むと思います。